スタッフレビュー詳細
ストリーミング再生を捨てたポケットサイズで音質重視のレトロなプレイヤー
独自の音楽再生アルゴリズムに加えて、サウンド調整機能MSEBやハーモニックコントローラーを駆使することで生音への忠実さと、ユーザーの好きな聴こえの両方に対応することのできるコンパクトな音楽プレイヤーです。
ポケットにもすんなり入るサイズ。手に馴染む厚みと程よい重さが良い感じにガジェット感を醸し出してくれてますね。
スタンダードなサウンドは美音系サウンドでボーカルは活き活きと歌ってくれます。バックが丁寧な描写なので、輪郭がしっかりとしていながら、単純に引き締めただけでは出ないドライな音色の楽器の表現が特に得意と感じました。
R2Rの不思議なところで、クール寄りの美音だなと思っても、ふと楽曲に含まれるグルーブ成分と言うべきなのか、ドライな音色も的確に表現してくれます。
解像度も高くシティ系やプログレなんかは上手い塩梅にレイヤーが分かれるので、ああ、こんな風に合わせてたのかって新たな発見があって楽しめますね。低域もはっきりと存在感出しながら適切に出ているように感じました。
再生機として優れている反面イヤホンやヘッドホンの特性もがっつりと出てくる気はします。
複数種で聴き比べたところの共通点は、刺さりを感じないですがしっとり艶やかにではなく、少し元気な鳴り方と感じました。聴きどころを安心して満喫できる再生機。
画面上下反転機能でイヤホンジャックを上下どちらにも挿せるように考えられていたり、音量を均一にするリプレイゲイン機能でボリューム差が大きいクラシックとPOPなどを雑多に聴く音楽愛好家にも好まれるシステム作りとユーザー目線もしっかりしていると感じました。
細かいところですが、ギャップレス設定にしてもDSDからPCM音源への移行時切り替えノイズは高感度イヤホンで乗ってしまいました
最後にUSB DAC時に給電をしないようにする本機の機能は嬉しいです。使用しながらの給電はバッテリーに負荷をかけてしまうので長く使うなら避けたいですからね
試聴環境
EH-TZ700
EST112
Hi-X60
T3-01
量感イメージ
この商品に対する
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このスタッフの他のレビュー
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
Odyssey【IRV-ODYSSEY】
¥569980 税込
圧倒的な実力が音楽を多層にし、最高の没入感を与えてくれるイヤホン
本製品は、複数のドライバー制御技術に定評のあるEMPIRE EARSと、ポータブルハイレゾオーディオ製品の始祖とも言えるAstell&Kernが共同で「聴覚の仕組み」に再注目し、新しいアプローチを加えた新時代のベーシックモデルとして開発されました。 そのため矛盾するようですが、あっさりさとしつこさがうまく同居しているような印象でした。 しかし、どの音も立ち位置がしっかりとしており高低差も感じられます。普段なら横一列に並ぶような聴こえ方をするような楽曲も、奥行きが出てくれるのでイヤホン特有の平面的な印象を受けなくて驚きました。 ひとつひとつの音が潰されずに役割をちゃんと果たしているようなイメージです。ラウドネスが上がるという印象とは違って弱い音は弱いまま存在感があるので、月並みな言葉で表現すると聴こえなかった音が聞こえますし、質感の違いも聴き比べられます。特に複数のリリースが見やすいなと思いました。 素材の持つ成分をそれ以上にも以下にもせずに自然と広がってくれる中高域は、音を追うのが楽しくなります。反対に低域はウーファーがあるせいか頭の中でずんっと鳴りました。どちらかといえば少しウォームな低域なのですが、あまりくどさを感じない良質な響き方です。『音を聴くだけでは無く感じる』というコンセプトの割には大味ではないことに、浅いイメージを持っていたことが恥ずかしくなりました。 全体的に骨伝導が聴こえをサポートしているおかげか、その他のドライバーが無理に主張してこない余裕のある鳴らし方をしています。そこが他に無い点と言えるでしょう。音色の表現が多彩で分解能も高いことから、音数の多い楽曲の聴きごたえが一回りも二回りも増すと思います。 多種のドライバーを駆動させることから再生環境である上流も選ぶ事になりそうです。SP3000には本製品向けのEQも用意されているのでユーザーはぜひ試してください。 最後に外観と装着感について、特定の波長領域の光を透過しつつ別波長の光を反射するENIGMAというデザインのフェイスプレートが、手に取るたびに違った顔を見せてくれるので所有欲をくすぐります。本体は厚みがありますが私は奥まで入りがっちりと固定されました。大きく外側に出っ張るということも無く遮音性も高かったです。 2ブランドの名に恥じない極限のイヤホンとするために利用された多くの技術(EIVEC MKII,synX,DCA, Anti-Resonance Compound.etc)の集大成をぜひご体感ください。 試聴楽曲 咲かせや咲かせ 白日 Prologue 星屑の街 Lucy Raise your glass brave shine beyod the veil Vivaldi allegro Ashes 歌よ
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Austrian Audio
Hi-X15【~9/20まで!期間限定セール!】
¥17800 税込
そつのない系ヘッドホンのコスパ一位を狙える
