スタッフレビュー詳細
深く静かなイヤホン
一風変わったドライバー構成のハイブリッドイヤホンです。ドライバー構成から想像される音はドンシャリ系統だと思っていたのですが良い意味で裏切られました。実際は非常にバランスが良く丁寧なサウンドのイヤホンでした。
膨らみ過ぎないがしっかりとグルーブを感じることのできる低音域と厚みをしっかりと感じる中低域でどっしりとした土台が作りあげられています。
その上に誇張のない自然なボーカルや中高域が鳴っています。とても落ち着いた鳴り方で音楽にそっと色をつけるようなイメージでした。
高域はESTドライバーらしく繊細に表現されています。少しまろやかさを感じる高域で、刺さると感じることもありませんでした。
総じてクオリティは高く分離感の良さや音場の広さもあいまって、いやらしさのないシンプルな音色で落ち着いて聴けます。また、ハウジングやフェイスプレートは湖を模して作られており、音自体も静かな湖のような一本です。
ぜひお試しください。
試聴環境
Xperia 5Ⅱ
試聴楽曲
森羅万象「琥珀の海に地球浮かべたら」
Adust Rain「Nevxxxxerland」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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かかりちょー
@e☆イヤホン 秋葉原店
64 AUDIO
Duo【64A-8953】
¥198240 税込
音と音漏に妥協の無い一本
聴いてすぐに、ウォーム傾向の音の中では間違いなく傑作に入ると感じたイヤホンです。 暖かな低域に身体が沈み込んでいくような感覚が心地よく、深いところまでしっかりと鳴っています。 本来、ここまで濃く量感の多い低域は輪郭が掴めずぼやけてしまいます。 しかし、開放型のこのイヤホンはぼやけずる事無く、より自然に芳醇な低域を堪能することができます。 ボーカル表現も秀逸で低域に埋もれる事なくクリアで滑らかです。 また、吐息までも感じ取れそうな生々しい表現力が音楽の世界により没入させてくれます。 高域は遠い所で鳴っていますが低域との対比が際立ち実際の量感より存在感があります。 音自体も繊細で特にシンバルの残響表現が素晴らしいです。 開放型の空気感のおかげで圧が少なく、長く落ち着いて聞くことができます。 それに加え装着感も良好でしっかりとフィットしますので長時間の装着でもあまり苦になりません。 開放型と聴いて音漏れが不安になる方が多いと思います。 しかし、このイヤホンは「Apex Core」という新技術により空気の流れをコントロールし、 開放型特有の空気感を演出しつつ不要な音漏れを制御しています。 それにより音漏れや外部の音が入ってくることがほとんどありません。 総じて開放型のイヤホンとしてのクオリティは凄まじいもので、 ウォーム傾向が好みの方は必聴の一本です。 試聴環境 Xperia 5Ⅱ 試聴楽曲 森羅万象「琥珀の海に地球浮かべたら」 あんこう「永月夜」
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かかりちょー
@e☆イヤホン 秋葉原店
beyerdynamic
DT 1770 PRO MK II
¥101200 税込
正統進化の2代目
密閉型モニターヘッドホンの定番として名が挙がる「DT 1770 PRO」の改良モデル、「DT 1770 PRO MK II」をレビューします。 低域表現については、優れたアタック感と高密度で重厚感のある質感が組み合わさり、しっかりとしたマッシブさを感じさせます。これは前モデルの良さがしっかりと引き継がれている印象です。 次に中域ですが、前モデルと比較して大きな進化を感じました。やや引っ込み気味だった中域の音がしっかりと前に出るようになり、トータルバランスが大幅に改善されたと思います。 さらに、高域表現については、前モデルの魅力がそのまま受け継がれています。鋭すぎることなく聴きやすい音で、輪郭がはっきりしており、モニタリング用途として非常に適していると感じました。 また、密閉型でありながら音が近すぎず、定位がしっかりとしているため、楽曲全体の構造を把握しやすいのも特徴です。 総じて、「DT 1770 PRO MK II」は前モデルの良さを忠実に継承しつつ、中域の改善により楽曲全体のバランスが向上しました。その結果、より楽曲の全体像を掴みやすくなっています。 前モデルからの乗り換えを検討している方はもちろん、新たにモニターヘッドホンをお探しの方にも、自信を持ってオススメできる製品です。
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かかりちょー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
A&ultima SP3000T Copper
¥495000 税込
味わい深いカッパーモデル
フラッグシップモデル「SP3000T」の筐体素材が銅に変更された限定モデルです。 重量が約500gとベースモデルよりもやや増加し、持った際のずっしり感がより出ました。音自体もやや重心が下がりずっしりとした印象を受けます。 また、こちらも銅素材の影響か音の奥行き感や深みが増し、 より濃密なサウンドへと変貌したように思えます。 ベースモデルの「SP3000T」といえば真空管アンプを搭載しているプレイヤーですが、 本製品のやや柔らかな銅との親和性が高く、素材の恩恵をより実感できます。聴く人や楽曲によっては、しつこさを感じる可能性があります。 その場合はアンプモードの切り替えを上手く活用し、マッチする組み合わせを見つけましょう。個人的にはTUBEモードだと濃すぎると感じたので、オペアンプモード・ハイブリッドモードが丁度良く感じました。 総じて素材の特性が上手く活かされているプレイヤーです。ベースモデルで物足りなさを感じてる方や、ウォーム傾向のサウンドを好む方にオススメです。 ぜひお試しください。
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かかりちょー
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
JH5
Silver
¥15741 税込
丁寧だけどノリの良いサウンド
一聴してベースのグルーヴ感を出しつつも、丁寧な低域表現をしているイヤホンだと感じました。量感はしっかり保ちつつも粗さは少なく、どこか上品さを感じます。 ボーカル帯域は適度な主張で良いバランスです。近い距離でボーカルを聴きたい方には物足りないかもしれませんが、クリアな声がしっかりと楽しめます。 高域はやや硬い音色ではありますが、キツさは感じず、しっかりと伸びつつも無駄な余韻は無く歯切れよく鳴ります。 IEM形状で装着感に優れ、付属のイヤーピースは非常に柔らかく、長時間使っても疲れにくく感じます。 総じて整ったサウンドバランスながら、各帯域の特徴が上手く個性として表現されています。初めてのちょっと良いイヤホンにおすすめです。