Liebesleid 2.5mm Balanced Version

高音の質：50

中音の質：45

低音の質：40

細やかさ：50

迫力：20

音場：50

遮音性：0

音漏耐性：0

以前試聴したことがあって、なかなか素晴らしい音だったのでずっと気になっていたところ、正月にセールになっていたので購入。

イヤーパッド無しの方が好印象だったのでそのまま使用。

帯域の量のバランスは高域>中域>低域。全体的に音の「籠り」みたいな表現とは無縁の音で、音色の透明感で言ったらこの機種の右に出るものは数えるほどしか(それこそ同社のChaconneくらいしか)ないだろう。低域はイヤーパッドなしでも必要十分な量出ていて、質も特別悪いようには思えない。寒色系のDD1発で高域寄りというと、解像感を強調しすぎてジャキジャキと角の立った音で、中域(特にボーカルなど)はその影響を受けてキンキンとした不自然な音色、というのがかなりありがちなのだが、この機種はまったくそういうことがなく、それぞれの楽器やボーカルの音を細かいところまできわめて自然に、丁寧に鳴らしている。したがって音場感についてもかなり自然な広がりが感じられる。

弦楽器、リバーブが効いたエレキギターのクリーントーン、女性ボーカル、シンバルやハイハットなどが個人的に音の表現が素晴らしいと感じたポイント。

クラシックが得意なのはもちろんのこと、ほかには浮遊感が強いドリームポップ寄りのシューゲイザーや、テンポ遅めのポストロック系の音楽などともかなり相性が良い。音数の多い音源でもしっかりと鳴らしてくれるので、相性の悪い音楽ジャンルみたいなものはあまり思いつかない。

この機種はインナーイヤー型だが、このレベルの音のクオリティをカナル型に求めるなら明らかに3万円では済まないだろう。もっと評価されるべき傑作。