スタッフレビュー詳細
柔らかく繊細な高解像度イヤホン
「IE 300」、「IE 900」と続いたレゾネーターチャンバー搭載の3モデル目「IE 600」が登場です。パウダー状から造形をされたアモルファスジルコニウム採用のイヤホンは同社初となります。
持ってみるとレジンのイヤホンより微かに金属的な重さがあり、存在感というのでしょうか高級さがうかがえます。手触りはざらっとしていますが綺麗に指が滑るのでなんだかちょっと癖になります。いつまでも撫でていたい。
本体の色味は写真よりも少し褪せたような味のある鈍色で、光沢は無くマットな質感です。
付属品にセミハードケースがあるのもポイント高いです
装着感は、これまでのシリーズに比べると自重のせいか安定感が増したように感じました。ノズルが短めなので耳道の浅い方でも難なく装着できると思います。横に長いので耳介がコンパクトな方はお試しいただいてからの方が安全そうです。
音の感触ですが、主旋律を中心に優しくクリアに聴こえるタイプでした。ボーカルなど中域の繊細さが際立ちますし、余計な混じりけがない綺麗なサウンドなので各パートの音像がしっかりと聴こえる。というよりまるで見えるような立体的な輪郭に驚きます。
重低音は控えめですが、中低域の存在感はあるので、とくにボーカル楽曲との組み合わせは必聴です。ハーモニーが各パートに集中すれば聴こえるけれどしっかりと調和している様には感嘆の声が思わず漏れます。
バランスにすることでアタックがしっかりと出てくるようになるため、個人的にはアンバランスのソフトな音色の方が音場の広さも相まって相性がよいなと感じました。
一聴してわかる素晴らしい音なのでぜひ
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
-
わか
@e☆イヤホン
SENNHEISER
IE 600【~4/22まで!期間限定セール!】
¥84942 税込
ボーカル際立つ。中高音域が美しい必聴のイヤホン
IE 600は中高音域にこだわりを持っている方に是非聴いてほしいイヤホンです。 なんといってもIE 600の最大の特徴は、ボーカル表現の素晴らしさに尽きます。 全体的に音のひとつひとつの分離感がとても高く、その中でもボーカルが浮き出ているような立体的な聞こえ方は本当に素晴らしかったです。 細かな息遣いまでしっかりと聞こえ、まるでその場で歌っているかのような感覚でした。 また、高音域に関しても、かなり細かな音まで鮮明に聞こえ、音抜けが良いことも相まって全体の見通しの良さを感じました。 中音域から高音域に関しては、生々しさを残しつつも、高い解像度と立体感からクールさを感じる音質でした。 低音域に関しては、タイトになり過ぎず、少し暖かみを感じる音で、全体がクールになり過ぎないようバランスを取ってくれていました。 全体を通しては、クールめな音の印象で、解像度の高さと音の広がり方の素晴らしさが魅力的なイヤホンでした。 この価格帯のイヤホンは、マルチドライバーで本体が大き目な製品が多いですが、IE 600は他のイヤホンと比較してかなり小さく薄く設計されているため、装着感の良さ(特に耳への収まり感)がピカイチでした。 また、金属筐体ではありますが、ザラっとしたマットな仕上げとなっているため、比較的キズが目立ちにくくなってます。 毎日外で使う上では、キズを気にするストレスが減るのもありがたいポイントです。 最近聞いた有線イヤホンの中でも特に「欲しい!」と思えるイヤホンでした。 有線イヤホンをお探しの際には、是非候補の一つに入れて欲しいイヤホンです! 試聴環境 iPhone 11→Earstudio ES100→SENNHEISER IE 600 試聴楽曲 YOASOBI - RGB 吉田凜音 - ASUNAROU Cing - アイスクリーム/サイネージ
-
かかりちょー
@e☆イヤホン 秋葉原店
SENNHEISER
IE 600【~4/22まで!期間限定セール!】
¥84942 税込
ボーカル表現に長けたイヤホン
粒立ちが良く、小気味良い低音が軽快に鳴り響いており、一聴して心を奪われました。 軽快ではあるがしっかりと重さを感じることのできる低音になっています。 他の帯域はどうかというと、それはもう素晴らしい仕上がりだと感じました。特にボーカル帯域の表現力が凄まじいです。艶感溢れるボーカルボーカルが近い距離で鳴っており、臨場感を抜群に感じられます。 高域は繊細かつ優しく鳴っており、音が伸びてはくるが、刺さらないという程よい塩梅で気持ちよく聴くことができます。 装着感は並みで気になることはありませんでした。 イヤーピースに少し癖があり奥まで押し込んでしまうと隙間ができてしまいせっかくの低域が抜けていってしまいます。押し込まずに乗せる感じにすると低域の良さが存分に味わえます。 同社のフラグシップ機である「IE900」に迫るクオリティを有していながら一味違うサウンドバランスで新鮮に聴くことができる一本です。 試聴環境 Xperia 5Ⅱ 試聴楽曲 森羅万象「琥珀の海に地球浮かべたら」 Adust Rain「Nevxxxxerland」
