新しいエントリー価格帯の門番

1DD3BAで1万円前後という破格のコストパフォーマンスを誇るHexaです
1年ほど愛用しています

一聴してわかるはっきりとした解像度の高さと、艷やかなボーカル帯、深みのある低域と音質だけを取れば、同価格帯で敵なしと言って良いイヤホンだと思います

とはいえ、低価格なりの弱点もそれなりにあります
1.わりと鳴らしづらい（ボリュームが取りづらい）
2.ノズルが太くイヤピが合わせづらい（acoustune AEX07がおすすめ）
3.角張った形状のため、変な確度で入れると耳が痛い（ベストポジションが狭い）
4.派手なドンシャリ傾向を好む人には物足りない（モニターよりの機種です）

特に鳴らしづらい点は顕著で、エントリーで良いのでDAPやスティックDACなどと合わせて使うことで真価を発揮する機種と言えます

しかし、それらの弱点を補って余りある音質であり、この価格帯でイヤホンを探している人は必聴の1台と言えます

おそらくこのHexaは、この一台を変えば無用なイヤホンの購入を避けられるという点でも、購入者に価格以上の価値を与えてくれることでしょう

Sexy tone

＜音＞
エロティックなボーカルを主軸とするハイオールラウンダーサウンド


＜良い点＞
●ケーブルまで含め黒一色のストイックな見た目でクール　フェイスプレートもナイフでスパッと切り落としたようなカクカクデザインでこれまたクール　この切り口の直線に刃物の鋭さを感じる（個人の感想です）　またこのカクカクデザインには、イヤホン本体が多少摘まみやすくなるというおまけもある
●ZEROよりも本体が小さく耳にぶつかり難くなったため、装着感も軽くなっている　ZEROは耳に結構みっちり詰まっている感があったので、これは嬉しいポイント　ただ筐体耳側の形状が若干角ばっているせいか、耳に本体を押し付けすぎると少し痛みやすい　ぐっと押し込まず、自然に装着するのがポイント
●付属品もそこそこ　ZEROと同じように、アクセサリー入れ用の箱を付属のスタンドと組み合わせることでアートとして飾れるという遊び心がある　箱のイラストもZEROと異なる
●声に含まれる「湿っぽさ」、「とろみ」のような要素を増幅する性質があり、男女問わずエロティックな声表現に極めて強い　特に男性ボーカルは伸びも非常によく、エロいを通り越して美しいの域に達することも　男性ボーカルはどれも聴いていて気持ちいいが、セクシーな男性ボーカルものは絶対聴いてほしい　ハイトーンボイスもとてもよい　女性ボーカルは甘い吐息混じりのえっちい方向に増幅されやすく、セクシーな歌い方をする曲に滅法強い　あと明言はしないが、それっぽい音声を聴くと蕩けててとてもえっちい（これ良い点として挙げて大丈夫か？（笑））　音が暗めなのも、退廃的な雰囲気を作っているとも言える　ちなみに、個人的に一番えっちい音が出ると思ったイヤピはソニーのトリプルコンフォートイヤピ（ちょっと音が暗めのfinal Eタイプもよかったが、トリコンの方が声がきめ細やかで、湿っぽさも高く、伸びもよく声が尾をひいて余韻が少し残るようになるのでえっち度高め　何を真面目に語ってるんだ自分は（笑））　男性ボーカルの「美」を強める効果も比例して上がっているので個人的にも善き
●上述の特徴的なボーカルを含め、音のまとめ方が非常に素晴らしい　均整の取れた空間表現にハーマンターゲット的特性、薄暗くも丁寧で柔らかなサウンドステージ、うっすらと音場を張りつつも伸びやかで重みのある「音」を鳴らせる低域、アダルティなボーカル域、薄暗いからこそきちんと映える小さく煌めく高域、全てが綺麗にまとまって1つの音としてきちんと完成している　個性がさほどないように思えるが、逆に綺麗にまとめられているからこそ違和感が少ないと言える　音のまとめ上げについては賞賛に値する


＜悪い点＞
●蠱惑的な女性ボーカルが音楽を聴く分にはクドいと感じることがある　ボーカルの歌い方、その人の感じ方次第であるが、楽曲のイメージを汚したりすることがある　当然イメージを増幅するプラス効果にもなり得るので、自身がよく聴く女性ボーカルの楽曲で試聴し、感触を確かめるのが吉
●ボーカルの相性差が比較的大きく、結構気難しい　気迫ある声質だと変に特徴が弱まり、パッとしない声質になってしまうことがある
●中～中高域のスピード感に若干欠ける
●本体のネジ頭が丸見えになっている　見た目が締まらないのもそうだが、経年による錆びが一番気になる　普通に接着剤だけでフェイスプレートを固定すればよかったのに、、、


＜総評＞
音は傑作に値する　音の完成度は価格帯ナンバーワンと言ってもいい　力感のある低域持ちゆえにグルーヴ感のある曲にも結構強く、音楽ジャンル的にもなかなかのハイオールラウンダーである　優しくてどこか気怠げな中～高域に”いい音”要素、力強くノリが良い低域に”楽しい音”要素が詰まっており、それらがほぼ違和感なく1つにまとまっているのは大変素晴らしいことだと思う　スペックも相応にあるのだろうが、音をまとめあげるセンスに感動した　「穴」がほとんど見つからない音の完成度は、実際聴いてもらえばきっと分かってもらえるはず

本機の音で一番の特徴、同時に人を選びそうな部分は間違いなくボーカルの質　エロティックな部分を増幅するためそういう声質には非常に強いが、ロックシンガーのように気を張った声質だと至って普通と相性がはっきりしていて、こういう部分で汎用性に欠けるところはある　だがボーカルが普通でも他の部分でしっかり聴けてしまうところに、本機の素養の高さが窺い知れる　「エロティックなボーカルに強いハイオールラウンダー」という認識で構わないだろう

個人的に一番オススメなのはセクシーな男性ボーカルで、色気もあるがそれ以上に美しいと思えてしまう　Maroon 5とか聴いているともう涙出そう（笑）　セクシーな男性ボーカルを余すことなく聴きたいなら、自分はダントツで本機を推薦したい　自分は本機を「男性ボーカルを理想の美へ仕立て上げてくれるイヤホン」だと思っている　これは表の面で、裏ではえっちいイヤホンだと思ってもいる　男性と同じくセクシーで大人なボーカルが非常に強いのは間違いないが、女性の声で本機が一番実力を発揮できるのは間違いなくえっちい系　吐息混じりの声がとても蠱惑的で色々と刺激される　女性の声に艶めかしさを求める人にとって本機以上のものはそうなく、特定の音源を聴くことでその真価を見れるはず　だが普通の楽曲を聴く上ではクドさ、および不快感の元となる可能性もある　その辺は気を付けてほしい　やや暗めの音が退廃的な雰囲気を醸し出しているので、明るい音に変化させることで少し浄化させられる　好みに合わせて調整するとよい

音が綺麗にまとめあげられているので基本誰にでもオススメできる汎用機だが、特にアダルティな声をとことんまで堪能したいという人は購入しても絶対に後悔しない　男性ボーカルを主に聴かれる方も、間違いなく本機は買いである　セクシーなボーカルを持つ楽曲を携えて、いざ試聴へ向かおう


（本機の使用環境）
DAP：SOUNDAWARE M2PRO or Shanling M3X Lily（音楽再生アプリ Hiby Music）
ケーブル：付属純正ケーブル
イヤピ：SONY トリプルコンフォートイヤーピース EP-TC50