スタッフレビュー一覧
店頭スタッフが様々な商品をご紹介
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
beyerdynamic
DT 1770 PRO (250 Ohm)
¥95480 税込
優秀な分解能をもつ堅牢なモニターヘッドホン
ボーカルが少し遠めですが全体のセパレーションが優れているモニター設計のヘッドホン。低域が深いところまでグッと入ってくるので、モニターヘッドホンといえど、ホール感の強いボーカルを味わいながらカッコよくエネルギッシュに聴ける密閉型ヘッドホンだと思います。特に左右のセパレーションが秀逸でした。 耳をすっぽりと覆ってくれる大きさであることと、クッションが厚めでドライバーユニットから耳まで距離をとっているのも快適感を強めてくれます。私の頭では側圧も強いと感じませんでした。 重心は若干低いですが音場形成は良くできており、開放的ではないながらも楽曲の定位や密度感をじっくりと楽しめます。スピーカーで鳴らした時との差異が少なくなるような調整という印象でした。 ハイハットなどの高音の質感については、刺さらないように丸くなっているように感じました。そのおかげで刺激は少なめで長時間のリスニングでも曲の構成をしっかりモニターし続けられます。音の芯がしっかりしているので、その分ウィスパーボイスなどの高い声の帯域の表現は言葉通りのささやくという印象からはズレてしまうかなと感じました。 ハウジングにある製品名がワンポイントデザインとなっておしゃれ。ハウジングを支えるアームですら業務用の無骨さもありながら、綺麗なヘアライン仕上げが高級感を感じます。 ケーブル二種とセミハードケース、二種類のイヤパッドが付属しており充実したアクセサリなのも好印象。レザーとベロアのイヤパッドがあり、なかでもベロアにすることでアタックは弱めになり、先述の遠かったボーカルが少し近づきました。質感はよりウェットになり重心も少し上がったので、ベロアの方がバランスよく聴こえてきます。イヤパッドでも面白いほど印象が変わるので、一台で二度おいしいヘッドホンです。 試聴環境 CH-AMP with Tradutto RS6 PAW GOLD TOUCH
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N7【SPK-A003】
¥272220 税込
1-bit DSD DACなど高い技術レベルが、最高の音質を実現したサブフラッグシップモデル
音の存在感をとにかくクリーンにリラックスしながら楽しみたい方にオススメの逸品。実在感がハンパないです。やりすぎない演出力と、病みつきになる表現力のおかげで、楽曲ジャンルを問わない音質とデザインの両面から考えるとすれば、フラッグシップであるN8iiよりも上かもしれません。 本作のCayin N7はこれまでの芳醇で豊かな音楽を作り出してきた同社の音楽的センスと、技術的ノウハウがしっかりと詰め込まれている素晴らしい完成度の音楽プレイヤーだと思いました。注目を集める新DACはもちろん、その他回路構成や設計のひらめきは同社の製品カテゴリーを越えた集大成と言えるでしょう。 再生時間は約10時間、他サービスも利用できるように独自のカスタマイズを施されたAndroid12とSnapdragon 665に4GbのRAMでストレスフリーな操作性。大画面の液晶と大型の高精度ボリュームはだいぶ扱いやすく、丸みのあるフレームはしっかりと手に馴染みます。背面のポリゴンデザインはこれまでの同社製品には無かった洒落っ気を感じます。 本国では日本以上に「7」という数字を特別な時に使うそうなので、本作のN7は普段の製品とは一味違うのだという表れなのかもしれません。しばらく連続で音楽再生をしていましたが、発熱はほとんど感じられず、付属の専用ケースに入れても背面に廃熱用の隙間がある事からじんわりと熱を感じる程度でしたので、安心して使っていけそうです。 カタログスペックや製品詳細から、フルディスクリート設計でないと到達できないクオリティに技術者が悩み、手間暇をかけた余念のない製品である事が窺えます。 ALL to DSDとあったので最初は、音に丸みがあっていい意味でにじみのある柔らかなサウンドになるから楽曲の相性とかでそうだなと思いながら聴いたのですが、ところがどっこい、厚みと輪郭もしっかりとしたサウンドで余計なノイズ無くオールジャンル聴かせてくれて驚きました。 一聴目が宇多田ヒカルさんのFirst Loveだったのですが、重くしっとりとした空気感とそこに溶けるような宇多田ヒカルさんのボーカルが、高いコントラストで同居した表現に目を見張るならぬ耳を見張りました。思わず「ふふっ」とにやけてしまいます。どちらも際立つというのでしょうか。楽曲を構成しているどれもが際立つという印象。主張があるのに丁寧で優しく感じます。それがそこらじゃ体感できない生々しいサウンドへと昇華されているのです。 フラッグシップの特徴にもあった空間的な奥行きも当然ながらありました。低めのボリュームでも高めのボリュームでもしっかりと感じ取れるのでアンプ部やプレミアムセラミックコンデンサーなどの優秀さが本当に沁みいります。 試聴時に恩恵を特に感じたのは上原ひろみさんのムーヴでした。メンバーたちの演奏が細かいところまで描写されていて、微妙な音色の変化をスムーズに鳴らしてくれたので、新しい表現を発見することができ身震いしました。 手に取れるような近くで弾いてくれているかのようなはっきりとしたディティールがあるのに、演奏全体の熱量も脳裏にはっきりと浮かばせてくれる凄味は卓越した音階表現のおかげでしょうか。絶妙なチューニングだと思います。 複数の要素が絶妙に織り交ぜられた、心地よく音楽に没頭できるプレイヤーでありながらワイヤレス製品各種との接続や、Bluetooth DAC、USB DAC、プリアンプ機能と拡張性も高く、オーディオ製品を向上させると、どんな世界が広がるのかをじっくりと味わえる最高の製品だと思います。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iBasso Audio
SR3
¥71820 税込
惹き込まれるボーカルと丁寧な楽器表現をしてくれるブレないヘッドホン
耳を覆うオーバーイヤー型らしさで構成された大型な開放型ヘッドホンSR3。 ガンメタで重々しい印象を受けるヘッドホンですが、装着してみるとイヤパッドのクッション性の高さと、頭を覆うように柔らかくフィットするヘッドバンドのおかげで快適な装着感だったのが良い意味で裏切られました。 三作目となる同社のヘッドホンだからか、頭頂部に触れるヘッドバンド部分がスウェード素材となっているところや、イヤパッドがメッシュ加工だったり、パッド形状が前後ろの高さが非対称であることでより顔にフィットするよう工夫がなされていることに、これまでのヘッドホン作りが生きていると感じます。 密着性がしっかりと確保されながらも痛いほど強い側圧でなく、音楽に集中できる適度さが好印象でした。長時間のリスニングで体勢を変えたとしてもズレないのは嬉しいです。 音質は極めて鮮烈で、クリアなサウンドでした。ガチャつきづらく、ひとつひとつのディティールを丁寧に表現してくれます。左右のレンジも広めで空間への響きが溶けていく感じも綺麗です。エッジがきつい印象はなく気持ちよく伸びます。 低域は若干控えめですが小気味良く鳴ってくれるおかげで、ピアノの伸びやかさやギターの旋律に耳を傾けながらも、安定感のあるベースや存在感のあるサックスのどちらもしっかりと聴こえてきます。 どちらかといえば立ち上がりがしっかりとしつつ、少しクールで硬めな印象を受けたのでクラシックなサウンドよりも、モダンなサウンドの方が相性よく感じました。前方に浮き上がるようなスイートなボーカルなので、現代音楽の、特に女性ものとの相性は抜群だと思います。 ヘッドホン側のコネクタは3.5㎜プラグのメスタイプでコネクタ周りに特別な凹凸もないので大抵のサードパーティ製は利用できると思います。 はじめからバランス再生用ケーブルが付属しているのも嬉しいポイント。150Ωの高いインピーダンスでも充分な音量をとれるようにしているということでしょうか。 バランス4.4㎜からアンバランス6.3㎜の変換ケーブルがついているので、アンバランスのイヤホンジャックを利用している方は別売りの変換アダプタを忘れずご購入ください。 再生機材 EF400 K9 PRO ESS ZEN CAN Signature
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
SONY
NW-ZX707 C
¥94050 税込
高音質×軽量×スタイリッシュ×ストリーミング×スタミナ×拡張性。現代の音楽プレイヤーとして素晴らしい完成度
