スタッフレビュー詳細
余韻を感じるフラットサウンド
NDH 30はミキシングやマスタリング向きで、説明にもありますが特に昨今の『VRやゲームなどの没入型コンテンツのバイノーラルミックス作成』に対して、非常によく作りこまれているモニターヘッドホンです。
同ブランドの密閉型モデルのNDH 20にも感じましたが、通常のモニターヘッドホンには無いリバーブ感があり、これはゲームのBGMや環境音といった楽曲の調整に対して、大きなメリットになると思います。
NDH 20では艶のある質感やボーカルラインが前に来て、バックの楽器がやや後退するような描写がありましたが、NDH 30の場合は、開放されることで艶っぽさが乾いた質感となり、音抜けがよく高い解像度が出せるようになりました。
その結果ボーカルラインと楽器の区分けが上手くなり、より音を把握しやすくなっています。
装着感となりますがNDH 20に感じた側圧(しめつけ)が、一新されたヘッドパッドによって和らぎ長時間での使用もしやすくなりました。また緩くなったわけではなく固定力はしっかりしており、付けた際の重さもやや軽くなってより負担が軽減されました。
試聴環境:ADI2-DAC FS
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
-
マロン
@e☆イヤホン 名古屋大須店
NEUMANN
NDH 30
¥97020 税込
生音感がたまらないモニターヘッドホン
全体的にメタリックで洗練されたデザインという印象を受けますが、イヤーパッド内部やプラグカバー部分のオレンジカラーがいいアクセントになっています。 かっこよくもあり、どこか可愛らしさもあり、個人的には好みのデザインです。 装着してみると予想以上につけ心地がよく、驚きました。側圧も軽めですが、耳をイヤーパッドがしっかり覆ってくれるので、ホールド感もちゃんとあります。 肝心の音に関してですが、全体的にドライで硬めなサウンドです。モニターヘッドホンらしいフラットで忠実な定位感はもちろんですが、弦を弾く音やドラムのタムが跳ねるときの生音感がとても印象に残りました。 ボーカルの声は味付け一切なしの忠実さで、モニターヘッドホンとしての精度の高さが窺えます。 開放型ヘッドホンなので音全体の窮屈さも感じず、伸び伸びとした空気感の表現が素晴らしいヘッドホンです。 折りたたみ可能で、持ち運びにも便利なので、スタジオ等への移動が多い方にぜひおすすめしたいモニターヘッドホンです。
-
シャモ
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
NEUMANN
NDH 30
¥97020 税込
「摩擦音」の繊細なディティールも描き出すノイマンの開放型ヘッドホン!
まずこの機種を手に持った時、思っていた重量よりも軽くて驚きました。全体がメタリックカラーの為、ずっしりとした質感を想像していましたが本体の重量は370gとミドル~ハイの開放型のヘッドホンの中では軽い部類です。装着時の重量は長時間使用する際の疲れなどに影響するのでこういった点は非常にありがたいですね。 イヤーパッドは蒸れを感じにくいファブリック素材のイヤーパッドが採用されており、耳周りの当たりも気持ちいいです。側圧が少し強めに感じられますが、イヤーパッドの柔らかさで緩和されいい具合です。 音質に関して、低域の量感やヌケ感などの良い部分がたくさんありますが、個人的に気に入った部分としては「声のかすれ」がめちゃくちゃ好みでした! 「歯擦音(しさつおん)」と呼ばれるさしすせその音が良く聴こえるモニター系のヘッドホン派、個人的に苦手で今まで避けていたことが多かったですが、このNDH 30は高域の伸びの良さと、刺ささりそうな部分の抜け感が程よく「声のかすれ」具合を綺麗に表現してくれています! 深い低域や、とにかく解像感の高さなどを求める方には物足りない部分などあるかもしれませんが、声の息づかいや生っぽさを求める方に非常におすすめです! 【試聴環境】 ifi-audio ZEN DAC 【試聴楽曲】 菅原 圭 「ミラ」 Justin Bieber「Peaches」
-
せめちゃん
@e☆イヤホン 秋葉原店
NEUMANN
NDH 30
¥97020 税込
衝撃の中音域に圧倒される!
