高音の質:40
中音の質:45
低音の質:40
細やかさ:40
迫力:45
音場:45
遮音性:35
音漏耐性:35
【評価】
RolandのQuad-CaptureやMobile UA、SONYのXperiaを使っています。
高音:楽器が鳴らす高音域は問題なく出ています。ヘッドホンによっては歪による倍音などの高調波が聞こえるものもあるようですが、そうしたものは出ないように調整されているみたいです。
中音:しっかりとした中音が出ています。また安定した減衰特性を持っているからか、声の方向などを判別することが簡単にできます。
低音:カタログスペック上はこれより低い低音を出すヘッドホンもあるようですが、音楽に必要な低音は過不足なく出ています。特に重低音重視のヘッドホンではありません。
細やかさ:一応情報的には細かい音も聞き取れる再現性は有しています。ただ雰囲気としての細やかさというものとは方向性が異なっているかなという感じです。
迫力:小さい音から大きな音まで特性が変わらずレンジが広い音を出せます。直接の比較対象となるド定番のMDR-CD900STは本流のモニターヘッドホンですが、この点は(後継のHA-MX100-Zを含め)優位に立っていると感じます。
音場:私の耳では評価しずらい項目なので(数字は参考程度に)
遮音性:密閉型ですが、薄いパッドもあってそれなり……だと思います。
音漏耐性:あまり大きな音を出さなければ大丈夫だとは思います(静かなところ以外で聞こえるのなら、相当耳に負荷をかけている音量じゃないかと)
【経緯】
他社製ヘッドホンが接点不良やパッド破損したので別のヘッドホンを探していた時、このヘッドホンの紹介文を見つけました。買ったのは5年程前なのでうろ覚えですが、ここの紹介だったと思います。
前のヘッドホンが1万円以下の商品で、少し上のヘッドホンというのはどんなものだろうという興味もあって購入しました。(「VICTOR STUDIO監修」のヘッドホンだから――というミーハーもありました)
今でもはっきり覚えているのは「……ぺらっぺらの白い箱だなぁ」ということ。
そして一応プロ向けなんだろうなと思って中を開くと、
無造作に包装されたHA-MX10-Bが現れて「……」となったことです。
とりあえずどんな音がするんだろうと
Roland Quad-Captureで音楽ファイルを再生したところ、
「え、こんなものなの?」とやや失望しました。
低音はスッカスカ、高音もつまり気味で、
やや美化されてたとはいえ壊れた前のヘッドホンに及ぶとは思えなかったからです。
「スタジオモニターヘッドホンってこんなものなんだろうか」と疑問に感じたものです。
やや後悔しながらそれでも1、2か月HA-MX10-Bを使い続けていたところ、
慣れてきたのか低音が出てきて、高音も伸びていきました。
(この時は「エージング」なんて言葉や現象を知りませんでした)
現在は後継のHA-MX100-Zをメインに使用していますが、
基本構造が同じだけあってこれと言って不満はない製品です。
【総評】
さらに調整を進めた後継商品であるHA-MX100-Zがあるので、余裕があればそちらを買ってしまってもいいかもしれません。
ただし今の値段ならコストパフォーマンスに優れた商品だと思いますし、買って損はない商品だといえます。