持ち運び用の音楽再生機器を選んでいるお客様が眉をしかめるポイントのひとつは大きさと重さです。 オーディオ製品はでかいトランスやらコンデンサ、劣化や損失に繋がる素材の排除を主に高品位=重い素材を使って高音質を目指していました。当然質は良くなるのですが大型化や重量化をしてしまうので、そのバランスを取るのがメーカーの腕の見せどころと言えますが、このNW-ZX707はそのバランスが素晴らしいです。 肝となる音質を先にお話しすると、とにかくクリア。一切の濁りが無い繊細な音です。 音の立ち上がりは息を飲むほど速く正確。音の端を捉えることでより音楽のリアリティは増し、楽曲の空気感にも寄与してくれます。高解像度という言葉がふさわしい音楽プレイヤーだと感じました。 音の抜け感や残響の心地よさも秀逸で、「4 Impromptus Op.90 II.Allegro」のようにスピード感が強い音楽は高い解像度が無いと間延びしたような、それこそ演奏が正確に分からくなってしまいますが、一音一音がしっかりと輪郭を持っているので、それらが幾重にも重なった時の感動が凄まじいです。 EDMやトランス、メロコアなどの電子音楽を聴いてみてもその解像度の高さを、音の重なりやエフェクトの切れ目で存分に実感できるので、聴き馴染んだ曲ですら新しい発見があることでしょう。 低域の量感は少し控えめに感じましたが、高い拡張性を持つという点にも触れさせていただきます。 本機は上位モデルであるNW-WM1AM2等にも搭載されている音質変更機能を複数採用しているのでユーザーの好みで音に調整をかけることができます。 例えば4倍近い出力になることで、ダイナミックレンジが担保されやすいバランス再生でも、低域の沈み込みはわりとアッサリと抜けていくので、重低音の地面を揺らす程のあのエネルギッシュさが好きな方は、ノーマル状態からEQなどの各音質調整機能を利用していただければ満足いくようになると思いますし、PCM→DSDにするだけでも大分低域の質感が掴みやすくなるので細かい調整も効きます。 さらにはOSにandroid12を搭載しているので再生ソフトや、エフェクトアプリ、サービスも好きに選択できるので高いユーザビリティがあります。 画面が大きくなり操作しやすくなりながらiPhone 11 Pro Maxを常用している私が小さいと感じる程度に収まったデザインも素晴らしい。 画面が6インチ程の人気スマホですら多くは重量200g程度ですし、厚みもスマホに近いことからスマホショルダーとの組み合わせも考えられる点も好感を持てます。 BluetoothコーデックはLDACに対応し、360 Reality Audioも利用dでき、動画コンテンツ利用も視野に入ったスペック。 内蔵マイクで、音声アシストにも対応しています。 前モデルであるNW-ZX507からサイズが横に広がってしまったとはいえ、厚みが薄くなり再生時間向上や、電機能率の最適化もされています。 音質含めた各種全てが平均以上の、まさに令和時代の音楽再生の申し子のような製品ですのでオススメです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
QoA
Margarita
¥92394 税込
シルキーかつ階調の豊かさが高い解像度と臨場感を実感させてくれるイヤホン
音質の高さとデザインを含めた品質の高さを両立させる、QoAのフラッグシップ機Margarita(マルガリータ) プロトタイプでは、EST2基とBA4基のドライバー構成で出展されていましたが、EST2基とD1基にBA1基に変更されました。 音を聴くとこの変更に得心がいきます。繊細さや空気感と迫力がうまく中和されており、とても耳に馴染むウェルバランスなサウンドになっています。 これまでカクテル名を製品名に名付けてきたQoAですが、今回も名前に負けずデザインが綺麗です。 メタリックグレイに縁どられたフェイスプレートに、黒と金がデザイナーによって二分されているのですが、よくよく見ると金色の部分には光学粒子が微かに見え隠れしており、チークやアイシャドウを彷彿とさせます。 このあたりのコスメ的な雰囲気や配色は、二人の女性CEOの厳しい美的感性を納得させたからでしょう。 私はとてもオシャレだなと感じました。安っぽさを全く感じませんでしたし、手に持ってみるとノズルからシェルにかけて複雑な形をしている割に軽量で、耳へのフィット感が素晴らしいです。 遮音性も高くベントからの音漏れもほとんどありませんでした。 音はとにかく快適で、高音質だけどイージーにリスニングしてもらおうという意図を感じました。 空間は少し広めで定位感がわかりやすいです。いわゆる近すぎず遠すぎず、生身で演奏を聴いている時に近い距離感です。 少し重心は浅めに感じましたが、厚みがないわけはないので、充分な迫力を感じながらも、ぐーんと空間に響いていく様を聴きとることができました。 また、立ち上がりの音に丸みがあるので、気持ちよく演奏に耳を傾けられます。激しく刺すようなアタックの刺激音は緩和されている印象があったので、ゴリッゴリのロックやメタルでは硬質さが足りないと感じるかもしれません。 ただし、音の重なりに入ってもパートごとを綺麗に鳴らしきっていたので、分解能の高さを感じました。ピアノペダルの使いわけなんかも丁寧に描写されるうえ、ほど良く明るい響きが繊細で、他の音に隠れがちだった表現がわかりました。絶妙な残響感が空間に溶けていくのを聴いていられるのは快感でした。3Way採用なのに上から下までのつながりに違和感を感じないのはチューニングが寄与していると実感する部分です。 ボーカルに関して、中高域がほんの少し引っ込んでいるように感じますが、存在感はしっかりしていて、目の前で歌ってくれているかのような音像です。音圧の調整が、長時間聴き続ける事を意識しているのかな、と思うくらい快適で、疲れ知らずでした。 全体的に音色は少し明るめですが、腰高ではなく、奥ゆかしさや上品さを感じるイヤホンなので、パンチは捨てがたいけど、繊細かつ優しい音も欲しい、という方にオススメです。 最後に、高めのインピーダンス設計でしたが、スマホでも充分なボリュームはとることは出来ました。 もちろん、高解像度なDAPやドングルDACがあれば、交換プラグ利用をするバランス再生も含め、より本機の性能が活かせるので、一緒に導入することをおすすめします。 試聴環境 ADI-2 DAC iPhone AK380 SR25 試聴楽曲 BADモード live Ghost of smile 人生のメリーゴーランド リベルタンゴ 激動プログレッシブ Never Enough
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
MADOO
Typ512 【MDO-T512-AL】
¥89980 税込
グルービーで迫力はあるが支配的ではない低音域のかっこよさを味わえる
デザインがシックでカッコいい「Typ512」日本メーカーの日本人気質が随所にこだわりをのぞかせる高級感たっぷりのイヤホンです。 高音が暴れるのが苦手な方や、落ち着いて音の一つ一つを聴きこみたい方にオススメしたくなる歪のない濃密な鳴り方をします。 ドライバー構成は同社独自の平面磁界駆動ドライバーと、新たに開発したUHD ダイナミックドライバーを搭載した2基構成。 欧米人とは骨格や耳道に違いのある日本を含めたアジア人を対象にした耳型のデータ収集を活かした本体の形状は、多くのアジア人ユーザーに快適なフィッティングを実現してくれるでしょう。 フェイスプレート部分には内部の音響にも作用するサファイアクリスタルを窓のように採用しているのは前作の「Typ711」と同様です。 遮音性は高いのですが、左右で各2個あるベントのせいか密接距離に入ると音漏れが聴こえてしまうことがありました。 音色はウェットでダークです。刺さり気味な高域はしっかりと制動されているので上から下までしっかりと堪能することができました。緩急はしっかりしているけれど、張り出しすぎず柔らかすぎずの絶妙な輪郭。エッジがキツくないので、流れるような音の繋がりが心地良いです。 余計な響きを残さないというコンセプトが活きていると感じました。 跳ねるような高音の、頭外に抜けていく感覚は少ないので人によって物足りなさを感じそうです。 しかしながら各帯域の音の繋がり方は実に至妙で、濃密なうえに繊細という類を見ない音質になっていると感じました。 厚みのある低音の存在感は強いですが、ベースのかっこよさやボーカルのブレスの繊細さなど各パートに注力すると細かいところまで鳴らしているのに気づけます。そこに余計なものがないので量感のあるモニターサウンドとして、何度も聴いていた楽曲もこれまで持っていた印象とは違った聴こえ方で愉しませてくれるのではないでしょうか。 付属品にL字型4.4mmバランス再生のケーブルとL字型3.5mmのケーブルが付属します。 今回AMP、DAP、スマホと利用して聴きました。どれでもサウンドバランスは変わらずでしたが深い低域と音の繋がりの良さが魅力のこのイヤホンはぜひともノイズレスなバランス再生で利用して欲しいと感じました。 試聴環境 ADI 2 PRO AK380 iPhone 試聴楽曲 GATE~それは暁を超えて~ 秘密 us. lose yourself 飛龍の反撃 カンティーナ・バンド THE HUM 思想犯 The Sacred Geometry
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
HiByMusic
New R3Pro Saber
Gray
¥33000 税込
バランス再生も対応する最大再生20時間のスリムDAP
