スタッフレビュー詳細
「パーソナライズ」という新提案!未体験ゾーンへ誘うTWS!
オーディオの新しいステージの幕開けを感じさせるイヤホンが登場しています。それがこちら、「DENON PerL True Wireless Earbuds」です。
このイヤホンのレビューに入る前に「同時発売されている『PerL Pro』と比べてどうなの?」という部分に関して、あくまで個人的にではありますが、簡単な見解を述べさせていただきます。
こちらのPerLシリーズ、魅力は様々ありますが、キーワードは何と言っても「パーソナライズ」です。この機能による音楽体験は、これまでのリスニングに対する概念を覆して余りあるものでした。そしてその体験はProでのみ味わえるものでは決してなく、今回レビューするPerLでも十二分に体感できます。「せっかくなら上位モデルが欲しいけど、どうしても予算が……」という方こそ、この先も読み進めていただけたら幸いです。それでは、前置きが長くなりましたがレビューの方に入ります。
音に触れる前に、機能面について簡単に紹介します。まず、ノイズキャンセリングと外音取込機能共に搭載しており、どちらも実用的な仕上がりに感じました。特にノイズキャンセリングは、そのパワーも去ることながら、比較的自然に効いてくる印象です。この「効きの自然さ」というのが音楽体験への没入という点において非常に重要な役割を果たしてくれますし、何よりPerLシリーズという新たな音楽体験との出会いを提供してくれるモデルとの相性は抜群です。
また、イヤホン本体がそれなりのサイズ感であることによって装着感に対する不安の声も聞こえてきそうですが、そこもさすがはDENON。耳に触れる部分は意外にも大きすぎず、イヤーピース、イヤーフィン共にサイズが多数同梱されていますので、私の耳ではしっかりとしたホールド感が得られました。(店頭で展示されているものと別サイズのイヤーピース・イヤーフィンのご試着をご希望の方は、お近くのスタッフまでお気軽にお申し付けください)
加えて、タッチ部分の面積が確保されているため、操作性も非常に良好です。タッチ時に毎回音が鳴るので誤操作も少なくて済みますし、そもそもの感度が絶妙であると感じました。
更にその操作内容をアプリで計8箇所カスタマイズできる自由さもあり、この後紹介させていただくパーソナライズ機能と併せて、イヤホンを自分だけの相棒にできます。
ここから、いよいよ音のレビューに入ります。デフォルトのサウンドはあくまでバランス型で、誇張表現の少ないあっさりとした仕上がりに感じました。強いて言えば少し低音の存在感が強いかなといった程度です。それゆえ苦手とするジャンルも特になく、極めて聴き心地の良い音質でした。とはいえ、こちらのイヤホンは「パーソナライズ機能」を活用することが大前提。この先が本題と言っても過言ではありません。
まず、こちらの「Masimo AAT」というパーソナライズ機能、使い方は至って簡単です。というか、やることはほぼありません。最初にアカウントを作成し、パーソナライズをスタート。これだけです。あとは自動でイヤホンが全ての測定を行ってくれます。この、選択肢を選んだり聞こえたらボタンを押すなどの行程がないことが、個人的に非常に未来感があり、この時点からワクワクが急上昇してまいります。
さて、パーソナライズも終了、いよいよ体感の時です。個人的なファーストインプレッションとしては、とにかく「別物」であるという表現が一番近いでしょうか。この時の感覚を文字でお伝えするのは非常に難しいのですが、一聴して自身のリスニングが次のステージへ進んだことを思い知らされました。
まず、どこまでも広大な空間を最初に感じます。その空間全体に響き渡り、抜けていく高域、それを後ろからガッチリと支える低域、これらの音に囲まれてスポットライトを浴びるかのように映えるボーカル帯。その全てが本物に感じられます。これだけ広々とした音なのにまとまりと輪郭がまったく損なわれていないのは、ひとえにその定位感に起因していると思います。左右だけでなく前後感もはっきりと認識でき、その繊細さには驚かされます。
パーソナライズのオンとオフの違いを例えるなら、テレビで観ていたライブ映像の中に突如吸い込まれたような、そんな驚きと変化量がありました。未体験の広がりとまとまり、響きと緻密さを一挙に得られます。まさに音に抱き締められているような、そんな濃密な音楽体験でした。これをワイヤレスで体感できるのだから、驚愕の一言です。
DENONが自社のサウンドイメージとして掲げている「Vivid & Spacious」というものがあります。この「鮮やかで広大」というコンセプトと、今回搭載したパーソナライズという機能の特性は、出会うべくして出会ったと思えてくるほどに噛み合っていました。 オーディオは「どう聴かせるか」から「どう聴こえているか」の方にフォーカスしていく時代になっていくのかもしれません。もちろん、一概にどちらが優位と言えることではありませんが、新しいリスニングの選択肢が誕生したことだけは確かです。
老舗国産オーディオメーカーの音への飽くなきこだわりと、最新の科学技術が手を組んだ、芸術的とも言える「PerL True Wireless Earbuds」のサウンド、是非一度ご堪能ください。
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
-
えんじ
@e☆イヤホン 秋葉原店
SIMGOT
EA500 LM
¥15300 税込
どんな自分もこれ一本で!一面では魅力が測れない、もっと知りたくなるイヤホンです!