このスタッフの他のレビュー
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
KOJO
Doyagu
¥99000 税込
優雅に増幅してくれる、これぞ硬派なアンプ
アンティーク調がとてもかっこいい真鍮削り出しアンプ。 前作の「KM-01」から少し重心が上がりキレが良くなった印象です。 スピード感のある楽曲にも追従するクリーンさがあり、より万能な増幅器として利用していける懐の深さがうかがえます。 とくにジャズトランペットの勢いなどは、まるで生音のようにきれいに表現してくれるので、それこそブラスバンドなどとの相性は素晴らしいです。 艶やかな音色ですが低音のハリも適度にあり、重た過ぎずスッと小気味良く空間に消えていくところが空間表現にうるさい方にもオススメできます。 S/N比も高く感じました。ちゃんとしたmini to miniならきっともっと素晴らしいだろうと期待が高まります。ぜひご自身のイヤホン、ヘッドホンと一緒にそちらもお試しいただきたいですね。 接続用のケーブルは付属しないため、自分の環境に合わせた接続ケーブル選びも楽しんでください。 2022/02/16記載 試聴環境 M11 PLUS LTD SS 付属品で使われるようなMini to Mini VE4.2・Hi-X60
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
beyerdynamic
DT 1770 PRO (250 Ohm)
¥95480 税込
優秀な分解能をもつ堅牢なモニターヘッドホン
ボーカルが少し遠めですが全体のセパレーションが優れているモニター設計のヘッドホン。低域が深いところまでグッと入ってくるので、モニターヘッドホンといえど、ホール感の強いボーカルを味わいながらカッコよくエネルギッシュに聴ける密閉型ヘッドホンだと思います。特に左右のセパレーションが秀逸でした。 耳をすっぽりと覆ってくれる大きさであることと、クッションが厚めでドライバーユニットから耳まで距離をとっているのも快適感を強めてくれます。私の頭では側圧も強いと感じませんでした。 重心は若干低いですが音場形成は良くできており、開放的ではないながらも楽曲の定位や密度感をじっくりと楽しめます。スピーカーで鳴らした時との差異が少なくなるような調整という印象でした。 ハイハットなどの高音の質感については、刺さらないように丸くなっているように感じました。そのおかげで刺激は少なめで長時間のリスニングでも曲の構成をしっかりモニターし続けられます。音の芯がしっかりしているので、その分ウィスパーボイスなどの高い声の帯域の表現は言葉通りのささやくという印象からはズレてしまうかなと感じました。 ハウジングにある製品名がワンポイントデザインとなっておしゃれ。ハウジングを支えるアームですら業務用の無骨さもありながら、綺麗なヘアライン仕上げが高級感を感じます。 ケーブル二種とセミハードケース、二種類のイヤパッドが付属しており充実したアクセサリなのも好印象。レザーとベロアのイヤパッドがあり、なかでもベロアにすることでアタックは弱めになり、先述の遠かったボーカルが少し近づきました。質感はよりウェットになり重心も少し上がったので、ベロアの方がバランスよく聴こえてきます。イヤパッドでも面白いほど印象が変わるので、一台で二度おいしいヘッドホンです。 試聴環境 CH-AMP with Tradutto RS6 PAW GOLD TOUCH
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N7【SPK-A003】
¥272220 税込
1-bit DSD DACなど高い技術レベルが、最高の音質を実現したサブフラッグシップモデル
音の存在感をとにかくクリーンにリラックスしながら楽しみたい方にオススメの逸品。実在感がハンパないです。やりすぎない演出力と、病みつきになる表現力のおかげで、楽曲ジャンルを問わない音質とデザインの両面から考えるとすれば、フラッグシップであるN8iiよりも上かもしれません。 本作のCayin N7はこれまでの芳醇で豊かな音楽を作り出してきた同社の音楽的センスと、技術的ノウハウがしっかりと詰め込まれている素晴らしい完成度の音楽プレイヤーだと思いました。注目を集める新DACはもちろん、その他回路構成や設計のひらめきは同社の製品カテゴリーを越えた集大成と言えるでしょう。 再生時間は約10時間、他サービスも利用できるように独自のカスタマイズを施されたAndroid12とSnapdragon 665に4GbのRAMでストレスフリーな操作性。大画面の液晶と大型の高精度ボリュームはだいぶ扱いやすく、丸みのあるフレームはしっかりと手に馴染みます。