スタッフレビュー詳細
グルービーで迫力はあるが支配的ではない低音域のかっこよさを味わえる
デザインがシックでカッコいい「Typ512」日本メーカーの日本人気質が随所にこだわりをのぞかせる高級感たっぷりのイヤホンです。
高音が暴れるのが苦手な方や、落ち着いて音の一つ一つを聴きこみたい方にオススメしたくなる歪のない濃密な鳴り方をします。
ドライバー構成は同社独自の平面磁界駆動ドライバーと、新たに開発したUHD ダイナミックドライバーを搭載した2基構成。
欧米人とは骨格や耳道に違いのある日本を含めたアジア人を対象にした耳型のデータ収集を活かした本体の形状は、多くのアジア人ユーザーに快適なフィッティングを実現してくれるでしょう。
フェイスプレート部分には内部の音響にも作用するサファイアクリスタルを窓のように採用しているのは前作の「Typ711」と同様です。
遮音性は高いのですが、左右で各2個あるベントのせいか密接距離に入ると音漏れが聴こえてしまうことがありました。
音色はウェットでダークです。刺さり気味な高域はしっかりと制動されているので上から下までしっかりと堪能することができました。緩急はしっかりしているけれど、張り出しすぎず柔らかすぎずの絶妙な輪郭。エッジがキツくないので、流れるような音の繋がりが心地良いです。
余計な響きを残さないというコンセプトが活きていると感じました。
跳ねるような高音の、頭外に抜けていく感覚は少ないので人によって物足りなさを感じそうです。
しかしながら各帯域の音の繋がり方は実に至妙で、濃密なうえに繊細という類を見ない音質になっていると感じました。
厚みのある低音の存在感は強いですが、ベースのかっこよさやボーカルのブレスの繊細さなど各パートに注力すると細かいところまで鳴らしているのに気づけます。そこに余計なものがないので量感のあるモニターサウンドとして、何度も聴いていた楽曲もこれまで持っていた印象とは違った聴こえ方で愉しませてくれるのではないでしょうか。
付属品にL字型4.4mmバランス再生のケーブルとL字型3.5mmのケーブルが付属します。
今回AMP、DAP、スマホと利用して聴きました。どれでもサウンドバランスは変わらずでしたが深い低域と音の繋がりの良さが魅力のこのイヤホンはぜひともノイズレスなバランス再生で利用して欲しいと感じました。
試聴環境
ADI 2 PRO
AK380
iPhone
試聴楽曲
GATE~それは暁を超えて~
秘密
us.
lose yourself
飛龍の反撃
カンティーナ・バンド
THE HUM
思想犯
The Sacred Geometry
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
-
ナキ
@e☆イヤホン 名古屋大須店
MADOO
Typ512 【MDO-T512-AL】
¥89980 税込
「もったり」重厚サウンドの虜になれ
一聴して先ず、もったりとした超低音~中低音の重厚さに驚愕しました。 「ガツン!ドカン!」と爆発的なものではなく、下顎から後頭部に共鳴するような膨大な質量の低音が「ドッッ……………」と押し寄せてくる! それでいて、べース・チェロ・コントラバスといった楽器の弦を滑る音までしっかりと聴き取ることができます。 お好みによってはブーミーに感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、じっくり聴き込んでいると掠れや余韻の表現も非常に好いんです。 距離として低い音ほど近く感じられる中で、挿し込むように金属筐体らしい涼やかで煌めきを感じる高音が届きます。 まろやかな音色(おんしょく)も相まって、スローテンポ〜ミドルテンポの楽曲をしっぽり聴き込むのに最高の一本。 是非店頭にて実際にお試しくださいませ!
