スタッフレビュー詳細
グルーヴ感のあるアタックと心地よい分解能
アタックの力強さと細かなニュアンスが見える解像度の高さ、優れた定位感を求める方にオススメです。
【装着感】
多少頭を振ってもズレない程度の適度な側圧を持ちます。ベロアのイヤーパッドが肌に貼り付かず、サラッとしています。長時間のリスニングにも対応できそうな心地よい装着感です。
【音質】
全体的に定位がハッキリとしつつ中低域の力強さを感じる、クリアかつ骨太なサウンドです。
高域はシャープで、響きの細かな粒感が捉えやすいです。シンバルの鮮やかさやドラムの打ち込みの音圧感など、抜けの良さがあります。
低域には見通しの良さがありつつ、しっかりとした音圧を感じます。ドラムのキックは適度な芯の太さを伴って打ち込む力強い表現です。
中音域は少しドライに感じますが、十分に出ています。ボーカルの声色の変化を正確に捉えられる解像度の高さが感じられます。
音場は奥行きが狭く横の広がりを感じます。開放型ならではの広さがありながら音が抜けすぎず、定位が捉えやすい適度な距離感です。
【再生環境】
RME ADI-2 DAC、Questyle QPM
量感イメージ
この商品に対する
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このスタッフの他のレビュー
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
HIFIMAN
Arya Organic
¥198880 税込
解像度が高く、質の良い低域描写が魅力
ダイレクトで描写力に優れた低域、俯瞰して聴こえる中音域、控えめながらもしっかり出る高域という印象でした。低域と中音域同士の定位は近めに感じますが、どちらも支配的ということはなく上手くまとまっています。 ボーカルは俯瞰して聴きたい方、低域の質感を重視する方にオススメです。 【外観/装着感】 ウッド調のフレームを黒が引き締めた印象でカッコイイです。個人的には、ウイスキーの「ジャック・ダニエル」っぽい色味で気に入っています。 装着に関しては従来の「Arya」同様、頭を広く覆うハウジングに耳がすっぽりとハマります。イヤーパッド内径も広く高さもあるので、ドライバーに耳が当たるという事は少なそうです。 【音質】 特に印象的だったのは低域の存在感です。やや近めでダイレクトに感じられつつ量感が多すぎる事はなく、どの音から出ている響きかを分析的に捉えられる描写力がありました。 比較して中音域や高域は少し奥まって聴こえます。 ボーカルよりも楽器が一歩近く聴こえる点は好みが分かれそうですが、ボーカルを俯瞰して捉えられるのは舞台を観客席から観る感覚に近く、映画を観るときなどにマッチする印象があります。 またDACアンプ、プレイヤーなど複数の機器と繋いで聴いてみましたが、低域描写はヘッドホン側の性質が強いのか量感の変化は少なく感じました。中音域〜高域の方が上流の特性が現れやすいように思います。 【Aryaとの比較】 「Arya」、「Arya Organic」いずれも全体的にメリハリがありつつ、楽器も声もそれぞれ定位が明確な部分は共通していると思います。 「Arya Organic」で特に異なる点は、やはり低域です。比較して低域の量感が多く、インパクトはよりハッキリとしていて、響きが豊かで伸びがあります。ダイナミックレンジも広くなっていて、マイルドな印象が出てきています。 また低域の量感の多さは、前述したように相対的に楽器が前に来る印象があり、ボーカルは少し引っ込んだような印象があります。特に、Eagles「Hotel California」では顕著にその特性を感じました。 楽器の音や特に質の良い低域表現を求める方は、「Arya Organic」がオススメです! 使用機器: RME「ADI-2 DAC、HIFIMAN「EF400」、FIIO「K9」、Questyle「QPM」
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
AUDEZE
LCD-XC 2021
¥198000 税込
丁寧に描く音像と透明感に優れる。
どの帯域も強調しないニュートラルな音傾向と、正確な定位を持つ密閉の平面駆動型ヘッドホンです。特に適度な距離感を持ってきれいに減衰していく高域が聴き分けられるのは密閉型とは思えないほど澄んだ空間表現に感じました。 前モデルの2021ではない「LCD-XC」よりも音の立ち上がりが早くなり、音数の多い曲の聴き分けにもより対応できるようになった印象です。高域表現も鮮やかさを感じる帯域まで良く伸びるようになりましたが、歪みが少なくきれいに減衰していきます。細かい音まで繊細に表現し、音の重なりを正確にレイヤー分けできる優れた定位を持っています。 見通しに優れた音質はモニターとしてその威力を発揮しますが、リスニングとしても心地良いものでした。全体のイメージはスッキリと透明感に優れていますが、音に硬さを感じたり余韻が極端に少ないような印象はなく、なめらかで自然な表現に感じました。 【HD 800Sとの比較】 LCD-XCは、開放型のHD 800Sほどでありませんが広がりがあり、横方向に広さを感じました。 全体的な質感に関して、HD 800Sでは定位に少し距離や広がりがあるものの音場そのものが広く音同士が重ならない印象でした。 LCD-XCでは、音場自体は比較して狭めですが、音像定位がより明確なので聴き分けがしやすい印象でした。特に低域表現は量感や反響は抑えつつ弾力を持たせた聴き心地の良さがあり、高域表現はよりハッキリとした鮮やかさと耳触りの良いなめらかさが特徴に感じました。