「EA500の後継機」で片付けてしまうのはもったいない! 様々な表情を見せてくれる新作イヤホン「EA500 LM」のご紹介です。 こちらの製品、付属してくるのはイヤホンとケーブル、キャリングケース、イヤーピースとノズルがそれぞれ3ペアと、一見シンプルな内容です。ただ、この「三種のノズル」が本機の肝となり、多様な表現を聴かせてくれます。 前作「EA500」でも二種のノズルが付属していましたが、本機のノズルをそれぞれ試してみた結果、交換による変化を楽しむという意味で、付属の本数が増えたこと以上の満足感を得ることができました。 ですので、本機は特に、イヤホンのカスタマイズに馴染みがない方にこそおすすめしたい逸品です。 ノズルを換えたところでそこまで変わる? 本体部分は同じなのに? と思われる方もいらっしゃるでしょう。私も最初はそう思っていました。 そんな方にこそ、ほんの一手間でその日の気分やシーンにアジャストできるこのイヤホンの強みをお伝えしたいと思います。 まず、イヤホンそのものの仕上がりは、バランス感覚に優れた苦手の少ない優等生という感じです。「EA500」よりも中低域の量感が少し増し、描写力も向上したように感じますが、帯域バランスは比較的整っています。意図的に特徴を作らず、特定のジャンルに特化させないところに好感が持てました。細やかな表現も上手ですが、空間がややコンパクトなので、密度感も損なわれることがないのが絶妙です。 上記のような性質ゆえ、ノズルを換えたからといって繊細で優しい美音系から重低音ゴリゴリ極太サウンドに変身!というような極端な変化量とは違います。例えるなら、一人の人間の会社での顔、休日自宅でのんびりしている時の顔、友人とランチに出掛けた時の顔、のように、同じ人にも様々な表情がある、といった雰囲気が近しいでしょうか。それでは、各ノズルの個人的な分析を列挙していきます。 【金色ノズル/赤色リング】 明るい音という印象です。全体として柔らかめの音色ですが、音の芯の部分は的確に捉えてくるのできっちりとした印象を覚えます。清々しく伸びやかな中高域はまさに華やかです。余韻感もありますが残り過ぎず、輪郭がぼやけることがありません。対して低域は、量感こそしっかりしていますが、決して前に出過ぎることはなく、あくまで主役は上の帯域であるとの意思表示かのようです。「縁の下の力持ち」という佇まいでした。このような可憐且つ上品な音色はクラシックやジャズテイストのインスト楽曲との相性が抜群でしたが、そこに歌が加わることで、また違った表情を見せてくれます。歌声の距離が近く描写は細やかなので、ボーカリストそれぞれの表現や感情が流れ込んでくるかのようでした。言葉の力を感じられる表現です。そしてそれらを前述の特性を持つ楽器隊が品良く飾り立てる様は、時に目を閉じて聴き入りたくなるようなドラマチックな仕上がりとなっていました。 【銀色ノズル/赤色リング】 ニュートラルサウンドという印象です。残響感も少なく、質感、定位含めて正確な音を出してくれます。聴き手の感情が持っていかれすぎないので、楽曲の構成を把握したり、分析的に聴きたい時にうってつけのサウンドであると言えるでしょう。リスニング時は、個人的にはテクノの鳴りが特に好印象でした。小気味良さがクセになるサウンドで、電子音との親和性は抜群です。このリズムの取りやすさ、というより思わずリズムを刻みたくなる要因は、このノズルの低域の締りも一役買っているのでしょう。スマートな歯切れの良さが気持ち良く、このまま作業やワークアウトに出掛けたい気分になりました。捗ること間違いなしです。 【銀色ノズル/黒色リング】 最も弾力感のあるサウンドです。全ての音が弾むようで、これぞ元気サウンド!といった感想です。アタック感が強く、分離感も確かなものがあるので、ロック全般が得意です。ロックであれば、疾走感のある爽やかなものから、激しく重たいハードなものまで網羅できる印象でした。また、EDMなどのダンスミュージック系の、特にテンポが速めのものともピッタリです。