スタッフレビュー詳細
柔らかい中~低域、明瞭な高域に全体の伸びやかな余韻が印象的
ジャズ/クラシック/ポップなど比較的ジャンルを選ばない印象がありますが、
特にゆったりしたペースのボーカル曲を聴くのにはたまらないヘッドホンです!
【音質】
柔らかく適度な押し出し感がある低域に温かみのある生々しい中域がすっと沁みこみます。さらに粒立った高域がよりクリアさを感じさせてくれます。
全体的に聴いてみると高域を意識してしまいがちですが、非常に鮮やかで洗練された表現なので金属的な音が曇らずに透明感を持ったまま鳴ってくれるのに驚きました。
相性の良いゆったりしたペースのボーカル曲で聴くと余韻の綺麗さと声の温かみ、生々しさが沁み渡ります。少しペースを上げたノリの良い楽曲で聴いてみたところ、残響もつぶさにだしてくれながら、他に潰されずに最後まで楽しめる様が秀逸だと感じました。端から端までしっかりと鳴らしてくれるというだけで安心感も抜群です。
メタルのような曲でも情報量や高域表現に不足は感じませんでした。インパクトは少し軽く感じましたが、開放型特有の外に抜ける感じで脳内定位を避けた結果のように思えます。重たく鋭い低域表現も好きな私はスピード感もややスローに感じました。
どちらかと言うと後ノリのグルーブ感が目立つ印象です。横に適度に広がるので迫力を損なうことはありません。低域表現に関しては暖色系の豊かな響きを重視しているように感じました。
【デザイン】
109 Proはドライバーの一部を除き手作業でくみ上げられていることから、修理時のメンテナンス性の高さもうかがえます。イヤーパッド交換やリケーブルも可能なようです。リケーブルは99Classicsの構造に似ておりヘッドホン側の端子が奥まっています。細身の径であれば他社製リケーブルも挿入できそうです。当店で人気のバランスケーブル「霧降」も使用することができました。
量感イメージ
この商品に対する
他のスタッフのレビュー
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Hulk
@e☆イヤホン 名古屋大須店
Meze Audio
109 Pro
¥120000 税込
99+10=?
Meze Audio渾身の開放型ダイナミックヘッドホン、「109 Pro」のご紹介です。 皆さんは「109」という数字の羅列を見て何が真っ先に思い浮かぶでしょうか?某渋谷の商業施設や全国的な映画館の名前にも109という数字は使われていますが、オーディオファンの皆さんはこのヘッドホンを聴いて以降109と聞けば真っ先に「109 PRO」を思い浮かべるようになると思います。そのぐらい個性的で魅力的で完成度の高いヘッドホンです。 まずデザインに関してですが、パッと見て一目惚れしてしまうほど美しい見た目をしています。濃い木目と金属系の黒とブロンズの色合いがとても綺麗で、パーツひとつひとつを取って見ても息を呑むほどです。 長期使用を見越してディスクリート(完全に独立した)部品で構成されており、部品ごとの交換も出来るようになっていますが、個々のパーツがお互いを引き立てあっていてもはや芸術品の域です。 音は開放型らしく広がりに長けていますが、一方で高音域や中低音域の音の質感表現も非常に巧いヘッドホンだなと感じました。 ギターの歪んだ音や女性ボーカルの艶っぽい音。アナログシンセの粒立った荒々しい音までしっかりと聴かせてくれますが、全体的な雰囲気は柔らかめに整えられているので聴き疲れはしづらい印象です。据え置きアンプの「FiiO K7」や真空管アンプを搭載した「Cayin N8ii」、スティックDACの「MOONDROP MOONRIVER2」などを用いて試聴しましたが、どの機器でもパワー不足に感じることは無く、そのアンプならではの音をちゃんと表現してくれるので聴き比べていてとても面白かったです。出力側の個性をちゃんと捉えることが出来るという意味ではモニターヘッドホンとしての一面も持っているのではないでしょうか。 聴けば聴くほどその魅力に取り憑かれてやみつきになるヘッドホンです。是非お試しくださいませ。 試聴音源 ・Chelsy / Escape ・You've got 2 Get Me / Sota Fujimori
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わか
@e☆イヤホン
Meze Audio
