スタッフレビュー詳細
ボーカルに命を吹き込む開放型ヘッドホン
「Meze Audio 109 Pro」はMeze Audio待望のミドルエンドクラスのヘッドホンです。
形状は、「99Classics」と似ていて、木材で作られたハウジングの中心がくりぬかれて網目状のグリルになっており、まさに「99Classics」の開放型バージョンといった印象を受けます。
一方、装着感はやや異なります。装着感の差に最も影響を与えているものがイヤーパッドです。「99Classics」はイヤーパッド素材にPUレザーを採用しておりますが、「109 Pro」はベロア生地が採用されています。また、芯材も異なり、「99Classics」は柔らかな印象ですが、「109 Pro」はやや硬めなものが採用されています。「109 Pro」のほうがややしっかりとした装着感ではありますが、「99Classics」と同様の面積の広い可動式ヘッドバンドが採用されており、装着感はとても良好です。
音の全体的な印象は、開放型とは思えない豊かな低音域と、抜けの良い中高音域のバランスの良いサウンドでした。「99Classics」と比較するとややクールな印象ですが、なめらかで暖かみのある音が楽しめます。
各帯域ごとの印象は、
【低音域】
豊かでありながら、余韻を残し過ぎずに抜けていくため、くどさは感じません。芯がしっかりとありつつも柔らかく広がる低音です。
【中音域】
「109 Pro」で一番注目して欲しいポイントはボーカル表現の美しさです。「ボーカルの生々しい表現」というと、私のイメージではボーカルが近くに配置されていて、ブレスまでクッキリハッキリと聞こえるものというイメージですが、「109 Pro」はその印象とはやや異なります。
ボーカルはどちらかというとやや遠目に感じますが、まるで「そこ」に存在しているような、他の帯域とハッキリと分離されていて、浮き出て聞こえるような不思議な感覚でした。
【高音域】
スッと抜ける心地の良い高音域です。量感はさほど多くなく、まっすぐで聴きやすい音です。
「99Classics」と比較すると、開放型と密閉型という形式上の違い以上に、音作りそのものにキャラクターの違いによる棲み分けがされていて、その日の気分やシチュエーションで使い分けることができると感じました。
なお、ヘッドホン側のコネクタ部分が「99Classics」と比較するとやや太く設計されているため、99Classics用のアップグレードケーブルを使用することもできます。Meze Audio純正のバランスケーブルをご希望の方は是非こちらもご検討ください。(99Classicsでのレビューも掲載してます!)
試聴環境
iPhone 14 Pro→Earstudio ES100→Meze Audio 109 Pro
試聴楽曲
赤い公園 - highway cabriolet
赤い公園 - pray
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
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Hulk
@e☆イヤホン 名古屋大須店
Meze Audio
109 Pro
¥120000 税込
99+10=?
Meze Audio渾身の開放型ダイナミックヘッドホン、「109 Pro」のご紹介です。 皆さんは「109」という数字の羅列を見て何が真っ先に思い浮かぶでしょうか?某渋谷の商業施設や全国的な映画館の名前にも109という数字は使われていますが、オーディオファンの皆さんはこのヘッドホンを聴いて以降109と聞けば真っ先に「109 PRO」を思い浮かべるようになると思います。そのぐらい個性的で魅力的で完成度の高いヘッドホンです。 まずデザインに関してですが、パッと見て一目惚れしてしまうほど美しい見た目をしています。濃い木目と金属系の黒とブロンズの色合いがとても綺麗で、パーツひとつひとつを取って見ても息を呑むほどです。 長期使用を見越してディスクリート(完全に独立した)部品で構成されており、部品ごとの交換も出来るようになっていますが、個々のパーツがお互いを引き立てあっていてもはや芸術品の域です。 音は開放型らしく広がりに長けていますが、一方で高音域や中低音域の音の質感表現も非常に巧いヘッドホンだなと感じました。 ギターの歪んだ音や女性ボーカルの艶っぽい音。アナログシンセの粒立った荒々しい音までしっかりと聴かせてくれますが、全体的な雰囲気は柔らかめに整えられているので聴き疲れはしづらい印象です。