イヤホンの音を生み出す心臓部ともいえる「ドライバー」
近年はダイナミックドライバー(DD)やバランスド・アーマチュア(BA)だけでなく、平面駆動型や静電型、MEMSなどさまざまな方式が登場しています!
・それぞれどんな特徴?
・自分の好きな音域との相性は?
・搭載しているモデルはどれ?
そんな疑問を、本記事では分かりやすく徹底解説!
現在主流となっている7種類のドライバーの特徴や音の傾向を紹介していきます。
目次
ドライバー7種を解説!
まずは、今回ご紹介する7種類のドライバーの種類と、簡単なサウンド特徴を比較しました。
各ドライバー、特性・サウンドの特徴・おすすめモデルを紹介していきます。
ダイナミックドライバー(DD)の特徴
● ダイナミックドライバー(略称:DD)
・迫力のある低域・フルレンジでもハイブリッドでも活躍
・最も普及しているドライバー方式
・素材を変えられる
一番シンプルな形ではあるんですけども、個人的には最も奥の深いドライバーだと思っています。
フルレンジでもハイブリッドでも活躍
【フルレンジ】
全域で、全部のドライバー1個で再生する
ダイナミックドライバー1基のみを搭載した、1DD製品は数多くある
【ハイブリッド】
他のドライバーと組み合わせて再生する
ハイブリッドの場合は、ダイナミックドライバーは低域の再生用に搭載することが多い
スピーカー・ヘッドホン・イヤホン、音が出る機械にはもうほぼほぼ入っているといってもいいぐらい万能なドライバーですね。
金額が上がれば上がるほどハイブリッド構成の製品が多いですが、
Sennheiser・Acoustune・DITAのような、ブランドとして「絶対にダイナミックドライバー1基しか使わないんだ!!」という固い決意を持っているブランドもありますね。
迫力のある低音表現が得意
低音を鳴らすには、「大量の空気を力強く動かす」必要がある
→ダイナミックドライバーの構造はこの作業に適している
ドライバーの口径が大きいほど、低音の再生には有利
→深みがあってちょっと太めな低音の製品が多い
もちろん、口径が小さいから低音が全く出ないとか、口径が大きいから低音が必ず出るというわけではないですが……ドライバー口径が大きいのは有利になります!
素材によって音作りの幅が広い
振動板の部分や素材を変えることによって、さまざまな音の変化を作り出すことができます。
以下の商品たちは、それぞれ振動板に個性がありますね。
● ハイブリッド WOODドライバー
振動板部分に「木」を使用
\ どんな音になる? /
● 特殊ガラス 平面振動膜ダイナミックドライバー
振動板部分に「ガラス」を使用
\ どんな音になる? /
● 磁性流体ドライバー
振動板部分に「磁性流体」を使用
\ どんな音になる? /
\ DDを搭載した機種をチェック! /
バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーの特徴
● バランスド・アーマチュアドライバー(略称:BA)
・補聴器で使用していた技術を転用したもの
・ドライバー本体が小型なので、ハイブリッド構成が多い
他のドライバーに比べると小型・ハイブリッド構成が多い
補聴器に使われていたこともあり、ほかのドライバーに比べてサイズが小さい
→ ハイブリッド(複数)基を搭載したイヤホン設計が主流
BA1基の製品もありますが、基本的には複数積むのがかなり多いです。
・高・中・低、それぞれの音域にBAを積んでいる
・とにかくハイブリッドでたくさん積んでいる
のような商品が基本的には多いですね。昔から「3BAは名機が多い」ともよく言われていましたね。
3BA搭載の名機モデル
10BA以上搭載したモデル
小型だからできることなので、BAはとても使い勝手がいいドライバーです。
バランスド・アーマチュアはこんなサウンド!
✓ 注目したいのはココ!
高域の再生や繊細な音の表現に長けている
逆を言えば、低域の再生がやや苦手な一面もある
解像度のあるサウンドを楽しめる
BAのドライバーは、DDと違ってタイトで引き締まった、スピード感のある低域が特徴です!
高域に比べると、少し低域に苦手な一面があるBAですが、最近の製品では、
「BAなのにこんなに低音が出るの!?」
というびっくりするような製品も増えてきているので、あわせて紹介していきます!
全BAドライバーながら低域が得意なモデル
\ BAを搭載した機種をチェック! /
平面駆動(プラナー)ドライバーの特徴
● 平面駆動ドライバー(略称:PD)
・違う言い回しがたくさんある
・ダイナミックドライバーの一種で、フルレンジ1基のみで積むことが多い
・繊細でレスポンスの早いサウンド、最大限引き出すにはDAP・AMPがおすすめ
違う言い回しがたくさんある
平面駆動 / 平面磁界:基本的には一緒
プラナー (Planar Driver):平面駆動の表記が英語なだけで、意味は一緒
オルソダイナミック:ヤマハが名付けた名称(ヤマハ製品以外で使用されることはほとんどない)
どこに着目しているかで言い方が変わったり、海外と国内で言い方が変わったりします。
フルレンジ1基のみで積むことが多い
平面駆動ドライバーは、口径が大きくフルレンジ搭載が多いです。
すごく大きい括りで見ると、ダイナミックドライバーの一種ではあるので使用シーンは結構似ているかなと感じます。
BAのようにたくさん積めるといったものではないですね。
※マイクロプラナーというドライバーもありますが高域専用のものとなっています。
1PD搭載モデル

MADOO Typ623(販売終了品)
PDドライバーはこんなサウンド!