109 Pro
¥120000 税込
ボーカルに命を吹き込む開放型ヘッドホン
「Meze Audio 109 Pro」はMeze Audio待望のミドルエンドクラスのヘッドホンです。 形状は、「99Classics」と似ていて、木材で作られたハウジングの中心がくりぬかれて網目状のグリルになっており、まさに「99Classics」の開放型バージョンといった印象を受けます。 一方、装着感はやや異なります。装着感の差に最も影響を与えているものがイヤーパッドです。「99Classics」はイヤーパッド素材にPUレザーを採用しておりますが、「109 Pro」はベロア生地が採用されています。また、芯材も異なり、「99Classics」は柔らかな印象ですが、「109 Pro」はやや硬めなものが採用されています。「109 Pro」のほうがややしっかりとした装着感ではありますが、「99Classics」と同様の面積の広い可動式ヘッドバンドが採用されており、装着感はとても良好です。 音の全体的な印象は、開放型とは思えない豊かな低音域と、抜けの良い中高音域のバランスの良いサウンドでした。「99Classics」と比較するとややクールな印象ですが、なめらかで暖かみのある音が楽しめます。 各帯域ごとの印象は、 【低音域】 豊かでありながら、余韻を残し過ぎずに抜けていくため、くどさは感じません。芯がしっかりとありつつも柔らかく広がる低音です。 【中音域】 「109 Pro」で一番注目して欲しいポイントはボーカル表現の美しさです。「ボーカルの生々しい表現」というと、私のイメージではボーカルが近くに配置されていて、ブレスまでクッキリハッキリと聞こえるものというイメージですが、「109 Pro」はその印象とはやや異なります。 ボーカルはどちらかというとやや遠目に感じますが、まるで「そこ」に存在しているような、他の帯域とハッキリと分離されていて、浮き出て聞こえるような不思議な感覚でした。 【高音域】 スッと抜ける心地の良い高音域です。量感はさほど多くなく、まっすぐで聴きやすい音です。 「99Classics」と比較すると、開放型と密閉型という形式上の違い以上に、音作りそのものにキャラクターの違いによる棲み分けがされていて、その日の気分やシチュエーションで使い分けることができると感じました。 なお、ヘッドホン側のコネクタ部分が「99Classics」と比較するとやや太く設計されているため、99Classics用のアップグレードケーブルを使用することもできます。Meze Audio純正のバランスケーブルをご希望の方は是非こちらもご検討ください。(99Classicsでのレビューも掲載してます!) 試聴環境 iPhone 14 Pro→Earstudio ES100→Meze Audio 109 Pro 試聴楽曲 赤い公園 - highway cabriolet 赤い公園 - pray
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しょうちゃん
@e☆イヤホン
Meze Audio
109 Pro
¥120000 税込
見た目も音も美しい開放型ヘッドホン
一つ一つの音の表現が丁寧かつ、いつまでも聴いていたくなる抜けの良い爽やかなサウンドが楽しめる開放型のヘッドホン、それがMeze Audio(メゼオーディオ) 「109 Pro」です! 美しい木のハウジングとオープン型のデザインが独特の高級感を漂わせているこちらのヘッドホン。程よい側圧と優しく耳を包み込んでくれるベロア素材のイヤーパッドにより、長時間の装着でも負担を感じにくい、抜群の装着感となっています。 音に関しては外観から受ける印象と同じく、上品で柔らかく繊細なサウンドです。音の粒が細かく音場が広いため、まるで耳が音に覆われているかのような感覚が印象的でした。高域に関しては、まっすぐ芯の通った綺麗な表現で、アタック感やスピード感を感じやすく、抜けの良い爽やかな音のイメージです。 中域に関しては、ボーカルの息遣いの生々しさが特徴的で、リアリティのあるサウンドを演出していました。低域もしっかりと出ており、パンチ力のある聴きごたえ抜群のサウンドを感じられます。 以上のサウンド傾向から、ライブ音源、ジャズ、アコースティック系の音楽との相性がいいと感じました。ご自宅でゆったりと音楽を聴かれる方や、この美しいデザインにグッときた方には是非一度お試しいただきたい製品です! 【試聴環境】 SHANLING 「M6 Ultra」 → Meze Audio 「109 Pro」 【試聴楽曲】 Linkin Park / One More Light L'Arc~en~Ciel / Vivid Colors milet / Again and Again
