高音の質:50
低音の質:50
細やかさ:50
迫力:45
音場:45
遮音性:35
音漏耐性:40
一昨年発売のJBL CLUB Pro+から始まり、Aviot、Nuarl、Sony、その後欧州ブランドの3万越えTWSを買い集め、FoKus Proが一つの到達点として一応の目処を付けました(どこまで行ってもキリがないことに気づいたのです)。
音質を求めれば機能の不足には目をつむり、多機能なら恩質とのトレードオフと良いところばかり揃えるのは都合の良いことと悟りました。
以後FiO M11 PlusとQoAやTanchjimなど有線の組み合わせで満ていましたが大きく重いDAPを家中でも持ち歩くのはなかなか困難です。
ひとまず有線はじっくり腰を落ち着けて試聴できる時に、その代わりになる音質最優先のTWSは無いかと探していた時、偶然水月雨(MoonDrop)などの正規代理店の「CHIKYU-SEKAI」のサイトで「HANA」などの有線で気に入っているTanchjimが発売したTWSの存在を思い出しました。
ANC、外音取り込みはおろか、ボリューム調整もできない不便ななTWSだと概要欄やスペック値も確認しましたが有線とどこまで張れるか試してみたくなった次第です。
開封して取り出したその姿はプラスチッキーですが清廉な白とグレーの組み合わせが格調を感じさせます。
インジケーターのLEDは満充電時には白、残量50%を切ると暖色系のイエロー(ベージュ?さらにオレンジへと変化します)に変わるところが他には無いところ。
そして肝心な音、iPhoneとのAAC接続ですが
「これ有線??」慌ててFiO M11+有線と交互に聴き比べましたが私の愚耳では区別が付きません。
「ウソ!?」しかもapt x Adaptive接続でもないのに。
強いて上げればほんの僅か低域のふくよかさが違うかも?
Tanchjimは有線機も低域がボワつく事なくタイトでどんと沈み込み、中高域がキラキラの清廉な”ドンキラ”サウンドです。
しかしこの15750円のTWSは試聴で数回聴いたfinal ZE 3000やかつて保持していたFoKus Proに勝るとも劣りません。
嬉しい誤算でした。
あえて微妙なところを上げれば、ケースからやや取り出しづらい、装着感が良いのに遮音性がやや低いところぐらいです。
圧で押すFoKus Proとは違い、音の一つ一つが繊細にもかかわらず力を感じる音、有線のHANAのレビューでも言いましたが音が極めてニュートラル(どの帯域も過不足ないということ、ただのフラットという意味でてはありません)。
音源を素直に再現してくれるのは一万円台の音ではありません。これがeイヤの中古で1万ちょいで購入できることに驚愕します。
正直なところ外音取り込みは欲しいです。
ですが日中家の中でも移動が多いときはECHO、外歩きの時は外音取り込みが優秀なB&O Beoplay E8 3rd、夜に腰を落ち着けてゆっくり聴く時は有線、と使い分けはできています。
密着度が高いのでカナル型特有の外耳に入り込む感覚が苦手な方にはお勧めできませんが、ワイヤレス充電以外の一切の機能が無いことを承知の上でとにかく”美音、高音質”を求める方にはハマると思います。
これだけのクオリティを持つ名機をさらに世に知らしめていただきたいものです。