-
おざき
@e☆イヤホン仙台駅前店
MADOO
Typ512 【MDO-T512-AL】
¥89980 税込
見た目のイメージのような音色が鳴る機種
クールで無骨なデザインが目を引く【Typ512】 最初の感想は「ビジュアル通りのクールな音が鳴る」といった印象を受けました。 ごつめなデザインですが、日本メーカーなだけあってか耳の小さめな私でもフィット感が抜群でした。 遮音性も高く、快適に楽曲を楽しめます。 音色ですが、ビジュアル通りのクールな音と表現した通りで高域は刺さらないけど聴き心地がよく、低域多めではありますが全体的にちょうど良く聴ける音色でした。 普段ライブハウスによく行く私にとってはライブハウスの音、というよりかは小洒落たミュージックバーなどでグルーヴィーな音楽を聴いている感覚の音色です。 ベースラインがしっかり聴ける、ドラムのスネアのリバーブ、タムの細かいところも、ボーカルのブレスまで音数の多い楽曲を聴いた時に各楽器をしっかり聴けるのもとても良かったです。 ボーカルが近くで聴こえるので楽曲のボーカルをしっかり細部まで堪能したい!という方には特に試していただきたい機種です。 試聴環境 iPhone14 Pro BTR5 試聴楽曲 藤井風 grace きらり 宇多田ヒカル 君に夢中 First Love(2022 Mix)
このスタッフの他のレビュー
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
NOBUNAGA Labs
INSPIRE NEOシリーズ
3.5mmステレオミニプラグ
¥28800 税込
グッとくる壮大さときめ細やかさが光る美音系ケーブル
ヘッドホンのリケーブル処女作でも圧倒的な人気を博したNOBUNAGA Labsの二作品目。対応機種が幅広いのも人気に拍車をかけていました。今回も同様に対応機種は多いので、音質をもっと鮮明にしたい方や、バランス再生のためのケーブルを探している方は要チェック。 4N純銀・金メッキ、4N純銀、6N OCCの多芯構造となっていますが、ケーブルの太さはそれほど大型でなく、取り回しを犠牲にしないしなやかさがあります。 装着してケーブルに触れてみましたが、分岐部分が樹脂にて充填されているおかげかタッチノイズも少なく持ち運び時にもストレスなく使えると思いました。ケーブル長は1.8mなのでポケットからですと少し巻く必要はありそうですが、ショルダーバッグからですと首を動かしたりしても長さに余裕があり快適でした。 音の変化はだいぶ劇的です。純正ケーブルではうわずっていた中低域がグッと引き締まり身を任せられるような伸びやかな音になりました。 中低域が少し増えますが、野暮ったさを感じることはありません。音像の丁寧さが向上し、特に煌びやかさを損なわず縦のレンジが広がっています。下から持ち上がってくる滑らかさが迫力を感じさせてくれます。 音粒の細かさも印象的で金物のディティールが好印象。ハイハットであればスティックがぶつかった質感を堪能できるほど緻密で情報量が上がったことも実感できると思います。 音の輪郭をはっきりさせながら空間的な余裕も生んでくれるので歪みのないクリーンな信号をヘッドホンに送ってくれるケーブルとなっています。 試聴環境 再生機 N3Pro iPhone X1SGT ZEN Signature SET ヘッドホン ANANDA T3-01 HA-WM90 LIRIC
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N7【SPK-A003】【~無くなり次第終了! トートバックプレゼントキャンペーン】
¥289850 税込
1-bit DSD DACなど高い技術レベルが、最高の音質を実現したサブフラッグシップモデル
