スタッフレビュー詳細
聴きやすい迫力サウンド
今回紹介するのは、中国のオーディオブランドORIVETIの有線イヤホン「OD100」です。
美しくもかっこいい金属筐体でありつつ、筐体自体はかなり小ぶりなため、耳が小さい方でも装着しやすく携帯性に優れています。外出先での使用や寝ホンとしても最適な、様々な方が手に取りやすいイヤホンです。
肝心の音質について、一言で言えば「すっきりドライな迫力バランスサウンド」といったところでしょうか。フラットサウンドとは少し異なりますが、解像度の高いヴォーカル帯が近くでハッキリと聴こえる裏で、低域がタイトに鳴っています。ミッド帯からハイの量感が少ないというわけではなく、伸びやかな高音が絶妙なバランスでヴォーカル帯を邪魔することなく、心地よく抜けていきます。小さな筐体でありながらも、その見た目からは想像できない迫力のあるサウンドがとても魅力的です。
また、迫力があるゆえに、「聴き疲れるので長時間のリスニングに向いていないのでは?」と言われると、そんなことは全くと言っていいほどありません。絶妙なバランスのあっさりとしたドライなサウンドが、広すぎず狭すぎない音場で鳴っているため、音楽ジャンルを選ばず長時間の心地よいリスニングができます。
解像度の高いヴォーカル帯が一歩前にあり、高域帯の音抜けが美しくアコースティック楽器の生楽器らしい響きの音表現も得意なため、歌物(特にNorah Jonesのような音数の少ないアコースティック、イージージャズ系の音楽)との相性がとてもいいように感じました。
ヴォーカル重視で音楽を聴きたい方や、ながら聴き用途で長時間のリスニングをお考えの方、ドライで迫力のあるサウンドがお好きな方におすすめしたいイヤホンです。ぜひ店頭にてお試しください。
再生環境: iPhone13→OD100
試聴楽曲:
Cherish the Day / Sade
I Don’t Think That I Like Her / Charlie Puth
Don’t Know why / Norah Jones
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
-
サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
PW AUDIO
JUHTRUM (ユフトラム)
CIEM 2pin - 4.4mm (1.2m)
¥81400 税込
上品なカメレオン
今回ご紹介するのはPW AUDIOのNSC導体採用ケーブル「JUHTRUM(ユフトラム)」です。こちらのケーブルはPW AUDIOのみが扱う極秘銅導体で、これまでの銅とは違うNSC(New Style of Copper)という線材が採用されています。 外観は同社のケーブル「Moloch」と似ており、「Moloch」の被膜がネイビーであったのに対し、「JUHTRUM」はブラックカラーの被膜を採用しており、ケーブル本体の主張が少なく、どのようなイヤホンでも一際引き締まって見え、上品な印象を受けます。取り回しに関しても、ケーブル本体の太さを考えるとしなやかであり、重みも感じづらく、外出先での使用にも適していると言えるでしょう。強いていうなら、ケーブル自体の太さがあるため、イヤホンケースのサイズによっては収納に困難を要するかもしれません。 肝心の音質について、一言で言うならば「解像度をグンと引き上げ、低域にタイトさを与えるケーブル」といったところでしょうか。ベースやドラムなどの低域の押し出しはそこまで強くありませんが、一音一音の輪郭がハッキリすることによって、ドラムのキックをしっかり感じることができます。低域の鳴り方としては、カーオーディオのサブウーファーのように面で押し出すような鳴り方ではなく、元々ある低域のキャラクターをより分かりやすく、より鋭利にさせた印象です。 中高域に関しては、「いい意味」で大きな変化は無いと言えるでしょう。私自身、低域に量感や太さを与える性質のケーブルでは、相対的に中高域が細くなってしまう印象があります。その点、このケーブルはイヤホン本体が持つ帯域バランスに直接大きな作用をしないため、イヤホン本体が持つキャラクターを損なうことなく、聴こえる音はより明瞭になるため、お手持ちのイヤホンの純粋なアップグレードとして最適と言えます。 以上のことから、音傾向としては「フラット」にあてはまると感じましたが、それはあくまでこのケーブル自体が持つ音傾向であって、合わせるイヤホンの音色に変化してくれること間違いありません。低域により量感をお求めな方は同社の「Moloch」がオススメですが、帯域バランスを崩さず、よりクリアにタイトに低域を感じたい方は「JUHTRUM」が最適です。お持ちのイヤホンの総合値をワンランク底上げするケーブルです。ぜひ店頭にてお試しください。 再生環境: iPhone15→FIIO KA13→JUHTRUM→qdc SUPERIOR 試聴楽曲: BIRD OF A FEATHER / Billie Eilish Please Please Please / Sabrina Carpenter Perfume / Pale Waves Die For You / Joji
-
サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Campfire Audio
Moon Rover
¥189800 税込
聴き込むほど旨味がするスルメイヤホン
