スタッフレビュー詳細
ドライなストリングスがハマる
エントリークラスイヤホンのウォーム系で人気を集めたSIMGOTからEAシリーズ新旗艦が満を持して登場です。通常のドライバーのサポートに電磁を利用せずに一定の周波数で共振動作するラジエーターユニットを採用したということで技術的にも新たな試みがなされています。
奥に押し込むか、耳道入り口あたりで支えるかで、だいぶ低域の響き方が変わってしまいます。三つあるベントの中でも一番大きいものが本体内側にあるので、耳穴が浅い方や装着に慣れていない方は気をつけてください。
ベントが気になったので音漏れをチェックしてもらいましたが髪が触れるほど耳を近づけないと聴こえないということだったので音漏れ耐性はありそうです。
箱出し1聴目はザラザラと硬く輪郭もぼやけていたのですが、しばらく鳴らしていると本領発揮されてきて耳から離せなくなってきました。
「Enigmatic Feeling」のイントロで入るギターリフが生々しい。とてもかっこよく耳に響きます。抜けも程よく空間の描写がうまいと感じたので「容疑者ギタリスト」を聴いてみたところ、やっぱりハマりました。ボーカルとバックのディティールバランスが良いとメロウ感が強くなるので、気持ちよく聴ける楽曲だからです。「TELL ME ITS OVER」だと定位はわかりやすく没入感は強くなるのですが低音のパンチは抑え目だと感じました。
木管楽器のかすかな震えも繊細に表現してくれるのは、ラジエーターユニットのおかげなのかもしれません。ボーカルの肉声感をじっくりと楽しめる「暁の車」では悲しくも壮大さのある楽曲の雰囲気を丁寧に表現してくれました。
総合すると全体的に抜けのよい音ですが少しアタックは弱めでした。高い解像度もありながら聴き心地がのよさと迫力の適度さがウリになるイヤホンです。また装着が適切にできないと低音が大きく逃げてしまうので注意が必要です。
幸いイヤピースも2種類付属しているのでユーザーに合わせた調整はできるのでご安心ください。
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
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ちっくん
@e☆イヤホン仙台駅前店
SIMGOT
EA2000
¥43560 税込
SIMGOTがプラグ交換可能になって帰ってきた!
SIMGOTからプラグ交換可能なイヤホンの登場です! 従来のSIMGOTのデザインからシンプルでオシャレなデザインに変わりました。 EA2000の特徴は何と言っても交換可能な3種類のチューニングモジュールプラグです! プラグを交換することで音の違いを楽しめます。 3種類のチューニングモジュールプラグを聴き比べしてみました! ・N3A000 クリアで透き通ったサウンドでボーカルに艶があります。低域のアタックがタイトでレスポンス良く鳴らしてくれます。 ・C3A035(青) 全体的な音のバランスが良く、幅広いジャンルに適しています。 ・N4A000(4.4㎜) ベースのサウンドはN3A000に近い印象です。4.4バランスによって、よりハッキリとした音の分離感・解像度が増します。 プラグを交換する事によって様々な音の違いを楽しめるイヤホンです。是非、店頭でご試聴される際は、プラグを交換して音の違いをお楽しみください! 【試聴環境】 ・XPERIA1Ⅱ 【試聴楽曲】 ・Lupe Fiasco/Battle Scars ・AK-69/Forever Young ・Fabolous,Jeremih/My Time ・乃木坂46/Actually…
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しばちゃん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
SIMGOT
EA2000
¥43560 税込
マルチプラグで多彩なサウンドを!
同社のEN1000と同じく、マルチプラグの切り替えによる独創的な3つのサウンドを楽しめるイヤホンです。 画像で見てもわかる通りかなり耳にフィットし、装着感はとても高く耳奥まで入れられます。いつもイヤホンは浅めに入れている方は少し違和感があるかもしれません。かなり奥まで入るので、今まで使われているイヤーピースと違うサイズが合う方もいらっしゃるかもしれません。私自身、付属と別売りのイヤーピース共に1サイズ上にするとフィットしました。 プラグは青のC3A035をメインに聴き比べました。基本的に高解像度でスパッとメリハリが効きつつも、耳当たりは少し柔らかく抜けの良いクリアなサウンド。ボーカルとメロディーラインのバランスが良く、そこに少し抑えつつも耳を程よく震わすベースラインが強調され、絶妙なグルーヴ感を楽しめます。艶感と爽快感の両立をもとめるのであれば青のC3A035がいいかと思います。 プラグをグレーのN3A000に変えると、高域が伸びつつ煌びやかなサウンド、全体的にさらにクリアでさっぱりとしています。ボーカルも艶っぽさは損なわず抜け良く楽しめます。 そしてN3A000に近い、バランス接続可能なN4A000に変えると、一気に左右の分離感と解像度が増します。一音一音のディテールを求めつつ、一番爽快感を楽しめるサウンドはこのプラグです。 店頭で試される際は、是非三種類ともお試しくださいね!
