スタッフレビュー詳細
メリハリのある爽やか高解像度サウンド
EFFECT AUDIOのロングセラーモデル「AresⅡ」の後継機が、新シリーズとして登場しました。
全体の傾向としては、上(高音)と下(低音)を強調したメリハリあるサウンドで、一般的に想像されやすい「銅線の音」を期待すると、少し肩透かしをくらうかもしれませんが、元気な低域と同じくらい明るい高域が特徴的で、イヤホンの音を1段階華やかにしてくれます。
特に、ボーカルや高音楽器が1歩前へ出る印象で、表面の膜を取り去ったような、くっきりとした表現が得意なようです。
それに付随して、音の輪郭がはっきり浮き出るような、高い解像度も魅力ポイントです。
フォーカスの甘さを感じない、しっかりとした描写力のおかげで、純粋な聴き心地のよさや、一聴した時のわかりやすい音質変化に繋がっているように思います。
これらの特徴の中に鋭さを抑えた柔らかいサウンドを併せ持ち、ボーカル、バンド系のエネルギッシュな楽曲はもちろん、バラードやアコースティック、ポップスでも包みまれるような優しい音で構成された楽曲など、さまざまな音楽を楽しめるサウンドに仕上がっています。
ただ、インパクトある表現に振ったためか、やや大味な音質変化と感じられる場合もありそうです。
あくまで個人的な感想ですが、精細で忠実な描写や、腰を落とした余裕ある空間表現などは、苦手な部類かもしれません。
それでも価格帯を考慮すると、純正ケーブルからの乗り換えや、キャラの変化を楽しむためのリケーブルでも、ハイクオリティなサウンドやデザインを楽しんでいただける製品になっていると思います。
一例ですが、「AresⅡ」が合うイヤホンとは、基本相性がいいように感じました。
再生環境:Shanling UP5,Vision Ears VE6x2
試聴楽曲:東京日和(古川本舗),ただ君に晴れ(ヨルシカ),鱗(秦基博)
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
-
zoo
@e☆イヤホン 秋葉原店
EFFECT AUDIO
Ares S
2pin 3.5mm 3極 ストレート
¥22000 税込
コネクタが交換可能なニュースタンダードケーブル
「Ares S」はややドンシャリな傾向に感じられますが、派手になりすぎない程度の元気系サウンドです。極端な変化をするようなタイプのケーブルではないので、銅線系の純正ケーブルをご使用中の方はアップグレード先として検討する価値があると思います。 低域はハリがあり良く弾む印象です。特にウッドベースは厚みと勢いの良さがあり、グルーヴ感があります。リズム感がありノリ良く楽しむことができる反面、キックやサブベースの重い音についてはあまり深く出しません。深みのある表現についてはイヤホン側の性能に依存します。 中域は少し距離はあるが離れすぎずといった感じで、主旋律やボーカルの旨味が損なわれない程度を維持しています。空間が横に広く、楽器やボーカルの各パートがごちゃごちゃせずに聴き取れます。 高域はアタックがハッキリして煌びやかですが、余韻の伸びや空間の広さが過度に強調されるようなことはなく堅実な印象です。 音楽の楽しさを軽快に引き出しつつも全体的には整ったサウンドという印象で、様々なイヤホンに合わせられる良質なケーブルだと思いました。
-
e☆イヤホンスタッフ
@e☆イヤホン
EFFECT AUDIO
Ares S
2pin 3.5mm 3極 ストレート
¥22000 税込
メリハリの効いたサウンドを奏でるケーブル
「EFFECT AUDIO Ares S」は元気なサウンドを楽しめるケーブルです。 Signature Seriesとして3種類のケーブルが同時発売となりました。 3種類共通の特徴として、イヤホンコネクタ側にConXが採用されております。また、製品購入時には2pinコネクタが装着されております。 MMCXやpentaconn earなど他のコネクタのイヤホンで使用する際には別途コネクタ部分を購入する必要はありますが、コネクタの追加購入のみで複数のイヤホンとケーブル共有ができるのはメリットではないでしょうか! それぞれのケーブルの特徴は… 【Ares S】 全体的にメリハリが効いています。