今回紹介するのは、アメリカオレゴン州ポートランドを拠点にオーディオ機器の設計・製造を行うメーカー「Campfire Audio」が、世界888台限定でリリースした有線イヤホン「Moon Rover」です。 唯一無二の存在感があり、光を受けると複雑で美しい色合いを見せるグラデーションカラーが特徴の本製品は、筐体を一つ一つ手作業で火炎処理を行っており、限定モデルにおけるメーカーの気合いの入れようが外観から伝わってきます。 12mmのフルレンジプラナーマグネティックドライバー1発を搭載した本製品のインピーダンスは22.5Ωと特段高いわけではないものの、駆動方式が平面磁界駆動ということもあってか、スマートフォンのUSB-C変換直挿しだとやや鳴りづらいように感じました。そのため、DAPやスティックDACを用いての試聴をおすすめします。 肝心の音質ですが、一言でまとめると「歪みのない帯域バランスに優れたニュートラルサウンド」といったところでしょうか。 一聴して驚異的に感じたのは、低域から高域にかけて曇りのないレスポンスの良いクリアなサウンドでありながら、音のつながりがとてもスムースで音楽として破綻していないという点です。私自身、解像度に重きを置くニュートラルサウンドのイヤホンは、一音一音がどことなく分析的に聴こえてしまい、音楽を楽しんで聴くという本来の目的よりも、音を俯瞰で見ようとしてしまい純粋に音楽を楽しめないということが少なからずあります。しかし、この製品には全くと言っていいほどその要素がありません。 帯域バランスで見るとややミドル〜ミドルハイの帯域が近いように感じますが、低域と高域どちらもある程度の量感があり、解像度高く分離感に優れているため、低域や高域に物足りなさを感じることはありません。ガットギターやアコースティックギターなどの弦楽器やハイハットシンバルなどの金属音の質感や余韻の生々しさが素晴らしく、聴けば聴くほど病みつきになります。 間違いなく名機と言える一台です。ぜひ店頭にてお試しください。 再生環境: iPhone 15 → Questyle M12 → Moon Rover 試聴楽曲: - BIRD OF A FEATHER / Billie Eilish - Please Please Please / Sabrina Carpenter - AMARGURA / KAROL G - Landslide / The Smashing Pumpkins
-
サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
SIVGA
P2Pro 平⾯駆動開放型ヘッドホン
¥79800 税込
何よりヴォーカルが好きな方へ
今回紹介するのは、中国のオーディオブランド「SIVGA」の平面駆動開放型ヘッドホン「P2Pro」です。 見た目は、ガンメタリックカラーの金属部分とウッドハウジングのカラーのコントラストが映え、グリル部分には特徴的なデザインが施されているため、他には類を見ない唯一無二の存在感があります。標準のケーブルは4.4mmプラグですが、4.4mmメス-3.5mmオスの変換ケーブルが付属しているため、汎用性も非常に高いと言えるでしょう。 肝心の音質については、一言で言えば「ヴォーカル好きの方のためのヘッドホン」といったところでしょうか。低域から高域まで音の分離がしっかりしており、その中でも中低域から中域の量感が際立っているのが第一印象です。透明感のあるヴォーカルが一歩前に出て、あっさりしながらも確かな低域と高域がヴォーカルを邪魔せずに鳴っているように感じます。 音場はある程度まとまっていますが、ウッドハウジングならではの温もりとフワーッと広がる横への広がりが唯一無二で、面白いリスニング体験ができること間違いなし。女性ヴォーカルやBGMなどをメインで聴く方におすすめしたい一本です。ぜひ店頭にてお試しください。
-
サニー
@e☆イヤホン 秋葉原店
BGVP
DMA
¥47500 税込
まるでライブ会場のような臨場感!
今回紹介するのは中国のオーディオブランドBGVP(ビージーブイピー)の有線イヤホン、DMAです。 クリアシェルとダークブルーのフェイスプレートのコントラストがよく映える本製品。フェイスプレートのメッシュ部分はLRで青と赤で別の色になっており、直感的に左右を識別できます。 音質について、主観ではありますが、一言でまとめると”アタック感のある低域と横方向に広がる音場が特徴的なサウンド”といった印象でしょうか。 特筆すべきは迫力のある低域で、低域のドライバーは1DDではありますが、空間表現用にBA型骨伝導ドライバーを2基搭載されていることで、その恩恵をより強く感じることができます。分離感も非常に良く、ドラムやベースの音がクリアかつダイレクトに脳に響き渡ります。 中域についても低域に埋もれることはなく、空間表現ではしっかり前に出ていることもあり、丸くハリ感のある艶やかなヴォーカルが楽しめること間違いなしです。 高域に関しては量感はやや控えめながらも存在感があり、アタック感の強い低域と艶のある中域、そしてもはやライブ会場なのではと思うほどに豊かな音場の中で、優しく伸びやかな高域がとてもいいアクセントになっています。個人的に例えるなら、プロレスのリング上で屈強なレスラー同士が激しくぶつかり合う中で、リングサイドから紅一点、優しく試合を見守る女性リングアナのようなイメージです。 Rockを愛する人や、ライブ会場にいるかのような臨場感を味わいたい人には気に入っていただけるであろう一本です。ぜひ店頭でお試しください。 再生環境: iPhone15→DMA 試聴楽曲: ・Gasoline / The Weeknd ・Runnin’ Down a Dream / Tom Petty ・Walk / Pantera ・In Bloom / Nirvana