前作のR3pro Saberからブラッシュアップしたモデルです。採用DACがM3XやBTR5 2021などの人気製品と同じES9219をデュアル採用ということで期待値が高い製品。 音楽プレイヤーとしてだけでなく、BTレシーバーとしての役割やトランスポーターとしても利用できる汎用性があるのも魅力の一つ。Type Cから同軸デジタルアウトでポタアンに繋ぐことができるので昔ながらの多段運用の活躍も多そうです。その際によく発生する操作のしづらさはリモートリンク機能を使用しスマホ画面で操作することで解決できる優秀さもあります。 数値上では決して高くはないのですが、SN比は高く感じました。音の描き分けができるディティールの細やかさがあります。パワーも前作に比べ少し上がっているようで、同曲を同イヤホンで再生した時の聴感上㏈合わせをしたところNew R3pro Saberの方がボリュームを抑えることができました。コンパクトなDAPでありながらパワー向上と、確実に進化しているポイントです。 全体的にクールでタイトな印象の音色です。バラードよりも音数の多い楽曲の方が本製品の実力を感じやすい印象を受けました。ボーカルがすっきりとしていてバックの楽器との距離感が絶妙です。粒立ちがよいので弦のはじく質感を分析的ながらもライトに楽しめます。 ポケットサイズのDAPをお探しの方で、綺麗で精密な音が好みならばオススメしたいモデルです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
ASHIDAVOX
ST-90-07
ブラック
¥9020 税込
ハイレゾ帯域までカバーしたレトロなデザインで味があるヘッドホン
日本国内生産にこだわった高耐久のコンパクトヘッドホン。スタジオや放送局へ業務用ヘッドホンを販売していたアシダ音響(株)が、音楽用に制作したST90-05をさらにブラッシュアップした本製品。ヘッドホンの大きさや重さは従来から大きく変更せず、音質の向上を図ったモデルです。 装着感はオンイヤー型特有の耳を上から圧迫するタイプですが、側圧はそこまで強くありません。緩めに装着していると気になりませんがヘッドバンドのクッション性は高くないので、しっかり頭頂部に当たるほどスライダーは絞らない方が快適だと思います。 イヤパッドの作りはしっかりしていて内も外も接着ではなく糸縫いでした。ヘッドホンで一番劣化しやすい部分なので耐久性向上を考えているメーカーの努力が伺えます。 音の傾向はボーカルがメインでリスナーに近く、一歩遅れてバックが入るような明確に区分けされたサウンドです。ボーカルモニターでも使えそうです。 縦の定位は狭めですが分解能はあります。ST-90-05に比べて刺さりがちだったエッジが抑えられ解像度が向上した印象でした。主にアコースティックな楽器のブライトな音色の再現性が極めて高いです。先述の定位感と合わせてボーカルと合わせたライブ音源では独特な定位と空気感が癖になります。聴き疲れしない程度に柔らかく厚みのある中低域に包まれてください。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
NOBUNAGA Labs
INSPIRE NEOシリーズ
3.5mmステレオミニプラグ
¥34800 税込
グッとくる壮大さときめ細やかさが光る美音系ケーブル
ヘッドホンのリケーブル処女作でも圧倒的な人気を博したNOBUNAGA Labsの二作品目。対応機種が幅広いのも人気に拍車をかけていました。今回も同様に対応機種は多いので、音質をもっと鮮明にしたい方や、バランス再生のためのケーブルを探している方は要チェック。 4N純銀・金メッキ、4N純銀、6N OCCの多芯構造となっていますが、ケーブルの太さはそれほど大型でなく、取り回しを犠牲にしないしなやかさがあります。 装着してケーブルに触れてみましたが、分岐部分が樹脂にて充填されているおかげかタッチノイズも少なく持ち運び時にもストレスなく使えると思いました。ケーブル長は1.8mなのでポケットからですと少し巻く必要はありそうですが、ショルダーバッグからですと首を動かしたりしても長さに余裕があり快適でした。 音の変化はだいぶ劇的です。純正ケーブルではうわずっていた中低域がグッと引き締まり身を任せられるような伸びやかな音になりました。 中低域が少し増えますが、野暮ったさを感じることはありません。音像の丁寧さが向上し、特に煌びやかさを損なわず縦のレンジが広がっています。下から持ち上がってくる滑らかさが迫力を感じさせてくれます。 音粒の細かさも印象的で金物のディティールが好印象。ハイハットであればスティックがぶつかった質感を堪能できるほど緻密で情報量が上がったことも実感できると思います。 音の輪郭をはっきりさせながら空間的な余裕も生んでくれるので歪みのないクリーンな信号をヘッドホンに送ってくれるケーブルとなっています。 試聴環境 再生機 N3Pro iPhone X1SGT ZEN Signature SET ヘッドホン ANANDA T3-01 HA-WM90 LIRIC
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
64 AUDIO
Fourté Blanc 【64A-7266】
¥504900 税込
不純物がない透明度の高い純白な音楽体験を
tiaシステムの集大成として複雑な組み立てもいとわず全世界500台限定で作成されたFourtéがついに登場です。ドライバーの構成は以前のtia Fourtéと変わっておらず、新設計オープンダイナミックドライバーと、バランスド・アーマチュアドライバーにTiaドライバー×2を採用しています。 再生を始めると音楽の世界に飛び込んでいく感覚さえありました。音のリニアリティがとにかく素晴らしいです。3.5㎜よりも4.4㎜のケーブル利用時が感じやすいと思います。歌手や奏者が伝えようとしている熱量をしっかりと表現してくれているように感じました。 今まで聴いていた音楽のグラデーションがより彩り豊かになる繊細さです。タッチやブレス、リリースやインと、どれをとっても気持ちよく聴こえます。分解能も高く、低域の沈み込みは深く、ハリも迫力もあります。ギターのディストーションのかっこよさからドラムの躍動感とハイハットの位置感や響きが気持ちよい。振り下ろす姿が脳裏に浮かび上がるようです。オーボエのゆらぎやクリアな抜け感から、サックスの存在感がホールに広がっていくリアルな空気感も圧巻でした。再現度高く奥行きや定位感が抜群です。 また、音の透明度がとにかく高い。不必要な歪みや共振がほとんどないのだと思います。先述の鮮やかさはありながらも、腑に落ちる音という印象です。にじみがないだけで嫌味のない音になりどのパートも綺麗に聴くことができました。ストレートに縦にも横にも伸びるのでいつまでも聴いていたくなるイヤホンですが、楽曲を再定義してくれる新鮮さも持ち合わせています。 64 Audio製品からはじめて二種類のケーブルが付属しました。Fourté Blancのために専用開発した純銀コア線と銀メッキ銅線を撚り合わせた純銀製シールドを採用したShielded Silver-Core Cable 4.4㎜バランスプラグと、 OCC銅線銀メッキのPremium Cable 3.5㎜ プラグです。 ボディはマグネシウムとシリコンが添加されたことで強度、耐食性を確保したT6061アルミニウム合金を使用。専用のホワイトセラミックコーティングもされており長くご愛用できるでしょう。 フェイスプレートはまるで上空から一望した青緑色の珊瑚礁のようなデザインに見えるパティーナ仕上げ銅となっています。純白の優しいイメージをすっと引き締める高級感があります。 64 Audioの持つリスニング時の疲労を軽減する特許技術「apex」機構も内蔵。耳道内空気圧を逃がすことで快適に長時間音楽を楽しめるという触れ込み通りなのか長時間試聴してみたところ、音楽の迫力を犠牲にすることなくリスニングを堪能できました。 限定モデルなので入手できる方が限られてしまうのが本当に悔しいですが、ぜひ聴いてほしい64 Audioの新フラッグシップ機。ぜひご体感ください。 試聴環境 SP3000 試聴楽曲 Paris 本と棺と自動人形 3 交響曲 第22番 ハ長調 K.162:第一楽章:Allegro 紅蓮華 残酷な天使のテーゼ
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
SIMGOT
EA2000
¥49500 税込
ドライなストリングスがハマる
エントリークラスイヤホンのウォーム系で人気を集めたSIMGOTからEAシリーズ新旗艦が満を持して登場です。通常のドライバーのサポートに電磁を利用せずに一定の周波数で共振動作するラジエーターユニットを採用したということで技術的にも新たな試みがなされています。 奥に押し込むか、耳道入り口あたりで支えるかで、だいぶ低域の響き方が変わってしまいます。三つあるベントの中でも一番大きいものが本体内側にあるので、耳穴が浅い方や装着に慣れていない方は気をつけてください。 ベントが気になったので音漏れをチェックしてもらいましたが髪が触れるほど耳を近づけないと聴こえないということだったので音漏れ耐性はありそうです。 箱出し1聴目はザラザラと硬く輪郭もぼやけていたのですが、しばらく鳴らしていると本領発揮されてきて耳から離せなくなってきました。 「Enigmatic Feeling」のイントロで入るギターリフが生々しい。とてもかっこよく耳に響きます。抜けも程よく空間の描写がうまいと感じたので「容疑者ギタリスト」を聴いてみたところ、やっぱりハマりました。ボーカルとバックのディティールバランスが良いとメロウ感が強くなるので、気持ちよく聴ける楽曲だからです。「TELL ME ITS OVER」だと定位はわかりやすく没入感は強くなるのですが低音のパンチは抑え目だと感じました。 木管楽器のかすかな震えも繊細に表現してくれるのは、ラジエーターユニットのおかげなのかもしれません。ボーカルの肉声感をじっくりと楽しめる「暁の車」では悲しくも壮大さのある楽曲の雰囲気を丁寧に表現してくれました。 総合すると全体的に抜けのよい音ですが少しアタックは弱めでした。高い解像度もありながら聴き心地がのよさと迫力の適度さがウリになるイヤホンです。また装着が適切にできないと低音が大きく逃げてしまうので注意が必要です。 幸いイヤピースも2種類付属しているのでユーザーに合わせた調整はできるのでご安心ください。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