ドイツの高級マイクメーカーNEUMANが生み出した、圧倒的な中音域の再現性を持つNDH30。 スタジオモニタースピーカーのサウンドを持ち運ぼうと開発された経緯からも伺えるように、定位の正確性と、リアルなサウンドを追求した解像度の高さが特徴だと思います。 先行機種のNDH20と比べて聴いてみると、NDH30の方はかなり空間的余裕があるように思えます。 楽器の位置をより忠実に再現していて、音源によってサウンドステージの距離感が変わるような感覚を個人的に覚えました。 密閉型のNDH20から開放型になったことによって、より立体感の溢れるヘッドホンになっている印象です。 そしてその開放型の恩恵は、ドライな感じがあ り、ハッキリとした音色に表れていると思います。 NDH30で最も特徴のある中音域は、どの帯域よりも鮮明に鳴って聴こえます。 ボーカルの息遣いや、レコーディング現場の空気感まで聴こえそうなほどクリアに聴こえました。 さらに低音域は量感があり、適度に丸く温かみのあるサウンドで、モニターヘッドホンらしい輪郭のくっきりした中高音をしっかりと支えているようなイメージが持てます。 個人的に偏見として持っていた「開放型でモニターライクなヘッドホンは、あまりリスニングに向かない」というような意見をNDH30が見事に覆してくれました。 実際に生の音を聴いているかのように感じられるので、楽曲制作のモニター用としても、そして音楽鑑賞のリスニング用としても、色んな目線で見ても"音が楽しい"と思えるヘッドホンなのではないでしょうか。 ヘッドホンに興味のある方に 一度は試聴していただきたいヘッドホンです!
このスタッフの他のレビュー
-
タナトス
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
M23 【FIO-M23-B】
¥121140 税込
ボーカル曲聴くなら、これ!
以前にM11 Plus LTD Aluminum Alloy(以下M11 Plus)を使用していた時期があり、今回のM23が後継にあたるということで気になっておりました。 音質に関して、それぞれのモードで聴いてみました。 【Pure Musicモードでの試聴時】 実際のサウンドはM11 Plusに近い音色で、クールさと艶のある明るさが合わさった音になっています。特に中域〜高域にかけての解像度がかなり向上しており、表現方法がより繊細で隈なく聴き取りやすく、M11 Plusに感じていた荒っぽさが無くなっています。個人的に女性ボーカルを多く聴くので、そういったニーズにより応えたDAPだと感じました。低域に関しては、以前と比べてやや控えめになったように感じており、量感が欲しい方は残念かもしれませんが、解像度と見通しの良さは向上しました。 【Androidモードでの試聴時】 音色は変わらずですが、シャキっとした音が全体的に緩くなったように聴こえます。これは単純に解像度が落ちたからかもしれませんが、逆に輪郭を暈したりとマイルドさを求める方にはこのモードがオススメです。普段はYouTube Musicを使用しており、M11 Plusの時と同じ程度に動作していました。 【Desktopモードでの試聴時】 Pure MusicモードとAndroidモード時と色合いの変化はあまり感じられませんが、使用前に比べて安定感のある音になり、レンジが広がって細く物足りなかった描写に厚みが増しました。聴き応えのある表現ができるようになります。レンジが広がった分、空間描写力もやや上がり、電源を変えた際に生じる特有の音の明瞭感も出て、よりクリーンに見通し良く音楽を楽しむことができます。同社のM15S(DC給電モード)との比較では、全体的な明瞭感や能率の良さは、若干M15Sの方が上ですが、ボーカルメインや生っぽい描写を好む方にはM23がオススメです。 操作感に関しては、Android特有の敏感なタッチ感はありますが、FIIOのDAP全体で言えるところですので、特に使いづらい点はありませんでした。個人的に改善された点として、アナログ端子の差込口が上部に配置されたことが挙げられます。これにより、Astell&KernのDAPのような使い心地で、スマホスタンドなどに置きながら試聴する際に便利です。 試聴環境:EMPIRE EARS Legend X,EFFECT AUDIO Ares S/8wire 試聴楽曲:星街すいせい『StellarStellar/THE FIRST TAKE』
