スタッフレビュー詳細
古き良きポタアン、最大の武器はその不便さ!?
オーディオ機器の専門特化性が極まる昨今、「DAP」プレイヤーは大型化・高価格化が進む一方で、「DAC」ポタアンはスマホに直挿しできるような小型・低価格の製品が多くなりつつあります。
一昔前に流行ったプレイヤー+ポタアン、例えばAK70にmojoを繋ぐといった使い方をする製品はもはや絶滅危惧種、UMAのような存在となってしまいました。プレイヤー自体の性能が大幅に上がっているのと、アンプを繋ぐこと自体ただでさえ大型で重量級なプレイヤーをさらに大きく、重たくしてしまうだけだからです。
そんな現代のオーディオ市場に、唯一無二のシーラカンスが登場しました。それが「AK PA10」です。
・A級動作アナログアンプ搭載。
・接続方法は4.4mm5極バランスこそあれどライン入力のみ。
時代を逆行したかのような超弩級のポータブルアンプですが、この製品を繋ぐ恩恵は多少大きくなっても、重たくなっても繋いだ状態で常用したいと思わせるほどです。
解像度や分離感が上がるといった印象はありませんが、その分厚みの増した濃厚で芳醇な音を楽しめます。
また、ジャンルは選びません。パワフルなので再生するイヤホンやヘッドホンも選ばないことを考えると、一家に一台置いておいてもいい製品なのではないでしょうか!
大きくて重たいことに所有欲を満たされる珠玉の逸品です。ぜひ一度お試しください。
接続機器
AK70MKII→Jet Short Cable→AK PA10→Fender TEN 2
試聴音源
Bad Company / Bad Company
かわ世 / 百鬼あやめ
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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Hulk
@e☆イヤホン 名古屋大須店
audio-technica
ATH-CKS50TW2
ブラック
¥21582 税込
ケースを持ち歩く必要ナシ!?これぞ"完全"独立型ワイヤレスイヤホン!!
充電用ケースを自宅の充電ドックとしても使える、「ケースから解放された」ありそうでなかったワイヤレスイヤホンが、audio-technicaから登場しました! 「ATH-CKS50TW2」は、本体同士をくっつけるためのマグネットが内蔵されており、ケースにしまわなくても電源のON/OFFを簡単に管理できる仕組みになっています。 とはいえ、既存のワイヤレスイヤホンの多くも本体側で電源のON/OFF操作は可能ですが、この製品はその操作をとにかく簡潔でわかりやすくしたことで、より便利さが際立っています。 この製品の最大の特徴は、何と言っても約25時間という非常に長い連続再生時間。 バッテリー性能を強調する製品は珍しくありませんが、「ATH-CKS50TW2」は特に突出した性能を持ち、比較対象になるのは左右一体型(ネックバンド型)やワイヤレスヘッドホンといったカテゴリの製品でしょう。バッテリー性能に関しては、一段飛び抜けた存在感があります。 「家を出るときにイヤホンは装着したものの、ケースを忘れてしまった。電源の切り方もわからないし、繋ぎっぱなしだと帰りの電車でただの耳栓になってしまうかもしれない…」という経験が、このイヤホンに乗り換えた時点で、もう二度と心配する必要はなくなります。使わないときは本体同士をくっつけておくだけでOKですし、もしスマホに繋ぎっぱなしになっていても、帰りの電車でも元気に動作してくれるでしょう。むしろ、心配になるのはスマホの充電残量の方かもしれません……。 ブーミーな重低音と控えめながらもシャープなメロディ域、そしてラフに使いやすい質感と性能。ちょっと背伸びしたワイヤレスイヤホンを検討中の方には、これが最適解だと思います。 ぜひ店頭でお試しください! 【試聴音源】 ・メギツネ / BABYMETAL ・夢の浮世に咲いてみな / ももいろクローバーZ vs KISS
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Hulk
@e☆イヤホン 名古屋大須店
水月雨 (MOONDROP)
MOONRIVER2-Ti
¥31500 税込
不自然で自然的。スマホとUSB DACだけで究極の非日常を
水月雨 (MOONDROP)よりUSB DACのフラグシップモデル「MOONRIVER2」の後継モデルが発売になりました! 「MOONRIVER2-Ti」のデザインテーマは「参差(しんし)の美」です。 しん‐し【参差】 ① 高さや長さが異なっていて、そろわないこと。等しくないこと。ふぞろいなこと。また、そのさま。 ② 互いに入り交じっていること。互いに交錯していること。また、そのさま。 ③ くいちがっていること。矛盾していること。また、そのさま。 ④ 願望・意図などがかなえられないこと、またそのさま。 (コトバンク, https://kotobank.jp/word/%E5%8F%82%E5%B7%AE-537586) 「空鳴-VOID」の時と同じく、マイナスイメージな言葉を利用し、儚さを表現した演出方法、コトバ遊びになっていますが、僕はこのキーワードから「不自然で自然な表現力を持ったDAC」という印象を抱きました。 まずデザイン。「MOONRIVER2」の特徴的なフォルムイメージは残しつつ、材質の変更に伴い全体的な印象は大きく変わっています。 表面はどこから見ても左右非対称なデザインで、不揃いな長さの曲線を組み合わせた幾何学的なデザインです。