スタッフレビュー詳細
聴き方は、さらに進化する
【ポイント】
・前作にはなかった「XBass II」「XSpace」「Gain」機能の追加
・Bluetooth モジュール「Bluetooth5.4」と「aptX Lossless」に対応
【デザイン】
前作と同じく近未来的なデザインです。スタイリッシュかつクール。前モデルではBluetooth用のアンテナが背面にありましたが、今作では内蔵される形となったので、ますますコンパクトに。
また、液晶ディスプレイも前作と同様に搭載されており、視覚的にも分かりやすいです。設置の向きは縦置き、横置きどちらにも対応しており、向きに応じて自動でディスプレイが切り替わります。
【機能】
前作から数多くの進化したポイントがありますが、最大の注目ポイントは「XBass II」「XSpace」「Gain」といったサウンド調整機能が搭載されたことでしょうか。これらはiFi-Audio「ZENシリーズ」などに搭載されている機能になりますが、前作「NEO iDSD」には非搭載でした。
これらが搭載されたことで、より直感的に、お手軽に自分好みの音に調節ができるようになりました。まさに痒い所に手が届く。
また、「Gain」は高インピーダンスなヘッドホン向けの設定の他に、イヤホン向けの「IMatch」という設定もありますので、イヤホンも安定して使用可能です。
【音質】
まずは、「Gain」はノーマル。「XBass II」「XSpace」を使用せずに聴いてみました。(beyerdynamic 「DT 1990 PRO (250 Ohm)」を使用)
一聴して感じたのは全体的な解像度の高さで、フラットな印象でした。前作と比べると若干ドンシャリ気味ではありますが、それでもフラットな範疇でのドンシャリな感じです。
次に「XBass II」を使用して聴いてみます。「XBass II」には「Bass」(低域がターゲット)、「Presence」(中高域が中心)、「Bass + Presence」(両方を同時に実行)といった3つのEQオプションが存在しており、鳴り方も変わってきます。
「Bass」で聴いてみると、ベースがゴリゴリと鳴りノーマルの状態よりもアグレッシブなサウンドに変化しました。
「Presence」にしてみると、ドラムのスネアやシンバル辺りが強調され、「Bass」と比べると「重低音」といった印象はなくなりますが、スッキリとしたサウンドに。
「Bass + Presence」は両方を同時に実行、とある通り、スッキリしつつ低音も主張しつつ、といったサウンドに聴こえます。
「XSpace」はその名の通り、空間が広がって聴こえます。オフだとレコーディングスタジオにいるような空間が、オンにすることで、スタジオが2倍3倍広がったような、そんな音の広がりがありました。細かいシンバル音やアコギ、ピアノの余韻などが、シットリと聴こえたように思います。
同じ音源でもかなりの変化がありますので、自分好みのEQを発見できれば、今まで以上に、音を楽しめそうです。ちなみに、「XBass II」と「XSpace」の併用も可能です。
【総合すると・・・】
前作「NEO iDSD」を更にスタイリッシュに。そしてサウンド調整機能が追加されるなど、「NEO iDSD2」は様々な進化を遂げた据え置きアンプです。
「ZENシリーズ」などには搭載されていたものの、「NEO iDSD」には搭載されていなかった「XBass」「XSpace」「Gain」機能がついに搭載され、前モデルよりもお手軽にサウンドを自分好みに調整できるようになった点は大きな注目ポイントです。それぞれの機能を使用するとサウンドの変化が大きい為、自分に合った設定を見つけると音楽を更に楽しく聴けると思います。
さらに、Bluetooth モジュール:Bluetooth5.4とaptX Losslessにも対応している為、有線だけではなくワイヤレスでも、今まで以上の音楽を体験できるのではないでしょうか。
【試聴環境】
NW-WM1AM2→NEO iDSD2(デジタル接続)→DT 1990 PRO (250 Ohm)
【試聴楽曲】
・筋肉少女帯『一瞬!』「日本印度化計画」
・X JAPAN『DAHLIA』「Rusty Nail」
・小室哲哉『Digitalian is eating breakfast』「CHRISTMAS CHORUS」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
FIIO
R9 【FIO-R9-S】
¥269940 税込
できたらいいな、はこれ一台で。