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
PHONON
SMB-02G
¥38000 税込
現代的な曲に合う、きれいで楽しい音作り。
密度が高い低域と抜けがよく細やかで美しい高域が印象的。全体的に少しタイトでメリハリのある傾向です。J-pop、ロック、EDMなどをノリ良く楽しく聴けます。小音量でも音像がつぶれにくいので、小さい音量で聴く方にもオススメです。 音量次第である程度は音漏れしますが、それよりも遮音性がそこまで高くないです。外音が気になる方には外での使用はオススメしません。 前モデル「SMB-02」との比較では、中高域の煌びやかさはそのままに低域は力強く、より音像がとらえやすくなっています。また、リケーブルやスイーベル機構、段階式のサイズ調整アジャスターに対応しているのでより使いやすくなっている部分もポイントです! 生音系の楽曲よりも、最近のDTM系の楽曲の方が向いている音作りなので刺さる人は多いと思います。 また、限定モデル「SMB-02G PHONON×atmos コラボモデル」は、PHONONとatmosのロゴがレーザー刻印されている赤のフェイスプレートと通常のイヤーパッドとは別に赤い肉厚のイヤーパッドが付属した特別なカラーリングのモデルです。 この赤いイヤーパッドは適度な硬さと高さがあるので、個人差はあると思いますが、耳に当たりづらく遮音性も多少上がります。またドライバーとの距離が広がる影響か、前方に半円状に音場が展開し適度な距離感で鳴ってくれるので、リスニングとしてはより聴きやすくなりました。 モニターとして使うなら通常モデルで十分ですが、普段使いなら限定モデルもオススメですよ! ぜひ、ご検討ください! 使用機器:iPhone 8plus 楽曲:Pat Benatar「Heartbreaker」、亜美「世界、星と空と道と」、Tempalay「あびばのんのん」etc...
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AKIRA
@e☆イヤホン 秋葉原店
YAMAHA
HA-L7A(B)
¥440000 税込
ヘッドホンの個性を活かし、明瞭さと迫力を最大限引き出す
PURE DIRECTモード、YH5000SEでは細やかな音を非常に明瞭に表現します。立ち上がりに関しては弦が硬く張ったような硬めな印象を受けましたが、厚みや伸びも十分に出ます。音に迫力を持たせつつ滲みなど曖昧な表現を持たせない傾向に感じました。音源やヘッドホンの癖を如実に表現する印象です。 【外観/機能】 特徴的な2つのトロイダルトランスと2つのアンプが組み合わさったようなデザインで、ダイヤルにYH-5000SEと同様にイエローのアクセントが使われているのが印象的です。 機能面では、使用していない機能の回路をバイパスすることでノイズを低減するPURE DIRECT、音楽/映像などそれぞれのコンテンツに最適な音場を再現する 6 つのサウンドフィールドモードの変更、インプットとアウトプットの選択などはダイヤルとボタンに割り当てられており、直感的な操作ができるかと思います。 【音質】 冒頭に述べたPURE DIRECTの他にサウンドフィールドをYH-5000SEで聴き比べをしてみました。この機能を使うと空間表現、ボーカル、効果音の変化がかなりハッキリと反映されます。 個人的に印象的だったのはCONCERT HALLモードです。過去に一度だけ聴くことができたゲームのサウンドトラックのホールの生演奏を聴いたことがあるのですが、このモードで聴くと空間の奥行きや残響感が当時の聴いた印象とかなり近くなり、記憶が呼び起こされる感覚がありました。正確な表現とはまた異なりますが、録音された楽曲で得られる体験としては興味深い機能です。他にもOUTDOOR LIVEモードやCONEMAモードなど様々なシチュエーションに対応したモードがあるので、ぜひお試しいただきたいです。 SENNHEISER HD 800S、PURE DIRECTモードでも試聴しました。音一つ一つの分離感がさらに高くなり、アタック感の表現はよりハッキリと感じられました。これまでのイメージでは空気感を重視した音作りに感じていましたが、音の分離感や重さなどより定位に優れた方向に変化しました。 また特筆すべき点は、HD 800Sが持つ低域の奥行き感と中〜高域の明瞭さのイメージはそのままに定位が向上した点です。正直、定位感が向上するような変化はこれまでも経験したことがあったのですが、代わりにダイナミックレンジや音場が狭くなってしまう事がほとんどでした。HA-L7Aはヘッドホンが持つ個性はそのままに、迫力や定位など、ポテンシャルを最大限引き出してくれるアンプだと感じました。 【試聴楽曲】 アーシャのアトリエ オリジナルサウンドトラック「本の棺と自動人形」 シャリーのアトリエ オリジナルサウンドトラック「小手鞠」 ラリー・カールトン「Room 335」 Hoff emsemble「Dronning Fjellrose」 Ado「私は最強」 Superfly「覚醒」 稲葉曇&Neru「ロールレスウエポン」 etc. 【使用機器】 iPhone15 Plus YH-5000SE HD 800S