スタッフレビュー詳細
奥が深い。シンプルだけども。
【ポイント】
・新世代ダイナミックドライバー搭載
・緑色で統一されたデザイン性
今回レビューするのは10.2mm ダブルレイヤーダイヤフラムダイナミックドライバー(Fiber+Titanium)を搭載したフラッグシップダイナミック型IEM、FAudio (エフオーディオ)「Spring」です。
【デザイン】
筐体は深い緑色で大人びた、落ち着いた雰囲気を感じます。付属するケーブル(純銅線と純銀線の混合芯線の4wireケーブル)も緑色なので、本体、ケーブル共に統一感のある色合いです。
大きさはどちらかと小さめでしょうか。若干丸みを帯びており私の耳にはスっとフィットしました。金属チックな筐体(ウルトラライトアルミニウム筐体)なので、着けると若干ヒンヤリします。
【音質】
全体的に落ち着きがあり、かつ深い空間を奏でてくれる印象です。音の鳴り方としては低音域が中心にありつつも、分離感も高く、透き通った中高域を鳴らしてくれます。
また、新世代ダイナミックドライバーを搭載、独自の特許技術「TripleBuilt-inAcousticChamber(T.B.A.C)」を採用など、音質向上につながる様々なこだわりがあるのもポイントでしょう。
良い意味で特定の音域が主張し過ぎず、バランスが整っており、音の強弱をそのままに再現されているように思います。フォークギターの弾きっぷりや、テクノサウンドの細かい電子音まで。ありのままを楽しめます。
スタジオ音源でもライブ音源でも、臨場感溢れる音を聴かせてくれるので、まさに音を楽しめる、どんな音楽ジャンルでも楽しく聴けるのではないでしょうか。
【総合すると・・・】
本製品は筐体、ケーブル共に深い緑色で統一され新世代ダイナミックドライバーが搭載された新世代フラッグシップシングルダイナミックIEMです。
付属する純正ケーブルは標準で4.4mmプラグを使用しており、買って直ぐにバランス接続で音楽を楽しめます。落ち着きのある、だけど解像度やエネルギッシュさも忘れない鳴り方は、どんな音楽ジャンルでも丁寧に、エキサイティングに聴かせてくれるように感じました。
また、純正イヤーピースも2種類あり、音の鳴り方の違いを発見できるのも本製品を楽しめるきっかけになるのでしょうか。
「バランス接続やイヤーピースによる音の変化を味わってみたい」
「イヤホンをグレードアップしてみたい」
そんな人にぜひ聴いてもらいたい製品です。
【試聴環境】
NW-WM1AM2→Spring (バランス接続)
【試聴楽曲】
・Yellow Magic Orchestra『LIVE AT GREEK THEATER 1979』「RYDEEN(ライブ音源)」
・川村カオリ『K』「ZOO」
・X JAPAN『Jealousy』「Silent Jealousy」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
qdc
SUPERIOR
Vermilion Red
¥12870 税込
エントリーモデルの超新星⁉︎
【2つの注目ポイント】 ・カスタム2pinコネクタ採用でリケーブルの幅が広い ・中低音を得意としたダイナミック型 今回レビューするのは1DD搭載のダイナミック型イヤホン「SUPERIOR」です。 【デザイン】 カラーバリエーションは2色。透き通った黒色で装飾された「Piano Black」、ルビーのように澄んだ赤色で装飾されている「Vermilion Red」となっています。 どちらもエントリーモデルながら高級感があります。細かい点を比較すると、フェイスプレートにあるテキストがPiano Blackは金色、Vermilion Redは銀色という違いがあります。 【リケーブルについて】 qdcは独自のコネクタを使用する場合が多いですが、本機はカスタム2pinのコネクタを採用しており、リケーブルの選択肢も大幅に増えたのは大きな特徴の一つといってもいいでしょう。 【音質】 気になる音質について、本機はダイナミック型ということもあって音に厚みや勢いがあり、モニター向けというよりもしっかりと音楽を楽しめるリスニング向けだと思います。 音の傾向としては中低音を得意とした印象です。確かな解像度と分離能力を持ち合わせていますが、やはり中低音を軸とした音作りに聴こえました。 