スタッフレビュー詳細
POPsと相性◎。中低域を中心とした汎用性の高い1台
前モデルからの主な変更点はケーブル。ケーブルも被膜の色こそ変更されましたが、銀メッキ銅線という素材は変わらず、プラグが3.5mm、2.5mm、4.4mmの3種から付け替えられるようになりました。
現状qdc2pinはMMCX等と比べるとリケーブルの選択肢がどうしても少なくなってしまうので、今回のケーブル変更は純正のイメージを崩さずバランス化ができるため、とてもうれしい変更点です。
・音質について
従来通りのアンバランス接続は、低域は締まりのあるハキハキとした鳴らし方で、ボーカルから下の中低域がより前に出てくるようなバランスです。ボーカルとベースラインがノリ良く響いてくれるのでPOPs系と相性良く、楽しく聴けます。
そして、肝心の変更点であるバランス接続での音質は、よりダイナミックレンジが広がり分離感の良いサウンドとなり、クラシックを始めとしたオーケストラサウンドを主に聴かれる方は、バランス接続の方がうま味を味わえると思います。
帯域バランスも広がりを持ったおかげか、低域がアンバランス再生時よりも相対的に少なくなり、高域やバイオリンの伸びも細やかに聴こえるようになります。
音も造りも汎用性に富んだものが欲しい方は是非試聴して欲しい1台です。
試聴環境
PAW6000
試聴音源
星街すいせい「みちづれ」
fox capture plan「Butterfly Effect」
Sound Horizon「愛という名の咎」
黒沢ダイスケ「INSPION」
下村陽子「Vector to the Heavens」
ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
-
よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
JH5
Black
¥16500 税込
豊かな低域と小気味いい高域
付属品としてバランス重視型と低域重視型の2種類のイヤーピースが付属しています。まずは低域重視型のイヤーピースを装着して試聴してみました。 一聴して感じたのは、ウッドベースがボンボンと跳ねるような低域の存在感の強さです。量感だけでなく、サブベース帯の発音もしっかりしており、腹の底から揺らすような低域を感じられます。また、高域の抜けが良く、低域の量感が多くてもそれに支配されることはなく、低域と高域がバランスよく再現されています。POPsよりもインスト系、特にドラムンベースやダブステップ等との相性はかなり良いと思います。 一方、POPsや歌ものをよく聴かれる方はイヤーピースをバランス重視型に変えるのが良いでしょう。低域の量感が抑えられ、その分ボーカルが位置する中域が存在感を出してきます。音の違いが出るイヤーピースを2種類付属してくれている点も嬉しいポイントですね。 装着感に関しては、エルゴノミクスデザインを採用しているだけあって収まりが良く、内からの圧迫感もなく非常に快適でした。ただ、イヤホン自体はそれなりに大きいので、耳が小さい方は一度装着感を試された方がいいと思います。 各帯域の出音がしっかりしている分、イヤーピースやリケーブルで音の変化を味わいやすいイヤホンとなっています。プラスαで購入しなくても、付属品の2種のイヤーピースで音が変わる体験を味わえますので、初めてイヤホンを購入される方にもおすすめの商品です。 試聴楽曲 星街すいせい「みちづれ」 fox capture plan「Butterfly Effect」 Sound Horizon「愛という名の咎」 黒沢ダイスケ「INSPION」 下村陽子「Vector to the Heavens」 ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』」
-
よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N3Ultra
¥88990 税込
繊細かつ雄大な音色
このレビューでは、N3 Ultraの3つのモードによる音の違いについて、UIや動作面について触れていきます。 N3 Ultraは、ソリッドステートサウンド、Classic真空管サウンド、Modern真空管サウンドの3つの音色を持っており、メニューから任意に切り替えることが可能です。 〇 ソリッドステートサウンド 3種のサウンドの中で1番音の解像度が高く、はきはきとした発音が特徴です。2種の真空管サウンドと比べると大人しい音作りにはなりますが、イヤホンの特徴や良さを知りたい時にはその大人しさが良い部分になってくると思います。モニター的な音とはいいませんが、音源をしっかり分析したい時はおススメのモードです。 〇 Classic真空管サウンド いわゆる真空管アンプを通した音というのはこのモードが一番近い印象を受けました。高域の音の伸びが非常に豊かで自然な広がりをしており、音に包まれるような感覚を味わうことができます。 N3 Ultra自体の実力も含まれていると思いますが、ダイナミックレンジも非常に広く、空間の表現が繊細なためクラシック等ではより生々しさを覚えました。 ゆったりと音楽を味わいたい時はおススメのモードです。 〇 Modern真空管サウンド 真空管が持つエネルギッシュな部分を最大限に活かしたような音作りとなります。Classicと比べると中~低域がより前面に押し出され、ポップスやロックではボーカルやギターの迫力をより感じやすい音作りに変化すると思います。空間表現の繊細さについてはClassicの方に分がありますが、ウッドベースの弾むような音の表現やサブベースのただの振動に近いような音もしっかりと描写してくれます。ただ、ここに関しては使用するイヤホンのスペックにも左右される点だと思います。 音楽をノリよく楽しみたい時はおススメのモードです。 2種の真空管モード共通のこととして、ホワイトノイズがかなり抑えられているという点が挙げられます。