据え置きアンプの「FiiO K7」や真空管アンプを搭載した「Cayin N8ii」、スティックDACの「MOONDROP MOONRIVER2」などを用いて試聴しましたが、どの機器でもパワー不足に感じることは無く、そのアンプならではの音をちゃんと表現してくれるので聴き比べていてとても面白かったです。出力側の個性をちゃんと捉えることが出来るという意味ではモニターヘッドホンとしての一面も持っているのではないでしょうか。 聴けば聴くほどその魅力に取り憑かれてやみつきになるヘッドホンです。是非お試しくださいませ。 試聴音源 ・Chelsy / Escape ・You've got 2 Get Me / Sota Fujimori
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しょうちゃん
@e☆イヤホン
Meze Audio
109 Pro
¥120000 税込
見た目も音も美しい開放型ヘッドホン
一つ一つの音の表現が丁寧かつ、いつまでも聴いていたくなる抜けの良い爽やかなサウンドが楽しめる開放型のヘッドホン、それがMeze Audio(メゼオーディオ) 「109 Pro」です! 美しい木のハウジングとオープン型のデザインが独特の高級感を漂わせているこちらのヘッドホン。程よい側圧と優しく耳を包み込んでくれるベロア素材のイヤーパッドにより、長時間の装着でも負担を感じにくい、抜群の装着感となっています。 音に関しては外観から受ける印象と同じく、上品で柔らかく繊細なサウンドです。音の粒が細かく音場が広いため、まるで耳が音に覆われているかのような感覚が印象的でした。高域に関しては、まっすぐ芯の通った綺麗な表現で、アタック感やスピード感を感じやすく、抜けの良い爽やかな音のイメージです。 中域に関しては、ボーカルの息遣いの生々しさが特徴的で、リアリティのあるサウンドを演出していました。低域もしっかりと出ており、パンチ力のある聴きごたえ抜群のサウンドを感じられます。 以上のサウンド傾向から、ライブ音源、ジャズ、アコースティック系の音楽との相性がいいと感じました。ご自宅でゆったりと音楽を聴かれる方や、この美しいデザインにグッときた方には是非一度お試しいただきたい製品です! 【試聴環境】 SHANLING 「M6 Ultra」 → Meze Audio 「109 Pro」 【試聴楽曲】 Linkin Park / One More Light L'Arc~en~Ciel / Vivid Colors milet / Again and Again
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
Meze Audio
109 Pro
¥120000 税込
柔らかい中~低域、明瞭な高域に全体の伸びやかな余韻が印象的
ジャズ/クラシック/ポップなど比較的ジャンルを選ばない印象がありますが、 特にゆったりしたペースのボーカル曲を聴くのにはたまらないヘッドホンです! 【音質】 柔らかく適度な押し出し感がある低域に温かみのある生々しい中域がすっと沁みこみます。さらに粒立った高域がよりクリアさを感じさせてくれます。 全体的に聴いてみると高域を意識してしまいがちですが、非常に鮮やかで洗練された表現なので金属的な音が曇らずに透明感を持ったまま鳴ってくれるのに驚きました。 相性の良いゆったりしたペースのボーカル曲で聴くと余韻の綺麗さと声の温かみ、生々しさが沁み渡ります。少しペースを上げたノリの良い楽曲で聴いてみたところ、残響もつぶさにだしてくれながら、他に潰されずに最後まで楽しめる様が秀逸だと感じました。端から端までしっかりと鳴らしてくれるというだけで安心感も抜群です。 メタルのような曲でも情報量や高域表現に不足は感じませんでした。インパクトは少し軽く感じましたが、開放型特有の外に抜ける感じで脳内定位を避けた結果のように思えます。重たく鋭い低域表現も好きな私はスピード感もややスローに感じました。 どちらかと言うと後ノリのグルーブ感が目立つ印象です。横に適度に広がるので迫力を損なうことはありません。低域表現に関しては暖色系の豊かな響きを重視しているように感じました。 【デザイン】 109 Proはドライバーの一部を除き手作業でくみ上げられていることから、修理時のメンテナンス性の高さもうかがえます。イヤーパッド交換やリケーブルも可能なようです。リケーブルは99Classicsの構造に似ておりヘッドホン側の端子が奥まっています。細身の径であれば他社製リケーブルも挿入できそうです。当店で人気のバランスケーブル「霧降」も使用することができました。