重めの低音域と少し刺激的な高音域が音楽を聞いていて楽しい気分にさせてくれます。ボーカルに関しては、少し近めな印象で、クッキリハッキリしたサウンドを奏でるケーブルをお探しの方にオススメなケーブルです! 【Cadmus】 少しだけ中高音域に寄ってはいますがフラットな傾向だと感じました。高音域の量感が少しだけ増えますが、刺さりは気になりませんでした。ボーカルは、ニュートラルな状態から少しだけ離れる印象です。また、音場の広さも感じることが出来ました。比較的音の癖は少な目で、リケーブルの最初の一本としてもオススメな商品です! 【Eros S】 3種類のケーブルの中で一番音の濃密さを感じました。特にボーカルの表現は素晴らしく、近めの距離感で生々しさを感じるサウンドでした。ボーカルにフォーカスを当てて音楽を楽しみたい方にはピッタリなケーブルだと思います! 高音域に関してはしっかりと量は出ているものの鋭くなりすぎず、刺さりが気にならず繊細さや透明感を感じることが出来ました。 是非聴き比べしてみてください! 試聴環境 iPhone 11→Earstudio ES100→EFFECT AUDIO Ares S→AAW ASH(カスタム) 試聴楽曲 赤い公園 - pray 吉田凜音 - ASUNAROU
このスタッフの他のレビュー
-
すずき
@e☆イヤホン
Ultimate Ears
UE5Pro
¥99000 税込
『聴いていて楽しくなるイヤホン』ならこの子です
Ultimate Earsのエントリーモデルにして、オーディオファンからプロ用途まで、どなたにも適したもっとも万能なモデルがUE5Proです。 筐体は非常にコンパクト、カナル(ノズル)も細い設計で、幅広く色々な方の耳にフィットしそうです。 強いて言えばカナルが長めで、人によっては、装着感に慣れがいるかもしれません。 音についてですが、広く豊かなレンジ、各帯域の音圧に音バランスに至るまで、不足感は一切ありません。 くっきり高解像度タイプではありませんが、一音一音はっきり聴き取ることができます。 無理に音を誇張することもないため、ありのままの音を、パワフルかつ正確に鳴らしている印象です。 特筆すべきは中低音の量感で、楽しく聴けるバランスと、モニター的なバランス両方を、上手く保っています。 低音楽器の生々しさ・再現性には、光るモノがあります。 高音域も低音の量感に埋もれることなく主張し、ボーカルの細やかで繊細な表現も上手いです。 ドライバー数ゆえか、少し線の細い印象は抱きますが、極端に音数が多くない限り、破綻はしなさそうです。 弱ドンシャリな音バランスは、POPS・ROCK・EDMなどの現代的な楽曲と合いますが、基本どんな楽曲とも相性選ばず楽しめると思います。 発売から20年以上経ちますが、古臭さを一切感じないUE5Proのサウンドは、今の環境でもバッチリ活躍できそうです。 UEが誇る名機を、ぜひお試しください。 再生機器:Shanling UP5 試聴楽曲:犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!(Official髭男dism),アイシテの照明 feat.缶缶(Biz),涙そうそう(夏川りみ)
-
すずき
@e☆イヤホン
VISION EARS
PHÖNIX(Universal Fit)
Gold-Red
¥638000 税込
究められた無個性、圧倒的な定位感
13基のBAドライバーを搭載した、怒涛のフラッグシップモデルが登場しました。 黒を基調としたカーボンファイバー製のシェルは、光や角度によって積層ファイバーの断面がキラキラと表情を変えます。 カーボンの採用により、軽量かつ堅牢なつくりを両立しているようです。カスタムIEMを思わせる薄いイヤホン筐体はやや大ぶりで、人によっては収まりが悪いかもしれません。 肝心のサウンドですが、正直なところ評価が難しいです。 どこか強調された音域はなく、全音域でただひたすらに圧倒されるサウンドを実現しています。 全体の傾向としては、高域寄りのフラットサウンドと言えそうです。 凄まじい高域の解像度に透明感、生々しくディテールに優れた中域、どこまでも深く広い低域、パキパキに決まった定位感など、どこか突出しているというより、それら全てを適度に併せ持ち、絶妙なチューニングの元に融合され、Phönixのサウンドを創っている印象です。 また、その中で強いて際立った特徴と言えば、高解像度で安定感抜群な定位があげられると思います。 どこでどんな音が鳴っているか、まざまざと表現してしまう能力は唯一無二の魅力に感じます。 ロック、メタル、ポップスに合う、VEらしいスピード感もありますが、ジャズやクラシック、オーケストラなど、優れた定位感と解像度、適度な柔らかさを求められるジャンルにこそ、持ち味を最大限活かせると思います。 変革を起こし、不死鳥のように生まれ変わったPhönixをぜひお試し頂きたいです。
