スタッフレビュー詳細
なるか終着点。または始発点。
美しいハウジングデザインと音楽性の高さが特徴のZMF headphonesより、フラッグシップモデル「Caldera」が登場です。同社初のオリジナル平面駆動型ヘッドホンは、ニュートラルさと柔軟性を兼ね備えた一台でありました。
まず驚いたのは、ヘッドホンではなく上流側のサウンドが如実に聴こえてきたことです。
今までも「このアンプ/DACはこういった特徴があるなぁ」とやんわり感じてはおりましたが「Caldera」で聴くとより明確に示されます。
アンプとDACの持つ情報量や質感を的確に送り出してくれるため、特にお気に入りの組み合わせを揃えられている方にオススメです。もちろん、これから組もうと思っている方にも強力な助っ人になること間違いなしです。
上流によってコロコロと音色が変わる「Caldera」ですが、それゆえにサウンドキャラクターはニュートラルです。ほんのわずかに最低域と最高域が丸まっているものの、全体のつながりがよく、出音も滑らかです。
音場も広すぎず狭すぎず、程よい位置に収まってくれ、違和感がありません。ジャンルも得手不得手は感じられず、心地よく、かつ変化をつけて鳴らしてくれます。また、ニュートラルではありますがモニター的ではなく、音ではなく音楽を魅せてくれます。
このようなキャラクターだからこそ、タイトル通り「なるか終着点。または始発点。」といった一本に位置付けました。お気に入りのDACやヘッドホンアンプ、電源ケーブル、タップ……そういったものが揃い、あとはマルチにこなせる一本が欲しい、一本に絞りたいという方。反対にマルチにこなせるヘッドホンを一本決め、その後上流を探したい、色付けは上流で整えたい方。このような要望にCalderaはしっかりとついてきてくれます。
色々なヘッドホンを聴いてきましたが、本当に驚愕した一台です。是非ご試聴いただければと思います!
【試聴環境】
Fiio M11 plus ESS
iDAC-6 MK2+iHA-6
UD-505-X+P-750U
ADI-2/4 Pro SE+E3 hybrid dC
【試聴楽曲】
マイケル ジャクソン 「ビリージーン」
YOASOBI 「アイドル」
ダフト・パンク「Get Lucky」
Thy Art is Murder 「Keres」
量感イメージ
この商品に対する
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
final
D7000 【FI-D7PAL】
¥398000 税込
新たなる道。異なる良さ。
「D8000とは異なるアプローチを行なった」とある通り、随所にそれを感じることが出来ました。 D7000とD8000……まず何よりもお伝えしたいことは重量の変化です。「そこ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、D8000のサウンドは気に入ったものの、重量により断念してしまった方もいるのではないでしょうか? 約523gのD8000に対して、D7000の重さはなんと約437gとおよそ16%の軽量化を実現! 長時間の使用もしやすくなりました。実際に着用してみても、D8000はずっしりと重みを感じます。素晴らしいサウンドとの等価交換と考えれば耐えられますが、首はだいぶ鍛えられます。しばらく装着したのちにD7000へ切り替えると、かなり軽く感じられました。頭の上に存在は感じられますが、「音の為に耐えるぞ!」と意気込まなくても良いちょうどよい重さです。 次は肝心なサウンドの違いについてです。簡潔にまとめるならば、冷静さと纏まりのD7000、細やかさと広さのD8000といった所でしょうか。 D7000は適度な音場と冷静な高域と低域、ハリのあるボーカルが特徴的で、楽曲全体を把握し纏める力を持っています。対してD8000は広大な音場と深く沈み込む低域や、美しく伸びる高域が特徴的で、楽曲に込められた情報を的確に捌き配置する細やかさも持ち合わせています。 D7000を更に詳しく見ていきましょう。 音場は奥行き含めてD8000よりも1段前に来ています。特定の方向が狭まっているわけでなく、球体が1段階小さくなったイメージです。とはいえ、適度な距離感を保っており、悪い方向には使用していません。むしろ狭まった分、音楽がダイレクトに飛びこんできて、まさに音を浴びているような楽しさがあります。 低域〜中低域は弾力と厚みがありつつもブーミーにならないよう冷静に制御されていて、迫力と聴き心地の良さが両立されています。深く沈み込むような感覚や解像度はやや弱いものの、長時間聴くには丁度いい塩梅です。 中域は密度が高く、特にボーカルが際立っています。定位もばっちり決まっており、音像にブレもなくストレートに耳に入ってきます。派手な脚色も無く、ピュアにボーカルを鳴らしてくれているのでどの様な楽曲にも合わせてくれます。 中高域〜高域にかけては刺さりやザラつきもなく、滑らかに整えてくれていると感じました。整え方も丁寧で、刺さり気味な箇所を適切に摘み取り、丸みを帯びさせながらも楽曲の整合性は守ってくれています。ここもまた長時間の使用にうまく働いていて、聴き疲れしにくく不足感も与えない絶妙なバランスを実現しています。 長時間の使用をお考えの方やダイナミックでダイレクトな音をお求めの方、重量級ヘッドホンに涙を飲んだ方、是非ともお試しください!