解像度が高い
繊細でフラット
歪が非常に少ない
レスポンスが速い
滑らかなサウンド
「繊細」という音質でいうとBAと被ってくると思うんですが、感覚的には、
・BA:点で鳴っている
・PD:面で鳴っている
ような感覚に近いと思います。
性能を最大限引き出すためには?
十分な駆動力が求められる、DAPやアンプなどを使用する
PDの弱点として、「鳴らしにくい」という特徴もあります。
AMPやDACといった大きな駆動力を使うことで、最大限にPDを楽しむことができます。
\ PDを搭載した機種をチェック! /
静電型(EST)ドライバーの特徴
● 静電型ドライバー(略称:EST)
・高域用、ハイブリッド構成で採用されることが多い
・高価格帯モデルに多い
・透明感や抜けの良さが際立つサウンド
高域向け・ハイブリッド構成で採用されることが多い
高域用のドライバーとして使用される
複数のドライバーと一緒に搭載されることが多い
ESTが入っていると結構高いですね。基本的には10万円くらいの製品が多いと思います。
EST搭載おすすめモデル
ESTドライバーはこんなサウンド!
✓ 注目したいのはココ!
圧倒的な透明感
高域のぬけの良さ
高域の伸び
音の広がり
高域特化ドライバーなだけあって、透明感や抜けの良さが本当にすごいです。
ですが、その分高域がキンキンする製品も多く、デリケートな印象がありますね。
最近は技術も進歩しているので、ESTでキンキンしないと本当に素晴らしい高域が楽しめます!
個人的にはかなりESTが好きですね!イヤホンを選ぶときに確認するくらい、ESTの高域が大好きです。
EST搭載おすすめモデル


【関連動画】
ヘッドホンのドライバー「静電型」ってなに?平面磁界や他のドライバーと何が違うの?
\ ESTを搭載した機種をチェック! /
ピエゾドライバーの特徴
● ピエゾドライバー(略称:PZT)
・電圧でセラミックを震わせる技術
・超高域を再生、ハイブリッド構成で採用されやすい
・オーディオ製品での普及率が少ない
電圧でセラミックを震わせる技術を、イヤホン用に昇華したドライバー
ピエゾ自体は、一般的には防犯ブザーの警告音や電子レンジの操作音に使われています。
「intime」というブランドが、このピエゾをイヤホン用に昇華した、技術的にはPZTと全く同じ「VST」・「RST」というドライバーも存在しています。
超高域向け・ハイブリッド構成で採用されやすい
超高域用のドライバーとして使用される
逆に、低域を出すことはほぼできない
複数のドライバーと一緒に搭載されることが多い
PZTドライバーはこんなサウンド!
✓ 注目したいのはココ!
非常に粒の細かい高域
ややデリケートな印象があり、キンキンすることも
ピエゾじゃないと出せない高域の細やかさがあるので、魅力的なドライバーです。
採用製品はまだ少数派
高域用としてESTを採用する製品が多い分、PZTを積んでいる対応機種はまだ少なめ。
イヤホン用に技術を昇華したVSTやRSTというドライバーもあります。
★ intime / maestraudio製品がおすすめ!全製品にVST・RSTドライバーが搭載されています。
PZT搭載おすすめモデル
\ PZTを搭載した機種をチェック! /
MEMSドライバーの特徴
● MEMSドライバー
・最新のドライバー方式で、対応機種が少なめ
・イヤホンを作るのに都合のいいドライバー
・高域向け・ハイブリッド構成で採用されやすい
MEMSドライバーはまだ登場して1・2年ほどのドライバーですが、次世代のデファクトスタンダードになる可能性を秘めています!
イヤホンを作るのに都合のいいドライバー
✓ 注目したいのはココ!
唯一半導体で作られたドライバー
超小型
指向性がない
完全防水
常に高い電圧がないと、音を鳴らせない
指向性がなく、好きにカスタマイズしやすい!
