• 新品3,000円以上送料無料

    16:00までのご注文で即日出荷

世界中のイヤホン・ヘッドホンが試聴・買取・購入できる専門店

現在カート内に商品はございません。

商品レビュー

1の商品が見つかりました。  1-1件を表示

AROMA

Musical Box Yao

総合満足度

5.0

高音の質

5.0

中音の質

5.0

低音の質

4.5

細やかさ

5.0

迫力

3.5

音場

4.5

遮音性

5.0

音漏耐性

5.0

「BAの良さ」を徹底的に追及したようなイヤホンです

2018年の初めに購入し、ほぼ毎日使用して1ヶ月ほど経過。
そろそろ自分の中での評価が固まりましたのでレビューを書いてみました。
このイヤホンで特徴的なポイントを幾つかに分けて記載します。


【音の明瞭さ】
第一に、一聴してわかるのは中域から高域にかけての明瞭さです。
驚くほどクッキリ、ハッキリとしたクリアな音で
物理的には完全に密閉されているにも関わらず音ヌケが非常に良く
音が滲んだり、ぼやけたりといった事がわずかにも感じられません。
その明瞭さ故、細かな音までも一つ一つ完璧に拾う事ができ
他のもので例えるならば、眼鏡の度数を調整し直したかのような感覚があります。
メーカーの説明に「濃い音」とありますが、それはこのクッキリした感じを指しているのかな?と思いました。
よく、安価なイヤホンから高価なイヤホンに乗り換えた時に
「今まで聞こえなかった音が聞こえる」という感想が出てきますが
ある程度以上高価なイヤホンを既に使用している場合、
更に高価なものに買い替えたとしてもこの言葉が出てくることはあまり無いかと思います。
実際、私も10万円以上の機種を幾つか持つようになってからは
この言葉とはすっかりご無沙汰でした。
しかし、Yaoの場合は世間に並み居る高級機と比べてもなお目を見張るものがあり、
久しぶりに「今まで聞こえなかった音が聞こえる」という感想が自然に出てきて自分でも驚きました。


【音場・空間表現】
第二に、音場の広さ・空間表現の上手さについてです。
私の経験上、一音一音がクッキリ・ハッキリと明瞭なタイプのイヤホンは
音場があまり広くない・空間表現が上手くないものが多かったように思うのですが
このイヤホンは音の明瞭さと音場の広さ・空間表現の上手さを両立できています。

まず音場についてですが、音場の狭いイヤホンですと、狭い部屋の中で演奏しているような感じになり、
音が一定以上には広がらず、そこで途絶えてしまうような聞こえ方になります。
一方Yaoは、非常に広い部屋(あるいは、壁が無い場所)で演奏しているような聞こえ方をし、音の広がりを遮るものがありません。

空間表現は、それが下手なイヤホンですと、まさに耳の横で鳴っているような聞こえ方になります。
この場合、全ての楽器が等間隔に並んでいるような感じで、どの楽器がどこに配置されているのかよくわかりません。
一方Yaoは、自分から少し離れた場所で演奏されているような聞こえ方で
全体を俯瞰でき、どこで何の楽器が鳴っているのかが非常に掴みやすいです。

多くのイヤホンでは、ジャズバンドの演奏などを聴くと
まるで自分がバンドの中心に紛れ込んだような聞こえ方になるのですが
Yaoの場合、そこから抜け出して観客向け座席の最前列にいるような適切な距離感があります。
にも関わらず、ある特定の楽器の音に注意を向けた瞬間
まるで自分が座席から演奏者の手元に移動したかの如く
その楽器の音だけを苦もなく聞き分ける事もできます。
ここに、明瞭さと音場・空間表現を両立できている凄さを感じます。