このスタッフの他のレビュー
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
aune audio
Flamingo
¥38500 税込
オペアンプ、真空管が切り替え可能な良コスパ機
真空管に興味のある方、デスクに置けるコンパクトなDACアンプをお探しの方にオススメです。 幅約13cm、奥行き約10cm、高さ約3cmと非常にコンパクト。真空管も本体内部に収まっているので、高さも抑えられています。真空管は手を近づけるとしっかり熱を発しているので、上に物を置かないようにした方が良さそうです。 またオペアンプと真空管、7つの切り替え可能なデジタルフィルターなど音に関する多彩な機能を持っています。 【音質】 オペアンプの設定では、中〜高域までを癖なく表現しつつ、中低域のアタックがハッキリと主張する印象です。 音場は奥行きは狭めで横一列に並ぶように広がります。 真空管の設定では、オペアンプに比べ中低域の主張が抑えられます。音場に奥行きが出てきて低域の余韻がより感じられるようになりました。 【オススメジャンル】 オペアンプは、リズム隊やベースがハッキリと聴こえるのでEDMやロックなどの楽曲がオススメです。 真空管では、音場に奥行きがあり全体の印象がスッキリしているのでクラシックやジャズなど生音系に相性が良いと思います。ですが、オペアンプよりも全域が自然に聴こえるのでジャンルの相性はあまり気にしなくて良いかもしれません。 Flamingoは解像度を犠牲にしない範囲で少しウォームな耳当たり良いチューニングです。 柔らかい聴き心地を求める方は、ぜひご検討ください!
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
YAMAHA
YH-5000SE(B)
¥495000 税込
音楽の躍動感や微細な音を表現する
音源の情報や上流の機器の音を丸裸にするようなその音は、何でも良い音に聴こえるような演出をせずありのままを聴かせてくれます。全帯域を余す事なく詳細に聴く解像度を求める方や、素直な音を求める方に向いていると思います。 【外観】 黒で統一された外観、ハウジングフレーム部のメタルフレームには、剛性と品質の高さを感じます。 手にして見ると、まず本体の軽さに驚きました。外から見ると厚みがありそうな見た目ですが、内部空間が広く耳を入れるのにもかなり余裕があります。ドライバーは背面のハウジングに貼り付くように設置されていて、耳との距離を出来るだけ広く確保しているように見えます。また頭部のサイズ調節も無段階で調整でき、細かいフィッティングがしやすいです。イヤーカップを垂直方向に回転させるスィーベル機構や頭頂部に圧が集中しない柔軟な形のヘッドバンドなど、とにかく装着にストレスを感じません。素晴らしい装着感です。 【音質】 2022年開催のポタフェス冬の試聴でも使われたRME「ADI-2 DAC」で聴いてみます。低域から高域まで、音の響きを削ったりどこかの帯域を強調することなく克明に描き出す解像度に圧倒されました。音の太さや硬さ、響きの量など温度感までイメージできるような鮮明な音。ダイナミックでありつつ繊細さも兼ね備えています。 もう少し聴きこんでみます。低域は抜けが良く十分な量感があります。中域は音階の表現に明瞭さが感じられ、高域は金属的な音の硬い質感の描写をストレートに感じます。音場は縦方向が近く、横に大きく広がりを感じます。ボーカル曲を聴くと何のフィルターも無く目の前で歌っているような、むき出しの声を感じます。 ですが、どこか音楽に没頭できない感覚もありました。プロのオーディオインターフェースの音を持つADI-2 DACに繋いでいるからでしょうか。とても客観的で音楽ではなく音を聴いているようです。しかし、この組み合わせは非常に分析的に聴く良さを感じます。 機器を変えて聴いてみます。 SENNHEISER「HDV 820」では少し落ち着いたトーンに感じられ、響きの表現が伸びやかになりリラックスして聴こえます。