スタッフレビュー詳細
UEが誇るど真ん中の音
カスタムIEM界の老舗と言っても過言ではないUltimate Ears。数あるラインナップの中でも特に「ど真ん中の音」と言える機種がUE Pro Reference Remasteredです。
洋楽好きの方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。かの有名なCapitol Studiosとのコラボレーションイヤホンということもあり、洋楽との相性はもちろんのこと、「Reference」と機種の名前にもある通りリファレンス用途を意図してチューニングされた音のため、K-POPやJazz、韓国インディーズロックなど、どんな音楽とも相性が良いイヤホンとなっております。
肝心の音質は「ど真ん中の音」と記載した通り、どこかの帯域に寄っている印象は無く、バランス良く忠実にマスタリングされたそのままの音を出す、いかにもモニターというような音質で、楽曲制作者の意図を理解するにはピッタリなイヤホンであるように感じました。
音楽ジャンルごとの相性でいうと、バンドサウンドではギターやベース等弦楽器の生々しい音の表現が素晴らしく、目の前で演奏をしているかのような感覚すら覚えました。現代的なダンスミュージックのような音数が多い楽曲でも、電子ベースの音など埋もれがちな音も潰れることなく綺麗に一音一音鳴らせており、音情報の処理能力の高さには脱帽です。
音場は広すぎず狭すぎずバランス良くまとまっていて、全帯域の音の広がりが均等な印象を覚えました。強いて言うなら低域が若干強く量感も多いように感じましたが、あっさりとした味付けが故に聴き疲れすることなく長時間のリスニングが楽しめるイヤホンです。
どんな音楽ジャンルにも合うイヤホンをお探しの方、楽曲一音一音をそのまま聴きたい方、そして名前の通りリファレンス用のイヤホンをお探しの方におすすめなモニターイヤホンです。店頭にてぜひお試しください。
再生環境 : SONY NW-ZX707→ UE Pro Reference Remastered
試聴楽曲 :
ETA / NewJeans
I’m bad too(Feat. DPR LIVE) / Hwa sa
bad / wave to earth
Don’t You Worry ‘Bout a Thing / Incognito
My Queen Is Ada Eastman / Sons Of Kemet, Joshua Idehen
Here’s One That Got Away / The Style Council
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
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きょろ
@e☆イヤホン仙台駅前店
Ultimate Ears
UE Pro Reference Remastered
¥192500 税込
プロユースな万能モニターサウンド
Ultimate Earsで最もモニターライクな一本です。個人的にはモニター向けIEMでは定番とも思っています。 若干の低域と中高域が他帯域より多く感じますが、全音域をしっかりと丁寧に全て鳴らしてくれています。 音色としては非常に軽やかになっている印象です。 低域の量が少し多めと書きましたが、多いからと言って重いということはなく、あくまで自然な鳴り方です。 プロの現場やライブ、レコーディング環境でのこのバランスの良さは非常に頼りになるでしょう。 全音域をしっかりと慣らしていますが、軽やかのサウンドなので聴き疲れはありません。モニターサウンド、楽曲の造りそのものを体感したい方にオススメの1本です。 再生環境: NW-ZX300,DX220MAX 試聴楽曲: the peggies:ハイライト・ハイライト 幾田りら:ロマンスの約束 米津玄師:LOSER 菅田将暉:まちがいさがし Creepy Nuts:かつて天才だった俺たちへ Red Hot Chili Peppers:By the Way
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すずき
@e☆イヤホン
Ultimate Ears
UE Pro Reference Remastered
¥192500 税込
あらゆる現場で活躍するプロモニターサウンド
UE Reference Remasteredをシンプルにご紹介するなら、Ultimate Earsのラインナップで、もっともサウンドモニターに適したモデルと言えます。 筐体は非常にコンパクト、カナル(ノズル)も細い設計で、幅広く色々な方の耳にフィットしそうです。強いて言えばカナルが長めで、人によっては、装着感に慣れがいるかもしれません。 音質は、極めてフラットバランスで、音源に収められた音を余すことなく描くその描写力に、チューニングを施したエンジニアの執念すらも覚えます。ボーカルはもちろんのこと、エレクトリック・アコースティック問わず、どんな音も分離良く正確に再生するため、モニターイヤホンをお探しの方には、真っ先にオススメしたいモデルです。 音を表現するとき、高域寄り・低域寄りと表すことがありますが、本機はまさに“ど真ん中”にいる印象です。音の抑揚や鳴り方に歪みがなく、バッチリ定位しているさまも、モニター時に聴き取りやすくなるポイントと言えます。 また、サラッとした聴き心地の良さに付随して、爽やかさと抜けの良さがあり、カナル型(密閉型)特有の閉塞感が抑えられています。おかげで、長時間使用しても聴き疲れしづらいです。 ただし、全体的に薄口な音作りで、そのあまりにもフラットな音に、物足りなさを感じる人はいそうです。 あっさりとはしてますが、聴き心地良く聴き疲れにくい特徴から、純粋に音楽を楽しむ目的でも、十分活躍できるポテンシャルを持っています。 音楽と音を大切にする人に、ぜひお試しいただきたいです。 再生機器:Shanling UP5 試聴楽曲:お勉強しといてよ(ずっと真夜中でいいのに。),Boogie Back to YOKOSUKA(レ・フレール),心に穴が空いた(ヨルシカ),Linkrot feat.Toto Hoshimiya(TEMPLIME)
