高音の質:35
中音の質:45
低音の質:30
細やかさ:40
迫力:40
音場:50
遮音性:50
音漏耐性:50
初めに言ってしまうと、6万円なら「これは良いな」となったと思う。
音の全体の傾向から。
透明性を重視した味付けの薄い音で、暖色傾向。
良い点から述べると、空間表現が突出して良い。これは価格を超えたレベルだと思う。非常に空間が広く、ヘッドホンに迫る。また、空間に自然に音が配置されていて、広いだけでスカスカの部分があるということもない。引き込むものがかると感じた。
そして、中音域の表現が良い。音場全体に占める中音域の広さがかなり他の音域より広く、エッジのない丸い音になっている。
中音域だけで見ればつながりがとても良い。
また、暗闇からボーカルが浮かび上がるような表現で、これは唯一無二だと感じた。
次に、まあ普通だなあと感じたところ。
高音域は、いかにもBAらしいかなり金属質な音で、特に表現力があるとは思わなかった。普通。
また、解像度はあまり高くなく、価格に対して低い!というほどでもないが高いと言うことはできない。
そして良くなかったところ。
低音域が低品質。
量感自体は標準的だが、薄く、浅く、アタック感と面の形成が少ない。細っていると感じる。芯はちゃんとあるのでそこは良いのだがタイトにまとまっているわけでもなく希薄な印象。
また、中音域の分離感が非常に低い。
音がおよそ3層の奥行きになっているように聞こえるが、その真ん中の層に入っている中音域が全部ひとつづきになってしまっている。それぞれの厚みは十分で空間の表現としては良いがそれぞれが分離していない。5万円台のイヤホンでももっと良く分離する。
そして、これは好みだが高音域はけっこう線が細く、中音域の厚みは十分と言ったがボーカルだけはイヤーピースを工夫しないとかなり薄い。これがあまり好みではなかったポイント。
結果的に、6万円くらいなら突出した空間表現とまともな他の要素を持った良作となったんじゃないかなあと思った。
正直、見た目は超きれいで、15万円ぐらいしても不思議はないレベルなのでそれで音がそんなに良くないのを埋め合わせたのだろうかなどと思ってしまう。