高音の質:50
中音の質:45
低音の質:40
細やかさ:50
迫力:35
音場:40
遮音性:25
音漏耐性:25
タイトルまんまです。
Chaconnneと用途が被るので永らく購入に踏み切れなかったのですが、秋葉原店で状態のいい中古を見つけて遂に買いました。
同ブランドではChaconne、S8、Blessing2あたりが好みで、Variationや大人気のKATOは苦手です。
外観は価格なりですが個性的に過ぎます。
本体が金色で特に黄色が強く出ており、ここに実質的な必須リケーブルである秋月を組み合わせると、ちょっと引くくらい成金趣味が漂います。厳しく見ればパーツ間の嵌合や角の仕上げが意外と甘く、総合的なビルドクオリティではCHACONNEが勝ります。
音質は価格なりか、やや優れています。
アンビエントやプレゼンスは弱く、むしろ中高域の基音を強調したMOONDROPお得意のチューニングを感じます。これは同ブランドの全商品で一貫した音作りですから好き嫌いは兎も角、狙いが明確で尊敬できるものです。
音場より音像を重視しているようで、ジャズセッションのソロパートやポップスのヴォーカル、ロックやメタルのギターソロなど主役に集中して聴くのに適しています。逆にアンビエントやアトモスフィアが重要なホール録りの音源などは飽和しやすく苦手なようです。
300~3KHz辺りの解像感を出すのが得意で、その上下は割り切ったような淡々とした聴こえ方をします。トランジェントは良好なので音圧の変動が激しい楽曲でもヌルさは感じません。ローエンドが弱い割に、この特性が補ってくれるためか打楽器もノリよく鳴らします。
遮音性・音漏れ耐性・装着感は「CHACONNEよりマシ」といえばお察しいただけるかと思います。ノズルが太くて滑らかなのでイヤーピースは軸径・素材ともに相性問題が生じやすいです。自分の耳道次第で傘が広い物を浅く装着するか、軸も傘も長い物をCIEM的に深く装着するか悩むことになります。筐体そのものは小型でFINAL A8000のようにコンチャやヘリクスを痛めつけないのが救いでしょうか。
冒頭に記した通り遮音性の低さからCHACONNEと使用法が被るので、あちらで満足できている人は悩むと思います。それでも手に入れたくなる魅力はあるし、トランジェントの優秀さはハッキリこちらが勝っています。