スタッフレビュー詳細
パワーとナチュラルのバランス
ナチュラルさと力強さを兼ね備えた「Beam4」です。
外観について、スティックDACとしては少し大きめですが、十分ポータブルの範囲内だと感じます。また、サイドにはボタンが配置されており、スマホでアプリを開かなくても曲送りなどができるのは便利です。
音の印象としては、下流のバランスを崩さない程度にパワフルでありながらもナチュラルです。Beam4を通すと低音域の沈み込みが増し、音楽に深みを持たせてくれます。また、中高域もそれに負けずに綺麗に鳴らしてくれます。非常にナチュラルで癖がありません。
やはりパワーも魅力的です。普通のスティックDACだとスペックシート上は大体300Ωが上限として記載されることが多いです。しかしBeam4では倍の600Ωまで鳴らせます。
実際にHD800SやHD660S2やAryaなども聴ける程度には鳴らしてくれます。この大きさでこの出力は驚きです。
パワー系ナチュラルサウンドの「Beam4」。出力と音質のバランスが高いレベルで結実しているスティックDACです。是非ご試聴ください。
再生環境:iPhone13pro→Beam4→ES60・HD800・Arya
試聴楽曲:BassHunter「All I Ever Wanted」
S3RL「FriendZone」
S3RL「Music is My Savior」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
Astell&Kern
AURA
¥629980 税込
AKとVEのコラボIEM
DAPで実績のあるAstell&Kernと、カスタムIEMで実績のあるVision Earsのプレミアムコラボモデル「AURA」です。 一聴した感触では「かなり上流も整える必要がある」と感じました。Astell&KernサウンドマスターCharlie氏の「特に超高域とバランスの取れたサウンドは、A&ultima SP3000のようなHi-Fiオーディオとも完璧にマッチングする」というコメントからも、手元のポタアンではAURAの本領を引き出しきれないような印象です。 肝心のサウンドとしては、バランスが極めて高いレベルで結実しています。今回は様々なデバイスで試聴しました。 【SP3000 Copper】 「Mr.Children『HANABI』」では、抜群の定位と解像度で楽曲のすべてを引き出している印象です。ボーカルが適度な距離でつややかに生々しく聴こえ、それを滑らかなベースや歯切れのいいギターが支えるというような、文章では表現しきれない圧倒的な情報量が特徴のサウンドです。 解像度が高いことによってさまざまな音が聴こえますが、それぞれが上手く調和し埋もれている音はありません。非常に懐が深いサウンドです。決して「誇張された良い音」というわけではなく、あくまでも自然に音源のポテンシャルを引き出しています。 「ずっと真夜中でいいのに。『綺羅キラー』」では、レスポンスの良さや弾力がある低音でノリよく楽しめると感じました。打ち込み系のテンポの速い曲でも音の引き方が適切なので、しっかりと表現してくれます。また、抜けのいいサウンドでもあるので、高域がスッと伸びていき心地よいです。 「SP3000 Copper」で聴くと銅の残響感とAURAの「機材の特性を反映する」という特徴が組み合わさり、適度な響き方と表現力で音源のポテンシャルを引き出すので、新鮮に音楽を楽しめます。 【SP3000】 「SP3000」でも同じ音源を試聴しました。「SP3000 Copper」と比べると低域の押し出しや厚みが増して、迫力のあるサウンドになっています。ベースやドラムの主張が増えるので全体的に聴きごたえがありながらもボーカルがきっちりと前で主張し、シンバルなどの煌びやかさも感じられます。 2つのDAPで「AURA」を試聴してみて、DAPによって新たな一面を見られるイヤホンだと思いました。パワーをある程度必要とするイヤホンなので、上流にもある程度気を遣う必要があるものの、それをクリアできれば最高峰の音楽体験が味わえると思います。 また、装着感としては非常に収まりがよくフィット感が高いです。イヤホン本体は少々大きめではありますが、丁寧に作られたハウジングは着け心地がいいです。金属筐体ではありますが、スイス製6061-T6アルミニウムで作られているので軽量です。さらに、イヤーピースには100%医療用シリコン素材のAZLA「SE1500」を採用しており、高品質で肌触りがいいです。 Astell&Kern とVision Earsがコラボした超弩級IEM「AURA」は圧倒的なサウンドクオリティで音楽のジャンルを選びません。バランスが良く高クオリティのハイエンドIEMを求める方や、「SP3000」などに合うイヤホンをお探しの方にオススメのイヤホンです。是非ご試聴ください。 再生環境:SP3000Copper SP3000 Q7 試聴楽曲:Mr.Children「HANABI」 Mili「world.execute(me);」 ずっと真夜中でいいのに。「綺羅キラー」 Steve Aoki, Daddy Yankee, Play-N-Skillz & Elvis Crespo 「Azukita」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
