高音の質:50
中音の質:40
低音の質:40
細やかさ:45
迫力:40
音場:45
遮音性:40
音漏耐性:45
このモデルの一番の魅力は伸びやかでスッキリとした中高音。しなやかで冬の寒空のようなクリアな音色は高価格帯に製品と比べても見劣りしません。解像度は高めで音の分離も良好、Voの歯擦音が強調されてしまうのがマイナスポイントですが、音質のレベルは3万円台屈指だと思います。
このモデルのユニークな特徴として2段階にインピーダンスを変化させるスイッチがあり、20Ωのときは低音の量感が控えめになり、帯域バランスの重心が高くなって軽快な印象になります。スイッチを押し込み45Ωにすると、低域が重さのある力強い音になり、男性Vo等がマッチするようになります。ギミックとして面白いだけでなく、実用性もある良いアイデアだと思います。
音作りはこれまでのLZ同様高いレベルにありますが、質感やデザインなどは正直残念な感じであまり所有欲は満たされません。ノズルの音質調整に関しては種類が多すぎて分かりにくく、全体的に煩雑な印象。ここは可変インピーダンスを採用しているので、A5にようにもっと絞り込んでも良かったと感じました。また、フィット感はIEM形状の割に微妙で、もう少し練ってもらいたいというのが本音です。
音作りは素晴らしいのにその他の部分が中途半端に見えてしまうのが先代から変わらず、このメーカーの改善点かなぁという印象です。
ただ次々と静電ツイーターを搭載モデルが各メーカーから登場し、その多くが価格の割にイマイチなのに対して、LZは圧倒的に安い価格ながら高いレベルにまとめてきたのはやはり流石。
総合的には唸ってしまう出来なのは事実です。