Odyssey【IRV-ODYSSEY】
¥569980 税込
圧倒的な実力が音楽を多層にし、最高の没入感を与えてくれるイヤホン
本製品は、複数のドライバー制御技術に定評のあるEMPIRE EARSと、ポータブルハイレゾオーディオ製品の始祖とも言えるAstell&Kernが共同で「聴覚の仕組み」に再注目し、新しいアプローチを加えた新時代のベーシックモデルとして開発されました。 そのため矛盾するようですが、あっさりさとしつこさがうまく同居しているような印象でした。 しかし、どの音も立ち位置がしっかりとしており高低差も感じられます。普段なら横一列に並ぶような聴こえ方をするような楽曲も、奥行きが出てくれるのでイヤホン特有の平面的な印象を受けなくて驚きました。 ひとつひとつの音が潰されずに役割をちゃんと果たしているようなイメージです。ラウドネスが上がるという印象とは違って弱い音は弱いまま存在感があるので、月並みな言葉で表現すると聴こえなかった音が聞こえますし、質感の違いも聴き比べられます。特に複数のリリースが見やすいなと思いました。 素材の持つ成分をそれ以上にも以下にもせずに自然と広がってくれる中高域は、音を追うのが楽しくなります。反対に低域はウーファーがあるせいか頭の中でずんっと鳴りました。どちらかといえば少しウォームな低域なのですが、あまりくどさを感じない良質な響き方です。『音を聴くだけでは無く感じる』というコンセプトの割には大味ではないことに、浅いイメージを持っていたことが恥ずかしくなりました。 全体的に骨伝導が聴こえをサポートしているおかげか、その他のドライバーが無理に主張してこない余裕のある鳴らし方をしています。そこが他に無い点と言えるでしょう。音色の表現が多彩で分解能も高いことから、音数の多い楽曲の聴きごたえが一回りも二回りも増すと思います。 多種のドライバーを駆動させることから再生環境である上流も選ぶ事になりそうです。SP3000には本製品向けのEQも用意されているのでユーザーはぜひ試してください。 最後に外観と装着感について、特定の波長領域の光を透過しつつ別波長の光を反射するENIGMAというデザインのフェイスプレートが、手に取るたびに違った顔を見せてくれるので所有欲をくすぐります。本体は厚みがありますが私は奥まで入りがっちりと固定されました。大きく外側に出っ張るということも無く遮音性も高かったです。 2ブランドの名に恥じない極限のイヤホンとするために利用された多くの技術(EIVEC MKII,synX,DCA, Anti-Resonance Compound.etc)の集大成をぜひご体感ください。 試聴楽曲 咲かせや咲かせ 白日 Prologue 星屑の街 Lucy Raise your glass brave shine beyod the veil Vivaldi allegro Ashes 歌よ
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
LC-RE Pro 2022 【FIO-LCREPRO-2022】
¥32581 税込
豊かな音色に広い音場
金銀銅3種類の素材を使用したFiiOのハイグレードケーブル。スイッチングプラグを採用しており、簡単に3.5mm/2.5mm/4.4mmプラグを換装できます。 サウンドバランスはやや中域から高域にかけて伸びていくように感じられました。低域は量感が減ったというよりはタイトに鳴るような印象を受けます。大きくバランスが崩れるわけでは無い為、扱いやすくイヤホンの組み合わせも多彩だと思います。 サウンドバランスよりも空間表現が大きく変化し中央に寄っていた音が綺麗に広がったように感じました。空気感がしっかり描写されるのでコンサートホールの響きなどを堪能されたい人にもオススメできます。抜け感が重視されることで危惧される繊細さの欠如はほとんどなく、むしろ音の立ち上がりと残響のどちらも楽しめます。 編みこみが緩めなおかげか、8芯のケーブルのイメージよりも柔らかく取り回しに優れていると感じました。また前述の通りスイッチングプラグで2.5mm/4.4mmでバランス接続も容易にできる為、再生環境が変わっても対応できます。 音を少しマイルドにしたい方や空間を少し広げたい方におすすめです。ぜひお試しください。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
HIFIMAN
SUNDARA Closed-Back
¥26235 税込
耳に痛くない中高域を楽しめる
HE-R10から始まったHifiman密閉型シリーズの三作目です。数少ない木材を利用した平面磁界駆動型ヘッドホンのなかでも唯一、ハイエンドヘッドホンにも使われる再生パーツ『ステルス・マグネット』を採用した密閉型ヘッドホンだからか、空間的な余裕が感じられます。それに加えヘッドルームを感じるほどの余裕のある鳴り方なので激しいハイハットもソプラノも難なく鳴らし切ります。長く聴くのに持ってこいのサウンドです。 特に中音域のディティールの細やかさが素晴らしいです。繊細な表現をしてくれながらも、開放型のヘッドホンのようにリリースの方向が外部へと向かっているような感覚がありました。 バスドラの輪郭はやわらかめで、キツさが程よく無くなってくれました。量感は人によって足りないかもしれません。 全体的に音圧は控えめで、安心して身を任せる事の出来る音色です。 また、ボーカル等の中域は厚みがあり聴きごたえがあります。ちょっと前に出すぎだなと感じることが多いJPOPやJROCKなどでも上手くいなしてくれるので、心地よく聴くことができました。 ボディは重めで、側圧をやや感じますが、パッドの柔らかさとトップバンドの大きさも相まって相殺されており、そこまで圧は感じませんでした。遮音性も高めなので外でも安心して使えそうです。 総じてキレキレな音をまろやかにしてくれる為、エッジの効いた硬質な音色を好む人よりも、朗々と鳴る歪まない音を楽しみたい人に、手を出して欲しいヘッドホンです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
HiByMusic
RS2
¥69990 税込
ストリーミング再生を捨てたポケットサイズで音質重視のレトロなプレイヤー
独自の音楽再生アルゴリズムに加えて、サウンド調整機能MSEBやハーモニックコントローラーを駆使することで生音への忠実さと、ユーザーの好きな聴こえの両方に対応することのできるコンパクトな音楽プレイヤーです。 ポケットにもすんなり入るサイズ。手に馴染む厚みと程よい重さが良い感じにガジェット感を醸し出してくれてますね。 スタンダードなサウンドは美音系サウンドでボーカルは活き活きと歌ってくれます。バックが丁寧な描写なので、輪郭がしっかりとしていながら、単純に引き締めただけでは出ないドライな音色の楽器の表現が特に得意と感じました。 R2Rの不思議なところで、クール寄りの美音だなと思っても、ふと楽曲に含まれるグルーブ成分と言うべきなのか、ドライな音色も的確に表現してくれます。 解像度も高くシティ系やプログレなんかは上手い塩梅にレイヤーが分かれるので、ああ、こんな風に合わせてたのかって新たな発見があって楽しめますね。低域もはっきりと存在感出しながら適切に出ているように感じました。 再生機として優れている反面イヤホンやヘッドホンの特性もがっつりと出てくる気はします。 複数種で聴き比べたところの共通点は、刺さりを感じないですがしっとり艶やかにではなく、少し元気な鳴り方と感じました。聴きどころを安心して満喫できる再生機。 画面上下反転機能でイヤホンジャックを上下どちらにも挿せるように考えられていたり、音量を均一にするリプレイゲイン機能でボリューム差が大きいクラシックとPOPなどを雑多に聴く音楽愛好家にも好まれるシステム作りとユーザー目線もしっかりしていると感じました。 細かいところですが、ギャップレス設定にしてもDSDからPCM音源への移行時切り替えノイズは高感度イヤホンで乗ってしまいました 最後にUSB DAC時に給電をしないようにする本機の機能は嬉しいです。使用しながらの給電はバッテリーに負荷をかけてしまうので長く使うなら避けたいですからね 試聴環境 EH-TZ700 EST112 Hi-X60 T3-01
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Ferrum Audio