過度に膨らみすぎない中低音はバスドラやスネアの芯をしっかりと捉え、奥行きや空気の響きもしっかりと再現されているのではないでしょうか。 また、中低音が得意なので、ボーカルへのフォーカスがしやすいように思います。ボーカルはクッキリと前に出て聴こえる為、ボーカルを重視して聴きたい人にもオススメです。 また、高音域は鳴らし切れていないという程ではありませんが、中低音に引っ張っている印象です。高音域を得意とする機種と比べるとやや煌びやかさが足りないかもしれません。ですが、持ち前の解像度と分離能力が、細やかにドラムのシンバルやギターの音色を奏でてくれます。 以上の音の鳴り方から、得意とする音楽は「ロック・ボーカルメインのPOPS・エレクトロ・EDMなど」という印象です。 繰り返しにはなりますが、中低音を得意とするため程よくズンズンと聴こえます。重低音程ではないけども、低音を求めつつ芯をしっかりと聴きたいなら相性が良いでしょう。 【まとめ】 中低音を得意とし、デザイン・解像度・分離性など総合的にエントリーモデルの新しいスタンダードとして君臨できるポテンシャルを秘めた機種だと感じました。 初心者の方にはもちろんのこと、今までのイヤホンからステップアップしてみたい中級者の方、サブ機として上級者の方にも。全ての方に一度は試聴していただきたいイヤホンです。 【試聴環境】 NW-WM1AM2→qdc SUPERIOR 【試聴楽曲】 ・LOUDNESS『THUNDER IN THE EAST[30th ANNIVERSARY Limited Edition]』M01「CRAZY NIGHTS」 ・BRAIN DRIVE『BRAIN WASHING』M01「Operation Mind Crime」 ・TEARS『ACROSS THE DREAM』M01「STAY DREAM」 ・MALICE MIZER『月下の夜想曲(シングル盤)』M01「月下の夜想曲」
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
Campfire Audio
Moon Rover
¥189800 税込
どこから見ても、聴いても輝く
【ポイント】 - 世界888台限定で発売 - 各部品を個別に手作業で火炎処理したという美しいデザイン 【デザイン】 各部品を個別に手作業で火炎処理し、処理中に加えられた温度によって生み出されたグラデーションがなんといっても特徴的です。光を受けるとグラデーションの見え方が変化するので、眺めるだけでも楽しく、ウットリします。 チタンを採用しているため、軽量でスリムに感じました。 【音質】 ドライバー構成は「12mmのフルレンジプラナーマグネティックドライバー」1基を搭載しており、全体的にまとまりのある印象です。低域から高域にかけて、バランス良く描写してくれます。強いて言えば中域が少し後退している感じです。 モニター向けイヤホンのようなフラットさとは異なりますが、バランス良くリスニングを楽しめるようなサウンドです。また、駆動方式が「平面磁界駆動」という影響からか、高域を中心に煌びやかで高い解像度のように思いました。特にドラムのハイハットやシンセサイザーの打ち込みといった、細やかで艶やかな高域のサウンド描写がとても丁寧です。 普段のイヤホンなら後退して聴こえる細かい音が、一粒一粒しっかりと前に出て聴こえるので、音源の空気感がしっかりと伝わってくるのが特徴的に思います。 【総合すると・・・】 「プラナーマグネティックドライバー」と「平面磁界駆動」による組み合わせはある程度のフラットさを軸に、平面磁界駆動らしい細やかで煌びやかな、一粒一粒を丁寧に描写してくれます。 音の鳴り方はフラットで。だけどもモニター向けイヤホンのような忠実すぎるフラットさよりも、聴いて楽しめるフラットさが欲しい。そんなユーザーにぜひ一度お試しいただきたい製品です。 【試聴環境】 NW-WM1AM2→Moon Rover 【試聴楽曲】 - かまいたち「I LOVE YOU」 - BRAIN DRIVE「THE REBORN MAN」 - 聖飢魔Ⅱ「嵐の予感」
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
Victor
スパイラルドットProイヤーピース
Mサイズ / 2ペア
¥1980 税込
柔らかく、透き通る。