跳ねるような音の質感が、トランスと呼ばれるような楽曲の中毒性をさらに高めてくれました。上記の質感ゆえ、ヒップホップとの相性も素晴らしいものがあります。そもそも曲全般がリズミカルなものがほとんどなので、ボーカル、演奏共に聴き応え十分です。三種のノズルの中で最も活きが良いので、ボルテージを上げてくれるような楽曲での運用を特におすすめします。 以上が各ノズルのざっくりとした所感となります。同じイヤホンでもここまで風合いを変えられるので、毎朝コーディネートを選ぶように、「今日はどの音にしよう?」なんて胸躍る生活も楽しそうだなぁと想像を巡らせながら聴いていました。皆様それぞれのご感想も是非お聞かせいただければと思いますので、この機会に是非、イーイヤホン店頭でお試しください!全店でご試聴可能です! 「EA500 LM」、私の今のイチオシでございます!
-
えんじ
@e☆イヤホン 秋葉原店
MONDO BY DEFUNC
モンド フリースタイル
トランスペアレント
¥12800 税込
まさにフリースタイル!ファッションも音楽も思うままに!
ファッションと音楽で、生活に爽やかな風を吹きこむアイテム「モンド フリースタイル」のご紹介です! 音楽レーベル「Monza Music Entertainment」、大手ストリートカルチャープラットフォーム「Dopest」、オーディオブランド「defunc」、スウェーデンのストリートカルチャーの雄である3社が手を組み満を持してリリースしたということだけで、我々の興味を惹くには十分です。そのため、肩書きはヘッドホンですが、その魅力はサウンドのみに留まりません。 まずはその現代的且つキャッチー、キュートなビジュアルにご注目いただきたい! 出自からもおわかりの通り、ストリート系のファッションとの親和性は間違いありません。普段からキャップやパーカーなど、カジュアルなアイテムをご愛用の皆様には、是非ともプラスワンとして日常のコーディネートに溶け込ませていただきたい逸品です。 一方、シャツやジャケットがメインのフォーマル寄りのコーディネート中心の方、レザーなど重ための質感のアイテムをお好みの方にもハマれるポテンシャルがあるのがこのヘッドホンの凄いところ! 見た目に特徴がある分、外しのアイテムとしてしっかりと活躍してくれます。 そしてそれが違和感になりすぎないのが、キャッチーなビジュアルに対してサイズ感はコンパクトであることの恩恵です。意外とどんなスタイルでも自然に身につけていただけます。 また、添付画像のトランスペアレントのカラーも現代的で素敵ですが、それ以外のカラーも各々魅力的で捨てがたいです。幅広いファッションに合わせたくなる、そんな仕上がりです! サウンドは軽やかでありつつも確かなベースラインを聴かせてくれるので、音楽をラフにノリ良く楽しめます。ドラムのハイハットやスネアの鳴りが気持ちよく、刺さり感も少ないのが好印象です。金管全般の解像度感も担保されていて、ミドルテンポ辺りのジャズが得意だと感じました。 また、ボーカルの位置が近く、ピアノやギターがとても明瞭で聴きやすいのも重要なポイントです。オンイヤー型の特徴である抜け感は一定量あるものの抜けすぎている感じはなく、残響感、余韻感にも長けていて心地良いです。そういった雰囲気の部分が抜けてしまわないのがサウンド面での個人的最大の推しポイントかもしれません。 上記の特性の代償としては、オンイヤー型特有の空間の広さに期待しすぎると、「意外と抜けていかないな?」という感想を持たれる可能性もあるところでしょうか。とはいえ、低域の物足りなさを指摘されがちなオンイヤー型でありながら、抜け感に寄りすぎていない本機はそれらの帯域もおざなりになっていないのが嬉しいです。 また、余韻や残響をもたらしてくれる反面、そのサウンドの特性上、テンポが速すぎたり構成が複雑になりすぎるとそれぞれが鳴りきらず、平面的な音に聴こえてしまう時があります。そのため、かける音楽はある程度選ぶ必要がある印象でした。迫力のあるサウンドや、音数の多い楽曲が好みの方は、同メーカーから同時リリースの「モンド オーバーイヤー」をお試しいただくのも一案かもしれません! 以上、「モンド フリースタイル」のご紹介をさせていただきました! 軽やかにノれる音と、現代的なお洒落を同時に身に纏うことができる本機は、どなたにも自信を持ってオススメできます! 是非お試しを‼