このスタッフの他のレビュー
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わか
@e☆イヤホン
Noble Audio
FoKus Mystique 【NOB-FOKUSMST-B】
¥64780 税込
ワイヤレス最高峰音質を超える「超最高峰音質ワイヤレスイヤホン」
「Noble Audio FoKus Mystique」はエネルギッシュなサウンドが楽しめる完全ワイヤレスイヤホンです。 FoKusシリーズといえば第1弾の「FoKus PRO」が高音質な完全ワイヤレスイヤホンとして多くのオーディオファンから販売終了した今も愛され続けています。 今回登場するFoKusシリーズ第3弾「FoKus Mystique」はノイズキャンセリング機能非搭載で、まさに「FoKus PRO」の正統後継機種といった製品です。(第2弾「FoKus H-ANC」はノイズキャンセリング機能搭載モデルです) 肝心の音質は、低音域のアタック感をしっかりと感じるメリハリの効いたサウンドです。 【低音域】 重さとアタック感をかなりしっかりと感じることができる低音域です。芯がしっかりとしていてタイト目な印象で、まるで屈強な男性に体当たりされたような衝撃を感じました。 【中音域】 ボーカルは近すぎず遠すぎず。男性ボーカル、女性ボーカルどちらもOKでした。 【高音域】 高音域も低音域〜中音域に埋もれることなくしっかりと出ています。細かな音までしっかり表現されていて、抜け感も良好でした。 【全体の印象】 エネルギッシュでパワフルなサウンドです。ベースやドラムの音が心地よく、バンドサウンドとの相性が特に良いと思います! 若干気になった点は、「ステムがかなり太め」なことです。付属のイヤーピース以外を使用する際には、試着してからイヤーピースを購入することをオススメします。なお、本製品にはシリコンタイプ2種(ノーマルタイプと2段タイプ)が付属しており、遮音性も良いためイヤーピースの変更は必須では無いと思います。 FoKus PROユーザーはもちろんのこと、FoKus PROを買えなかったという方や、最近オーディオファンになった方にもオススメな完全ワイヤレスイヤホンです! 試聴環境 iPhone 14 Pro→Noble Audio FoKus Mystique 試聴楽曲 赤い公園 - 消えない YOASOBI - Blue
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わか
@e☆イヤホン
FiiO
BTR7
¥34100 税込
小型Bluetoothレシーバーの1つの最高到達点
「FiiO BTR7」は同社のフラグシップポータブルプレイヤー「M17」を彷彿とさせる本体デザインが特長のBluetoothレシーバーです。 Bluetoothレシーバーの中では本体が大きめではありますが、その大きさが気にならなくなるほど素晴らしい音を出力してくれます。 実際に手に持ってみると、細身で軽いためポケットにいれても邪魔にならないと感じました。(FRISK neoの缶とほぼ同じくらいのサイズ感です) 肝心の音質に関しては、1つ1つの音をしっかり聞き取れる解像度の高さが好印象でした。 全体的に明瞭感が増し、各パートがどの位置に配置されているかまでハッキリと分かるような見通しの良さが特徴的でした。 パキっとしていて疾走感のあるサウンドで、iPhoneとAACで接続していることを忘れてしまう程の音質を味わうことが出来ました。 機能面においてはボリュームが再生機器側と連動しておらず、細かな調整が利く点が好印象でした。 また、Qi規格の無線充電対応が個人的にはとても嬉しいく感じます。 使用しないタイミングで、ケーブルの抜き差しをせずに置くだけで充電できるのはとても便利なものです。 フラグシップの名に恥じない高音質、高機能な商品です! Bluetoothレシーバー派やスティック型DACアンプ派の方はもちろんのこと、最近完全ワイヤレスイヤホンをメインに使っているという方にも是非試聴していただきたいオススメの商品です! 試聴環境 iPhone 11→FiiO BTR7→AAW ASH(カスタムIEM) 試聴楽曲 赤い公園 - pray YOASOBI - RGB 4s4ki - m e l t