ハキハキとした音の立ち上がりはあまり変わりませんが、中高域以上は丸くなりよりなめらかな表現に感じました。音場に関しては思ったほどの変化はなく、横方向に少し広がる印象でした。 また付属の4.4mmバランス接続でも聴いてみました。全体の印象や音場は大きく変わりませんが、音がよりなめらかに柔らかく感じました。比較するとアンバランスでは少し中央に定位が集中することで音の立ち上がりが重なりアタックや密度が強く感じるのに対して、バランスでは定位がまんべんなく広がる印象です。リスニングとして聴きやすくなるので、ぜひ試聴の際にはお試しください! 他にも複数の機器(レビュー下部に記載)に繋いで聴いてみました。音場の広さは奥行き方向はほぼ変わらず、横方向に少し伸びます。そのほかの質感、特に音の余韻の表現は上流の音に対してとても素直に変化するヘッドホンでした。 音場は広く解像度を詳細に引き出すという仕事を忠実にこなす真面目な音作りと、そこに凝り固まり過ぎず、時に躍動的に静的に表現する柔軟さが「YH-5000」の魅力です。機会があれば、ぜひ聴いてみてください! 使用機器:QPM/HDV 820/ADI-2 DAC FS/Tradutto & CH-AMP
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
SHANLING
M3 Ultra
ブラック
¥65340 税込
ES9219Cの扱いに長けたSHANLINGだから出せる音
最低限の高域が出つつ低〜中音域を重視する方にオススメです!やや奥行きのある音場感は元気がありつつも、うるさくは感じにくい聴きやすさがあります。 【外観】 筐体設計は同社「M6 Ultra」などにも採用されたアルミニウム-マグネシウム合金を切削加工で作られています。滑らかな仕上がりで手の収まりも良いです。 【音質】 豊かな情報量を持ちつつ暖かみのある音質です。元気なノリの良さがあるのに耳触りが良く聴きやすさがあります。 バンドサウンドを聴くとバスドラムの押し出し感に心地よい音圧を感じます。音に密度があり定位の良さを感じますが、輪郭には丸みがあり硬い印象にはなっていません。 シンバルなどの高域表現は鮮やかですが、やや距離が遠く感じます。音の分離感は備えているので聴き分けに苦労はありませんが、控えめに感じる点は好みが分かれそうです。 ボーカルラインは適度な距離感で情報量の豊かさを感じます。適切なトーンでアーティストの声を自然に感じられる安心感があります。 オーケストラを聴くと横の広がりにはやや狭さを感じますが、迫力と豊かな余韻が感じられハーモニーがキレイに感じました。 個々の音を分離して聴くよりも、全体のまとまりが上手く表れているタイプだと思います。 情報量や迫力がありノリ良く聴ける要素を持ちながら、暖かみのあるオールジャンルなサウンドです。 ぜひこの絶妙なチューニングを店頭でも聴いてみてください!
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
DUNU-TOPSOUND
VULKAN【DK-X6】
¥60470 税込
色々な曲を聴きたくなる透明感が高い丁寧な表現力
ロック、POPやアコースティック系など様々なジャンルに合いますが、音の響きがスッキリとしているので濃厚な情報量を求めるよりもあっさりとした聴き心地を求める方に向いていそうです。 【音質】 低域表現の制動の効いた表現と透明感が高い生々しいボーカル、細やかで比較的情報量が多く抜けの良い高域が、全体的に聴くとスッキリとした印象にまとめられています。定位も正確で高い分解能を持っていますが、ある程度の沈み込みもありロックなど聴いてもパンチを感じます。音の立ち上がりが明確なので、ドラムなどのリズム隊が見えやすい印象もあります。 また最初の印象では高域の細かい描写と中音域の生々しさが特に意識され、印象のメイン要素になっていると感じました。ですが聴けば聴くほど量感は控えめながら低域の締まりの良い丁寧な質感が心地よく感じました。生音を聴いてもキレの良さはありつつ音の芯が痩せず、最低限の厚みを持っていると感じました。 ダイナミックとBA型のハイブリッド機ですが、高解像で音のつながりが良くピーキーさも感じさせない部分に完成度の高さを感じました。音数の多い楽曲では情報量が少なく感じる所はありましたが、基本的にはバランス良くニュートラルな傾向なので色々な曲で聴いてみたいイヤホンです。