-
タナトス
@e☆イヤホン 秋葉原店
DUNU-TOPSOUND
DTC480
¥13090 税込
堅牢なデザイン堅牢なサウンド
試聴環境:DAP「Galaxy S21」、イヤホン「EMPIRE EARS Legend X」 DTCシリーズの新しいモデルが発売されました。 近未来的なデザインの「DTC 500」と武骨で堅牢なデザインの「DTC 480」、どちらも異なる外観の魅力があります。 音質について、高域にかけてのスッキリ感と音の伸びは「DTC 500」に軍配が上がりますが、ボーカルがやや近めで低域の厚みは「DTC 480」の方が優れています。 音色はややクール寄りでドライ、若干硬質なサウンドとなっています。使用していたイヤホンが「Legend X」なのも相まって、低域のアタック感を持ちながらも声は聴きやすく、平面的ではありますが見通しの良い表現ができるようになりました。高中低の音の分離をしっかりとしたい方にお勧めしたいスティック型DACです。 使用時の取り回しですが、サイズが43mm×22mmとMONO消しゴムくらいの大きさのため、比較的コンパクトでポケットに入れた際や収納時もかなり楽に使用できました。
-
タナトス
@e☆イヤホン 秋葉原店
CTM
CE320
SMOKE
¥52800 税込
ステージモニターに最適!
かなりマイルドな味付けの聴き疲れしにくいモニターイヤホンという立ち位置です。 パッと聴いた瞬間はモコモコ感のある低域が印象深いものの、長く聴くと分かりますが実際のサウンドバランスは“かまぼこタイプ”で、中〜低域の表現力が高いです。 音色はドライで、定位は手前にあるボーカルを中心に豊かなで量感のある低域が優しく包み込んで配置しており、音の遠さは感じず、捉えやすいサウンドです。リスニングで使用する際は、迫力がありながらも圧迫感がないため、長時間でも聴ける良さがあります。 また、本体が片耳約5gと軽量なので重さの面で装着疲れしにくく、イヤーピースが合えばしっかり固定ができます。 縦の奥行きがタイトで横の広がりがあるサウンドなので、装着のしやすさと軽量さを考慮すると、動けるステージモニターをお求めの方には特にオススメです。 試聴環境:Galaxy S21
-
タナトス
@e☆イヤホン 秋葉原店
aune audio
AR5000
¥46900 税込
整った定位とボーカルが秀逸
シルバーカラーのシンプルで無骨な外観から、「どんな音なのだろう?」と興味がそそられます。 まずは装着感に関して、ハウジングの大きさやデザインから受ける印象とは裏腹に、おおよそ350g前後と軽量です。さらに、軽量でありながらも側圧は程よいと感じました。イヤーパッドのカバー「EarProfit」を付ける際にはL70のサイズがおすすめです。 また、リケーブルに関しては、3.5mm両出しとなっているものの、他社製品のケーブルの相性によっては挿さりがキツく感じられる場合があります。なので、リケーブルの際は思いっきり挿すのではなく、ゆっくり挿して行うことをオススメします。 そして、音質についてはやや中域が前にくる、全体的に透明度の高いサウンドです。ボーカルから高域にかけては、開放型ヘッドホンの中でも比較的あっさり目な位置づけだと感じます。中低域はキックやアタックが心地よく響いており、低域は量感で押し切るのではなく、澄んで見通しよく鳴らしてくれています。 音の立ち位置は近めで聴き取りやすいところにあり、特に女性ボーカルが前に来てくれます。音の近さ故に迫力があったり、パワフルに聴こえる部分もありますが、先述の通り量感で押し切る感じではないので、厚ぼったくはならずリズムよく聴ける楽しさがあります。 音が整っていて聴き取りやすく、透明度のある奥行きを感じたい……でもある程度はパワフルさが欲しい! そんな方におすすめしたいヘッドホンです。 試聴環境:Hiby R6 proⅡ