このスタッフの他のレビュー
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サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
VIOLECTRIC
HPA V550 PRO
¥825000 税込
紛れもなく”真の音”
今回紹介するのは、ドイツの放送および録音用プロ機器を生産している「Lake People Electronic GmbH」のヘッドホンアンプブランド「VIOLECTRIC」のアナログヘッドホンアンプ「HPA V550 PRO」です。 この製品は、同社の「DHA V590」からD/Aコンバーターを除いた大部分の機能を備えています。 音質の第一印象は、音のつながりの滑らかさと歪みの少なさです。元々プロユースの機材メーカーが手がけた民生機ということもあり、アンプ自体の癖や味付けは控えめに感じられます。ギターの弦をピックで弾くニュアンスまで聴き取れるほどの音の再現性は、本機の本質と言っても過言ではないでしょう。使用するヘッドホンやセッティング次第でその個性に染まる、柔軟なアナログアンプだと思います。 帯域バランスについては、低域から中低域にかけてがかなり厚めに出ており、低域の押し出しは主張の強い部分と言えます。音場に関しては、頭を中心として左右から後方に広がる立体感が特徴的で、バンドものの楽曲を一度聴けば、自分自身がステージの中心に立っていると錯覚しそうなほどの再現性の高さが非常に魅力的です。 出音のレスポンスが非常に速くタイトであるため、メタルなどのスピード感ある音楽に非常に合うように感じました。 何よりも音の再現性を重視する方に非常におすすめできるアナログアンプです。 なお、本製品の内部には256ステップのアッテネータが採用されているため、無音時にチリチリというノイズが聞こえることがありますが、これは製品仕様のためご了承ください。 再生環境: HPA V550 PRO → ADI-2/4 Pro SE → LCD-X 2021
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サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
iFi-Audio
ZEN CAN 3
¥41800 税込
出力の恩恵
あの”ZEN CAN”が新しくなりました、2,000mWという驚異的な出力パワーを携えて。 前作のZEN CANが1600mWの出力だったことを踏まえ、このハイパワーを体感するため、今回は平面磁界型駆動のヘッドホンであるAUDEZEのLCD-X 2021で試聴してみました。 ZEN CAN3 のファーストインプレッションで、前作のZEN CANと明らかに違いを感じた部分はズバリ”中音域”の音の厚みです。前作のZEN CAN は個人的にとてもプレーンな印象を持っており、ヘッドホンが持つ特性の邪魔をすることがないアンプというイメージが強かったのですが、今回のZEN CAN3はリスニング色が強まった印象です。 私自身、前作のZEN CANには、プレーンな音というキャラクターの印象が強く残っており、あらゆる音楽ジャンルにも適し、幅広いエリアのニーズをカバーできるアンプといったイメージがありました。ですが、ZEN CAN3は前作の見通しの良さを残しながらも、出力が上がったこともあってか一音一音がより太く出ており、特にヴォーカル帯にあたる中音域に確かなハリを感じました。また、高域も明らかに前作のZEN CANよりも音の伸びが感じ取れます。 また、定位もやはりヴォーカルが一歩前で聴こえる印象です。その印象的なヴォーカルを補うように少し後ろから押し上げるように締まったグルーヴィーな低域が鳴っております。低域と同じか少し多い量感の高域が、低域と同じくらいの距離で鳴っているので、前作のZEN CANよりも明らかに奥行きを感じやすくなっていると感じました。 前作と比べて特徴が異なっており、何よりもノリよく音楽を楽しみたい、ハリのあるヴォーカルが聴きたいという、ポップスとR&Bをこよなく愛する人におすすめのアンプです。是非店頭にてお試しください。 試聴環境 ZEN DAC→iFi-Audio 4.4mm to 4.4mm cable→ZEN CAN 3 試聴楽曲 BIRD OF A FEATHER / Billie Eilish Red Wine Supernova / Chappell Roan Focus / H.E.R. I Feel It Coming / The Weeknd, Daft Punk
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サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
PW AUDIO
JUHTRUM (ユフトラム)