音の存在感をとにかくクリーンにリラックスしながら楽しみたい方にオススメの逸品。実在感がハンパないです。やりすぎない演出力と、病みつきになる表現力のおかげで、楽曲ジャンルを問わない音質とデザインの両面から考えるとすれば、フラッグシップであるN8iiよりも上かもしれません。 本作のCayin N7はこれまでの芳醇で豊かな音楽を作り出してきた同社の音楽的センスと、技術的ノウハウがしっかりと詰め込まれている素晴らしい完成度の音楽プレイヤーだと思いました。注目を集める新DACはもちろん、その他回路構成や設計のひらめきは同社の製品カテゴリーを越えた集大成と言えるでしょう。 再生時間は約10時間、他サービスも利用できるように独自のカスタマイズを施されたAndroid12とSnapdragon 665に4GbのRAMでストレスフリーな操作性。大画面の液晶と大型の高精度ボリュームはだいぶ扱いやすく、丸みのあるフレームはしっかりと手に馴染みます。背面のポリゴンデザインはこれまでの同社製品には無かった洒落っ気を感じます。 本国では日本以上に「7」という数字を特別な時に使うそうなので、本作のN7は普段の製品とは一味違うのだという表れなのかもしれません。しばらく連続で音楽再生をしていましたが、発熱はほとんど感じられず、付属の専用ケースに入れても背面に廃熱用の隙間がある事からじんわりと熱を感じる程度でしたので、安心して使っていけそうです。 カタログスペックや製品詳細から、フルディスクリート設計でないと到達できないクオリティに技術者が悩み、手間暇をかけた余念のない製品である事が窺えます。 ALL to DSDとあったので最初は、音に丸みがあっていい意味でにじみのある柔らかなサウンドになるから楽曲の相性とかでそうだなと思いながら聴いたのですが、ところがどっこい、厚みと輪郭もしっかりとしたサウンドで余計なノイズ無くオールジャンル聴かせてくれて驚きました。 一聴目が宇多田ヒカルさんのFirst Loveだったのですが、重くしっとりとした空気感とそこに溶けるような宇多田ヒカルさんのボーカルが、高いコントラストで同居した表現に目を見張るならぬ耳を見張りました。思わず「ふふっ」とにやけてしまいます。どちらも際立つというのでしょうか。楽曲を構成しているどれもが際立つという印象。主張があるのに丁寧で優しく感じます。それがそこらじゃ体感できない生々しいサウンドへと昇華されているのです。 フラッグシップの特徴にもあった空間的な奥行きも当然ながらありました。低めのボリュームでも高めのボリュームでもしっかりと感じ取れるのでアンプ部やプレミアムセラミックコンデンサーなどの優秀さが本当に沁みいります。 試聴時に恩恵を特に感じたのは上原ひろみさんのムーヴでした。メンバーたちの演奏が細かいところまで描写されていて、微妙な音色の変化をスムーズに鳴らしてくれたので、新しい表現を発見することができ身震いしました。 手に取れるような近くで弾いてくれているかのようなはっきりとしたディティールがあるのに、演奏全体の熱量も脳裏にはっきりと浮かばせてくれる凄味は卓越した音階表現のおかげでしょうか。絶妙なチューニングだと思います。 複数の要素が絶妙に織り交ぜられた、心地よく音楽に没頭できるプレイヤーでありながらワイヤレス製品各種との接続や、Bluetooth DAC、USB DAC、プリアンプ機能と拡張性も高く、オーディオ製品を向上させると、どんな世界が広がるのかをじっくりと味わえる最高の製品だと思います。
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
iBasso Audio
SR3
¥87120 税込
惹き込まれるボーカルと丁寧な楽器表現をしてくれるブレないヘッドホン
耳を覆うオーバーイヤー型らしさで構成された大型な開放型ヘッドホンSR3。 ガンメタで重々しい印象を受けるヘッドホンですが、装着してみるとイヤパッドのクッション性の高さと、頭を覆うように柔らかくフィットするヘッドバンドのおかげで快適な装着感だったのが良い意味で裏切られました。 三作目となる同社のヘッドホンだからか、頭頂部に触れるヘッドバンド部分がスウェード素材となっているところや、イヤパッドがメッシュ加工だったり、パッド形状が前後ろの高さが非対称であることでより顔にフィットするよう工夫がなされていることに、これまでのヘッドホン作りが生きていると感じます。 密着性がしっかりと確保されながらも痛いほど強い側圧でなく、音楽に集中できる適度さが好印象でした。長時間のリスニングで体勢を変えたとしてもズレないのは嬉しいです。 音質は極めて鮮烈で、クリアなサウンドでした。ガチャつきづらく、ひとつひとつのディティールを丁寧に表現してくれます。左右のレンジも広めで空間への響きが溶けていく感じも綺麗です。エッジがきつい印象はなく気持ちよく伸びます。 低域は若干控えめですが小気味良く鳴ってくれるおかげで、ピアノの伸びやかさやギターの旋律に耳を傾けながらも、安定感のあるベースや存在感のあるサックスのどちらもしっかりと聴こえてきます。 