THIEAUDIO
Monarch MKIII
¥170500 税込
より繊細に、よりシャープに
より煌びやかかつシャープに鳴らし、「Monarch MKII」のエッセンスも引き継いでいるTHIEAUDIO「Monarch MKIII」です。持ち前の解像度や高域の煌びやかさでジャンルを問わない印象を受けます。 今回の「Monarch MKIII」は前作のエッセンスを引き継ぎながらも傾向は少し異なっています。中高域の煌びやかさがさらにプラスされ、低域はハリ感が追加されました。まろやかであった「Monarch MKII」に比べるとかなりシャープに鳴り、聴きごたえが十分です。より全体的に使いやすくなったサウンドに変化し、空間の広がりも適度に感じられて苦手とするジャンルはあまり多くないでしょう。 外見に関して、フェイスプレートは前作の琥珀色からブラックとホワイトのマーブル模様にブルーのフレークが入ったものに変わりました。より落ち着いたデザインになってかっこよく、また、装着感も大型のシェルにしては収まりがよく、長時間の使用でも問題ないと思います。 “より煌びやかに、よりシャープに”前作を着実にブラッシュアップした「Monarch MKIII」は、ハイエンドの万能機の代表に名を連ねることになるでしょう。ぜひご試聴ください。 再生環境:iPhone13Pro→W4EX→Monarch MKIII 試聴楽曲:サカナクション「さよならはエモーション」 Mili「world.execute(me);」 ずっと真夜中でいいのに。「綺羅キラー」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
AKG
N9 Hybrid
ホワイト
¥55000 税込
まさに万能AKGサウンド
AKGの万能ワイヤレスヘッドホン「N9 Hybrid」です。 一聴してそのサウンドの完成度の高さに驚きました。まさに「AKG」というような味付けの少ないサウンドながらも、音源のうまみを消さない絶妙なバランスで作られています。中高域は適度な艶感があり、音の粒立ちもありながらもさらっと真水のような透明感が特徴的です。低域も量感控えめではありますが、音楽の持ち味を最大限に引き出してくれるようなレスポンスの良さがあります。 装着感としては側圧は適度に強く、イヤーパッドも厚めのふかふかなので長時間の使用でも問題なさそうです。ノイズキャンセリングも柔らかく強い印象を受けます。店内BGMなども微かに聴こえる程度までカットしてくれるので、作業に集中したい方や、没入感を求める方に最適ではないでしょうか。ノイズキャンセリングの強度もアプリ内で自由に変更することができるので便利です。 アプリ自体も設定できる項目が多く、細かく設定できる項目もあるのでかなり使いやすいのではないでしょうか。また物理ボタンを搭載しており、右ハウジングを前後に回すことによって音量調節ができます。これによって誤操作が少なくなりそうなのも嬉しいです。ドングルも付属しており、最初から低遅延モードなども使えるのでゲームなどにも使える汎用性の高さも持ち合わせています。 アプリも本体もサウンドも隙のないAKG「N9 Hybrid」。仕事でも趣味でも汎用性の高いワイヤレスヘッドホンがほしい方におすすめです。 試聴環境:iPhone 13 Pro → N9 Hybrid 試聴楽曲:日向電工「ブリキノダンス」、ネイサン・エヴァンズ「WellerMan」、スティーヴ・アオキ「Azukita」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
qdc
EMPRESS-C
¥467500 税込
qdcハイエンドの一角を成す女帝
qdcハイエンドモデルの一角を成す"女帝"「EMPRESS」です。 やはり最初に目を引くのはその圧倒的な大きさではないでしょうか。トライブリッド15ドライバーという圧倒的なドライバー数を内蔵するハウジングは、qdcの他のモデルより明らかに大きくなっています。しかし多くのカスタムIEMを製作している実績のあるqdcらしく、装着感は非常に良好です。耳の大きい自分でも少し飛び出しはしますが、遮音性やフィット感はかなりしっかりしています。 サウンドとして特筆すべき点は、バランスの良さと透明感、レスポンスの良さだと感じます。中高域は伸びやかでありながらも引きが早く聴きやすいです。連続するシンバルの音などもキッチリ1音1音鳴らすのには驚きさえ覚えます。ボーカルが少し前にいますが、分離感があるので決して混ざることなく、伸び感・透明感でしっかり主張してきます。低域は少し量感としては控えめではありますが、軽快に鳴らします。 総評としては、極めて高いレベルでバランスの取れている透明感抜群のハイエンドイヤホンという印象を受けます。今回の試聴にはボーカロイドやJ-POPなどを中心に聴きましたが、どんなジャンルでも満足感を得られるでしょう。 qdcが満を持してカスタムIEMの最上位として送り出す「EMPRESS」。伸びやかな高音域や女性ボーカル、バランスの良いハイエンドを求める方にオススメです。 試聴環境:iPhone13pro→H2→Empress 試聴楽曲:日向電工「ブリキノダンス」 ネイサン・エヴァンズ「WellerMan」 スティーヴ・アオキ「Azukita」