ERCO 【FER-ERCO-B】
¥352000 税込
足さず引かずのリファレンスDAC AMP
フロントパネルのコルテン鋼プレートがトレードマークのFerrum Audioから初めてのUSB DAC AMPが発売となりました。 医療、軍事用エレクトロニクス製品開発を国家プロジェクト下で受け持っていたメーカーがオーディオ業界にも進出したということで、高い精度で組み上げられているであろう製品に期待が高まります。 据え置きのDACAMPの中でもコンパクトなサイズで同社の他製品とのシナジーも考えられたサイズのようです。 デスクの上でも主張が少ない配色で、ロゴライトのワンポイントカラーもカッコイイですね。 処女作なのでわくわくしながら聴いてみると、浮ついたこちらの気持ちを嗜めるかのような強い輪郭の繊細な音が舞い込んできました。 一聴して地のレベルの高さを思い知らされます。ピーキーさはまるで感じられず「BAD APPLE!」の低域を密度がありつつハリよく鳴らす様は、ノリの良さを残しながら、中低域の彫りをしっかりと感じさせてくれます。この解像度ならロック系を聴いたら素晴らしいだろうと思い「Shameless」をかけてみるとディストーションの描き方が素晴らしく正確。さらにはコシのある深い低音でなめらか。生音のもつ倍音成分も豊潤に聴かせてくれます。 空間の余裕もたっぷりとあるので「Symphonic Kikis Delivery Service On clear day」や「Scarborough Fair」の編成を聴くと、高音の伸びやかさや低音の重量感など各パートの主張がありながらも自然とまとまりのある音になって、聴き心地が良いのに、分析的にも聴けるのでずっと浸っていたくなります。 セパレーション良く立体的でありつつも、刺さるギリギリの中高音の華やかさがあるので情報量多くも感動的に音楽を聴きたいという方にオススメしたいですね。 苦手とするジャンルはないと感じましたが、良くも悪くも再生するイヤホンやヘッドホンの特性がだいぶガッツリ暴かれるという印象がありました。数台のイヤホン、ヘッドホンを聴き比べてみましたが、サウンドの特徴がはっきりとわかるようになるのでリファレンスのDACを探している方や、複数のイヤホン、ヘッドホンのキャラクター違いを楽しむ人にはぜひ手に入れてもらいたいです。 専用の電源コネクタを搭載しているおかげかHYPSOSも抜群の相性を誇ります。 音像のクリアランスがさらに向上するので大変オススメ。 イヤホンですとlow gainにしないとハイが刺さり気味になる場合があのでご注意を 試聴環境 AH-d9200 CLEAR MG PRO HD 800S HE-1000SE VE8 SE846 kublai KHAN xenon 6 HYPSOS
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Maestraudio
MA910S
クリアーミント
¥7920 税込
なめらかで余裕のあるサウンドかつ軽量なボディによる良好な装着感
これまでセラミックオーディオ技術で躍進を続けてきた日本メーカーが、新たなブランドMaestraudioとしてMA910Sをリリース。以前から培ってきた技術があるからこそ、ブランドとして処女作であるにも関わらず、そのすべてに訳がある丁寧な設計で驚かせてくれました。 音の方向性はピーキーにならず、自然と聴けるサウンドといった印象を受けました。 エッジは少な目で、アタック感を抑えてバランスよく聴こえるようにしているからか「恋色に咲け」ではボーカルが優しく浮きあがるような感じになり、ボーカルにフォーカスするためにバックは少し距離が離れます。ここに空間的な余裕もありますが左右にパンが振られると程よい量感のキックが下地になり気持ちの良いライヴ感を味わえるようになります。 JROCKの「遥か彼方」のように、団子になりやすい楽曲でも中低域がしっかりと各楽器で分離してくれて、演奏を聴きに来ているような気持ちになれるのでおすすめ。 だいぶハイトーンな「例えば」を聴いても嫌なざらつきが無いのも好感触でした。穏やかな印象が強くなるので「We Dont Talk Anymore feat Selena Gomez」で中性的な男性ボーカルも聴いてみましたが思ってた以上に相性抜群でした。メロディの流れに乗って浮き上がってくるボーカルは聴き取りやすく自然に言葉を理解できます。 低音の締りはゆるめなので「addicted to that rush」などロックンロールな楽曲の勢いや、スピード感を体感するのは向かなそうです。 ですが、他製品で利用されているVST独特の鋭い金物の鳴り方も、新採用のRSTは若干マイルドに抑えられていて、金属のサウンドを無理なく楽しめるように工夫されているので、破綻なく曲を楽しむというのにもってこいだと感じました。 音圧やアタックは控えめですが、なんでも鳴らしていけるイヤホンです。広めのステージも含めてユーザーの現代音楽の聴き方を変えてくれる貴重なイヤホンだと思いました。楽曲を分析的に聴きたい方や、無理なく自然と耳に入ってくるサウンドバランスが好きな方におすすめです。 試聴環境 iPhone M11S UA3 youtube music
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
WAGNUS.
Aqualice Sheep(ヘッドホン用)
3.5mm×2 4.4mm 5極 ストレート
¥139500 税込
抜群のリアルな空気感
Aqualice Sheepはピュアサウンドを求めた多くのオーディオファンをうならせた超極細線材を多重巻きで活用したSheepシリーズの最新版です。 私がシリーズ最初のFrosty Sheepを聴いたときに、音がなめらかすぎて思わずにやけてしまった思い出があります。 本製品は純銀メッキ銅線とシルクを使ったケーブルです。日本メーカーのフラッグシップイヤホンにも採用されている技法で作られていて、ヘッドホンケーブルとしては少し硬いくらいのしなやかさですが、イヤホンケーブルとしてはイヤホン本体の軽量さが仇となり若干取りましがしづらい印象を受けました。 しかしそこにを我慢できれば音はとにかく素晴らしいです。 音色はシルキーでどこかの帯域がわかりやすく強調されるようなケーブルでは無いなと感じました。 純粋に解像度があがり空間描写がより洗練されます。ぼやっとしていた音のディテールもフォーカスがあうことで、全体の分解能も向上するので些細な空気感も表現されて耳心地がよい。 J.FLA verカバーの「Shape of You」を聴いてみました。この曲は、彼女のキャッチ―な声質に合わせて、原曲と比べアコギの質と曲の雰囲気がシティポップのように変わる違いが出てくるのですが、際立つピッキングとボーカルのハーモニーが高解像度で描かれるため、彼女の曲にしっかりと昇華されたうえで楽曲への没入感を高めてくれました。 また「フルート四重奏曲 2番 ト長調kv285a ANDANTE」では口元まで見えるかのような繊細さがあり、各帯域のつながりもスムーズで、いつまでも浸っていたくなります。 つくづく楽曲の世界観を高解像度で表現することに長けたケーブルだなと感じました。 シンフォニックらしい厳かな印象がある「secret door」は、音達の粒立ちが細かく、ボーカルを力強く鳴らしながらも中高域に奥行き感を強く感じるので没入レベルが高く、とても聴きごたえがありました。ストリングスの高いところはやや丸みを帯びるようなソフトさがあるのでアタック強いのが苦手な方も安心して身をゆだねられるでしょう。 オーケストラ編成の「歌よ」は、曲が進むにつれて段階で音数多くなっていくのですが、全てのパートが艶やかかつ細やかに聴こえてきます。響きの方向もしっかりと空間に溶けていくように最後まで描写されており、歌い始めとほんの少し被る低周波がこれまた気持ち良い。 厳しくみると低音は深いところから鳴るが量は少し減る印象がありましたが余韻もしっかりと描写するので私は大満足でした。 持ち歩きを考えるとタッチノイズの予防にケーブルクリップの導入がほぼ必須となりそうですが、この至上の音はぜひご体感頂きたいです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
BQEYZ
Autumn
ベンゾブルー (3.5mmプラグ)
¥18783 税込
海外のオーディオ愛好家達も絶賛したモデル
