スタッフレビュー詳細
コスパ良し。机上から明朗快活なサウンドをお届け
オーディオ回路や基板レイアウト等に、同社のハイエンドラインである「K9 Pro ESS」と共通の設計を採用したハイパフォーマンスモデルが登場しました。
一見すると、外見は「K9 Pro ESS」とほとんど差がないように見えます。違いとしてまず挙げられるのがボリュームノブです。煌びやかなゴールドが印象的だった「K9 Pro ESS」に対し、「K9」ではブラック調に仕上げられ、全体にシックな統一感が出ています。
また、入力面にも変化があり、「K9 Pro ESS」では右側面にあったUSB Type-Cポートが「K9」では撤廃されています。フロント部分、アウトプットはPO/PRE/LOという表記に変更されています。
ここからはサウンドについて記述します。
輪郭が少し引きしまっている充分な量感で粒立ちの良い低域表現の上に、見通しの良い中高域の主張が感じられ、とてもクリーンなサウンドという印象です。個人的には耳への刺さりを全く感じませんでした。
中低域の空気感の表現に卓越したものがあり、周囲に音楽が展開されているような臨場感があります。まろやかに描き分けられた楽器隊のひとつひとつの音を追える解像度の高さがあり、音数が多い中でもボーカル帯は埋もれずに、しっかりと細やかに響いていると思います。
明るいサウンド傾向で、かつ立ち上がりも速い印象があります。BPMが速めのロックやEDMはもちろん、クラシックやジャズなどの楽曲を分析的に聴きたい方にもオススメです。
是非一度ご試聴ください。
【試聴環境】
iPhone 13 Pro Max
K9
FOCAL CLEAR MG PRO
【試聴楽曲】
9mm Parabellum Bullet 「The Revenge of Surf Queen」
結束バンド 「ギターと孤独と蒼い惑星」
Reol 「煽げや尊し」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
Brise Audio
flex001 As-Is
MMCX 4.4mm 5極 L字
¥28000 税込
筐体の持ち味を活かしながら低域を増やしてくれる
flex001 As-Isは、国産ハイエンドケーブルブランドのBrise Audioが提供する入門用グレードリケーブルです。 エントリーだからといって侮ることなかれ、非常に実直かつ自然なサウンドは、初級グレードとは思えないほど上質なリスニング体験をもたらしてくれることでしょう。 多少癖はありますが非常に軽量で取り回しも良いケーブルだと思います。マットな質感のブラックでまとめられたケーブルに木製のスライダーがアクセントとなっており、丁寧な編み込みは芸術作品の様に美麗に仕上げられています。 音質を一言でまとめると、上品に重心を落としてくれるというのが適切な表現ではないでしょうか。 中域から高域まで楽器や声の立体的な配置が分かりやすく精緻に描き出されており、それでいて全体的な重心は腰をぐっと落としたように低域に寄っている印象を受けました。 個人的にも購入し数ヶ月使用しているのですが、低域の存在が増して感じられるのが気に入っています。 お気に入りのイヤホンをさらに進化させたい方は、是非一度お試しください。 【試聴楽曲】 Tade Dust 「Life goes On (feat. Bonbero)」 ずっと真夜中でいいのに。 「残機」 他
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
Flipears
ZURQ XXIV (Universal Fit)
¥189000 税込
初代ZURQの懐が広がった⁉より万人が聴きやすいサウンドへ。
「Flipears」より、ユニバーサル・オーダーメイド両方で展開されていた「ZURQ」を再設計したモデルが登場しました。 前モデルからの変更点として、シェル側面に「XXIV」の文字が追加されました。この箇所にデザインが施されるのは、他のイヤホンではあまり見られないポイントです。 また、前モデル同様にシェル内側にも「FP」と同じデザインが施されています。これもまた、他メーカーではあまり見ない特長のひとつです。 「ZURQ」という製品が表現するサウンドの世界観はそのままに、初代「ZURQ」では荒々しく尖っていた高域が「XXIV」では柔らかく調整されました。 広い音場を楽しみながら、分厚い低域の上にシルキーなボーカルと滑らかな楽器サウンドが融合し、一本にまとまっています。 イヤホンがユーザーを選ぶような味付けだった俺様系の初代からチューニングが変更され、万人に笑顔を見せてくれる頼れる力持ちお兄さんになったような印象です。ぜひ一度お試しください。
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
Ultimate Ears
UE Pro Reference Remastered
¥192500 税込
always合格点を叩き出してくれる