DDやBAなどのドライバーは、スピーカーから離れたら音が小さくなって、近づいたら音が大きくなるように、音の出る・飛ぶ方向が決まっています。
それに対し、MEMSドライバーに関しては、
・指向性がない=どこにいてもどんな向きでも音が聞こえる
・つまり、音の飛ぶ方向がない
という特徴を持っています。
・イヤホンをめっちゃ小型化できる
・イヤホンの中に自由に入れて、他のドライバーをカスタマイズできる
という優れた特徴があります。
音を鳴らすために、高い電圧が常に必要
便利で使い勝手のいいMEMSドライバーですが、常に高い電圧が供給されていないと、一般的なイヤホン端子から流れる電流ではまともに音が鳴らせません。
基本的には、MEMを動かす専用のアンプやバッテリーを一緒に積むことが多い傾向にあります。
なので、アナログで使用するには難しいです。
高域向け・ハイブリッド構成で採用されやすい
高域用のドライバーとして使用される
複数のドライバーと一緒に搭載されることが多い
技術的には、フルレンジMEMS製品もあるらしいですが、ESTやPZTのようにハイブリッドドライバーの高域用として採用されていることが多いです。
MEMSドライバーはこんなサウンド!
独特な高域の広がり・立体感
異常にレスポンス(立ち上がり)が早い
圧倒的な透明感
高域の抜けの良さ・伸び
ESTに似たサウンド
基本的にはESTドライバーに似たサウンドなんですが、それにプラスして、
独特な音の広がりを感じて、高域がすごく立体的に聞こえるという印象があります。
あと、異常に立ち上がりが早いという特徴もあります。
MEMS搭載おすすめモデル
\ MEMSを搭載した機種をチェック! /
骨伝導ドライバーの特徴
● 骨伝導ドライバー(略称:BC)
・主に2つの使い方
・低域向け、ハイブリッド構造で採用されやすい
・高価格帯に多い
主に2つの使い方
① ながら聴きイヤホン 用途
・「ながら聴き」のワイヤレス骨伝導イヤホン
・一般的な骨伝導ドライバーはこちら
② 有線イヤホン 用途
・フルレンジでの使い方はしないことが多い
・今回紹介していくのはこちら
低域向け・ハイブリッド構成で採用されやすい
低域用のドライバーとして使用される
複数のドライバーと一緒に搭載されることが多い
BCドライバーはこんなサウンド!
✓ 注目したいのはココ!
地を這うような低域
音の実在感
音の厚み・体積を味わえる
リアルな空気感を生み出す
ライブ会場で床からズシズシと伝わってくるような「肌で感じる重低音」を感じることができます。
低音が好きな方にはぜひ試してみてほしいドライバーです!
BC搭載おすすめモデル
どうしてもBCドライバーは価格が上がってしまいますが、QoA「bijou」という製品はエントリー価格でBCを楽しむことができるので初めての方にはおすすめです!
また、BCを最大限楽しめるのは、「unique melody」が一番おすすめかなと思います!
\ BCを搭載した機種をチェック! /
7種全てを比較すると……
| ドライバー形式 | 略称 | サウンド傾向 | 特徴とメリット |
|---|---|---|---|
| ダイナミック | DD | 深み・太さのある迫力の低音 フルレンジは滑らかな繋がり |
広い帯域を1基でカバー ハイブリッド構造でも活躍 振動板の素材バリエーションが豊富 |
| バランスド・ アーマチュア |
BA |
緻密で繊細 輪郭がくっきり 低音は引き締まってハイスピード |
超小型で複数積み(多ドライバー)が容易 中高域のディテール描写に長ける |
| 平面駆動 | PD | 解像度が高くフラット 歪みが極めて少なく「面」で鳴る |
1基・ハイブリッドどちらでも活躍 出力のあるアンプが必要(マニア向け) |
| 静電 | EST |
圧倒的な透明感 高域の伸び 広がりがいい(やや刺さることも) |
基本は高音用の補強として搭載 空気感や消え際の表現が超優秀 |
| ピエゾ | PZT | 粒立ちが非常に細かい高音 エッジの効いた鋭い超高域 |
セラミックを電圧で震わせる技術 ESTと同じく高音の隠し味として活躍 |
| メムス | MEMS | 静電型に近い透明感と抜け 音の立ち上がり(レスポンス)が超高速 |
半導体による超小型 指向性なしの最新型 駆動に高電圧が必要 (TWSやType-C向き) |
| 骨伝導 | BC | 地を這うような重低音 音の実在感 リアルな空気感 |
肌や骨に直接振動を伝える隠し味 音の「厚みや体積」が劇的にアップ |
まとめ
ここまで7種類のドライバーをご紹介してきました。
それぞれに得意な表現や音の個性があり、どれが優れているというよりも「どんな音を楽しみたいか」で選び方が変わります。
ぜひさまざまなドライバーの違いを体感しながら、自分好みのサウンドを見つけてみてください!
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」 では、今回ご紹介した7種のドライバーが搭載された有線イヤホンを数多く取り揃えております!
ぜひお近くの店舗まで、自由にお試しいただけますのでお気軽にお越しください♪
【関連動画】
これを見ればイヤホン選びがより楽しくなる!
イヤホンのドライバーを全種類ざっくり解説!




