スタッフレビュー詳細
サイズと音の最大公約数
コンパクトながら透明感が高く、音場の広さも確保した万能ポータブルアンプ「H5」です。
まずハイエンドモデル「H7」とは、はっきり傾向の異なる音だと感じました。「H7」は全体的に力強くメリハリがあり、ウォーム寄りの傾向です。
今回の「H5」では、透明感のある見通しの広いクール寄りの音色に変化しています。音場も縦にも横にもある程度広く空間を感じられるので、音源ジャンルの得手不得手は感じないものの、特にライブ音源などにはピッタリです。確かな解像度とレスポンスを併せ持つので、速い音源でもゆったりとした音源でも確実に鳴らします。
機能面では上位機種である「H7」と比較しても遜色ありません。SDカードを挿入してローカルファイルも再生できる機能も継続しています。また、出入力は多彩ですが、6.3mm標準ジャックが「H5」には搭載されていないので注意が必要です。
サイズはH7の約2/3程度になり、持ち運びがしやすくなりました。iPhoneに束ねても持てる大きさです。
サイズと性能のバランスがとれている「H5」。透明感の高い音や、様々なジャンルを聴く方におすすめのポタアンです。是非ご試聴ください。
再生環境:iPhone13pro→H5→ES60
試聴楽曲:BassHunter「All I Ever Wanted」
S3RL「FriendZone」
S3RL「Music is My Savior」
量感イメージ
このスタッフの他のレビュー
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
TANGZU
XUAN NV
¥15980 税込
ニュートラルな音色とパンチの両立
優れた空間の広さと中域のクリアさ、低域の迫力と隙のない音質で使いやすい「XUAN NV」です。 2DDという少し珍しいドライバ構成ではありますが、音は非常に良くまとまっており、聴きやすさと迫力を両立しています。 低域はグルーヴィーでうなるように鳴らしながらも、アタック感も程よく共存しており、楽曲を選びません。レスポンスもあるので、テンポの速い曲でもしっかりついてきます。ボーカルは少し距離感がありますが、クリアに鳴らしてくれる印象です。高域も適度に伸びるので、全体的なバランスは良好です。 空間は横に広く、ニュートラルな音色です。空間の広さと相まってライブハウスのような迫力も楽しめます。 迫力とクリアさの共存を感じる「XUAN NV」。これ1本で済ませたい、空間の広い低域イヤホンが欲しい方にオススメです。 試聴環境:AK100MKII→XUAN NV 試聴楽曲:日向電工「ブリキノダンス」、ネイサン・エヴァンズ「WellerMan」、スティーヴ・アオキ「Azukita」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
FIIO
K19
Black
¥247500 税込
デジタルサウンドの最先端
デジタルで立ち上がりが早く、レスポンスの良さやモニターでもリスニングでも使えるハイエンドアンプ「K19」です。 一聴した際にまず思ったのは「音の粒立ちがあまりにも細かい」ということです。 かなりデジタルライクに聴こえるので、好みが分かれるかもしれません。 各音域は誇張しないフラットに近いバランスで、聴く音源やヘッドホンを選びません。 空間は上下左右にある程度広く、定位もしっかりしているのでモニターにも使えるでしょう。 前のフラッグシップとされている「K9」と比べるとかなり軽快でよりモニターに振った印象です。 見た目は縦置きのことを考えてかなりスリムになりました。 排熱口が増えてエアフローもよくなっているので、発熱等も問題なさそうです。 小さいながらディスプレイもついているので、どのような状態で運用しているかの把握もしやすいと思います。 デジタル・アナログの出入力系統もかなり多様なので、他の機器との接続性や拡張性も問題ありません。 モニターにもリスニングにも使えて音源を選ばないFIIOの新フラッグシップ「K19」 様々な用途で使用する方におススメです。 ぜひご試聴ください。 試聴環境:Galaxy S24Ultra→K19→HD800s 試聴楽曲:日向電工「ブリキノダンス」 ネイサン・エヴァンズ「WellerMan」 スティーヴ・アオキ「Azukita」