前作N3 Proはどうしてもホワイトノイズが目立つ場面というのが多少見られましたが、N3 Ultraはインピーダンスが低く、感度が高いイヤホンでもホワイトノイズはあまり発生しなかったので、回路の見直しなどを行うことで、しっかりと進化した点の1つではないかと思います。 〇 UI、動作 基本的なUIはN3 Proとそこまで変わらず、メインメニューは広く浅くアクセスできるようなデザインとなっており、特定のアーティストや楽曲に辿り着きやすいです。サウンドの切り替えなどはプルダウンメニューから選択でき、他のAndroid搭載のDAPと同じような操作感で使用することが可能です。USB DACモードでの使用時は通常時のプルダウンメニューは使えず、右上のメニューからサウンドの切り替え等を行う形となります。私が使用している分には通常のプレイヤーとしての使用時、USB DACモード時共に変なもたつきはなく、軽快な動作でした。 N3 Proの元ユーザーとしても再び真空管サウンドの海におぼれたくなるような表現、ハードウェア、ソフトウェアの改善等非常に魅力にあふれたDAPだと思います。 純粋な有線イヤホン、ヘッドホンの再生機としておススメの1台です。
-
よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Panther Audio
LEGEND K8(Universal Fit)
¥114000 税込
正統派フラット系イヤモニ
パンサーオーディオのLEGEND K8はフラットですっきりとしたサウンドで、音源のおいしいところを味わいたいあなたへおすすめなイヤホンです。 【音質】 音のバランスは非常にフラットな特性を持っており、特別どこかが出ているわけではないです。これは楽曲自体が持つ音のバランスを忠実に再現してくれているということであり、どんな楽曲でもフラットっぽく聴こえるわけではありません。ボーカルが入っている楽曲はボーカルを、Drum'n'Bassのような低域が特徴的な楽曲は低域をしっかり際立たせてくれます。 近い特性のイヤホンを挙げるとすれば、SONYのIER-M9やVISION EARSのVE6 X2などが近い印象です。その中でもLEGEND K8はより明瞭に表現することに重きを置いている印象で、この3機種の中では一番音をくっきりはっきり鳴らすような音作りとなっています。 【装着感】 Panther Audioは自身の耳型を採取して作製する“カスタムIEM”も受け付けているメーカーであり、LEGEND K8もユニバーサルに加えてカスタムでのオーダーが可能です。その影響かユニバーサルモデルもカスタムIEMライクな形状をしており、筐体がだいぶ大きめなので耳が小さめな方は少々きついと感じてしまうかもしれません。ですが、私が装着した感覚としては大きさは特に問題ありませんでした。さらに、非常にフィット感が良く、多少動いたくらいでは外れたりしないほど安定して装着できました。遮音性も問題ありません。 楽曲全体のバランスをチェックされるクリエイターやエンジニアの方、様々なジャンルの楽曲を聴かれる方はぜひ一度試聴していただきたいイヤホンです。
-
よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Bose
QuietComfort Ultra Headphones
Black
¥59400 税込
静寂は音楽を際立たせる
大迫力の低域にそれを際立たせる圧倒的なノイズキャンセリング。 QuietComfort Ultra Headphones(以下QCUH)は今まで以上に自然なノイズキャンセリングで音楽に集中できる、そんなヘッドホンです。 静寂も音楽の大事な要素の1つです。特に外で音楽を聴く際は周りの騒音のせいでどれほどの音が聞こえなくなってしまっているのでしょうか。しっかり音を聴こうとして音量を上げるのも耳にはあまりよろしくない……。今やノイズキャンセリング搭載が標準になりつつあるワイヤレスヘッドホン界隈の中でもQCUHは非常に高いクオリティで、街中や地下鉄、強風の中でも過剰に音量を上げることなく音楽を楽しめるノイズキャンセリング、及び機能が搭載されています。 音質について、Boseの音といえば最初に挙がるのはもちろん低域でしょう。QCUHもかなりインパクトがあります。圧倒的大迫力の低域は音楽に臨場感をプラスし、よりライブ感がある音楽として楽しむことができるでしょう。また、超低域もしっかり鳴らしてくれるので、迫力がありつつも深いベースの響きなどが味わえるような効かせる聴きごたえもあります。 中高域はシャープでハキハキと発音されるので、低域の圧に埋もれることもなく、邪魔することもなく。低域の迫力を味わいつつもボーカルやバイオリン、ギター等高い音域の楽器たちも余すことなく表現してくれます。 加えて、僕が第一印象でいいなと思った点として、アームや全体の重さなどの造形部分があります。 Boseのワイヤレスヘッドホンのフラグシップで言えば、Noise Cancelling Headphones 700が記憶に新しいと思います。NCH 700は丸みを帯びたスタイリッシュなデザインでしたが、QCUHはNCH 700と比較してアーム部分が太くなり、ハウジングの形状もやや大きくなったことでやや大振りな印象を受けます。 アーム部分は金属製のものを採用し、より堅牢な造りになっていたりと耐久性を上げるためのデザインではないかと個人的には感じました。また、丈夫だと重くなったりするのがこの世の常ですが、重さはNCH 700と同じ250gと比較的軽量。軽さは維持しつつ、耐久性の向上をはかっています。装着感も柔らかく包み込んでくれるような感じなので、長時間の使用も問題ないかと思います。丈夫で軽い。最高ですね。 優れたノイズキャンセリングで音楽に集中したい方、低域の迫力を存分に味わいたい方におすすめしたいヘッドホンです。