【ポイント】 ・1台で様々な役割を果たす据え置きプレイヤー。 ・前機種『R7』にはなかった『AV IN/OUT/ARCモード』が新たに搭載。 【デザイン】 シンプルな四角形デザインで、メタリックなカラーと鏡面仕上げが高級感を演出します。側面のハニカム構造が効果的な放熱を提供し、クールな印象を与えます。前機種『R7』よりも大きさは若干増していますが、デスクトップに圧迫感はありません。 【機能】 多様なモードが搭載されたデスクトップオーディオストリーマー。AndroidモードではSpotifyなどのアプリがスムーズに動作し、6.0インチFHDディスプレイも操作性が高いです。さらに『AV IN/OUT/ARCモード』の追加により、オーディオビジュアルの楽しみ方も広がりました。 【音質に関する感想】 FIIO『FT5』およびSENNHEISER『HD 800S』での試聴結果をまとめました。 まず、FIIOが開発した『PureMusicモード』では、中域がはっきりとし、高い解像度で音が鳴る印象を受けました。音場は適度に広がり、ボーカルが前面に出るような音の鳴り方をします。低音と高音が少し強調されていますが、ドンシャリサウンドとは異なり、多様な音楽ジャンルを自然に楽しむことができるでしょう。 次に、『Bluetooth受信モード』でのLDAC設定による試聴では、『PureMusicモード』の有線接続と比較して音質の差は感じられるものの、ハイレゾに相当する高音質で力強い音が楽しめました。このモードは様々なデバイスからの音楽再生に対応しており、多くのコーデックがサポートされています。 また、ゲインレベルは5段階から選べるため、高インピーダンスのヘッドホン(例:HD800S)も問題なく使用できると感じました。 このレビューが音質に関しての参考になれば幸いです。 【総合評価】 『R9』はこれ一台でデスクトップオーディオの可能性を広げるオールインワンデバイスです。デスクトップをスマートに整理し、空間をクレバーに活用します。 【総合すると…】 デスクトップオーディオストリーマー「Rシリーズ」の最上位モデルである「R9」は、多様なモードを搭載しており、これ一台でデスクトップオーディオの多くをカバーできます。 さらに、前機種「R7」にはなかった「AV IN/OUT/ARCモード」を新たに搭載したことで、オーディオビジュアルも楽しめるようになりました。 まさしく、オールインワンデバイス。これ一台でデスクトップをスマートに整理し、空間をクレバーに活用。豊富な入出力端子により、可能性は無限大です。 デスクトップオーディオを追求したい、デスクトップをコンパクトにまとめたい、デスクトップを始めてみたい方に、オススメのネットワーク対応据え置きプレイヤーです。 【試聴環境】 ・『PureMusicモード』: TM NETWORK『Get Wild』、Ado『うっせぇわ』 ・『Bluetooth受信モード』: チューリップ「サボテンの花」、X JAPAN「Rusty Nail」
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
THIEAUDIO
Hype 10
¥143180 税込
震える、痺れる、心踊る。そんな低音をあなたへ。
【ポイント】 ・高性能ドライバーを採用した計12ドライバー(DD2+BA10)イヤホン ・IMPACT²による重低音 【デザイン】 雄大な雰囲気を醸し出すデザインやキラキラと光り輝く様は、宇宙さながらの美しさ。筐体を眺めているだけでもウットリと。そして、どこか奥ゆかしさを感じます。 筐体は若干大き目かと思います。耳の形に沿ってぴったりフィットする印象です。ハウジング部分は医療グレードの樹脂を使用しているのもあってか圧迫感が無く、程よいピタッとした装着感と同時に遮音性も高く感じました。また、特段重みや負担も感じませんでした。 【音質】 低音を得意とした印象です。ダイナミックドライバーを2基搭載していることによる迫力ある低音は耳の中にウーファーを積んだかのような、ズンズンとした低音を奏でてくれます。ベースはもちろんのこと、ギターのエッジやドラムの芯まで、バッチリと描写してくれます。 その一方でバランスドアーマチュアが10基搭載されており、解像度も高く、ズンズンとした重低音が細かい音の粒を潰すことなく、しっかり聴かせてくれる印象です。シンバル音であったり、打ち込み音なども埋もれることなく低音に混じって聴こえてきます。ロックからEDMまで、臨場感にあふれ、心を震わせるような低音を楽しめるのではないでしょうか? 【総合すると・・・】 Hype 10は高性能ドライバーを採用した12ドライバーイヤホンです。 高性能ドライバーが搭載され、DD2基から成る深みある低音と、BA10基からなる解像度の高さは、筐体のデザインと相まって没入感と共に、雄大な空間を創造してくれると思いました。 また、付属品の一つとして、付け替え可能なプラグが3種類(2.5/3.5/4.4mm)が用意されていますので、手軽にバランス化できます。さらに、イヤーピースはシリコンタイプとウォームタイプが付属してくるので、音の変化をそのまま楽しめます。 低音好きの方々や、ステップアップしてみたい方へ。ぜひお試しくださいませ。 【試聴環境】 NW-WM1AM2→Hype 10 【試聴楽曲】 ・D'ERLANGER『BASILISK』「Darlin'(Album Version)」 ・Yellow Magic Orchestra『SOLID STATE SURVIVOR』「SOLID STATE SURVIVOR」 ・猫騙「『WARP』「WARP」
