スタッフレビュー詳細
心地よい音色のハイエンドモデル
S12 PROなどが人気のLETSHUOERから、待望のハイエンドモデルが登場しました。
【デザイン・装着感】
筐体にはチタンを採用しており、鏡面仕上げで素材の性質上、傷はつきやすいですが、加工が難しい金属を丁寧に仕上げているため、所有欲を満たす仕上がりです。金属筐体のため、それなりの重量があり、ノズル部も太いため、装着感には個人差が出やすいです。しかし、個人的には耳をすっぽりと覆う形状が比較的快適です。店舗でお試しの際はイヤーピースの変更も可能ですので、ぜひお申し付けください。
【音質】
解像度が高く、全体的に丸みを帯びた音が印象的です。1音1音がはっきり分かれるタイプではないものの、音同士の距離感が掴みやすいです。派手さはそれほど強くありませんが、じっくり聴き込むほどに楽曲の良さが際立ちます。低域の量感が多く、膨らみのある鳴り方で、包まれるような音が好みの方には心地よく感じられるでしょう。中高域は明るく、真っ直ぐ伸びる金属筐体らしい音色で、高域が刺さるような印象はあまりありません。
また、Sonion社とKnowles社の部品を組み合わせた合計11基のドライバーは、音の重なりや干渉が非常に少なく、自然な聴こえ方をします。特に、ピアノやギターが含まれるテンポのゆっくりした曲ではその真価を発揮します。
【まとめ】
元々きめ細かな中高域やまとまりの良さが特徴的なブランドですが、Cadenza 12ではそれをさらに突き詰めた印象です。落ち着いた曲調の楽曲をじっくり聴き込みたいという方は、ぜひ一度お試しください!
試聴環境:WM1ZM2
試聴楽曲:いきものがかり『誰か』、Beyoncé『JOLENE』、Yaeji『With A Hammer』
量感イメージ
この商品に対する
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このスタッフの他のレビュー
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なっかー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Nostalgia Audio
NA12(Universal Fit)
¥396000 税込
独特の浮遊感と豊かなボーカル
中高域の解像度の高さと独特の浮遊感が特徴的です。低域はBAドライバーのみが担当しています。タイトで締まった鳴り方ではなく、やや膨らみのある広がりのある鳴り方です。ダイナミックドライバーのような迫力のある低音ではありませんが、量感そのものは比較的多く感じました。 中域はBAドライバーに加えて骨伝導ドライバーが担当しています。多ドライバーらしい解像度の高さに加えて、骨伝導ドライバーを組み合わせることで独特の浮遊感や音の揺らぎを兼ね備えています。音数が多い曲だと少々聴き疲れする印象でしたが、ボーカルやギター、キーボードなどの音の表現には長けています。 高域もBAと静電の異なる種類のドライバーが担当しています。低域や中域と比べるとやや線が細くあまり目立つ印象ではありませんが、プロフェッショナルシリーズの下位モデルと比べるとより一音一音がはっきりと聴こえ、音が刺さるような印象も少なく、丁寧な表現が光ります。 今回試聴した中では特に1980年代にリリースされた楽曲との相性が良く感じました。また、テンポのゆったりした楽曲でボーカルをじっくり味わうような聴き方に適している印象です。曲やジャンルとの相性によって感じ方が大きく異なりそうなので、ご試聴の際は色々な楽曲でぜひお試しください。 試聴環境 WM1ZM2 試聴して相性が良かった楽曲 - TOTO 「Rosanna」 - 竹内まりや 「プラスチック・ラブ」 - Harry Styles 「As It Was」
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なっかー
@e☆イヤホン 秋葉原店
須山補聴器
MH335DW EX
¥237600 税込
ロングセラーモデルに新しい仲間が加わりました!
