商品レビュー
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Lotoo
PAW Pico USB-C,Lightning ケーブルバンドルパッケージ
USB DAC機能の追加で進化した、小さな本格オーディオデバイス
所持しているのはバンドル版ではない旧版ですが、本体自体は変わりませんのでレビューさせていただきます。
まず、元々のLotooPicoについて。簡単に言えば、音を突き詰めたiPodShuffle。
本体に液晶表示などは存在せず、本体の物理スイッチか専用のアプリでスマホをコントローラーとして使うことができました。
とはいえ現在では他社からも小型・多機能のプレーヤーは数多く出ており、本体メモリ32GBのみ、出力もアンバランス3.5mmのみの本機は他と比べても使いづらい機体となっていました。
そこに、突然のUSBDAC機能追加のアップデート。まさに青天の霹靂。
せっかくなので、埋まっていた機体を掘り出して使ってみることに。
USBDACモードについて。
現在流行っている、変換プラグタイプのDACのようにPicoを使うことができます。ストリーミングサービスが主流になったこともあり、時代に即したアップデートといえるでしょう。
また、このモードでは本体の物理スイッチをスマホのリモコンとして使うこともできます。地味に便利。
さて、USBDACモードの感想ですが、明らかにプレーヤーとして使っていた時より音が良い。なんで?
元々サイズの割に音は良い、というのがPicoのウリでした。とはいえ、サイズの割に、という枕詞がつくように、ある程度の妥協のある評価であったことは否めません。
ところが、USBDACモードでは解像感がそれより2段階くらい上がっています。音場も広くなり、さらに中低域を中心とした分離感・表現力の伸びがすごい。そこらのミドルクラスのDAPは喰える音だと思います。なんなら同社のS2より好みの音がする。
DA変換のみに処理リソースを割けるからなのでしょうか。まさかここまで化けるとは。
もしLotooが、Picoの本気はこんなものじゃないと4年越しのアップデートを行ったのだとすれば、英断というほかありません。
さて、ここまでべた褒めでしたが、欠点も上げておきます。
・少し年式が古いため、PCM192kHz、DSD128(PCM変換)までしか対応していない。
・出力が3.5mmアンバランスのみ。
同社S2含め、競合相手に負ける部分はここでしょう。この点を考えて☆4とします。
また、解像度高めで低音強めなので聴き疲れしやすいかと思いますのでそこも注意です。
アンバランス接続しかせず、384以上のPCMとかDSD256以上のファイルを再生しない、というのであればオススメできる音です。もし機会があれば、ぜひ一度聴いていただきたいと思います。
※追記
ある程度聴き込めましたので詳細にレビューさせていただきます(USBDACモードのみのレビューとなります)
ベース環境:ROGPhone3(ONKYO HF Player)→PAW Pico→CampfireAudio ATLAS
・総合
全体的に元気系の音。中域寄りか。ボーカルは若干遠め。
音の解像度、分離感が非常に優秀。特にここまでしっかりした分離感は純正DAPを探してもなかなかない。
音色についてはよく言えばモニターライク、悪く言えば色気に乏しい。具体的には、ボーカルの息遣いは分かるが生々しさに欠ける感じ。
とはいえ値段を考えれば十分以上の音が鳴る。
組み合わせるなら個性強めのイヤモニがオススメか。モニター系だと少し味気ないかも。
・低域
このサイズの何処から出ているんだ?というくらいの音が出る。ただし、体に沈み込むような音ではない。他とのバランスを考えるとちょうどいいか。
・中域
解像度、分離感、音の鳴り、申し分ない。
・高域
明確に弱いとすればここ。決して悪くはないが並。
・総評
音のバランスや製品の性質からも、じっくりリスニングというよりは手軽に持ち歩ける高音質デバイスと考えるのがよさそう。普段の通勤中の音楽ライフをワンランクアップさせる、そんな機体。
コスパがいいのでオーディオ初心者の入門デバイスとしてもオススメ。
みそかつ さん
(2021/12/18)
3
満足度
4.0
color:規格なし