背面のポリゴンデザインはこれまでの同社製品には無かった洒落っ気を感じます。 本国では日本以上に「7」という数字を特別な時に使うそうなので、本作のN7は普段の製品とは一味違うのだという表れなのかもしれません。しばらく連続で音楽再生をしていましたが、発熱はほとんど感じられず、付属の専用ケースに入れても背面に廃熱用の隙間がある事からじんわりと熱を感じる程度でしたので、安心して使っていけそうです。 カタログスペックや製品詳細から、フルディスクリート設計でないと到達できないクオリティに技術者が悩み、手間暇をかけた余念のない製品である事が窺えます。 ALL to DSDとあったので最初は、音に丸みがあっていい意味でにじみのある柔らかなサウンドになるから楽曲の相性とかでそうだなと思いながら聴いたのですが、ところがどっこい、厚みと輪郭もしっかりとしたサウンドで余計なノイズ無くオールジャンル聴かせてくれて驚きました。 一聴目が宇多田ヒカルさんのFirst Loveだったのですが、重くしっとりとした空気感とそこに溶けるような宇多田ヒカルさんのボーカルが、高いコントラストで同居した表現に目を見張るならぬ耳を見張りました。思わず「ふふっ」とにやけてしまいます。どちらも際立つというのでしょうか。楽曲を構成しているどれもが際立つという印象。主張があるのに丁寧で優しく感じます。それがそこらじゃ体感できない生々しいサウンドへと昇華されているのです。 フラッグシップの特徴にもあった空間的な奥行きも当然ながらありました。低めのボリュームでも高めのボリュームでもしっかりと感じ取れるのでアンプ部やプレミアムセラミックコンデンサーなどの優秀さが本当に沁みいります。 試聴時に恩恵を特に感じたのは上原ひろみさんのムーヴでした。メンバーたちの演奏が細かいところまで描写されていて、微妙な音色の変化をスムーズに鳴らしてくれたので、新しい表現を発見することができ身震いしました。 手に取れるような近くで弾いてくれているかのようなはっきりとしたディティールがあるのに、演奏全体の熱量も脳裏にはっきりと浮かばせてくれる凄味は卓越した音階表現のおかげでしょうか。絶妙なチューニングだと思います。 複数の要素が絶妙に織り交ぜられた、心地よく音楽に没頭できるプレイヤーでありながらワイヤレス製品各種との接続や、Bluetooth DAC、USB DAC、プリアンプ機能と拡張性も高く、オーディオ製品を向上させると、どんな世界が広がるのかをじっくりと味わえる最高の製品だと思います。
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iBasso Audio
SR3
¥87120 税込
惹き込まれるボーカルと丁寧な楽器表現をしてくれるブレないヘッドホン
耳を覆うオーバーイヤー型らしさで構成された大型な開放型ヘッドホンSR3。 ガンメタで重々しい印象を受けるヘッドホンですが、装着してみるとイヤパッドのクッション性の高さと、頭を覆うように柔らかくフィットするヘッドバンドのおかげで快適な装着感だったのが良い意味で裏切られました。 三作目となる同社のヘッドホンだからか、頭頂部に触れるヘッドバンド部分がスウェード素材となっているところや、イヤパッドがメッシュ加工だったり、パッド形状が前後ろの高さが非対称であることでより顔にフィットするよう工夫がなされていることに、これまでのヘッドホン作りが生きていると感じます。 密着性がしっかりと確保されながらも痛いほど強い側圧でなく、音楽に集中できる適度さが好印象でした。長時間のリスニングで体勢を変えたとしてもズレないのは嬉しいです。 音質は極めて鮮烈で、クリアなサウンドでした。ガチャつきづらく、ひとつひとつのディティールを丁寧に表現してくれます。左右のレンジも広めで空間への響きが溶けていく感じも綺麗です。エッジがきつい印象はなく気持ちよく伸びます。 低域は若干控えめですが小気味良く鳴ってくれるおかげで、ピアノの伸びやかさやギターの旋律に耳を傾けながらも、安定感のあるベースや存在感のあるサックスのどちらもしっかりと聴こえてきます。 どちらかといえば立ち上がりがしっかりとしつつ、少しクールで硬めな印象を受けたのでクラシックなサウンドよりも、モダンなサウンドの方が相性よく感じました。前方に浮き上がるようなスイートなボーカルなので、現代音楽の、特に女性ものとの相性は抜群だと思います。 ヘッドホン側のコネクタは3.5㎜プラグのメスタイプでコネクタ周りに特別な凹凸もないので大抵のサードパーティ製は利用できると思います。 はじめからバランス再生用ケーブルが付属しているのも嬉しいポイント。150Ωの高いインピーダンスでも充分な音量をとれるようにしているということでしょうか。 バランス4.4㎜からアンバランス6.3㎜の変換ケーブルがついているので、アンバランスのイヤホンジャックを利用している方は別売りの変換アダプタを忘れずご購入ください。 再生機材 EF400 K9 PRO ESS ZEN CAN Signature