さんざんレビューされ尽くしているモデルですが、カスタムが到着してからしばらく聴き込んでみたので、カスタムIEMとしての目線も交えてレビューします。 まず、このモデルを一言で表すなら、「上質紙」や「真っ白なキャンバス」といった表現が似合うイヤホンだと思います。長時間のリスニングでも高域が耳に刺さることがなく、個人的には一日中つけていられるサウンドです。 同社の別モデル「UE LIVE」と比べると、RRは音場が広くないのが特徴です。あちらはステージ上での響きに似たチューンなのに対し、RRはスタジオでの音の聴こえ方に近い印象を受けます。サウンドが自分の周囲に配置され、どの音がどこにあるかがはっきり分離します。どの帯域にも強い主張はないものの、控えめな部分もなく、ローからハイまで過不足なく楽曲全てをまっすぐに聴き取れます。イヤホン本体にはモニターとして必要な要素が詰まっており、上流のニュアンスやコンポーザーの意図を汲み取り、様々な表情を見せてくれると感じています。 私は楽曲制作はしませんが、モニターサウンドのように味付けの少ないサウンドが好みで、今回RRを選びました。用途としては、FPSゲームのプレイとソーシャルVRプラットフォームでの利用です。FPSでは、足音を重視するシチュエーションが多く、敵の方向を音で判断しやすいこのイヤホンは、コンペティティブなプレイの強い相棒です。また、高域サウンドが耳に刺さりにくいので、派手なサウンドエフェクトや銃撃音でも負担を感じずにプレイできています。 ソーシャルVRプラットフォームでは、VRゴーグルを用いて視界が360度メタバース世界に没入できる環境で、ワールドのBGMやSE、人の声がリアルに再生され、まるでVRの世界に住んでいるかのような体験が得られます。また、付属の「UE SuperBax」ケーブルは細く取り回しが良く、自作ケーブル(16芯)と比べても圧倒的に扱いやすいです。私の場合、自室で机上に設置した「ADI-2 DAC FS」を通して本機を再生していますが、64インチの長めのケーブルでケーブルによるストレスを感じていません。VRゴーグル使用時も、ケーブル重量を感じず、ステージ上でパフォーマンスをするアーティストにもお勧めです。 さて、ここからはユニバーサルモデル「To-Go」ではなく、カスタムIEMだからこそ感じたことを記述します。 これまで複数のカスタムIEMを所有してきましたが、すべて「割りばし縦」という耳型採取法でインプレッションを作成してきました。割りばし縦とは、割りばしを縦に咥え、少し口を開いた状態を固定して耳型を採取する方法です。閉口状態や「割りばし横」より口を開くため、イヤモニ装着時の会話にも対応できる遮音性が得られます。 シェルは少し口を開けた状態にフィットし、閉口時には耳に若干の圧迫感を感じるかもしれません。個人的には、UEのカスタムIEMが最も耳への収まりが良く、遮音性も高いと感じています。これまで試した他メーカー製品は、遮音性が十分でもやや大きいと感じたものや、小ぶりで遮音性がやや劣ると感じたものがありましたが、UEはフィット感と遮音性のバランスが取れています。 遮音性能が非常に高いため、歩行者通行帯のない道路を歩くときの使用はおすすめできません。ハイブリッド車が静かで接近に気づきにくいという話もよく聞きますが、ガソリン車の音も非常に小さくなり、音楽を再生している時にはほとんど聞こえないことも多々あります。地下鉄の車内などで騒音を気にせず音楽に没頭したい方は是非UEという選択肢をご検討ください。
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あさやん
@e☆イヤホン 秋葉原店
ELETECH
Euclid
Versa(2Pin & MMCX) to 4.4mm
¥187000 税込
音だけでなく、リスニング体験そのものも届ける
まず一聴して、サブベースや中高域帯で楽器隊の表現力が増したのを感じました。ボーカルより上の帯域では、切れ味のあるサウンドが楽しめると思います。 フィールドの広がりを感じつつも、高域のサウンドは輪郭がまろやかです。個人的には耳に刺さるような感じはありませんでした。 楽器同士の分離がしっかりしている印象ですが、音と音の間が広くとも調和が取れており、楽器だけでなくその場の空気まで含めてリスニングできているように感じました。細部に至るまで隙なく緻密な楽曲の世界を堪能できるのではないかと思います。 さまざまな楽曲で試聴しましたが、特に歌モノとの相性が良く感じられました。声からキックまで、空気の振動を肌で感じられるのではないでしょうか。 お手持ちのイヤホンに寄り添い、新たな感動も与えてくれるかもしれません。ぜひお試しください! 【試聴環境】 Xperia1V - BTR15 - 本製品 - VE3.2 【試聴楽曲】 ななひら、かめりあ 「インターネットが遅いさん (Super-Slow-Internet-san)」 CY8ER 「サマー」 LEX 「力をくれ(feat. Yellow Bucks)」 他