-
えんじ
@e☆イヤホン 秋葉原店
AVIOT
TE-ZX1
¥47850 税込
まさに死角なし。ワイヤレスイヤホンの到達点。
長らく待ち望まれていたイヤホンが、ついにそのベールを脱ぎました。そんなAVIOT「TE-ZX1」について深堀りします。 まず一聴してみると、響き方からその空間の広さを感じます。ただ、際限なく広がっていくという感じではなく、明確なスケール感がある一方で、空間の広さを表現するために音の出所がやたら遠くに設定されているという訳でもありません。目一杯の距離から鳴ってくるものもあれば、中間距離、間近から発せられるものもありました。ただ広いというよりも、空間の広さをフルに使った立体的な音像のようなイメージです。定位と呼ばれる音の位置、距離感に気を配ってチューニングされたのではと推察されます。 このように立体的な音作りがされている中でも、楽曲としてのまとまりは確実に担保されているどころか、その3D的なグルーヴにハッとさせられる音楽体験をもたらしてくれるところが、このイヤホン最大の武器だと思います。 具体的には、音の出所はある程度遠いものの空間に満ちる豊潤な低域、それよりはいくらか近い中距離ラインをベースに、前後左右様々な位置から鳴ってくるピアノやギターのハーモニーで耳が退屈することがありません。かと思えば密度感の高いボーカルホンの如く、眼前で発せられる歌声に耳を奪われることもしばしばです。 この波状攻撃のような音のミルフィーユは、従来のワイヤレスイヤホンでは到底体感できなかったもののように思えました。音楽を聴いているというより、体験しているという表現がしっくりくるようにさえ感じられます。この仕上がりであれば価格設定にも素直に頷けるというものです。 こういった音の特性上、「こういう曲を聴くといいですよ!」というのは申し上げづらいというのが正直なところなのですが、それはもちろんいい意味で、です。ジャンルに対する向き不向きがあるようなタイプの仕上がりではないためですね。 あえて申し上げるとすれば、先述の通り音の立体感を存分に楽しむことができるので、音数が多かったり複雑な構成が目立つような楽曲を聴くと、まさに鳥肌ものです。もちろんテンポの速さにまったく気圧されないレスポンスの良さや粒立ちの細やかさも持ち合わせていますので、激しめの楽曲もお手のものでした。 加えて、先述の通りボーカル表現の生々しさにはワイヤレスならざるものがありますので、歌ものがお好きな方には一度お試しいただくことをお勧めします。……やはり絞りようがないですね。それほどにオールマイティであると、私は感じました。 そんな全能感のある本機ですが、強いて懸念点を挙げるとすれば、高音域の鋭さが顕著であることでしょうか。ジェラートのように滑らかで豊かな低域とのコントラストも魅力の一つであるという捉え方もできますが、聴き手によってはシンバルの炸裂音やボーカルの特にサ行などが少し耳に突き刺さると感じるかもしれません。とはいえこれも好みの問題のような気もするので、兎にも角にもサウンドをご体感いただいて、是非とも皆様のご判断を伺えればと思っております。 ここからは、音以外の特徴もいくつか紹介させていただきます。 まず、ケースの外観と質感に唯一性を感じます。全体が少し陰のある赤色で、上面にスピン加工の施された金属製のケースからは、確かな剛性が見て取れます。イヤホン本体もケース同様赤を基調としたデザインで、クールかつ武骨。この華のあるキャッチーなビジュアルは、無難とは無縁の刺さる方にはとことん刺さる仕上がりだと思います。 