【ポイント】 - 「スパイラルドット」シリーズ - スパイラル状の凸形状を追加 【デザイン/装着感】 黒を基調としたイヤーピースです。シリコン素材で柔らかく、耳触りの良い印象を受けました。触ってみるとサラサラしており、圧迫感も少ないです。全体的に厚みは薄いですが、遮音性も良いように思います。 ノズル部分を覗いてみると、「スパイラルドット」シリーズ特有のディンプル(小さく丸いくぼみ)と新たに追加されたスパイラル状の凸形状が見えます。イヤーピースの高さは若干低めで、サイズは平均的です。穴の大きさは広めで、フィルターは付いていません。 【音質/機能】 全体的に芯がありつつもクリアで風通しの良いサウンドのように感じました。特に中高域がナチュラルで柔らかく、上に抜けてくれるような解放感があります。ギターのかき鳴らす音色や、ピアノなどを丁寧に描写してくれます。特に弦楽器が綺麗に聴こえました。 低域はガッシリとはしていませんが、薄まることもなく、存在感はハッキリと残っています。良い意味で爽やかな低音ですので、ベースやドラムもズンズンとした圧が無く、自然体のような心地の良いリズムを聞かせてくれるのではないでしょうか。 以上のような性質から、音場はフワッと全体が広がります。音の密度は薄まりますが、ライブハウスからホールに移り変わったような広がりです。広がるだけでなく繊細さも向上します。 【総合すると・・・】 本製品は独自の音質向上技術「スパイラルドット」にスパイラル状の凸形状を追加されたモデルです。元々は「HA-FW1000T」や「HA-FX150T」に採用・付属されていたイヤーピースですので、有線イヤホンの他に一部TWSでも利用可能です。試しにTechnics「EAH-AZ60M2」に装着してみましたが、ケースに収まり、難なく装着できました。 【スパイラルドット++】や【スパイラルドット】と比べると、シリコンの柔らかさや音の鳴り方に変化が見られます。特に高域の鳴り方、抜け方、音の広がりの良さに優れているのがこの【スパイラルドットPro】のように思いました。音場の広がりやサウンドの柔らかさ、高域を心地よく聴きたい方などにお試しいただきたいイヤーピースです。 【試聴環境】 NW-WM1AM2→BUCK-TICK∞TAGO STUDIO T3-02 / EAH-AZ60M2 【試聴楽曲】 - FIELD OF VIEW 『12月の魔法』 - BUCK-TICK 『Heaven』 - BUKU 『ぼくたちだけの天国』
-
えっさん
@e☆イヤホン大阪日本橋本店
SUPERTFZ
LIVE 1 PRO GT
¥8800 税込
キラキラボディにキラキラ音色
【ポイント】 「LIVE 1 PRO」をベースにブラッシュアップしたアップグレードモデル 亜鉛合金製の輝かしいフェイスプレート 【デザイン】 フェイスプレートには亜鉛合金製を採用しており、輝かしくアクセサリーのようです。一方で筐体はクリアなシェルとなっており、全体的に透明感と美しさを感じました。金属と樹脂のハイブリッド筐体となっています。 【音質】 全体的なバランスが良く、明るさのある印象です。どちらかといえばドンシャリな傾向です。 ドラムのスネアやベースといった低音域の芯をしっかりと鳴らしているように感じました。他方で、中音域や高音域は低音に埋もれず、ハッキリと聴かせてくれます。ボーカルはしっかりと前面に押し出され、高音域もクリアで明るいです。 音の凝縮度合いも混ざりすぎず、程よい距離感かと思います。 インピーダンスが55Ωと若干高めなので、スマートフォンなどで聴く場合には、いつもより音量を上げた方が良いかもしれません。 【総合すると・・・】 本製品は「LIVE 1 PRO」をベースにブラッシュアップしたモデルです。イヤホンのデザインは輝かしく、軽さも感じます。 ベースとなる「LIVE 1 PRO」と比べると、本製品の方が低音や音のアタック感が強めに感じます。 「LIVE 1 PRO」がクールでシャープな鳴り方をする一方、「LIVE 1 PRO GT」は潤いがあって明るい鳴り方をする印象です。明るい鳴り方をするので、J-POPやアニメソングなどを楽しく聴かせてくれるように思います。 どちらのイヤホンにも良さがありますので、店頭で聴き比べをするのも一興ではないでしょうか。 【試聴環境】 NW-WM1AM2 → 「LIVE 1 PRO GT」 【試聴楽曲】 BUCK-TICK「LOVE PARADE」 チェッカーズ「ONE NIGHT GIGOLO」 尾崎豊「銃声の証明」