俯瞰的なキャラクターで頭外定位のイヤホンを探している方は聴いてみて欲しいイヤホンです。 高い費用対効果。いわゆるコスパの良い製品を提供することに尽力しているBQEYZ(Best Quality Earphone for You)が正式にeイヤホンで取り扱い開始となりました。 春夏秋冬をモチーフにネーミングしたモデルが本国ではあるようですが、今回は秋(autumn)と言うモデル。装着者の耳に沿うように設計された凹凸のある筐体デザインが目をひきます。重そうな見た目だなと思って手に取ったのですが軽い。装着してみるとピタッとはまりながらも圧迫感が少なく快適でした。本体にもうけられた空気穴が気圧をうまく逃がせているからなのかもしれません。 音の傾向はレンジ感の強い弱寒色系と感じました。 クリアな音色で分解能が高く、そつなく鳴らしてくれるのでEDMやPOPSはもちろん、クラシックや劇伴とも相性がよかったです。少し高めのインピーダンスが影響しているのか、ボリュームを出しても高音が耳につく嫌な感じがしなかったので、音量をとっても粗さのないクリア感を求めている方に良い選択肢になりそうです。 ボーカルの空気感が強めですが、ハイハットやシンバルを叩いている時は若干見えづらい印象を受けました。前述の少し高めのインピーダンスが関係しているのか少し高音のトランジェントが弱めな調整がなされている印象があり、パートを分析的に聞ける俯瞰さが特徴のイヤホンだなと感じました。 しかしながら、すっきりとしたサウンドが強くなるTrebleや、タイトな低音が増すBassなどのチューニングが本体に装着されているマグネット式チューナーで手軽に音のバランスを変更できることや、リケーブル対応していることを考えるとスタンダードなNormalが音色を強く出しすぎない傾向にあるのはバランスが取れているのかもしれません。 自身の音の好みはよくわからないし、ジャンル問わずに聴いたことない感覚を味わいたいという方にもおすすめです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iBasso Audio
DX170
ブルー
¥59620 税込
クリアで分析的に聴くこともできる!大人気音楽プレイヤーの正統進化モデル
初心者向け超人気DAPとして愛されたモデルを覚えていらっしゃいますでしょうか。累計20000台売れたモデル「DX160」がさらに使いやすく、高音質になった次世代機「DX170」として登場です。 約3年越しの新モデル。頻繁に買い替えない方でも3年も使えば買い替えを考える方が多いと思います。スマホなんかがそうですよね。DX170はDX160ユーザーが買い替えをしても間違いなく良くなったと感じられる仕上がりになっています。 前モデルから縦に長くなったのですが、大きさからは想像できない軽さです。ストリーミング対応であることや、軽量さ、カラーバリエーションがあることからDX170もポップに使うことを考えられた音楽プレイヤーだということがうかがえますね。 音質はとにかくノイズレスでした。迫力さよりも緻密さが主軸に感じます。グルーヴ感はちょっと弱めですが、レスポンスは良いです。立ち上がりがしっかり見える事でとてもクリアで気持ち良い。 シャリつきは絶妙に抑えられているものの低音帯よりも高域の方が得意で、ボーカルはやや主張してきます。だし、楽器との距離が少しあるのでごちゃつきやすい楽曲だとしても聞き分けしやすかったです。 どちらかというとライブ演奏やフォーク、バンド系よりも電子音多めのアニソン、EDMの方がより相性がよさそうと感じました。コンプが強めにかけられている曲が多い古めのJPOPなども見違えるHiFiサウンドになるのが楽しかったです。 ソフトウェア面で気になったのが、プリインストールされた再生ソフトに比べると、ストリーミングサービスのアプリを利用時は体感カクツキが増えたように感じました。このあたりは内蔵容量の圧迫などでも変わってしまうものですが、RAM2Gということもあり上位機種や、旗艦スマホに比べてしまうと致し方ないと思います。 Astell&KernのSR25やSONYのNW-ZX500、SHANLINGのM3Xとほぼ同じ重量ですが、その中では画面がいちばん大きく手に持った時のずっしり感がもっとも少なかったです。 初めて音楽専用の機器を購入する方や、 持ち運びしやすいDAPを探している方に満足いただけると思います。 試聴環境:EAH-TZ700
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Ferrum Audio
HYPSOS 【FER-HYPSOS-B】
¥218900 税込
もう泣くな。DC電源を選んだ製品たちよ。真の実力を発揮する日がきた
はじめに断っておきます。今回のレビューは冷静ではないかもしれません。ですが、RMEや、BURSON AUDIO、ifi audioなどDC電源採用製品をお使いの方に、めちゃくちゃオススメしたい商品です。 普段であれば同カテゴリー、同価格帯の製品などと比べたり、日を置いて幾度か試聴してから記載をしています。今回のカテゴリーは当社扱い製品のなかでも比較ができるほどの数が無いことから、いっそ体験したその感動をそのままレビューに載せてしまえ。という勢いでしたためております。 まずわかりやすく本製品をまとめると、DC入力で電源供給をしている製品に使うパワーサプライです。コンセントからひっぱってくる電源ケーブルとDACアンプ、もしくはDMP-Z1やM17のようなDC駆動する特別なDAPの間に挟みこむだけです。※電圧レベルの調整は必要ですが日本語マニュアルがあるのでご安心ください。 挟み込んだだけですが、その影響は耳からヘッドホンを離せなくなるくらい精密かつ美麗なサウンドとなりました。めっちゃいい。ってつい心の声が口から漏れました。 細かい音がどれだけ出力されずに消えてしまっていたかとか、音の滲みやつぶれが発生してしまっていたか一目瞭然すぎて聴き惚れますね。 直流採用機に感謝する日が来るとは。と感激と驚きが入り混じった複雑な気分になりましたが、この程度だよなと鼻で笑うことができないくらい音への多大な影響を感じました。 ぜひ機会がありましたら試用して確かめてみてくださいませ。 使用機材 DACアンプ:RME 「ADI 2 DAC」 プレイヤー:FiiO 「M17」 アンプ:RE・LEAF 「E3 hybrid DC」 DACアンプ:Burson Audio 「conductor 3X Reference」 ヘッドホン:Victor「HA-WM90」
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
HeartField
銀鶴
¥308000 税込
奥行き抜群。楽曲の世界観に溺れたいひとは必聴
ハイエンドヘッドホンでも音響特性の良さで利用されているバイオセルロースを、イヤホンサイズの振動板にダウンサイジングしたことから、メーカーの技術力の高さがうかがえる本機。 光沢ある銀という目立つ金属筐体と、自然素材の中身というロマンを感じえないイヤホンですが、その実、聴いてみると丁寧にチューニングされたことが伺える素晴らしいサウンドバランスのイヤホンでした。 聴き初めから全体的な分解能の高さに圧倒されます。さらには、ぶわっと広がる空間に定位良く音が立ち上がってきてこれは凄いと感じました。音の荒さが無くて、器のデカさといいますか、レンジの広さが素晴らしいです。音色は少し丸めで独特な透明感を感じます。 伝統的な女性ボーカル「Scarborough Fair」ではその楽曲の持つ哀愁を見事に表現してくれて、ぐっと楽曲の世界観に引き込んでくれます。 爽やかながら女性らしい世界観をメロディーにのせたヨルシカの「藍二乗」では主役のボーカルの存在感がしっかりしながら一歩引いた距離で演奏されているギター、ドラムにも存在感があり、つい耳がかたむきます。 音の伸びやかさや成分の緻密さでいえば「American Beauty」はサブベースのカッコよさが際立ち、「深海」はピアノの響きと空間への飲み込まれ方がとんでもなく気持ち良い。 ハンマー音のリアリティは先述のロマンな設計だからかと唸るくらいでした。 また、驚いたのは装着してもあまりイヤな重さを感じない事です。形状も角がないので痛くなりづらく、イヤホンが外側に引っ張られるような重心でなかったのがそう感じた要因なのでしょうか。人間工学に基づいたイヤホンデザインと言うのはやはり伊達ではないなと。イヤピースの柔らかさもあいまって私の耳にはフィット感バッチリでした。 金属筐体特有の経年劣化を防止するために何層ものコーティングもしているそうなので安心して使っていけそうですね。 ボーカルを艶やかかつ、しっとりと奏でて欲しいと理想を持つ方にはバックとの距離感の違いも気にしながらぜひ聴いてもらいたいイヤホンです。 試聴環境:M11 Plus LTD SS/iPhone
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
HiByMusic
R5Gen2
¥59400 税込
聴きどころをばっちし逃さない安定感のあるDAP
中低域に張り出しがあってボーカルや皮物楽器の音がよく鳴ってくれます。下の表現が得意なので特に男性のボーカル楽曲や語り引き系楽曲が差を感じやすいと思いました。 音の抜けも程よくあります。押し出し感につぶされること無く全体が見えるまとまりの良さもあるので、音数の多い楽曲を聴いてもごちゃつかない安心感があります。ClassAのアンプのおかげか、やわらかめでありつつ、程よいキレもあるんですよね。音のエッジが苦手なんだよねという方にはぜひ試してもらいたいです。 バランス再生にするとより自然な鳴り方になりますが、アンバランス時と比べると若干エッジが立ちます。私はバランス時の方が好みでした。 音色はどちらかというとドライめなのですが、先述の特性もありJPOPなどのボーカルが強調されるタイプの楽曲をメインで聴く方にオススメです。 また個人差はあると思いますが、鳴り始めよりも鳴り終わりのほうがしっかりとしていて音の存在感を強く感じました。 スペック上で気になるところはAndroid8.1でRAM 2Gという所でしょうが、文字入力やアプリ動作時に気になるほどのカクツキや重さありませんでした。 私の手は大きい方ではありませんが、持ってみると手に馴染みました。画面もコンパクトながら操作しやすい大きさで本体も軽いので単体運用でも、ポタアンとの組み合わせでも使える良いサイズ感。 総じて嫌われやすい要素がない良い子なので音楽プレイヤーデビューには持ってこいかなという印象でした。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iFi-Audio
