スタッフレビュー詳細
ストレスフリーなハイパフォーマンスプレイヤー
使用イヤホン DUNU-TOPSOUND EST112
試聴楽曲
fox capture plan「Butterfly Effect」
Sound Horizon「愛という名の咎」
黒沢ダイスケ「INSPION」
下村陽子「Vector to the Heavens」
ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』」
・音質
EST112はESTドライバーによる高域の粒立ちの良さやダイナミックレンジの広さが特徴のイヤホンになりますが、WM1AM2につなぐとより1つ1つの音が際立ち、情報量の多さに息をのみました。軽快なノリでハキハキと刻むように音楽を鳴らすので、私の試聴楽曲の中でも「INSPION」「愛という名の咎」は非常に気持ちよく聴けました。ディストーションギターの歪みの色にツインボーカルのしっかりとした棲み分け、サブベーズの唸りに近い低域の表現等々、音源のクオリティをしっかりと引き出すその実力は確かなものです。逆に「英雄」は1音1音の繋がりに関して少しばらつきを感じるような部分もあったので、クラシックのようなハーモニーを基調とする部分も多く含まれるジャンルへの親和性の高さ、音楽がスッと入ってくるような滑らかさ、気持ちよさを求めるかたは上位機種のWM1ZM2をオススメします。
・ハードウェア
手に持った感じも非常に心地よく、NW-WM1Aが267g、NW-WM1AM2が299gと前モデルから約30gほど重くはなっていますが、本体が大きくかつ薄くなったことでかえって手に収まりの良いサイズとなり、しっかりと手になじみ、個人的にはむしろ軽くなったんじゃないか?と感じるほどでした。最大40時間の連続再生も個人的にはうれしい。本当にうれしい。
・ソフトウェア
DSEE Ultimateは純正アプリケーション以外でも稼働するようになり、ワイヤレスイヤホンで音楽を聴くときにも反映されるようになり…有線無線を状況によって使い分ける方にも嬉しい要素が新規搭載。ZX507やA100シリーズ同様アプリケーションのサポートも充実しているので多くのストリーミングサービスが安心して利用できるという強みもあります。
WM1ZM2と比べると下位のモデルにはなりますが、SONYの新たなシグネチャーモデルにふさわしい1台だと思います。ぜひ、ご自身の目と耳でお確かめください。
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N3Ultra
¥88990 税込
繊細かつ雄大な音色
このレビューでは、N3 Ultraの3つのモードによる音の違いについて、UIや動作面について触れていきます。 N3 Ultraは、ソリッドステートサウンド、Classic真空管サウンド、Modern真空管サウンドの3つの音色を持っており、メニューから任意に切り替えることが可能です。 〇 ソリッドステートサウンド 3種のサウンドの中で1番音の解像度が高く、はきはきとした発音が特徴です。2種の真空管サウンドと比べると大人しい音作りにはなりますが、イヤホンの特徴や良さを知りたい時にはその大人しさが良い部分になってくると思います。モニター的な音とはいいませんが、音源をしっかり分析したい時はおススメのモードです。 〇 Classic真空管サウンド いわゆる真空管アンプを通した音というのはこのモードが一番近い印象を受けました。高域の音の伸びが非常に豊かで自然な広がりをしており、音に包まれるような感覚を味わうことができます。 N3 Ultra自体の実力も含まれていると思いますが、ダイナミックレンジも非常に広く、空間の表現が繊細なためクラシック等ではより生々しさを覚えました。 ゆったりと音楽を味わいたい時はおススメのモードです。 〇 Modern真空管サウンド 真空管が持つエネルギッシュな部分を最大限に活かしたような音作りとなります。Classicと比べると中~低域がより前面に押し出され、ポップスやロックではボーカルやギターの迫力をより感じやすい音作りに変化すると思います。空間表現の繊細さについてはClassicの方に分がありますが、ウッドベースの弾むような音の表現やサブベースのただの振動に近いような音もしっかりと描写してくれます。ただ、ここに関しては使用するイヤホンのスペックにも左右される点だと思います。 音楽をノリよく楽しみたい時はおススメのモードです。 2種の真空管モード共通のこととして、ホワイトノイズがかなり抑えられているという点が挙げられます。