【遮音性・フィット感】
音質については上述の通り素晴らしいものがありますが
遮音性やフィット感、つまり、使い勝手の良さも抜群です。
シェルの内部に樹脂が満たされている構造なので、筐体そのものは外音をほとんど通しません。
加えて、ノズルが長いためイヤーピースが耳の奥で蓋をすることになり
良好な遮音性を確保しています。
使用するイヤーピースにもよりますが、密閉性の高いダブルフランジ系のものを使えば
音を流していない状態でも「ほとんど無音」のレベルにまで外音をシャットアウトできます。
この状態ですと、遮音性の高さに定評のあるShure等と比べてもYaoの方が良好でした。
ノズルは長いですが、やや細いため、見た目ほど窮屈ではありません。
また、形状がとてもよくできており、耳のくぼみに上手くはまります。
そのおかげで、筐体の重さを上手く支える事ができ、動いていてもずれにくいです。
耳のくぼみに上手くはまらないイヤホン(Noble K10Uとか)の場合、
イヤーピースの弾力だけで本体を支える事になるため、しばらくすると本体の重みでずれてくるのですが
Yaoに関してはそういった不満がありません。


【Witch Girl 12との違い】
前シリーズフラッグシップである
WG12とYaoの違いについても気になる方は多いと思いますので書いておきます。
まず、フィット感は微妙に違います。
写真だとわからないですが、実際に付けてみるとWG12の方が若干ノズルが長いです。
ですが、それは些細な点でして…
一言で言って、全く異なるキャラクターの音です。
WG12は
・ウォーム
・柔らかい
・ゆったりした低域
・音場は広いが空間表現はイマイチ(音が近く、鳴っている位置が曖昧)
といった感じで
Yaoは
・クール
・硬質
・タイトな低域
・音場の広さだけでなく、空間表現も上手い
という具合でした。
何故こんなに音が違うのか?
ステンレスプレートによる制震なども関係するのでしょうが、
それだけでこんなに差がつくとは思えなかったので自分なりに調べてみました。

Yaoはメーカーサイトの説明文に
「Musical Box YaoはWitch Girl 12が採用した12ドライバーの構成はそのままに、
 最新のBAドライバー、ステンレスフェイスプレートを採用しました。」
と書かれており、あたかもWG12よりも更に新しい世代のドライバーを採用しているかのように読めます。
ですが、WG12の説明文にも「Witch Girl 12ではKnowlesの超高域まで再生できるようになった最新ドライバーを…」と書かれています。
Knowlesがそれほど短期間に最新ドライバーを更新するとは思えなかったので
気になってメーカーに直接問い合わせてみたところ
「WG12とYaoはドライバー数だけでなく、使用しているドライバーの種類までも同じ」だそうです。
つまり、説明文がわかりづらいだけで
ドライバーそのものはWG12と全く同じということになります。
では、どこが違うのか?
実は、筐体内部のドライバー配置を示したイラストをよく見てみると
WG12とYaoでは中域を担当するドライバーから出ている音導チューブに違いがあります。
WG12ではドライバーから太いチューブが繋がり、音響ダンパーを経て更に細いチューブに繋がっています
一方Yaoではドライバーから太いチューブが繋がり、音響ダンパーを経て(細いチューブを介さずに)そのまま音が出ているようです。
両者のキャラクターの違いに大きく影響しているのはこの部分かと思います。

理由はともかく、全く音が違うというのは間違いありませんので
もし気になる方がいるならば、両者を聴き比べてから購入されることをお勧めします。


【総評】
素晴らしいイヤホンです。
BA型イヤホンの良い点を王道のアプローチで突き詰めていったような
言い方を変えれば、コスト度外視で出来る限りの事をやってやった…というような、力業感もあります。
そのため、根本的にBA型の音が嫌いな方には受け入れ難いかもしれませんが
そうでなければ、現時点で最高のイヤホンの一つと言える完成度です。

bby さん

(2018/01/29)

12

満足度

5.0

高音の質

5.0

中音の質

5.0

低音の質

4.5

細やかさ

5.0

迫力

3.5

音場

4.5

遮音性

5.0

音漏耐性

5.0

color:規格なし