本体のサイズ感は大きめで、このイヤホンの特徴である3種類5基のドライバーがしっかりと収まっています。そのため装着時に耳からの飛び出しはそれなりにありますが、形状にカスタムIEMの技術が用いられているので、その大きさを全く感じさせない密着感、そこに起因する確かな遮音性が得られます。その上からノイズキャンセリングをかけてしまえば、よほどの轟音が鳴り響いていない限り集中を乱されることはないでしょう。 また、アニメーション作品『カウボーイビバップ』をイメージソースとしたデザインということも特筆すべきポイントです。先述のケース・本体デザインも作中の戦闘機をモチーフとしており、何より接続時やモード切替時のアナウンスには作品登場キャラクターのボイスが搭載されているので、作品ファンの方々の心を躍らせるのではないでしょうか。それらの要素で既に十二分にファン垂涎のアイテムの一つとなること間違いなしなのに、ひとたび音楽を鳴らせば、あのクオリティです。注文をつける方が難しいと思います。 ちなみに上記以外にも、外音取り込みや通話性能等の質も高いのでガジェットとしても優秀、様々なサイズ・異なる材質のイヤーピースやセミハードケースも同梱する等付属品類も至れり尽くせりとなっています。本当に文句のつけようがないなというのが私の最終的な感想です。 以上、「TE-ZX1」の紹介でした。いつもならこの辺りで「こんな方にオススメです!」というのをまとめて締めているのですが、本機に関してはあらゆるニーズに応え過ぎているので、絞れませんというのが正直なところです。このレビューをここまでご覧いただいた皆様には、兎に角一度お試しいただきたいと強く強く、願います。
-
えんじ
@e☆イヤホン 秋葉原店
CTM
CE110 CLEAR
¥14850 税込
聴き入るも聴き込むもあなた次第!
モニターもリスニングも自由自在! 何でもこなす実力者がエントリークラスに現れました。 全帯域通して歯切れのいいサウンドでどこで何が鳴っているかが分かりやすく、特にリズム隊のパフォーマンスがものの見事に見えてきます。ドラムのインパクトの瞬間や、ベースやギターの弦が弾かれた瞬間などを明確に把握できる描写力と、過不足のない余韻感のバランスがまさにちょうど良く、個人的にはリズム隊を中心に楽曲を追うのに有用だなと感じました。 ただ、「The モニターサウンド」のようなどこまでも分析的で淡白な鳴りとも違い、リスニング用途としてもその力を存分に発揮しています。 特に低域の表現が秀逸で、イメージ的には「大きな波のように押し寄せてくる」「包み込まれる」といった印象でした。映画館の地鳴りのような低域と近い音像です。どこで何が、というよりも頭から音をかぶっているような、浴びるような感覚に近いかもしれません。それを背中で感じながら、他の帯域は低域の出どころより前方で音を奏でているので、飲まれることなく全てがハッキリと聴き手まで届いてきます。 見通しが良いのにバランスは映画的。お察しの通り、音楽のリスニングはもちろんライブ映像や映画、ドラマなどのコンテンツ視聴との相性も抜群です。 サウンド以外の個人的推しポイントもいくつかございます。 まずは、兎にも角にもバチっと決まる装着感です。数多のステージモニターを世に送り出しているCTM。エントリーモデルでも、やはりさすがのビルドクオリティと言う他ありません。一見何の変哲もない形状に思えるのですが、一度装着してしまえばテコでも動かない、そんな安定感や安心感がありました。それに伴った遮音性も見事なものです。 また、デザインもとても気に入っていて、クリアofクリアな見た目が非常にシンプルかつとびきりキュートです。好きですね。同梱されているキャリングケースも非常にシンプルかつカッコいい仕上がりで、メーカーのロゴが映えています。サイズ感もちょうど良く、バッグに潜ませて持ち歩くのにピッタリです。 以上、「CTM CE110」のご紹介でした! 楽曲を分析的に追いかけるも良し、目を閉じて音に身を委ねるも良し、思い思いの使い方で存分にお楽しみいただければと思います!