前作N3 Proはどうしてもホワイトノイズが目立つ場面というのが多少見られましたが、N3 Ultraはインピーダンスが低く、感度が高いイヤホンでもホワイトノイズはあまり発生しなかったので、回路の見直しなどを行うことで、しっかりと進化した点の1つではないかと思います。 〇 UI、動作 基本的なUIはN3 Proとそこまで変わらず、メインメニューは広く浅くアクセスできるようなデザインとなっており、特定のアーティストや楽曲に辿り着きやすいです。サウンドの切り替えなどはプルダウンメニューから選択でき、他のAndroid搭載のDAPと同じような操作感で使用することが可能です。USB DACモードでの使用時は通常時のプルダウンメニューは使えず、右上のメニューからサウンドの切り替え等を行う形となります。私が使用している分には通常のプレイヤーとしての使用時、USB DACモード時共に変なもたつきはなく、軽快な動作でした。 N3 Proの元ユーザーとしても再び真空管サウンドの海におぼれたくなるような表現、ハードウェア、ソフトウェアの改善等非常に魅力にあふれたDAPだと思います。 純粋な有線イヤホン、ヘッドホンの再生機としておススメの1台です。
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Panther Audio
LEGEND K8(Universal Fit)
¥114000 税込
正統派フラット系イヤモニ
パンサーオーディオのLEGEND K8はフラットですっきりとしたサウンドで、音源のおいしいところを味わいたいあなたへおすすめなイヤホンです。 【音質】 音のバランスは非常にフラットな特性を持っており、特別どこかが出ているわけではないです。これは楽曲自体が持つ音のバランスを忠実に再現してくれているということであり、どんな楽曲でもフラットっぽく聴こえるわけではありません。ボーカルが入っている楽曲はボーカルを、Drum'n'Bassのような低域が特徴的な楽曲は低域をしっかり際立たせてくれます。 近い特性のイヤホンを挙げるとすれば、SONYのIER-M9やVISION EARSのVE6 X2などが近い印象です。その中でもLEGEND K8はより明瞭に表現することに重きを置いている印象で、この3機種の中では一番音をくっきりはっきり鳴らすような音作りとなっています。 【装着感】 Panther Audioは自身の耳型を採取して作製する“カスタムIEM”も受け付けているメーカーであり、LEGEND K8もユニバーサルに加えてカスタムでのオーダーが可能です。その影響かユニバーサルモデルもカスタムIEMライクな形状をしており、筐体がだいぶ大きめなので耳が小さめな方は少々きついと感じてしまうかもしれません。ですが、私が装着した感覚としては大きさは特に問題ありませんでした。さらに、非常にフィット感が良く、多少動いたくらいでは外れたりしないほど安定して装着できました。遮音性も問題ありません。 楽曲全体のバランスをチェックされるクリエイターやエンジニアの方、様々なジャンルの楽曲を聴かれる方はぜひ一度試聴していただきたいイヤホンです。
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
Bose
QuietComfort Ultra Headphones
Black
¥59400 税込
静寂は音楽を際立たせる
大迫力の低域にそれを際立たせる圧倒的なノイズキャンセリング。 QuietComfort Ultra Headphones(以下QCUH)は今まで以上に自然なノイズキャンセリングで音楽に集中できる、そんなヘッドホンです。 静寂も音楽の大事な要素の1つです。特に外で音楽を聴く際は周りの騒音のせいでどれほどの音が聞こえなくなってしまっているのでしょうか。しっかり音を聴こうとして音量を上げるのも耳にはあまりよろしくない……。今やノイズキャンセリング搭載が標準になりつつあるワイヤレスヘッドホン界隈の中でもQCUHは非常に高いクオリティで、街中や地下鉄、強風の中でも過剰に音量を上げることなく音楽を楽しめるノイズキャンセリング、及び機能が搭載されています。 音質について、Boseの音といえば最初に挙がるのはもちろん低域でしょう。QCUHもかなりインパクトがあります。圧倒的大迫力の低域は音楽に臨場感をプラスし、よりライブ感がある音楽として楽しむことができるでしょう。また、超低域もしっかり鳴らしてくれるので、迫力がありつつも深いベースの響きなどが味わえるような効かせる聴きごたえもあります。 