CIEM 2pin - 4.4mm (1.2m)
¥81400 税込
上品なカメレオン
今回ご紹介するのはPW AUDIOのNSC導体採用ケーブル「JUHTRUM(ユフトラム)」です。こちらのケーブルはPW AUDIOのみが扱う極秘銅導体で、これまでの銅とは違うNSC(New Style of Copper)という線材が採用されています。 外観は同社のケーブル「Moloch」と似ており、「Moloch」の被膜がネイビーであったのに対し、「JUHTRUM」はブラックカラーの被膜を採用しており、ケーブル本体の主張が少なく、どのようなイヤホンでも一際引き締まって見え、上品な印象を受けます。取り回しに関しても、ケーブル本体の太さを考えるとしなやかであり、重みも感じづらく、外出先での使用にも適していると言えるでしょう。強いていうなら、ケーブル自体の太さがあるため、イヤホンケースのサイズによっては収納に困難を要するかもしれません。 肝心の音質について、一言で言うならば「解像度をグンと引き上げ、低域にタイトさを与えるケーブル」といったところでしょうか。ベースやドラムなどの低域の押し出しはそこまで強くありませんが、一音一音の輪郭がハッキリすることによって、ドラムのキックをしっかり感じることができます。低域の鳴り方としては、カーオーディオのサブウーファーのように面で押し出すような鳴り方ではなく、元々ある低域のキャラクターをより分かりやすく、より鋭利にさせた印象です。 中高域に関しては、「いい意味」で大きな変化は無いと言えるでしょう。私自身、低域に量感や太さを与える性質のケーブルでは、相対的に中高域が細くなってしまう印象があります。その点、このケーブルはイヤホン本体が持つ帯域バランスに直接大きな作用をしないため、イヤホン本体が持つキャラクターを損なうことなく、聴こえる音はより明瞭になるため、お手持ちのイヤホンの純粋なアップグレードとして最適と言えます。 以上のことから、音傾向としては「フラット」にあてはまると感じましたが、それはあくまでこのケーブル自体が持つ音傾向であって、合わせるイヤホンの音色に変化してくれること間違いありません。低域により量感をお求めな方は同社の「Moloch」がオススメですが、帯域バランスを崩さず、よりクリアにタイトに低域を感じたい方は「JUHTRUM」が最適です。お持ちのイヤホンの総合値をワンランク底上げするケーブルです。ぜひ店頭にてお試しください。 再生環境: iPhone15→FIIO KA13→JUHTRUM→qdc SUPERIOR 試聴楽曲: BIRD OF A FEATHER / Billie Eilish Please Please Please / Sabrina Carpenter Perfume / Pale Waves Die For You / Joji
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サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Campfire Audio
Moon Rover
¥189800 税込
聴き込むほど旨味がするスルメイヤホン
今回紹介するのは、アメリカオレゴン州ポートランドを拠点にオーディオ機器の設計・製造を行うメーカー「Campfire Audio」が、世界888台限定でリリースした有線イヤホン「Moon Rover」です。 唯一無二の存在感があり、光を受けると複雑で美しい色合いを見せるグラデーションカラーが特徴の本製品は、筐体を一つ一つ手作業で火炎処理を行っており、限定モデルにおけるメーカーの気合いの入れようが外観から伝わってきます。 12mmのフルレンジプラナーマグネティックドライバー1発を搭載した本製品のインピーダンスは22.5Ωと特段高いわけではないものの、駆動方式が平面磁界駆動ということもあってか、スマートフォンのUSB-C変換直挿しだとやや鳴りづらいように感じました。そのため、DAPやスティックDACを用いての試聴をおすすめします。 肝心の音質ですが、一言でまとめると「歪みのない帯域バランスに優れたニュートラルサウンド」といったところでしょうか。 一聴して驚異的に感じたのは、低域から高域にかけて曇りのないレスポンスの良いクリアなサウンドでありながら、音のつながりがとてもスムースで音楽として破綻していないという点です。私自身、解像度に重きを置くニュートラルサウンドのイヤホンは、一音一音がどことなく分析的に聴こえてしまい、音楽を楽しんで聴くという本来の目的よりも、音を俯瞰で見ようとしてしまい純粋に音楽を楽しめないということが少なからずあります。しかし、この製品には全くと言っていいほどその要素がありません。 帯域バランスで見るとややミドル〜ミドルハイの帯域が近いように感じますが、低域と高域どちらもある程度の量感があり、解像度高く分離感に優れているため、低域や高域に物足りなさを感じることはありません。ガットギターやアコースティックギターなどの弦楽器やハイハットシンバルなどの金属音の質感や余韻の生々しさが素晴らしく、聴けば聴くほど病みつきになります。 間違いなく名機と言える一台です。ぜひ店頭にてお試しください。 再生環境: iPhone 15 → Questyle M12 → Moon Rover 試聴楽曲: - BIRD OF A FEATHER / Billie Eilish - Please Please Please / Sabrina Carpenter - AMARGURA / KAROL G - Landslide / The Smashing Pumpkins