ちょっと聴いただけでやばいってなりました。モニターヘッドホンに『普通に良い』やつです。 現場でも日常でも手軽に高品位なモニターをというコンセプトのヘッドホンだそうです。独自のHi-Xドライバーを採用している唯一性の高いメーカーの製品ですね。 これまでのAustrian Audioの製品では比較的中高音がでやすく、その分低音は弱いというモデルが多かったですが、本製品は中低域がでるようになり高音域は半歩引いた印象を受けました。そのおかげかモニターヘッドホンとしても万人が使いやすいウェルバランスなヘッドホンだと思います。 分解能も高くボーカルとバックの距離感が絶妙で聴きやすいです。タイトかつ量感がほどよい中低域のお陰で、音数が多くなっても誤魔化されず一音一音聴けます。 モニターとしては音場が若干広めで重心は安定しているので、リスニング用として聴こうとすると爽快感とも言えなくもないぬけ感が足りないと感じるかもしれません。音色はドライめとなった印象を受けました。上も下も音がしっかりと引き締まっているので、見たいところが見える優秀なモニターヘッドホンです。 また、装着感もだいぶよいです。まず同社既存製品からだいぶ軽くなったことや、トップバンド部分が一本となったため頭頂部を大きく潰す事もなく頭の小さい方も装着しやすくなっていると思います。イヤパッドの深さは変わらずなので、耳に当たらないのはとても優秀だなと思いました。重量も軽く、折り畳みもできます。 ノリよく音楽の熱量を感じたいんだという方や、リバーブありありの美音を楽しみたいという方よりも、俯瞰的に聞いたり、分析的に聴くことが性に合っているという方にオススメです。同社の中ではいちばんモニターヘッドホンらしい感じはします。 試聴環境 m11 plus ltd ss SEVENTH HEAVEN Guns&Roses 残響散歌 shape of you
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
SENNHEISER
IE 600
¥98901 税込
柔らかく繊細な高解像度イヤホン
「IE 300」、「IE 900」と続いたレゾネーターチャンバー搭載の3モデル目「IE 600」が登場です。パウダー状から造形をされたアモルファスジルコニウム採用のイヤホンは同社初となります。 持ってみるとレジンのイヤホンより微かに金属的な重さがあり、存在感というのでしょうか高級さがうかがえます。手触りはざらっとしていますが綺麗に指が滑るのでなんだかちょっと癖になります。いつまでも撫でていたい。 本体の色味は写真よりも少し褪せたような味のある鈍色で、光沢は無くマットな質感です。 付属品にセミハードケースがあるのもポイント高いです 装着感は、これまでのシリーズに比べると自重のせいか安定感が増したように感じました。ノズルが短めなので耳道の浅い方でも難なく装着できると思います。横に長いので耳介がコンパクトな方はお試しいただいてからの方が安全そうです。 音の感触ですが、主旋律を中心に優しくクリアに聴こえるタイプでした。ボーカルなど中域の繊細さが際立ちますし、余計な混じりけがない綺麗なサウンドなので各パートの音像がしっかりと聴こえる。というよりまるで見えるような立体的な輪郭に驚きます。 重低音は控えめですが、中低域の存在感はあるので、とくにボーカル楽曲との組み合わせは必聴です。ハーモニーが各パートに集中すれば聴こえるけれどしっかりと調和している様には感嘆の声が思わず漏れます。 バランスにすることでアタックがしっかりと出てくるようになるため、個人的にはアンバランスのソフトな音色の方が音場の広さも相まって相性がよいなと感じました。 一聴してわかる素晴らしい音なのでぜひ
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
beyerdynamic
DT 1770 PRO (250 Ohm)
¥95480 税込
優秀な分解能をもつ堅牢なモニターヘッドホン
ボーカルが少し遠めですが全体のセパレーションが優れているモニター設計のヘッドホン。低域が深いところまでグッと入ってくるので、モニターヘッドホンといえど、ホール感の強いボーカルを味わいながらカッコよくエネルギッシュに聴ける密閉型ヘッドホンだと思います。特に左右のセパレーションが秀逸でした。 耳をすっぽりと覆ってくれる大きさであることと、クッションが厚めでドライバーユニットから耳まで距離をとっているのも快適感を強めてくれます。私の頭では側圧も強いと感じませんでした。 重心は若干低いですが音場形成は良くできており、開放的ではないながらも楽曲の定位や密度感をじっくりと楽しめます。スピーカーで鳴らした時との差異が少なくなるような調整という印象でした。 ハイハットなどの高音の質感については、刺さらないように丸くなっているように感じました。そのおかげで刺激は少なめで長時間のリスニングでも曲の構成をしっかりモニターし続けられます。音の芯がしっかりしているので、その分ウィスパーボイスなどの高い声の帯域の表現は言葉通りのささやくという印象からはズレてしまうかなと感じました。 ハウジングにある製品名がワンポイントデザインとなっておしゃれ。ハウジングを支えるアームですら業務用の無骨さもありながら、綺麗なヘアライン仕上げが高級感を感じます。 ケーブル二種とセミハードケース、二種類のイヤパッドが付属しており充実したアクセサリなのも好印象。レザーとベロアのイヤパッドがあり、なかでもベロアにすることでアタックは弱めになり、先述の遠かったボーカルが少し近づきました。質感はよりウェットになり重心も少し上がったので、ベロアの方がバランスよく聴こえてきます。イヤパッドでも面白いほど印象が変わるので、一台で二度おいしいヘッドホンです。 試聴環境 CH-AMP with Tradutto RS6 PAW GOLD TOUCH