側面を見ると今度は曲線を描いていたラインが等間隔でまっすぐ並び、膨らんでいく本体の形状をより際立たせているようです。 底面は基板やDACチップが見えるように透明になっていますが、一部規則的な曲線で透かしたハーフクリアウィンドウの仕様です。 どこをとっても特徴的なデザインですが、いざ使ってみるとこの個性が際立つ素振りはありませんでした。むしろ直線的で左右対称なデザインの方が不自然で異様、そう感じさせる不思議な魅力が詰まっています。 次に音質について。DACチップの構成は「CS43198 x2」と先代MOONRIVER2から変わっていませんが、音の透明感、歪みの少なさはより鮮明になっています。 同社のUSB DAC「暁 - DAWN」や「LITTLE WHITE」のような、女性ボーカル 〜 高音域への伸びやかさが強調されたチューニングではなく、お淑やかなカマボコ傾向の音に収まっています。DACチップの巧みな質感表現を活かしたタイトめな中低音域がスパッと切りこみ、しっかり音を整えてくれるので、その分メロディーラインやボーカルは聴きやすい印象です。「ボーカルを聴かせるための低音」といった音は「Blessing 3」に通ずるものがあります。 何よりも印象的だったのが音の透明感です。 我々は普段雑音や空気中の塵など、ノイズにまみれた中で生活しています。そのため、吸音パネル等を利用して完全に雑音をカットした空間や、山間部の湖のほとりなど、ノイズのないナチュラルなものに対して、違和感があってしまうものです。 「MOONRIVER2-Ti」にはそういった『不自然で自然な透明感』があります。あまりにもクリアで、音に一枚ベールがかかっているんじゃないかと錯覚するほど透き通った音は他のUSB DACでは味わえない一番の魅力なのではないでしょうか。 不規則だからこそ馴染むデザイン。違和感を覚えるほど自然で透明な音。まさに矛盾した「参差」なUSB DACです。 ぜひ一度お試しください! 試聴音源 ・アンリアルヴェイル / アーニャ・メルフィッサ ・MESS / Hakos Baelz ・正体 / いろはにほへっと あやぶふみ
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Hulk
@e☆イヤホン 名古屋大須店
水月雨 (MOONDROP)
Ultrasonic
¥9900 税込
壱撃離脱!水月雨式超音波の衝撃に備えよ!
MOONDROP流ハイブリッドイヤホン (1DD+1BA) の真髄をとくとご覧あれ! 水月雨 (MOONDROP) の新型ワイヤレスイヤホン「Ultrasonic」をご紹介します。 ケースデザインは、弟分である「SPACE TRAVEL」を踏襲しており、筐体デザインも歴代モデルから大きな変化はありません。しかし、クリアパーツの赤ワインを思わせる深い赤色や、ぎっしりと詰め込まれた印字が加わることで、これまでのモデル以上に力強い印象を放っています。 音の印象も非常に個性的です。低域は大柄でどっしりと安定感があり、ボーカル域は背筋が伸びたような美しい佇まいを見せ、お互いが絶妙に引き立て合っています。「SPACE TRAVEL」のおしとやかな雰囲気や、「夢回 – Golden Ages」の中高音域の優雅な美しさとは全く異なるキャラクターですが、清らかで聴きたい音をしっかり届ける音作りは、間違いなくMOONDROPの真骨頂です。 さらに、水月雨 (MOONDROP) ならではの、色気たっぷりな低域も健在。ぜひ「Ultrasonic」を聴いて、令和史上最大級の衝撃を体感してみてください! 【試聴音源】 ・Good Taste / Chelsea Jade ・ネコひねり問題 / yosumi
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Hulk
@e☆イヤホン 名古屋大須店
Anker
Soundcore AeroFit 2
ブロンズゴールド
¥16990 税込
新しくなったオンイヤー型スナイパー、小型になっても音は大迫力!
今大注目のオンイヤースピーカー、耳を塞がないタイプのワイヤレスイヤホン。その中でもAnkerがお届けするスゴ腕スナイパー「Soundcore AeroFit 2」をご紹介します! 先代モデルは、ボディ全体ががっちりとした一体成型の屈強なデザインでした。しかし、最新モデルでは耳掛け部分のパーツが細く柔軟な素材・形状に進化し、本体とのジョイントパーツも多段階で調整可能になっています。専用のケースに入れないと持ち運べないような大型のスナイパーライフルを相棒にしていた傭兵が、折りたたみや分解機構を備えたスマートなマークスマンライフルへと乗り換えた、そんな印象です。 一方で、初めて聴いた際に真っ先に驚かされたのは、その音量と音漏れの少なさでした。 素材や形状が一新されたことで、スピーカー部もそら豆型になり、鼓膜により近い位置で音を鳴らせる構造になったおかげか、音を一切余すことなく鼓膜へ届けることが可能に。このおかげで、ワイヤレスイヤホンでは音量をスマホ側で7~8割程度に設定している私でも、「AeroFit 2」では半分程度で十分な音量を確保できます。また、音漏れについても、身体が軽くぶつからない程度の距離なら気にならないほど。小型化した現在でも、効率的かつ的確な火力を誇る頼れるスナイパーとしての性能は健在です。 見た目も大人びていてケースは小型軽量。現代の戦場のカタチにしっかりと適応した大型新人による芸術的な任務のこなし具合。べた惚れです。みなさんもぜひ一度お試しください! 【試聴音源】 Kids / Bialystocks Here Comes The Sun / The Beatles