【音質】 解像度の高さと音の分離に長けている部分が特徴です。全体的に硬めでややドライな音色ですが、個人的には高域の刺さりはあまり感じませんでした。1つ1つの音ははっきりと分かれていますが、上下方向にはそれほど広がらず、横に広い印象です。 低域はBAドライバーのみのイヤホンとして見ると量感が多いですが、ダブルウーファーという言葉からイメージされるほどではありませんでした。解像度が非常に高く締まった音の鳴り方で、特に打ち込みの音源のキックは非常に気持ち良く感じられました。 中高域はボーカルにかかる帯域が若干強く、それより上の部分はややおとなしい印象です。全体的に控えめで「MH334」シリーズほど主張は強くありませんが、耳元近くで鳴っているのでボーカルの近さや息づかいなども感じやすくなっています。 【MH335DWとの比較】 ドライバー構成は同じで、ケーブルも現行品の場合は同じ013が付属しています。変更点としては、内部部品に最新のものを使用してのネットワーク調節、アコースティックフィルターの見直しや再調節になります。情報だけ見るとそれほど変更は多くないように見えますが、比較してみると音質の違いは大きく感じました。 低域を比較すると、「MH335DW」は全体的に音が近く押し出しの強い鳴り方が特徴的でしたが、「MH335DW EX」では量感こそ控えめに感じるものの、より深い帯域から音が沸き上がっているような印象を持ちました。中高域も「MH335DW」では丸くこもったような感触を持った部分が、「MH335DW EX」ではより鮮明にはっきりと聴こえるようになりました。 楽曲全体を俯瞰して聴きたい方には「MH335DW EX」が、反対にベースやドラムの音を乗りよく聴きたい方には「MH335DW」がそれぞれおすすめです。 【まとめ】 淡々とした鳴り方なのでノリよく音楽を楽しむという目的には不向きな印象ですが、楽曲を分析的に楽しみたい方や音数の多い曲を聴く方にはおすすめです。「MH335DW」シリーズは合わせて4製品ありますが、各モデル毎に音質も異なっているので、試聴の際はぜひ比較しながらお試しください。 【試聴環境】 WM1ZM2 【試聴楽曲】 Tyla 『Water』 Bleachers 『Modern Girl』 NewJeans 『Attention (250 Remix)』
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なっかー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Unique Melody
MEST MKIII CF
¥261000 税込
音の世界に浸れるイヤホン
いくつか派生モデルが登場してきましたが、MESTシリーズとしてはこれが3代目のモデルになります。ここ数年、ドライバー構成にハイブリッド型を採用するイヤホンが目立つようになりましたが、外観・音質共にこのブランドの技術力の高さが伺えるような仕上がりです。 【デザインや装着感】 イヤホン本体だけでなく付属品や外箱も含めて青色がベースカラーになっています。フェイスプレートの外側はゴールドで縁取られており、縁取りされた箇所にモデル名・シリアル番号が記載されています。画像では分かりにくいですがフェイスプレートにはラメも混ざっているので、見る角度で光り方が変化する部分も個人的に気に入っています。 元々装着感の良さには定評のあるブランドですが、本製品も装着感は良好です。外観だけ見ると10ドライバーかつ4種類のドライバーを採用しているとは思えない大きさです。遮音性能も同社のカスタムIEMと比較すると若干劣りますが、一般的なカナル型イヤホンと同程度のものになっています。 【音質】 深く引き締まった低域と、特に女性ボーカルが映える明るく明瞭感の強い中高域が特徴です。低域の量感はそれほど多くなく、タイトで締まった鳴り方です。かなり低い帯域まで鳴らしてくれるのに加えて、微妙な音の強弱や変化が分かるほどの高い解像度も兼ね備えているので、特に打ち込みの音源のキックの部分は非常に気持ちよく聴けます。 また、中域から高域は低域と比較するとやや強く主張してきます。明るく華やかではありますが刺さるような印象はあまりなく、1つ1つの音を丁寧に鳴らしている印象です。全体的にスピード感があり情報量の多い音なので、ゆったり腰を据えて聴くというよりも、特定の楽器やパートに注目したり楽曲の細部まで余すことなく聴きたいという方に向いていそうです。 【MKIIとの比較】 同じシリーズ製品ではありますが、音質の傾向はかなり異なっている印象です。低域の量感はMKIIの方が多く全体的にも押し出しの強い音に感じます。対してMKIIIの低域は量感こそ控えめですが、解像度の高さはこちらの方が優れています。