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
DUNU-TOPSOUND
GLACIER 川
¥219970 税込
相反するものの調和
氷河にインスパイアを受けたという筐体は涼しげな装い。サウンドも寒色なのかと思ったら、良い意味で見事に裏切ってくれました。 サウンド全体が太く、非常に温かみがあり伸びやかです。明るさもまさに暖色系といった具合で、柔らかな日差しのような印象を受けました。ハイブリッドドライバーらしく分離感と解像度も充分に確保されていて、音も追いやすくなっています。 また、低域〜中低域はどっしりと構え、中域はほんの少し前に出てきてボーカルが浮かび上がり、中高域〜高域も太く滑らかに、かつ刺さらずに描写されるため聴き疲れもしづらいので、ついつい聴き込んでしまいました。 そんな中で特に印象的だったのは低域の質感です。今までは僅かに聴こえていたバスドラムやベースラインがグッと持ち上がり、目の前に現れたように感じられました。柔らかく丸みを帯びた輪郭を持ちながらも芯のある鳴り方をしてくれるので、量感が多いながらも胸焼けするようなくどさは感じません。また、中低域以降の各帯域がのびのびと分離して鳴っており、低域に沿うような調整が施されているなと感じました。 そして、接続端子を3.5mmか4.4mmにするかで重心と定位がなかなかに変化します。まず3.5mmでは重心は目線辺りに位置するイメージで、定位は低域から高域まで横並びになる印象です。また、低域が若干弱まります。対して4.4mmでは重心が下がり口元〜首辺りに位置するイメージです。定位も横並びから上下が加わり、より立体的な配置になります。 濃密だけど分離感もよい一台を求めていらっしゃる方に大変おすすめです!
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
HIFIMAN
GoldenWave PRELUDE
¥399300 税込
Cool&Power
HIFIMAN/GoldenWaveシリーズより、DAC/AMPであるSERENADEと共に発売された純然なアナログアンプでございます。色もSERENADEと同じく黒となっており、統一感があります。 サウンドの確認には、HIFIMANのフラッグシップヘッドホンであるSUSVARAと、DACにはSERENADEを使用いたしました。鳴りにくいと言われているSUSVARAにどうアプローチをかけてくるのか……。かなりドキドキしましたが、杞憂に終わったことをあらかじめお伝えしておきます。 まずアンプ自体の傾向です。中低域に強みのあるDACに対し、PRELUDEは冷静に受け止めます。その後、強みを残したまま低域方面と高域方面へ繋がってゆきます。高域に適度な硬さがあり、発色の良い音色を感じられました。DACの音をそのまま出すというより、いったん整理し、均してから出すイメージです。ただ、闇雲にフラットにしてやろう、モニターライクにしてやろうという粗雑さはありません。 SUSVARAと合わせても少し整える傾向は保持しており、低域と中低域の書き分けをしつつ、やや中低域に強さを与えていました。中域はハリがあり中高域〜高域にかけても痛みを感じさせずスムーズに鳴っています。音場は横にやや広めに取っており、前後は普通〜少し狭く、上下は詰まりもなく相応な抜け方をしていました。 出力の強さに関しては冒頭に述べたとおり、SUSVARAでもしっかりと音量を取ることができました。ゲインはhighとlowを選択できます。まずはlowから試したところ、10時〜11時辺りでかなりの音量となり驚きました。この時点で十分ではありますが、試しにボリュームノブは固定しhighへ切り替えると、音量自体の変化は微少なものの、よりはっきりとしたサウンドに変化しました。白みがかったモヤが剥がれ、よりメリハリが付きます。ただ、絶対的にhighが良いわけではなく、使用するヘッドホンの抵抗値や感度により適切な音量とゲインは変化するため、まずはlow&最小音量から徐々に上げていく事が耳を守るためにも大切です。 「DAC非搭載のアナログヘッドホンアンプが欲しいけれどなかなか良いものが見つからない……」「パワーが欲しい‼」といった方に大変オススメです! 是非ご試聴ください!
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れ〜やん
@e☆イヤホン 秋葉原店
HIFIMAN
GoldenWave SERENADE
¥196900 税込
シンプルであること。退屈ではないこと。
筐体はブラック一色になり、シルバー&ブラックが基調のEFシリーズとの違いを筐体からも感じることができます。 タイトルにも書いた通り、「シンプルであること。退屈ではないこと。」がこのDAC/AMP最大の特徴です。 音質面だけでなく、デザインや操作性にもそれが表れていることが良くわかります。黒一色の筐体は様々な空間に合わせることができ、ちょっとした段差やエッジの丸みがアクセントとなり、飽きの来ないデザインだと感じます。 筐体上部の3つのボタンは操作項目を必要最低限にとどめており、とても分かりやすいです。SERENADE単体で使用される場合、一度input/outputの設定、ディスプレイの明るさとstreamerとの接続設定をしてしまえば基本的に操作する箇所はボリュームのみになります。 シンプルではありますが、そのほかに設定項目がないことは退屈なのではなく、煩雑さが排され、操作することよりも音楽を聴くことに集中できます。 音質の面では特に中低域の存在感と覆い隠されない中域に魅力を感じます。試聴用ヘッドホンには、同メーカーのHE1000 SEを使用しました。各帯域を過不足なく鳴らすとともに、DACやAMPの特徴をよく伝えてくれるヘッドホンです。 一聴して、中低域の存在感にハッとさせられます。量感が多いだけでなく柔らかな輪郭を持つ中低域は非常に特徴的で、ついつい没入してしまいます。 聴きこんでいくと、ただ単にそれだけではないということが見えてきます。低域は控えめなながらもつぶされておらず、中高域~高域もピークを感じさせず、しっかりと伸びた後も、上空に余裕を持っています。 また、中低域の量感が多い場合に覆い隠されがちな中域もしっかりと描写されており、一辺倒で退屈さを覚えてしまうようなことはないサウンドをしています。 特にマッチしそうなジャンルとしては、ロックやEDM系のライブ音源だなと感じました。 据え置き機器としてデザイン性からサウンドまでシンプルにまとめた一台です。 ぜひご試聴いただければ!