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
ASHIDAVOX
ST-31-02
¥22000 税込
音を届けるという役割は過去も現代も同じ
【ポイント】 ・業務用ヘッドホンの名機を音楽鑑賞用に再構築 ・レトロな温かみ 【デザイン】 黒を基調としたデザインです。外観自体はST-31そのままで、まさに“名機の帰還”という感じですね。シンプルかつクールな印象は、業務用だったという堅牢堅固な雰囲気と同時にレトロな印象も醸し出しているように思います。 側圧は若干強めの印象ですが、ハウジングは耳を覆うようなサイズでイヤーパッドも程よい柔らかさなので、側圧に対しての圧迫はあまり感じませんでした。 さらに、スライダーの調整も可能なうえ、ヘッドバンドはシンプルなレザーです。全体的に軽さがあります。 【音質】 「ST-31」を「音楽鑑賞用」として再発売したという背景にある通り、ある程度のフラットさはありつつも、音を楽しめるように芯のある低音や音の粒に対する明るさを兼ね備えたサウンドを奏でている印象です。 楽器の音色もそのままに、一音一音を丁寧に聴かせてくれるような感覚です。高音域が刺さるような鳴り方もせず、全体的な温かみある音色は正にレトロな鳴り方、というべきでしょうか。打ち込み音もしっかりと描写してくれます。 【総合すると・・・】 「ST-31-02」はASHIDAVOXより1990年に発売されたモニターヘッドホン「ST-31」を「音楽鑑賞用」として再発売されたモデルです。 音楽鑑賞用、つまりはリスニング向けですが良い意味でモニターチックな忠実さが残っているので、安定感のあるヘッドホンのように思います。音の分離感や繋がりもいい塩梅で、どんな音楽ジャンルでも安定して聴けるのではないでしょうか。 初めてのヘッドホンとしてもオススメできる製品です。 【試聴環境」 NW-WM1AM2→ST-31-02 【試聴楽曲】 ・KAN『野球選手が夢だった』「愛は勝つ」 ・CANTA『きらきら』「1400km/h」 ・BUCK-TICK『アトム 未来派 No.9』「New World」
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
FAudio
Spring
¥105000 税込
奥が深い。シンプルだけども。
【ポイント】 ・新世代ダイナミックドライバー搭載 ・緑色で統一されたデザイン性 今回レビューするのは10.2mm ダブルレイヤーダイヤフラムダイナミックドライバー(Fiber+Titanium)を搭載したフラッグシップダイナミック型IEM、FAudio (エフオーディオ)「Spring」です。 【デザイン】 筐体は深い緑色で大人びた、落ち着いた雰囲気を感じます。付属するケーブル(純銅線と純銀線の混合芯線の4wireケーブル)も緑色なので、本体、ケーブル共に統一感のある色合いです。 大きさはどちらかと小さめでしょうか。若干丸みを帯びており私の耳にはスっとフィットしました。金属チックな筐体(ウルトラライトアルミニウム筐体)なので、着けると若干ヒンヤリします。 【音質】 全体的に落ち着きがあり、かつ深い空間を奏でてくれる印象です。音の鳴り方としては低音域が中心にありつつも、分離感も高く、透き通った中高域を鳴らしてくれます。 また、新世代ダイナミックドライバーを搭載、独自の特許技術「TripleBuilt-inAcousticChamber(T.B.A.C)」を採用など、音質向上につながる様々なこだわりがあるのもポイントでしょう。 良い意味で特定の音域が主張し過ぎず、バランスが整っており、音の強弱をそのままに再現されているように思います。フォークギターの弾きっぷりや、テクノサウンドの細かい電子音まで。ありのままを楽しめます。 スタジオ音源でもライブ音源でも、臨場感溢れる音を聴かせてくれるので、まさに音を楽しめる、どんな音楽ジャンルでも楽しく聴けるのではないでしょうか。 【総合すると・・・】 本製品は筐体、ケーブル共に深い緑色で統一され新世代ダイナミックドライバーが搭載された新世代フラッグシップシングルダイナミックIEMです。 付属する純正ケーブルは標準で4.4mmプラグを使用しており、買って直ぐにバランス接続で音楽を楽しめます。落ち着きのある、だけど解像度やエネルギッシュさも忘れない鳴り方は、どんな音楽ジャンルでも丁寧に、エキサイティングに聴かせてくれるように感じました。 また、純正イヤーピースも2種類あり、音の鳴り方の違いを発見できるのも本製品を楽しめるきっかけになるのでしょうか。 「バランス接続やイヤーピースによる音の変化を味わってみたい」 「イヤホンをグレードアップしてみたい」 そんな人にぜひ聴いてもらいたい製品です。 【試聴環境】 NW-WM1AM2→Spring (バランス接続) 【試聴楽曲】 ・Yellow Magic Orchestra『LIVE AT GREEK THEATER 1979』「RYDEEN(ライブ音源)」 ・川村カオリ『K』「ZOO」 ・X JAPAN『Jealousy』「Silent Jealousy」