昨年末にCampfire AudioのLYRAを中古で購入したのですが、元々バランス接続前提だった事とケーブルが欠品だった為、予算内で試聴出来るケーブルを色々試した上で本製品の中古を購入しました。
環境はDP-X1AにFiiO Q5(AM3D装着)をデジタル接続し、音源はロックやJ-PopのFLAC(ハイレゾ含む)です。
まずは音質についてです。
銀線と言うと低域が減り高域が鋭くなって明るい音色になるという印象を持っていましたが、本製品は帯域バランスを大きく変えると言うよりは、質感に変化をもたらします。(他に試聴したFinal B1等でも同様です)
具体的には、低域が少しだけ減るかわりに引き締まって芯が出て、なおかつ深い帯域もちゃんと出てきます。
よく動くベースラインとキックの連打は、本製品だと良い鳴らし方をしてくれる事と思います。
中域~高域はより細かい描写になり、解像度の向上を感じられます。
ボーカルは近すぎず遠すぎない距離感ですが、音源の距離感がそのまま出やすい傾向です。
全体的にタイトで明るめになるので、このあたりで銀線らしい傾向が顔を出してきます。
音場は広くなると感じますが、細かい描写になり「音がなっていない空間」が広がる為、定位がよりはっきりした結果だとも言えるように感じました。
音が整理されると言う表現も合っているかも知れません。
高域の伸びが素晴らしく、元々高域の伸びが良いイヤホンと合わせるととても気持ち良いです。
しかし派手になりすぎず、真面目に音を鳴らしてくれる印象です。
ボーカルの「サ行の刺さり」は多少ありますので、苦手な方は試聴されてからの方が良いかと思います。
次は音質以外についてです。
ケーブル自体が細くとても柔らかい為、取り回しはとても良好です。
取り回しに関しては、リケーブル製品の中でもトップクラスに良いので、本製品の取り回しに慣れてしまうと取り回しに関する基準が厳しくなってしまうかも知れません。
耳掛け用の針金が入っていないので、眼鏡をかけていても窮屈さがありません。
MMCX端子や4.4mmプラグの根本の耐久性がどれ程あるのか分からないので、折角の良いケーブルなので慎重に扱われる事をおすすめします。
総評としては、音質的にも取り回しの良さ的にも、良い意味で銀線らしくない、バランス型のケーブルだと言えます。
イヤホンによっては相性が良くないと感じた製品もありましたが、帯域バランスをあまり変化させずに解像度の向上や各帯域の質感向上、音場を広くしたい場合にはおすすめ出来るケーブルだと思います。
LYRA購入前に、数種類のイヤホンと本製品を組み合わせて試してみましたが、その中でもFinal B1は好相性でした。
「銀線は苦手だから…」と言わずに、1度試聴してみて頂きたいです。
是非お試し下さい!