中高域はシャープでハキハキと発音されるので、低域の圧に埋もれることもなく、邪魔することもなく。低域の迫力を味わいつつもボーカルやバイオリン、ギター等高い音域の楽器たちも余すことなく表現してくれます。 加えて、僕が第一印象でいいなと思った点として、アームや全体の重さなどの造形部分があります。 Boseのワイヤレスヘッドホンのフラグシップで言えば、Noise Cancelling Headphones 700が記憶に新しいと思います。NCH 700は丸みを帯びたスタイリッシュなデザインでしたが、QCUHはNCH 700と比較してアーム部分が太くなり、ハウジングの形状もやや大きくなったことでやや大振りな印象を受けます。 アーム部分は金属製のものを採用し、より堅牢な造りになっていたりと耐久性を上げるためのデザインではないかと個人的には感じました。また、丈夫だと重くなったりするのがこの世の常ですが、重さはNCH 700と同じ250gと比較的軽量。軽さは維持しつつ、耐久性の向上をはかっています。装着感も柔らかく包み込んでくれるような感じなので、長時間の使用も問題ないかと思います。丈夫で軽い。最高ですね。 優れたノイズキャンセリングで音楽に集中したい方、低域の迫力を存分に味わいたい方におすすめしたいヘッドホンです。
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よしけい
@e☆イヤホン 秋葉原店
SONY
WF-1000XM5
ブラック
¥37620 税込
創造するのは音ではなく音楽
より自然に、より快適に。WF-1000XM5は日常に彩りをプラスしてくれる、そんなイヤホンです。 最初はもちろん耳に着けるところから始まるわけですが、前モデルであるWF-1000XM4の時はキュッと耳にフタをするような感覚があり、少し慣れないところが個人的にはありました。しかし、WF-1000XM5に関しては小型化、軽量化のおかげもあってか耳にスッと収まってくれるような装着感で、よりストレスフリーに音楽を楽しめました。 そして耳に着けたときにまず流れるのは音楽ではなく、無音の世界です。新しい機種が出るたびにテンプレの様にノイズキャンセリングの性能が上がったとレビューに書かれるわけですが……今回もしっかり性能が上がってくれました! 強すぎるノイズキャンセリングは閉塞感や圧迫感を伴うのが少し前の常識でしたが、それはもう過去の話。自然な減音をしてくれるので、音楽を聴かず耳栓代わりとして使いたいという方も納得の使い心地ではないかと思います。隣で青軸のキーボードをカタカタ叩いている人がいてもきっと大丈夫。 音質については、そもそもイヤホンやヘッドホンはスマートフォンなどから送られてきた「音」の情報を再生するのが役割ですが、WF-1000XM5は「音楽」を再生してくれているイメージです。 楽器一つ一つの音が乖離せずまとまりをもって表現され、楽曲の持つ空気感を余すことなく届けてくれます。ノイズキャンセリングの性能の高さもあって細かい音の描写もさすがのもので、バイオリンの弦から弓を離した後の音が減衰していく様は非常に生々しいものを感じます。細かいところに目を向けるような聴き方をすると低域がやや淡白な鳴り方をしており、もう少し迫力があってもいいかなと思いましたが、曲全体を俯瞰して見た時やただじっくりと味わう聴き方の時はもう少し欲しいなと思っていた部分も自然と感じさせないくらい絶妙なバランスで再生してくれて、素直に驚きました。 また、自分がDTMを始めたての頃の音源を聴いてみたら、「こんなにMIXちゃんとしてたかな?」と思うくらいには豊かな装いをしており、単純にイヤホンが音を出しているというよりは、音楽を奏でているといった感覚に近い印象を受けました。 これをいわゆる「作られた音」と感じる人もいるかとは思いますが、これだけしっかり作りこまれた世界を演出してくれるのであれば、楽しく音楽を聴くという点に関しては個人的には大歓迎ですし、納得のクオリティです。 音楽を楽しく、より豊かに奏でてくれる。そんなイヤホンだと思います。ぜひ、お試しください。 試聴環境 Pixel 7 PAW6000 試聴楽曲 星街すいせい「みちづれ」 fox capture plan「Butterfly Effect」 Sound Horizon「愛という名の咎」 黒沢ダイスケ「INSPION」 下村陽子「Vector to the Heavens」 ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』」 自作曲