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KJ
@e☆イヤホン
SIMGOT
EA2000
¥43560 税込
ジャンルや好みに合わせてチューニングができちゃいます!
3種類のプラグを切り替えて、サウンドを変えられる面白いイヤホンが登場しました! シルバーな筐体は程よい重みと輝きで、非常に高級感があります。正面には細かな模様がえがかれており、目立ちすぎないちょうどいい個性を演出してくれていて素敵です☆ ビジュアルは非常にまとまりのある大人なデザインといった印象でした! そして今回の最大のポイントは、「チューニングモジュールプラグ」という、その名の通りプラグを交換してチューニングができちゃうというところ! 選べるプラグは3種類。 簡単に分けると、 ・クリアで透明感のあるサウンド ・バランスに特化した様々なジャンルをそつなくこなすサウンド ・より強い分離感と解像度で詳細な音まで鳴らしてくれるサウンド といったそれぞれ特性が違うプラグを切り替えて楽しむことができるんですよ! 一つのイヤホンで3種類のサウンドが楽しめるなんてお得すぎます……。 実際に聴いてみて共通して感じたのは、メリハリのあるサウンドでアップテンポな曲と非常に相性が良いということ! 綺麗な伸びと力強い低域が合わさり、心地よい疾走感が耳の中を駆け抜けていきました☆ 完成度が高いですねぇ。 皆さんもこの美しい「EA2000」と一緒に音楽の草原を駆け抜けていきましょう!!
このスタッフの他のレビュー
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
Odyssey【IRV-ODYSSEY】
¥569980 税込
圧倒的な実力が音楽を多層にし、最高の没入感を与えてくれるイヤホン
本製品は、複数のドライバー制御技術に定評のあるEMPIRE EARSと、ポータブルハイレゾオーディオ製品の始祖とも言えるAstell&Kernが共同で「聴覚の仕組み」に再注目し、新しいアプローチを加えた新時代のベーシックモデルとして開発されました。 そのため矛盾するようですが、あっさりさとしつこさがうまく同居しているような印象でした。 しかし、どの音も立ち位置がしっかりとしており高低差も感じられます。普段なら横一列に並ぶような聴こえ方をするような楽曲も、奥行きが出てくれるのでイヤホン特有の平面的な印象を受けなくて驚きました。 ひとつひとつの音が潰されずに役割をちゃんと果たしているようなイメージです。ラウドネスが上がるという印象とは違って弱い音は弱いまま存在感があるので、月並みな言葉で表現すると聴こえなかった音が聞こえますし、質感の違いも聴き比べられます。特に複数のリリースが見やすいなと思いました。 素材の持つ成分をそれ以上にも以下にもせずに自然と広がってくれる中高域は、音を追うのが楽しくなります。反対に低域はウーファーがあるせいか頭の中でずんっと鳴りました。どちらかといえば少しウォームな低域なのですが、あまりくどさを感じない良質な響き方です。『音を聴くだけでは無く感じる』というコンセプトの割には大味ではないことに、浅いイメージを持っていたことが恥ずかしくなりました。 全体的に骨伝導が聴こえをサポートしているおかげか、その他のドライバーが無理に主張してこない余裕のある鳴らし方をしています。そこが他に無い点と言えるでしょう。音色の表現が多彩で分解能も高いことから、音数の多い楽曲の聴きごたえが一回りも二回りも増すと思います。 多種のドライバーを駆動させることから再生環境である上流も選ぶ事になりそうです。SP3000には本製品向けのEQも用意されているのでユーザーはぜひ試してください。 最後に外観と装着感について、特定の波長領域の光を透過しつつ別波長の光を反射するENIGMAというデザインのフェイスプレートが、手に取るたびに違った顔を見せてくれるので所有欲をくすぐります。本体は厚みがありますが私は奥まで入りがっちりと固定されました。大きく外側に出っ張るということも無く遮音性も高かったです。 2ブランドの名に恥じない極限のイヤホンとするために利用された多くの技術(EIVEC MKII,synX,DCA, Anti-Resonance Compound.etc)の集大成をぜひご体感ください。 試聴楽曲 咲かせや咲かせ 白日 Prologue 星屑の街 Lucy Raise your glass brave shine beyod the veil Vivaldi allegro Ashes 歌よ
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
HIFIMAN
SUNDARA Closed-Back
¥55880 税込
耳に痛くない中高域を楽しめる