どちらかといえば立ち上がりがしっかりとしつつ、少しクールで硬めな印象を受けたのでクラシックなサウンドよりも、モダンなサウンドの方が相性よく感じました。前方に浮き上がるようなスイートなボーカルなので、現代音楽の、特に女性ものとの相性は抜群だと思います。 ヘッドホン側のコネクタは3.5㎜プラグのメスタイプでコネクタ周りに特別な凹凸もないので大抵のサードパーティ製は利用できると思います。 はじめからバランス再生用ケーブルが付属しているのも嬉しいポイント。150Ωの高いインピーダンスでも充分な音量をとれるようにしているということでしょうか。 バランス4.4㎜からアンバランス6.3㎜の変換ケーブルがついているので、アンバランスのイヤホンジャックを利用している方は別売りの変換アダプタを忘れずご購入ください。 再生機材 EF400 K9 PRO ESS ZEN CAN Signature
-
ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
SONY
NW-ZX707 C【~3/22まで!新沼音生活応援キャンペーン】
¥95000 税込
高音質×軽量×スタイリッシュ×ストリーミング×スタミナ×拡張性。現代の音楽プレイヤーとして素晴らしい完成度
持ち運び用の音楽再生機器を選んでいるお客様が眉をしかめるポイントのひとつは大きさと重さです。 オーディオ製品はでかいトランスやらコンデンサ、劣化や損失に繋がる素材の排除を主に高品位=重い素材を使って高音質を目指していました。当然質は良くなるのですが大型化や重量化をしてしまうので、そのバランスを取るのがメーカーの腕の見せどころと言えますが、このNW-ZX707はそのバランスが素晴らしいです。 肝となる音質を先にお話しすると、とにかくクリア。一切の濁りが無い繊細な音です。 音の立ち上がりは息を飲むほど速く正確。音の端を捉えることでより音楽のリアリティは増し、楽曲の空気感にも寄与してくれます。高解像度という言葉がふさわしい音楽プレイヤーだと感じました。 音の抜け感や残響の心地よさも秀逸で、「4 Impromptus Op.90 II.Allegro」のようにスピード感が強い音楽は高い解像度が無いと間延びしたような、それこそ演奏が正確に分からくなってしまいますが、一音一音がしっかりと輪郭を持っているので、それらが幾重にも重なった時の感動が凄まじいです。 EDMやトランス、メロコアなどの電子音楽を聴いてみてもその解像度の高さを、音の重なりやエフェクトの切れ目で存分に実感できるので、聴き馴染んだ曲ですら新しい発見があることでしょう。 低域の量感は少し控えめに感じましたが、高い拡張性を持つという点にも触れさせていただきます。 本機は上位モデルであるNW-WM1AM2等にも搭載されている音質変更機能を複数採用しているのでユーザーの好みで音に調整をかけることができます。 例えば4倍近い出力になることで、ダイナミックレンジが担保されやすいバランス再生でも、低域の沈み込みはわりとアッサリと抜けていくので、重低音の地面を揺らす程のあのエネルギッシュさが好きな方は、ノーマル状態からEQなどの各音質調整機能を利用していただければ満足いくようになると思いますし、PCM→DSDにするだけでも大分低域の質感が掴みやすくなるので細かい調整も効きます。 さらにはOSにandroid12を搭載しているので再生ソフトや、エフェクトアプリ、サービスも好きに選択できるので高いユーザビリティがあります。 画面が大きくなり操作しやすくなりながらiPhone 11 Pro Maxを常用している私が小さいと感じる程度に収まったデザインも素晴らしい。 画面が6インチ程の人気スマホですら多くは重量200g程度ですし、厚みもスマホに近いことからスマホショルダーとの組み合わせも考えられる点も好感を持てます。 BluetoothコーデックはLDACに対応し、360 Reality Audioも利用dでき、動画コンテンツ利用も視野に入ったスペック。 内蔵マイクで、音声アシストにも対応しています。 前モデルであるNW-ZX507からサイズが横に広がってしまったとはいえ、厚みが薄くなり再生時間向上や、電機能率の最適化もされています。 音質含めた各種全てが平均以上の、まさに令和時代の音楽再生の申し子のような製品ですのでオススメです。