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商品レビュー

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FIIO

M11 Plus LTD Stainless Steel【FIO-M11PL-SS-LTD】

総合満足度

5.0

AK4497搭載でステンレス筐体の貴重なDAPは総合力と完成度が高い。

DP-X1AとFiiO Q5(AM3D)を使用してきましたが、DAPが購入から昨年12月で5年になる事もあり、次のDAPの検討を初夏頃に始めました。
検討段階での主な希望は、
1. 4.4mmバランス接続に対応している
2. 最低限Q5と同程度の駆動力がある
3. 価格は15万円前後
でした。

最終候補となったのは、
Astell&Kern SA700 SS
HiBy New R6
本機
の3製品でした。
店頭試聴会で気になっていた本機を試したところ、手持ちのイヤホンとの相性が良く、動作もサクサクで重さ以外は不満点がほぼなく、決定に至りました。

音質面のレビューに関しての環境は、以下の通りです。
イヤホン
qdc 4CS (Luminox Audio 85 Filter 4.4mmと標準ケーブル)
Campfire Audio LYRA (ALO Pure Silver Litz 4.4mmケーブル)
音源
ロックやJ-PopのFLACで、ハイレゾ音源も含みます。

【音質】
帯域バランスはフラット傾向で、低域の上~中低域の上あたりと中高域~高域の下が少し持ち上げてあるかな?という印象です。

低域はもう少し沈み込むと良いなとは思うものの、沈み込みがない訳ではなく、自然かつタイトな質感をしています。
よく動くようなベースラインとタムやキックの連打は気持ち良いと思います。

中域は、ボーカルが(音源により)0.5歩程度前に来ます。
強いて言うなれば女性ボーカルの方が得意なのかな?とも思いますが、男性ボーカルが苦手とは全く感じません。
スッキリめで味付けとしてはないとは言いませんが、決して濃くはありません。

高域は明るく少し華やかな傾向で、伸び切るとまではいきませんが伸びは良いです。
個人的に女性ボーカルのサ行は刺さるのが自然と思っていて、本機は刺さるべき箇所が刺さりますが過度に刺激的という事はなく、繊細さを感じる鳴り方です。

解像度は10万円前後のDAPの中では高く、同社のM15と同等程度の解像度・分解能があります。
音場は横の広さと前後の後ろ側が広い印象で、上方向に関しては左右両端の高さが若干低いかなと感じますが、特に気になる程ではありません。

音の厚みや迫力があり音の輪郭がしっかりしていて、楽曲全体を俯瞰して捉えられるような傾向の音作りです。
若干しっとりとした感じ(音源によっては普段より大人しく感じる)はありますが、エージングとリケーブルやバランス接続で解決出来ます。(qdc 4CSを85 Filter 4.4mmにリケーブルしたのはそのためで、高域の伸びが良くなり音の輪郭がよりハッキリとした)

【機能性や操作感】
機能性に関しては、4.4mmバランスラインアウトが可能なこと、USB-DACやBluetoothレシーバーモードの他に音質優先のPure Musicモードを搭載していたりと、必要十分です。

操作性に関しては、側面のタッチセンサー式のボリューム調整に慣れると音量を一気に変更したい時にとても便利で、誤作動防止のHoldボタンがあるのは安心出来ます。
標準再生アプリの「FiiO Music」には、接続したスマートフォンからDAPの楽曲選択や音量操作が出来る「FiiO Link」という機能があり便利です。
しかし改善点もあり、FiiO Linkではアルバム単位ではなく楽曲単位で再生する操作しか出来ず、代理店の方に「アルバム単位でも操作出来るようにして欲しいとメーカーにお伝え下さい」とお願いしました。

本機はSoCにSnapdragon660を搭載しており、Snapdragon800を搭載したDP-X1Aよりもサクサクと動作します。
S660を搭載した恩恵なのか、FWアップデートでダブルタップでの起動や、最大充電量の制限等の痒いところに手が届く工夫が見受けられます。

【ストリーミングサービスについて】
私自身はサブスクリプションのストリーミングサービスは利用していませんが、初期から現在(2022.01.14時点での最新Ver.は1.0.6)まで、不具合報告をしている方がTwitterを見ているといらっしゃいます。
中には改善された方もいらっしゃるようですが、ストリーミング再生前提で本機の購入を検討されている方にはご注意頂きたいです。

【その他】
携帯性に関して、Stainless Steelならではの重さを許容出来るかどうか、という点も重要な点だと思います。
私の場合はDP-X1A+Q5が400g程あり、本機の重量と変わらないため許容範囲だと考え購入しましたが、本機の方が重く感じ、慣れるまでは恐る恐る操作していました。

デザイン面での特徴である背面のダイヤモンドカットデザインはとても綺麗で、重量感とも相まって所有欲を満たしてくれています。
排熱性を考慮して別売のケースを装着していて、隙間から見える背面がかっこいいです。

6000mAhというバッテリー容量なのかAndroid 10のおかげなのかは分かりませんが、スリープ時の電池消費がとても少なく、1日放置しても数%減るか減らないかでとても驚きました。

【総評】
10万円前後のDAPとしてはとても完成度が高く、購入して良かったなと心底思っています。
生産終了したAK4497搭載でStainless Steel筐体という本機はとても貴重な製品で名機だと思いますし、末永く愛用したいです。

ストリーミングサービスを始めとしたソフトウェア面での不安定さの改善は不可欠だと思いますが、総合力が高いとても良いDAPだと思います。
個人的には、20万円近いDAPとも勝負出来ると思うので、比較されてみて下さい。

最後に、Aluminum Alloy(以下、AA)との比較をしてレビューを終えたいと思います。
AA ウォーム寄り
SS クール寄り
と言った違いがあり、具体的に見ると低域の沈み込みと高域の明るさや伸びに関してSSの方に分がありますが、M11 Proの時よりも差は肉薄しています。
20万円までの予算でDAPの購入を検討されている方は、是非ご試聴頂ければと思います。
是非お試し下さい!

masa さん

(2022/01/15)

2

満足度

5.0

color:規格なし