高音の質：50

中音の質：45

低音の質：45

細やかさ：50

迫力：25

音場：50

遮音性：30

音漏耐性：30

【外観】

外観として従来のFOSTEXハイエンドの弱点が改善されています。傷つきやすかった金属パーツの塗装は傷つきにくい塗装へ変更され、劣化しやすかったヘッドバンドやイヤーパッドの材質も改善されています。快適だった装着感は更に改善されており、幅広なヘッドパッドは重さを感じさせませんし、側圧やイヤーパッドも非常にソフトで快適です。ただ、側圧は少し緩すぎるかもしれません。

ハウジングは色合いは個性的で美しいのですが、仕上げが少し雑で高級感は然程ありません。TH900系の漆仕上げの方が高級感があります。

【高音の質】

まず、全体の傾向として、クール系かつ超繊細、帯域バランスは完全な逆ピラミッド型に感じました。

高音域は非常に緻密で繊細。解像度の高さや圧倒的な情報量の多さは間違えなくヘッドホンでもトップレベル。ただ、扱いが難しくFiio K9 Proではかなり刺さります。

【中音の質】

高音と同じく繊細さや解像度、分離感の高さは特筆もので、録音の良いソースではボーカルのほんの些細な息遣いまで聞き分けられるレベルです。

【低域】

非常に高解像度で分離感に優れていますが量感は決して多くありません。

【迫力・音場】

密閉型ながら圧倒的に広大で各楽器の配置や距離感を詳細に把握できるレベルです。距離感はかなり遠く、薄めの低域と相まって音の迫力を楽しむというよりはスピーカーリスニングのように分析的に聞流す感じです。

圧倒的な解像度と分離感、広大な音場でいわば究極のモニターヘッドホン、といった感想です。

超上質ながら刺さりまくる高域をうまく制御しつつ、クセのある低域の量感を引き出せるような理想的な上流環境を整えられれば、RPドライバーの真の実力を引き出せるかもしれません。