GO bar
¥55000 税込
精密さが聴こえる。手軽×高音質もここまできた
精密さが聴こえる。手軽×高音質もここまできた 高級感のあるボディと豪華な付属品に好感を覚えます。 DACAMPのおかげで高音質になるのですが、ただ音を良くしてくれるだけじゃなく下記の三つの機能があります。 データの際に失われてしまう低音域を補正したり、ノイズを能動的に抑えるアッテネータの役割。バーチャルサラウンドのような音場補正機能もあるのでGO barだけでも色んな楽しみ方ができるのもうれしいですね。※ヴァーチャルサラウンド機能のことではありません せっかくなので使用シーンとして多いであろうiphoneとストリーミングサービス(youtube music)を利用しました。 音の傾向はかなりクリアで鬼ディテールという印象が強いです。 世界的にも評価の高いホールで演奏された「ジュラシック・パークのテーマ」では各楽器の分解がしっかりとされていて情報量の多さに思わず驚いてしまいました。小人数であろうフルートの儚くもしっかりと表現されている音色に本機の描写力の高さがうかがえます。 「The Spectre」のようなハウス系を聴いてみました。デュアルモノアンプ採用の高いS/N比もあいまってか、キレの良さやボーカルの伸びやかさが際立ち、気持ちよく楽曲に身を委ねられますね。ふわっとしていた部分がしっかりとフォーカスされると、こんなにも聴きごたえが出るのかと思わせてくれます。 帯域バランスが大きく変わるようなタイプではないのですが、厳しめに見れば低域の深さが弱めなのと、味にもなる付帯音がしっかり処理されてしまうので、ふくよかな響きのようなものが好きなアナログ指向の方だと物足りないかもしれません。「The Other Side」のように躍動感が強い楽曲の勢いを損なうようなことはないのであくまでキャラ付けするとしたらクールな子だな程度です。 ゲイン調整後に機器から外すと、再接続時には自動でLowになる安心仕様でした。店頭試聴機としては助かりました。ユーザーとしては使いづらいかもしれませんが、Lowでも充分なボリュームなので気にならないとは思います。参考までに私はボリュームのインジケーターは下から2個目で充分でした。 またオーディオファンの方には本製品のMQAフルデコードな仕様は今後対応サービスが増えたときも安心ですね 総じてめっちゃレベル変わるじゃんというのを実感しやすい製品なので、お近くに寄られた際はぜひお試しください。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
TFZ
TEQUILA PRO
¥32250 税込
のびやかな音なので音楽だけでなく映画鑑賞にもいい
鳴らし始めるとふわっと広がる抜けのいい空間。音色は明るいウォーム寄りで、エッジが少な目の優しいタッチです。 中低域の量感が程よいのでシャリつくような軽さは感じられず、聴きごたえもしっかりとあります。劇伴「Closing The Case」を聴くと、空気感と楽器のコントラストがわかりやすく一気に引きこまれます。POPS「愛の星 two hearts」ではハープの輪郭がばっちりと決まっていて弦の響きの滑らかさが際立ちました。ROCKの「MUKANJYO」やKPOP「Dynamite」など低域の引き締まりや沈み込みがあると栄える楽曲だと少しゆるいかなと感じるので、総じてスピード感のある楽曲や音数が多いタイプよりも響きや音響を意識するような曲にあいそうです。 また音楽だけでなくアニメや映画などの空間描写のあるコンテンツにも相性が良かったです。クリアだけど柔らかい音色で中低音が出るというのがハマります。 本体が小型でノズルも浅めなので耳がコンパクトな人でも装着しやすいんじゃないかと感じます。ケーブルは柔らかく取り回ししやすくタッチノイズはそんなにのりません。 出先で没入感を強く楽しみたい方にオススメです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Austrian Audio
Hi-X15
¥17800 税込
そつのない系ヘッドホンのコスパ一位を狙える
ちょっと聴いただけでやばいってなりました。モニターヘッドホンに『普通に良い』やつです。 現場でも日常でも手軽に高品位なモニターをというコンセプトのヘッドホンだそうです。独自のHi-Xドライバーを採用している唯一性の高いメーカーの製品ですね。 これまでのAustrian Audioの製品では比較的中高音がでやすく、その分低音は弱いというモデルが多かったですが、本製品は中低域がでるようになり高音域は半歩引いた印象を受けました。そのおかげかモニターヘッドホンとしても万人が使いやすいウェルバランスなヘッドホンだと思います。 分解能も高くボーカルとバックの距離感が絶妙で聴きやすいです。タイトかつ量感がほどよい中低域のお陰で、音数が多くなっても誤魔化されず一音一音聴けます。 モニターとしては音場が若干広めで重心は安定しているので、リスニング用として聴こうとすると爽快感とも言えなくもないぬけ感が足りないと感じるかもしれません。音色はドライめとなった印象を受けました。上も下も音がしっかりと引き締まっているので、見たいところが見える優秀なモニターヘッドホンです。 また、装着感もだいぶよいです。まず同社既存製品からだいぶ軽くなったことや、トップバンド部分が一本となったため頭頂部を大きく潰す事もなく頭の小さい方も装着しやすくなっていると思います。イヤパッドの深さは変わらずなので、耳に当たらないのはとても優秀だなと思いました。重量も軽く、折り畳みもできます。 ノリよく音楽の熱量を感じたいんだという方や、リバーブありありの美音を楽しみたいという方よりも、俯瞰的に聞いたり、分析的に聴くことが性に合っているという方にオススメです。同社の中ではいちばんモニターヘッドホンらしい感じはします。 試聴環境 m11 plus ltd ss SEVENTH HEAVEN Guns&Roses 残響散歌 shape of you
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Austrian Audio
Hi-X60
¥55000 税込
ミキシング専用なんてもったいない
ようやく日本でも発売となりました!本モデルはHi-X55と同じ密閉型で設計された新フラッグシップ機となります。 開放型で環境を選ぶ同社フラッグシップ機のHi-X65と違い、しっかりとした遮音性が確保されています。耳をすっぽりと覆うタイプのイヤパッドは長時間の使用でも快適です。私のように耳がわりと立ってしまっている場合、イヤパッドに深さがないとオーバーイヤー型でも干渉してしまい痛くなることがあるのですがこのモデルでは大丈夫でした。「耳が痛くなっちゃって」とはおさらばです。トップバンドもクッション性が高く頭頂部が痛くなるということもありませんでした。 肝心の音質について。 定位感の素晴らしかったHi-X65にとても近いです。クリアでバランス良く鳴らしてくれます。 帯域の被りは皆無で、密閉型になったことでよりトランジェントが見やすくなりました。その分音速が速い高域部分が本当に若干ですが強く感じました。距離感や分解能、定位を邪魔するような事はないのでこの評価は過敏すぎるかもしれませんが、シャカシャカとした音を、今まで凄く敏感に感じとってしまい長時間使用していると不快になりやすかったという方は要試聴です。 総じて帯域バランスは素晴らしいモデルです。 ピーキーさがなくそつなく聴こえることの良さを教えてくれますね。 どちらかといえば寒色寄りで低音も膨らまないので、リスニングで利用する方は低域は必要分だけで大丈夫という方じゃないと物足りないと感じると思いますが、生録音やライブ音源などでは緻密さが奏でる演奏者や空間の新たな一面を感じることができると思うのでモニター用途だけでなくリスニング用途でもぜひ利用してほしいですね。 最後に頻繁に使うからダメにしやすいんだよね。という方にも安心な情報を。 長期の使用も想定されているのでメンテナンス性も高いです。劣化しやすいトップバンドのクッションとイヤパッド、ケーブルは簡単に交換できるようになっていますのでどうぞ愛用してあげてください。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iFi-Audio
ZEN Signature Set 6XX
¥99000 税込
トータルパフォーマンスがとても高いDACとAMPのセット