-
すずき
@e☆イヤホン
EFFECT AUDIO
Code 23 (ConX Basic to TermX Basic)
¥72600 税込
エネルギー満ち溢れる、極太・高解像度サウンド
「Codeシリーズ」に“EFFECT初の単線モデル”が登場し、それが「フラッグシップレベルの銅ケーブル」という、EFFECT AUDIOを知る人にとっては、情報量の多いケーブルかもしれません。 まずお伝えしたいのは、やはり単線ゆえに相応に硬いイヤホンケーブルであることです。EFFECTケーブルの中でもトップクラスの硬さだと思います。ただ、ケーブルの取り回しは素直であり、実際に通勤で使用しても普段使いがむずかしいレベルには感じません。そんなことよりも、多少の扱いづらさを差し引いても使い続けたいサウンドがCode23にはありました。 ずぶとく、厚く、高解像度で、適度なスピード感に広さと、一聴して素性の良いサウンドが眼前に広がり、ボーカルと楽器音(特にギター音)がとにかく映えます。うねりや高音域の自然な伸びは非常に艶めかしく、それでいて刺激はありません。変な癖がないのでどんなジャンルもいけますが、ロック・ボーカル系の楽曲が抜群に合う印象です。 また、特筆すべきは豊かな情報量と高いS/N比です。背景ノイズの少なさゆえ、真っ暗な静寂から音が立ち上がるような感覚と、音響特性がばっちりコントロールされた空間で奏でられたような生々しい描写力と音の鮮度に圧倒される情報量、それらが心地よくミックスされて耳に飛び込んできます。 取り回しを考慮してもお釣りがくるくらいのサウンド体験で、この音が楽しめるなら多少硬くても……と思ってしまうほどの、究められた銅の音をまざまざと見せつけられた気がします。金、銀、銅などさまざまな素材を駆使してきたEFFECT AUDIOだからこその説得力を感じました。 ■試聴機:VE MEISTER,NW-WM1AM2 ■試聴楽曲:花人局(ヨルシカ),Rock on.(ナノ),Rising Hope(LiSA),Hot Meal(Girls Dead Monster),お勉強しといてよ(ずっと真夜中でいいのに。)
-
すずき
@e☆イヤホン
CUSTOM ART
FIBAE™ 7 Unlimited
¥215000 税込
解像感とアナログライクを両立した優しいサウンド
FIBAE 7 Unlimitedは、同社のFIBAE 7を再設計・再チューニングしたモデルです。高域用ドライバーを変更したこと、また、クロスオーバーの刷新でダイナミクスと感度を改善したことが大きな変更点とのことです。 ドライバーを更新した影響か、中高域に特徴があるモデルです。角が丸く刺激が少ない、シルキーでさらさらとした自然で優しい聴き心地です。また、透明感・繊細さ・伸びも十分にあり、ボーカルがとても聴き取りやすいです。全体のバランスとしてはフラットですが、ボーカル表現の優秀さが際立っているように感じました。 低域は非常にソリッドで締まっています。小気味よく軽快でレスポンスに優れた低域は、他帯域に被らない程度に存在感があります。“さりげない”という表現が合いそうな優しい広がり方に、少しアナログライクな印象を受けました。現代的なくっきり高解像度さと、耳触りよく温かみのあるアナログさを感じる絶妙なチューニングです。 聴き疲れしづらく、各帯域の不足感もないので、楽曲ジャンル・世代を問わず、さまざまな楽曲と合わせられると思います。 ■試聴楽曲: 夜明けと蛍(n-buna),W/X/Y(Tani Yuki),ORIGINAL(DUSTCELL), CH4NGE(feat.可不),靴の花火(ヨルシカ)