中高域は静電ドライバーの個数と骨伝導ドライバーの違いもあり大きく変化しています。MKIIを初めて試聴した時も中高域の繊細さに驚いた記憶がありますが、MKIIIはよりきめ細やかで滑らかな音になっています。 個人的には古い年代の音源や音数の少ない曲はMKIIのやや暗く濃密な音で聴く方が楽しめますが、特にここ10年ぐらいに制作された最近の音源ではMKIIIの方が楽しめます。同一シリーズではありますが新旧モデルという風には捉えにくいので、MKIIから乗り換えるというよりは違いを楽しむという目的で検討していただいた方が良さそうです。 【イヤーピース】 イヤーピースはブランドオリジナルのものが2種類付属しています。素材は同じですが、穴のあり・なしで主に低域の量感や音の広がり方に変化が出てきます。穴ありの方が音場は広がりますがやや音自体がぼやけるような印象で、このイヤホンの特徴を生かすという点では個人的には穴なしの方が好みでした。 また、ノズルの太さは約5ミリで他社製イヤーピースも装置しやすい形状です。筐体をなるべく耳に密着させた時に低域部分の特徴がより強く出る印象なので、付属品と同じような高さの低いワイヤレスイヤホン向けとして発売されているようなものがおすすめです。(個人的にはAZLA SednaEarfit MAXを使用しています) 【まとめ】 MESTシリーズはこれで3台目の愛機ですが、初代とMKIIの良さを引き継ぎつつもMKIIIではより大きな進化を遂げています。ケーブルの取り回しには非常に苦労していますが、それが気にならないぐらいの魅力を持ったイヤホンです。音だけでなく見た目にもこだわりたい方、色々なジャンルの音楽を聴かれる方はぜひお試しください! 使用環境 SONY WM1ZM2 SHANLING UA1S
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なっかー
@e☆イヤホン 秋葉原店
Victor
HA-FX150T
ブラック
¥19800 税込
スタジオサウンドを手のひらに
ビクタースタジオ監修モデルの第3弾です。音質へのこだわりはそのままに、機能面での強化が図られています。 【音質】 レンジが広く低域から高域までしっかり出ていますが、ボーカルなど中高域の刺さりは控えめで、耳に優しい落ち着いた音色です。 試聴の際にはロックやポップス系統の曲で試しましたが、ベースやドラムの迫力は出しつつもボーカルの明瞭感は上手く引き出してくれる印象です。クリアな音質よりもウォームで温かみのある音が好みの方におすすめです。 また、音質面で特徴的なものとしては、メーカー側で用意されているサウンドモードを6つ搭載していることです。中でもビクタースタジオのエンジニアの方々が監修した「PROFESSIONAL 1/2/3」というモードが非常に特徴的でした。 それぞれボーカル・音場・音の抜けに焦点を当てたチューニングで、いずれのパターンでも音質の変化はしっかり出てきますが、派手過ぎず違和感が少ないので曲によって色々試してみたくなる機能です。 【機能】 新たにノイズキャンセリングや外音取り込み機能を搭載し、スマートフォン向けアプリにも対応しました。 ノイズキャンセリングはそれほど強くありませんが、音質への影響は抑えられており独特の圧迫感も少ない印象でした。外音取込機能は使用時に自動的に音量を下げてくれるので、コンビニやスーパーでのレジの時に会話がしやすい仕様です。 また、めずらしい機能としてタッチキーの無効化や通話と音楽のボリュームを別で設定できたりします。飛びぬけた性能を持っているとまでは言えませんが、全体的に使いやすさを重視した機能だと思います。 【HA-FX100Tとの比較】 後継機という立ち位置であることもあり、全体的な音質の傾向は似ています。低域だけに注目するとFX100Tの方が力強く迫力のある音という印象を持ちました。反対に、音の広がりや細やかさではFX150Tの方が優れており、1つひとつの音の粒立ちに明確な違いがありました。同じ曲を聴いていてもギターやベースなど楽器の細かいフレーズの違いがはっきり出ている印象です。 どちらのモデルもいい意味でワイヤレスイヤホンらしくない音質という印象で、150Tではよりその傾向が強くなっています。有線イヤホンに慣れ親しんでいる方が違和感なく楽しめる音になっていると思います。 音質にこだわりつつも機能面の強化がなされ、かつ比較的手に取りやすい価格帯のイヤホンです。有線イヤホンはたくさん持っているけど、ワイヤレスにも興味が出てきたという方はぜひお試しください‼ 試聴楽曲 TOTO 「Rosanna」 The 1975 「I'm In Love With You」 緑黄色社会 「Mela!」