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スタッフレビュー詳細

【愛用レビュー】こんな音、ほかに知らない

暴力と色気が混在する低域と、それに相反してクリアかつキレのある中高域が特徴の怪作です! 筆者の愛用イヤホンであり、とにかく愛が止まらなかったためレビューします。

もはや音以外の部分については他の方がたくさんレビューされているので省略しますね! 見た目が超クール! 以上です!

音質についてですが、タイトル通りの唯一無二のサウンドです。ドライバー構成はDDとPD(平面磁界駆動ドライバー)が1基ずつ搭載されています。他のイヤホンでは忌避されがちなドライバーごとの質感の違いがくっきりと出ています。量感についても極端に低域に振られており、バランスが良いとは言えませんが、チューニングの妙でその不自然さ、偏りに説得力が伴い、気にならないどころかむしろ惹きつけられる魅力的なサウンドです。

DDが鳴らすのは、骨の髄を突いてくるようなレベルのアタックから、イヤホンとは思えないほどの豊かな広がりを持つ低域〜中低域。この低位が絶妙で、視界ではなく喉元やみぞおちから鳴るような印象を受け、他の帯域の音を全く濁さずに音源の醸し出すグルーヴや迫力を十二分に引き出します。また、音の起こりにはコシと艶があり、ピックがベースの太い弦を引っ掛け振動する様や、バスドラの革のたわみ、サブベースのざらつきが克明に描写されます。

対してPDはその特性をそのままに非常にキレのある軽快な音を奏でます。量感としてはかなり少なめですが、音の芯を剥き出しにしたようなはっきりとした音で、低域が視界の外にいるおかげでむしろ見通しが良く感じます。低域がウォーム寄りなのに対してこちらは非常にクールです。特にカッティングギターは、これでもかというほどキレッキレにカッコよく表現してくれます。

定位は全体的に近めで、音場もやや狭めです。低域帯の余韻がやや奥寄りに広がる印象はありますが、それでようやく平均程度といった印象です。重心が低い都合上、天井も低めで、楽曲によっては窮屈に感じてしまうかもしれません。音楽を鑑賞するというより、音楽を楽しむ、体感するといった聴き方を好まれる方におすすめです。

また、Typ512はノンジャンルで音楽を楽しめるイヤホンではありません。同ジャンル、同アーティストの楽曲内でも良かったり微妙だったりとムラが激しいです。ロック系、EDM系、電子音多めかつアップテンポのポップスとの相性はそこそこに安定しますが、それ以外のハマり具合は楽曲によります。ハマる範囲としては狭い部類ですが、ハマった時のパフォーマンスが、えげつない。心に治らない傷跡を付けるがごとく、他のどんなイヤホンを聴いても忘れられない最高の音楽体験を刻みつけます。場合によっては、所持する人の音楽の趣味を歪めてしまいかねないほどの魔性を秘めたイヤホンです。

無骨な見た目に反して、装着感は良好です。しかし、筐体がかなり大きく重いため、耳の小さい方は試聴を挟んでからご検討いただくことを推奨します。

鳴りにくいドライバーを搭載している都合上、DAPやDACとの組み合わせでの使用を推奨します。ただし、スマホ直刺しでも低域の魅力は損なわれにくいので、まずはイヤホンを購入し、将来的には上流機器を整える、というアプローチも考えられます。

以上が、私が愛用している所感です! 低域が好きな方は、オススメなんてレベルじゃありません。ぜひ買ってください。一緒にTyp512という名の呪いにかかりましょう。そしてバランスが整ったイヤホンがお好きな方。これも1つのバランスの形だと思います。低域イヤホンと聞いての食わず嫌いはもったいない。ぜひ、ご一聴ください。

【試聴環境】

Astell&Kern KANN ALPHA
iPhone 13
【試聴楽曲】

ずっと真夜中でいいのに「あいつら全員同窓会」
Monkey Majik + 吉田兄弟「Change」
ポルカドットスティングレイ「テレキャスターストライプ」
宇多田ヒカル「二時間だけのバカンス(feat. 椎名林檎)」

量感イメージ

  • 近い
  • 広い
  • クール
  • ウォーム
  • 繊細
  • 迫力

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