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
SHANLING
EH2
Silver
¥63360 税込
省スペース•ハイパワーの優等生
省スペース・ハイパワーで密度の高いサウンドを楽しめる「EH2」。 非常にコンパクトで、机の上に置いてもスペースを取らないのが魅力です。 このサイズ感は選択の理由の一つになるのではないでしょうか。 サウンドについてですが、6.3mmで試聴した際は距離感が近く、密度と重みを感じました。 特にボーカルが前に出ており、息遣いまで感じられそうなほどの臨場感があります。 艶やかさも併せ持つ中域は、聴いていて楽しい印象です。 また、低域は滑らかで量感があり、グルーヴ感も十分。しっかりと音楽の土台を支えてくれます。 一方、4.4mmのバランス接続で試聴すると、ヘッドホンの特性を活かした透明感のあるサウンドに変化します。 空間の広がりが増し、中高域の伸びやかさが加わることで、非常にバランスの取れた音になりました。 また、「TREBLE(中高域)」「BASS(低域)」を調整できるノブが搭載されており、好みに合わせた音作りが可能です。 さらに、OS(オーバーサンプリング)/NOSモードの切り替えにも対応しており、解像度を向上させることもできます。 ソフトウェア不要で幅広く調整できるのは、うれしいポイントですね。 省スペース・ハイパワーで、中音域にフォーカスした密度のあるサウンドが特徴的な「EH2」。 「最初から使える据え置きアンプが欲しい」「ボーカル中心に音楽を楽しみたい……」そんな方におすすめです。 ぜひ、ご試聴ください。 試聴環境 Galaxy S24 Ultra → SHANLING EH2 → ATH-ADX3000 試聴楽曲 yama / Slash 米津玄師 & 初音ミク / 砂の惑星(+初音ミク) Reol / 綺羅綺羅
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アラチャン
@e☆イヤホン 秋葉原店
Cayin
N6iii/C201【SPK-A006】
¥202950 税込
いい音とはなにか
ベストセラー「N6ii」の機能を引き継ぎつつ、さらに磨きをかけた後継機「N6iii/C201」。Cayinがこれまで培ってきた技術を惜しみなく注ぎ込んだミドルハイクラスのDAPは、その高い完成度で注目を集めています。 高級感あふれる漆黒の筐体に、金色のサイドボタン類が美しく映え、見た目にも所有感を満たしてくれます。重量は適度で、ギリギリ持ち運び可能なサイズ感と言えるでしょう。 特徴的な機能として、前機種から受け継がれている「マザーボード交換機能」があります。DACチップやアンプ全体を交換することで、まったく異なる音質を楽しむことができる画期的なシステムです。他のマザーボードも今後発売予定とのことで、さらなる展開が楽しみですね。 今回試聴したのは「C201」と呼ばれるマザーボード。シーラス・ロジック製チップ「CS43198」を8枚搭載しています。第一印象は、「歪みが少なく、普遍的に良い音」。音の好みは人それぞれですが、「C201」は誰にでも受け入れられそうな、まさに“良い音の王道”を体現しています。全体的に、角が取れた優しいサウンドでありながら、高い解像度と優れた空間表現力を備えています。 例えば、[Alexandros]の「閃光」を聴いた際には、ベースやドラムラインのグルーヴ感がしっかり主張する一方で、ボーカルが伸びやかに広がる様子が非常に心地よく感じられました。また、細かい音の連打もスムーズに表現できており、レスポンスも十分と言えるでしょう。 一方で、YOASOBIの「夜に駆ける」では、中高域の伸びやかさと艶やかな音色が印象的で、音楽全体が鮮やかに彩られます。ニュートラルなサウンドで嫌味がなく、長時間聴き続けても疲れにくい点も魅力です。 さらに、カスタムされたAndroid 12は動作が快適で、ストリーミング再生も問題なくこなせます。また、急速充電対応の大容量バッテリーを備えているため、外出先でも安心して使えます。 「良い音の王道」を征く「N6iii/C201」。発展性があり、長く使えるDAPをお探しの方にぜひオススメしたい一台です。ぜひ店頭で試聴してみてください! 試聴環境:N6iii/C201 → TG334 試聴楽曲:[Alexandros]「閃光」、YOASOBI「夜に駆ける」