HE-R10から始まったHifiman密閉型シリーズの三作目です。数少ない木材を利用した平面磁界駆動型ヘッドホンのなかでも唯一、ハイエンドヘッドホンにも使われる再生パーツ『ステルス・マグネット』を採用した密閉型ヘッドホンだからか、空間的な余裕が感じられます。それに加えヘッドルームを感じるほどの余裕のある鳴り方なので激しいハイハットもソプラノも難なく鳴らし切ります。長く聴くのに持ってこいのサウンドです。 特に中音域のディティールの細やかさが素晴らしいです。繊細な表現をしてくれながらも、開放型のヘッドホンのようにリリースの方向が外部へと向かっているような感覚がありました。 バスドラの輪郭はやわらかめで、キツさが程よく無くなってくれました。量感は人によって足りないかもしれません。 全体的に音圧は控えめで、安心して身を任せる事の出来る音色です。 また、ボーカル等の中域は厚みがあり聴きごたえがあります。ちょっと前に出すぎだなと感じることが多いJPOPやJROCKなどでも上手くいなしてくれるので、心地よく聴くことができました。 ボディは重めで、側圧をやや感じますが、パッドの柔らかさとトップバンドの大きさも相まって相殺されており、そこまで圧は感じませんでした。遮音性も高めなので外でも安心して使えそうです。 総じてキレキレな音をまろやかにしてくれる為、エッジの効いた硬質な音色を好む人よりも、朗々と鳴る歪まない音を楽しみたい人に、手を出して欲しいヘッドホンです。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
TAGO STUDIO TAKASAKI
T3-03
¥31250 税込
モニターヘッドホンを探しているならこれは外せない
試聴環境:M11 Plus LTD 楽曲:Vivaldi第4番 ヘ短調「冬」/うっせぇわ/Fade Out/いくじなし 箱出ししたばかりの個体を聴かせていただいたのですが、その際は低域の主張が強いなと感じました。 その後しばらくしてから再度聴いてみて「これは ……!」となりましたのでレビューさせてもらいます。 まずは装着感です。 頭周りにぴったりとフィットしてくれます。イヤーパッドの深さは浅めで耳の上に乗るようなタイプですが、側圧が強くないのとクッション性の高さからかしっかりとした遮音性を確保しつつ、耳が痛くなりづらいなと感じました。 イヤパッドの質が良いことや、ユーザー自身で交換できるのもよいですね。 またヘッドパッドもT3-01同様交換が可能なのでメンテナンス性の高さも健在です。 ただ本体の軽量さに対して付属のケーブルの重さは気になりました。長さの違う2種のケーブルが用意されているのですが、どちらもタッチノイズは起きやすいかなと思います。歩行時はケーブルクリップの利用をおすすめします。 音質は解像度がとってもちょうどいいモニターヘッドホンという感じ。 全体的に過不足なく鳴ってくれます。ボケすぎず、キレすぎず、遠すぎずマスクもしないのでレコーディングでも、ミックス・マスタリングでも使えそう。鳴り始める位置が近めなのも定位感がわかりやすくていいです。 音色は少し乾いていると感じます。あくまで堅実に鳴らしますよというヘッドホンだと思うので、そういった傾向が好きな方からすれば恐ろしくコストパフォーマンスが高いモデルとなりえるのではないでしょうか。逆にライブ音源などを多く聴くよという方にはダイレクトに反映されるせいでそれはそれで低クオリティーと感じてしまうものもあるかもしれません。 かの有名なモニターヘッドホンのように、ヘッドホンのハウジング部分を内側に折りたたむことはできないですが、ハウジング部分を90度回して平らにすることのできるスイーベル機構を採用しているので付属のポーチを含めて携帯性は高いと思います。
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ひろ
@e☆イヤホン 秋葉原店
beyerdynamic
DT 1770 PRO (250 Ohm)
¥95480 税込
優秀な分解能をもつ堅牢なモニターヘッドホン
ボーカルが少し遠めですが全体のセパレーションが優れているモニター設計のヘッドホン。低域が深いところまでグッと入ってくるので、モニターヘッドホンといえど、ホール感の強いボーカルを味わいながらカッコよくエネルギッシュに聴ける密閉型ヘッドホンだと思います。特に左右のセパレーションが秀逸でした。 耳をすっぽりと覆ってくれる大きさであることと、クッションが厚めでドライバーユニットから耳まで距離をとっているのも快適感を強めてくれます。私の頭では側圧も強いと感じませんでした。 重心は若干低いですが音場形成は良くできており、開放的ではないながらも楽曲の定位や密度感をじっくりと楽しめます。スピーカーで鳴らした時との差異が少なくなるような調整という印象でした。 ハイハットなどの高音の質感については、刺さらないように丸くなっているように感じました。そのおかげで刺激は少なめで長時間のリスニングでも曲の構成をしっかりモニターし続けられます。音の芯がしっかりしているので、その分ウィスパーボイスなどの高い声の帯域の表現は言葉通りのささやくという印象からはズレてしまうかなと感じました。 ハウジングにある製品名がワンポイントデザインとなっておしゃれ。ハウジングを支えるアームですら業務用の無骨さもありながら、綺麗なヘアライン仕上げが高級感を感じます。 ケーブル二種とセミハードケース、二種類のイヤパッドが付属しており充実したアクセサリなのも好印象。レザーとベロアのイヤパッドがあり、なかでもベロアにすることでアタックは弱めになり、先述の遠かったボーカルが少し近づきました。質感はよりウェットになり重心も少し上がったので、ベロアの方がバランスよく聴こえてきます。イヤパッドでも面白いほど印象が変わるので、一台で二度おいしいヘッドホンです。 試聴環境 CH-AMP with Tradutto RS6 PAW GOLD TOUCH