試聴環境:PCのイヤホンジャックから直接アウトするのと、PCからUSBで繋いだ本製品を複数ヘッドホンで試聴。 DACとAMP部分の接続は付属する4.4mm to 4.4mm cableを利用。出力は6.3㎜のアンバランスでしたが一聴してすぐに見事な分解能に驚きました。 PCに直接繋げていた印象から評価すると俄然音の立ち上がりや定位感、明瞭さや迫力など全てが高レベルになります。 ダイナミックレンジがしっかりとある楽曲を潰さずにその良さを再認識させてくれますね。 アンサンブル曲など空気感が伝わってきた方がいい楽曲では曇りがちになりやすいですが、接続して聴くことでキレや響きに注目できるようになります。低域は比較的タイトでスッと抜ける疾走感の強い部分がありました。 音色はどちらかといえば寒色寄りで、クリアなサウンドをヘッドホンの広いレンジで求めている方にはオススメな製品です。 独自の音場補正機能を有効にするとローエンドがさらに見やすくなり奥行き感も増します。先述の分解能の高さもあいまってHD650の音色を残しながらより分析的に聴けるようにしたいという方にぜひとも導入をオススメしたいですね。もちろん2種の音場補正機能はどんなヘッドホンでも効果が発揮されるので4パターンのサウンドを使い分ける事ができます。 バランスもアンバランスも対応している上ゲイン調整や音質変更機能もあることや、DAC部分とAMP部分がセパレートされているので今後の拡張性も高いというトータルパフォーマンスがとても高い製品となりますので迷ったらこれですね。 本製品の音質変更機能をつかさどるアンプ部分のみを変更したセットも他にでていますが、こちらはSENNHEISER製品との調整をしたモデルです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iFi-Audio
ZEN DAC
¥31000 税込
お求めやすいが、外観も質も妥協しないDACアンプ
まずはこの製品の対応力の高さに注目してほしいです。このDACアンプはUSBケーブルを繋ぐだけで起動するいわゆるバスパワー駆動となっていますが、オーディオ的な側面から音声信号と駆動の為の電力を混ぜた状態にしたくないという方にも対応できるように、電源ケーブルを繋げて、より安定化をすることもできます。なので据え置きとしてセッティングしてからのリスニング環境の変更も容易で扱いやすいです。 また、小型なので場所も選ばす先述のようにコンセントも使わず利用できるのはデスク配線に悩む方にもおすすめできるポイントですね。 音質について。 試聴環境:ノートPCのイヤホンジャックからの直接アウトと本製品を通してのアウト ボリュームは聴感上合わせです。 PC直の出力のままだと平面的だった音が、前後左右、下から上まで伸びていくような立体的な表現になり、まるでホールの特等席にゆったりと腰掛けてコンサートを楽しんでるような没入感を味わえます。帯域的にどこを強調するのでもなく、その音楽本来の自然さを引き出し、再現してくれるようなDACアンプです。 低音において、バスのアタック感は心地良くタイトですが量感や重みもあり、余韻が優しいです。これはアナログ段でのブーストをするTRUE BASSをONにした時も方向性は変わらないので、せっかくの機能を腐らせてしまうこともなさそうです。 高音域においてはストリングスやピアノ、金管楽器が艶やかに伸び伸びと表現されていて、シンバルなどの反響して混ざってしまいがちな音もしっかりと分離されていて粒立ちも非常に良いです。個人的にはここのポイントが特に魅力的でした。 ボーカルも埋もれたり、遠くに感じたりすることもなく、比較的近くボーカルを中心に楽器が配置されているような感じです。 足を運ぶことなく、いつでもコンサートやライブに連れていってくれるような体験をご自宅で味わえるコンパクトなDACアンプです。 多くのDACアンプが複数の入力端子を備えていますが、本製品は入力端子がUSBしかないので、テレビやゲームと繋ぐ場合はデバイスとの接続端子の確認は必須ですね。 そのぶんこの価格帯には珍しく4.4mmバランス接続の端子がついています。 バランス接続対応機器をお持ちの方はぜひ利用して欲しいです。 音楽の空気感を演出するという面で、TRUE BASSの自然な向上の仕方はリスニングに非常に向いていると思いますのでぜひお試しくださいませ。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
KOJO
Doyagu
¥99000 税込
優雅に増幅してくれる、これぞ硬派なアンプ
アンティーク調がとてもかっこいい真鍮削り出しアンプ。 前作の「KM-01」から少し重心が上がりキレが良くなった印象です。 スピード感のある楽曲にも追従するクリーンさがあり、より万能な増幅器として利用していける懐の深さがうかがえます。 とくにジャズトランペットの勢いなどは、まるで生音のようにきれいに表現してくれるので、それこそブラスバンドなどとの相性は素晴らしいです。 艶やかな音色ですが低音のハリも適度にあり、重た過ぎずスッと小気味良く空間に消えていくところが空間表現にうるさい方にもオススメできます。 S/N比も高く感じました。ちゃんとしたmini to miniならきっともっと素晴らしいだろうと期待が高まります。ぜひご自身のイヤホン、ヘッドホンと一緒にそちらもお試しいただきたいですね。 接続用のケーブルは付属しないため、自分の環境に合わせた接続ケーブル選びも楽しんでください。 2022/02/16記載 試聴環境 M11 PLUS LTD SS 付属品で使われるようなMini to Mini VE4.2・Hi-X60
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
SENNHEISER
IE 600
¥98901 税込
柔らかく繊細な高解像度イヤホン
「IE 300」、「IE 900」と続いたレゾネーターチャンバー搭載の3モデル目「IE 600」が登場です。パウダー状から造形をされたアモルファスジルコニウム採用のイヤホンは同社初となります。 持ってみるとレジンのイヤホンより微かに金属的な重さがあり、存在感というのでしょうか高級さがうかがえます。手触りはざらっとしていますが綺麗に指が滑るのでなんだかちょっと癖になります。いつまでも撫でていたい。 本体の色味は写真よりも少し褪せたような味のある鈍色で、光沢は無くマットな質感です。 付属品にセミハードケースがあるのもポイント高いです 装着感は、これまでのシリーズに比べると自重のせいか安定感が増したように感じました。ノズルが短めなので耳道の浅い方でも難なく装着できると思います。横に長いので耳介がコンパクトな方はお試しいただいてからの方が安全そうです。 音の感触ですが、主旋律を中心に優しくクリアに聴こえるタイプでした。ボーカルなど中域の繊細さが際立ちますし、余計な混じりけがない綺麗なサウンドなので各パートの音像がしっかりと聴こえる。というよりまるで見えるような立体的な輪郭に驚きます。 重低音は控えめですが、中低域の存在感はあるので、とくにボーカル楽曲との組み合わせは必聴です。ハーモニーが各パートに集中すれば聴こえるけれどしっかりと調和している様には感嘆の声が思わず漏れます。 バランスにすることでアタックがしっかりと出てくるようになるため、個人的にはアンバランスのソフトな音色の方が音場の広さも相まって相性がよいなと感じました。 一聴してわかる素晴らしい音なのでぜひ
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
TAGO STUDIO TAKASAKI
T3-03
¥26400 税込
モニターヘッドホンを探しているならこれは外せない
試聴環境:M11 Plus LTD 楽曲:Vivaldi第4番 ヘ短調「冬」/うっせぇわ/Fade Out/いくじなし 箱出ししたばかりの個体を聴かせていただいたのですが、その際は低域の主張が強いなと感じました。 その後しばらくしてから再度聴いてみて「これは ……!」となりましたのでレビューさせてもらいます。 まずは装着感です。 頭周りにぴったりとフィットしてくれます。イヤーパッドの深さは浅めで耳の上に乗るようなタイプですが、側圧が強くないのとクッション性の高さからかしっかりとした遮音性を確保しつつ、耳が痛くなりづらいなと感じました。 イヤパッドの質が良いことや、ユーザー自身で交換できるのもよいですね。 またヘッドパッドもT3-01同様交換が可能なのでメンテナンス性の高さも健在です。 ただ本体の軽量さに対して付属のケーブルの重さは気になりました。長さの違う2種のケーブルが用意されているのですが、どちらもタッチノイズは起きやすいかなと思います。歩行時はケーブルクリップの利用をおすすめします。 音質は解像度がとってもちょうどいいモニターヘッドホンという感じ。 全体的に過不足なく鳴ってくれます。ボケすぎず、キレすぎず、遠すぎずマスクもしないのでレコーディングでも、ミックス・マスタリングでも使えそう。鳴り始める位置が近めなのも定位感がわかりやすくていいです。 音色は少し乾いていると感じます。あくまで堅実に鳴らしますよというヘッドホンだと思うので、そういった傾向が好きな方からすれば恐ろしくコストパフォーマンスが高いモデルとなりえるのではないでしょうか。逆にライブ音源などを多く聴くよという方にはダイレクトに反映されるせいでそれはそれで低クオリティーと感じてしまうものもあるかもしれません。 かの有名なモニターヘッドホンのように、ヘッドホンのハウジング部分を内側に折りたたむことはできないですが、ハウジング部分を90度回して平らにすることのできるスイーベル機構を採用しているので付属のポーチを含めて携帯性は高いと思います。