高音の質：40
中音の質：45
低音の質：50
細やかさ：40
迫力：45
音場：45
遮音性：20
音漏耐性：30
良いところがあり過ぎるので、まず気になる所から書きます。
先ず、人によっては見た目が多少チープに感じるかもしれません。シルバーの筐体に真っ黒のゴム質ケーブルだけです。飾り気無くシンプルなのでこれはこれで良いと個人的には思っています。
次にリケーブルができません。故にもし断線してしまった場合ケーブルを修理する他に手が無いので、ここはかなり懸念しなければいけません。これが本機一番のウィークポイントに感じます。
気になる箇所は以上です。
次に良い所です。
装着感・サイズ感は非常に良いです。筐体がとてもとても小さくて直径で大体8mmほどしかなく、装着しているイヤーピース(Sedna MS)の方が径は大きいくらいです。
これはつまり、イヤホンの挿入具合にイヤホン本体のハンデが存在しないという事です。浅く挿入したい人は浅く、深く挿入したい人は深く、人それぞれ自在に対応できます。
さらにはイヤホンの角度もやりたいままにできます。完全に密閉して音楽に没頭することもできますし、少し傾けて装着して外の環境音に注意しながら同時に音楽を楽しむこともできます。「密閉して」と書きましたが、本機には背圧を逃がす目的で筐体下部に小さくベントが設けられているため、深く挿入した場合も圧迫感が少なく装着感は良好です。
またサイズに比例して重量も非常に軽いので、多少バランスの悪い装着をしても保持してくれます。
耳の大小に関わらず、誰しもがストレスなく利用できる素晴らしいデザインです。
次に音に関してですが、これに関しては「やはりHIFIMAN」といった感じです。
広すぎず程好い音場を持って、かつ程好い距離感を持って正しく整然と音を鳴らしています。過度な解像度を演出したり味付けで魅せるような音ではなく、あくまで自然に無理なく鳴らしている感じです。言い方を変えれば、無味乾燥とした音かもしれません。
他の方のレビューの中には「中高音寄りの音」と書かれている方もおられましたが、個人的な感想は違って、むしろ中低音に重きが置かれている気がします。そしてこの中低音、特に低音がお気に入りです。
非常に締まりよく深く響く低音、締まりが良いというか音の再現性が高いのでしょう。周りを取り巻く倍音もしっかり正しく再生するので音の存在感がすごいです。この価格でここまで質の高い低音が出せるなんて驚異的です。
この価格からは考えられない性能を抱えてる本機ですが、それはそのはず元々は６万円ほどしていた機種だったのです。大幅な価格改定によって価格が3分の1になってしまいました。
元価格と本機の総合的なクオリティは釣り合っているかと言えば、正直少し割高に感じてしまいます。恐らく手は出せないでしょう。
ならば今の価格と本機のクオリティは？となれば、やっぱりそれはそれで釣り合ってないですね。あまりに安いです。
音に関しては6万でも文句なしの出来なのに今やそれが約2万で手に入ってしまう。元の価格に多少の疑念は持ちつつも、やはりHIFIMANは底知れないメーカーです。
