実用性抜群！

まず軽いです。クッション無しの頭頂部が少し心配でしたが、軽いので縦方向の負荷はあまり感じません。でもやっぱりてっぺんだけでもクッションはあった方が気持ちは良いです。

側圧は自分には少しキツく感じます。
ここが独特な部分なのですが、ヘッドバンドがアルミ板一枚で作られているため、スライダーで縦幅を狭くすると、同時に横幅も狭くなってしまいます。結果として丸顔は側圧を強く受けることになります。
同じ要因で、ヘッドバンドの形に曲げられたアルミが、先の方がハの字に広がっているという問題もあります。これにより、イヤーパッドが耳の下部を覆う事が出来ずに隙間が生じ、また、上部はイヤーパッドがクシャクシャに潰れる程に押し付けられます。
これらの問題は、ヘッドバンドを曲げて自分の頭にフィットするようにクセを付ける事で改善すると思います。

ドライバーが大きく傾斜しており、この傾斜が耳の傾斜とマッチしなかった場合、常にドライバーに耳が接触し、痛いです。
ドライバーに肌が付いてしまうのは、湿気の面でも心配です。

ケーブルが両出しなのですが、左右に別れた部分が短いので、僧帽筋が発達していると常にケーブルが当たって鬱陶しいです。


音質は、強調された帯域が無く、なだらかなバランスです。
開放型にしてはしっかりと低音が出ており、そこに不足は感じさせません。
どの帯域にも刺さりが無いと同時に、音楽的に刺激的な部分が無いので、音楽を聴くとなるとややメリハリに欠けて感じます。
刺さる音が無い事と合わせて、ゲーム中に不快感を感じる事なくバランス良く音情報を得られるように調整されているのかもしれません。

開放型らしく、ハウジングの壁を感じさせない広めの音場で、バーチャルサラウンドでは無い自然な空間表現で音の位置関係を把握し易いです。
この特徴は映画鑑賞にもとても向いています。

同価格帯の音楽用ヘッドホンと比較すると、音の解像度や音楽的表現力で劣るように感じますが、音が籠っているという印象は無く、聞こえるべき音はハッキリと聞こえます。こういうのをウォーム系と言うのかなと思います。

それから、エレキギターが妙に気持ち良く聴こえます。音の抜けの良さと開放型らしからぬしっかりと存在する低音と相まって、ロックやメタルとの相性が良く感じます。

イコライザー適正が高く、外部アプリで色々と音をいじってもわりと自然に変化してみせてくれます。
音の明瞭さの不足もこれで改善することができます。


マイク性能はとても良いです。
自分で聴いた印象では、1万円付近の据え置き型マイクと同じくらいの性能かなと感じます。
音量が小さめなので、何かしらでマイクブーストが必要かと思います。


これまで、友人と通話しながらゲームをする際、2万円以下の様々なヘッドセットやマイク付きイヤホンを試して来ましたが、マイクが替わっても特に反応も無く、たまに音質がどうなったか訊いても「変わらない」「よくわからない」という返答でした。
そんな折でのこの「fumo TRUTH」発売で、半ば意地になって奮発した本製品でしたが、本製品を使用しての初通話で、友人が初めて向こうから「音が良くなった」と言ってくれたので、かなり明確に差があったのだと思います。


PRで押されていた軽い装着感という点は、自分にはあまり実感できませんでしたが、目的であった通話しながらのゲームは完璧に熟せ、それに加えて映画や音楽用にもそれなり以上に使えているので満足しています。