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わか
@e☆イヤホン
SONY
【SixTONESプロモーションモデル】NW-A300シリーズ【~3/22まで!新沼音生活応援キャンペーン】
A306/32GB BC ブラック
¥57200 税込
コレ ”が” 良いと思える小型DAP
「SONY NW-A300」シリーズ(以下A300)は2019年11月に発売された「NW-A100」シリーズ(以下A100)の後継機種で、サイズ感はそのままに、より使いやすく高音質になった正統進化モデルです! 気になる音質は、A100と比較すると全体的な明瞭感の向上が印象的でした。特に高音域のキラキラとした音の表現が美しく感じます。音場に関しても、より広がりを感じるサウンドに変化しています。 上記の音質面以外では、「USB DAC機能の追加」「DSEE Ultimateの強化」「バッテリー強化」の3点が大きな変更点です。USB DAC機能に関しては、今までZXシリーズやWMシリーズといった上位機種にしか搭載されていなかった機能です。手に取りやすい価格でパソコンの音楽をSONY独自開発のフルデジタルアンプ「S-Master HX」で楽しめるということはとても魅力的に感じます。 また、バッテリーに関してはA100が最大26時間であるのに対し、A300は最大36時間と大幅に強化されております。再生可能時間が増えると重く大きくなってしまう印象ですが、A300はA100と比較しておよそ10gの増加に留まっており、手に持った感覚はほぼ変わりませんでした。 動作も軽快で「コレで良い」ではなく「コレが良い」と思えるオススメの商品です! 試聴環境 NW-A306→AAW ASH(カスタムIEM) 試聴楽曲 Blue Monday FM - Bee Moved Ado - 新時代
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わか
@e☆イヤホン
final
ZE8000
ブラック
¥36800 税込
圧倒的な解像感を楽しめる完全ワイヤレスイヤホン
「final ZE8000」は2022年末に購入できる完全ワイヤレスイヤホンの中で特にオススメできる解像度の高さが際立った商品です。 充電ケースや本体はZE3000と同じ様な「シボ塗装」が施されており手に持った際に滑り落ちにくくなっています。さらに非光沢で指紋が付きにくいのも好印象です。 装着してまず気付いたのは、「軽さ」と「装着感の良さ」の2点です。ZE2000やZE3000と比べるとやや厚みはありますが、その厚みを感じない程軽く感じました。 装着感の良さは「ZE8000専用イヤーピース」がポイントだと感じました。専用イヤーピースは耳の穴の中にいれる部分と、耳の手前に触れるグリップとなる部分が一体化した形状となっています。この形状により、イヤホンの耳に触れる部分の大半がシリコン素材となり、抜群のグリップ感を得ています。レビューの際に軽く頭を前後左右に振りましたが、ズレることは全くありませんでした。 装着時はイヤホン本体を体の正面側から背中側に向かって回しながら耳に入れると、ピタッと耳に収まりました。 肝心の音に関しては、バランスの良さと高い解像感に感動しました。 【低音域】 かなりしっかりと量感があります。ただ多いだけでなく、深くて重い重低音もしっかりと轟きます。 【ボーカル】 近さと生々しさが素晴らしいです。ZE2000やZE3000ももちろんボーカル表現は素晴らしかったですが、ZE8000のボーカルの表現力の高さにはとても驚きました。 【高音域】 高音域の素晴らしさが「8K SOUND」の真骨頂だと感じました。本当に小さくて細かな音まで丁寧に出してくれます。全ての高音がしっかりと出ていますが、決して刺さらないのも好印象です。 【全体の印象】 ボーカルが低音域よりも近い位置で聴こえることで、低音域の量感が多すぎると感じさせない音作りがされています。また、高音域がしっかりとなりつつも残り過ぎずに抜けていくため、音場を広く感じる点も素晴らしかったです。 ・ZE2000やZE3000からのステップアップ ・とにかく音質重視で完全ワイヤレスイヤホンをさがしている どちらの方にもオススメできるオーディオファン必聴の完全ワイヤレスイヤホンです! 試聴環境 iPhone 14 Pro→final ZE8000 試聴楽曲 HoneyWorks - 可愛くてごめん(feat. かぴ) YOASOBI - Romance