他のSPとも共通する音のクリアさがあり、残響感もしっかり感じます。

SP4000と比較すると、音の細やかさはやや不足を感じますが、澄んだ音は魅力的です。

手に持った際のサイズ感や重量感は運び易そうで、ポータブル性は高いと感じます。

試聴レビューとなります。

環境は下記の通りです。

イヤホン

qdc 4CS (Luminox Audio 85 Filter 4.4mm)

Campfire Audio LYRA (Tinsel 3.5mm)

Campfire Audio ARA (Tinsel 2.5mm→4.4mm変換)

Campfire Audio C/2019 Q4 (Smoky Litz 3.5mm)

final MAKE3 (標準 3.5mm)

音源

紅 2014Remaster X JAPAN (96kHz 24bit)

風の行方 L'Arc～en～Ciel (96kHz 24bit)

未来世界 L'Arc～en～Ciel (96kHz 24bit)

Princes majiko (48kHz 24bit)

火花 雨宮天 (96kHz 24bit)

【音質】

帯域バランスはフラットに近い、弱ピラミッド型だと感じました。

低域は芯の強さや太さ、沈み込みの深さがある程度あります。

個人的には、もう少し重心が低いとより良いと感じましたが、全体的にはタイトで良好な質感をしています。

中域は、ボーカルと楽器隊の距離感が全体的に近めです。

しかし近すぎはせず、ある程度は楽曲の全体像を見渡すことができます。

ボーカルについて付け加えれば、声の倍音が出やすいような印象を抱きました。

高域は繊細さと伸びの良さがあり、端切れの良さはあるものの過度な刺激は抑えられていて、上質で綺麗な鳴り方をしています。

ただし、イヤホンによってはボーカルのサ行が刺さることがあるため、苦手な方は試聴による確認がおすすめです。

楽器隊では、ハイハットの音とエレキギターの高音域の伸びがとても気持ちよく感じました。

解像度や分離感はとても良好ですが、率直に申せば、SP3000からは少し落ちるという印象です。

また、音が鳴っていない背景の「有機ELのような黒さ」については、本機との差をより感じやすい部分となっています。(無音が際立ち、よりノイズが少なく緻密なのはSP3000)

音場は特段狭くも広くもなく、近接的な距離感ではあるものの、楽曲の全体像は見渡せるため、不足感は抱きませんでした。

上記のような特徴から、どちらかと言えばヘッドホンよりもイヤホンでの使用に向いていそうな印象があります。

音色としては明るめで、ややクール寄りかつドライ寄りです。

【SP3000との比較】

簡潔ながら、過去に試聴したSP3000との比較を記載します。(過去に試聴レビューを投稿済み)

1. 低域と高域、両域側へのレンジの広さはSP3000に分がある

2. 音場の広さはSP3000、全体的な距離感の近さは本機

3.…

【音質】

音質面では皆さんが言われている通り、音場が広く、空間表現、細部まで高解像度で自然に表現されています。やはり特に素晴らしい点は音の立ち上がりです。無音の中から曲が流れ出す心地よさは他社製品では味わえないと思っています。クールで超高解像度というよりは、気持ちよく聴けるウォームよりかなと感じます。

【携帯性・デザイン】

この製品の素晴らしいところはもちろん音質もですが何よりコンパクトな点です。大変操作しやすいサイズ感でポケットに収まるのはとても便利です。持ち運びにも支障がないサイズです。(私はこのような高級機を持ち歩く勇気はありませんが。)

デザインに関してはとにかく美しく、ビルドクオリティの高さに圧倒されます。所有欲を満たされまくりです。

【その他】

店頭ではじめて本機を試聴した際、あまりにも気に入ってしまい、所有していたdapでは満足できなくなってしまいました。最終的には本機を購入しましたが、本機に近い音のdapを探していたところ、

cayin n6 ⅲ e203という機種を発見しました。あまりネットのレビュー等は見かけないですが、本機(というかsp3000シリーズ)と音の傾向がよく似ており、十分満足できる素晴らしい音でした。値段がネックになっている方はぜひこちらも試聴することをおすすめします。(なんとなくデザインも似ている気が､､､)

現在はshanling M9 plusを使用中。

AKの製品は過去にAK100ⅡやAK320を使用していました。解像度の高さや、ノイズの少なさなどは気に入っていましたが、低音の量感や駆動力が合わずAKから遠ざかっていました。今回短時間ではありますが、久々にAKの製品を試聴しました。

操作は大分変わっていたので驚きましたが、すぐ慣れると思います。

解像度の高さ、静けさ、音の広がり（特に横方向）を感じます。

高音は綺麗に広い空間に伸びて聴いていて気持ちが良いです。過度にきらきらしていない自然な高音が良いです。

中音は近すぎず、遠すぎず良い位置と思います。空間の広さを感じつつ、中音がしっかりはっきり聴こえるのは良いです。個人的な好みではボーカルは近めの方がいいですが、空間を感じる位置に魅力を感じます。

低音は量感には満足出来ていない部分がありますが、必要十分の量感はあり、深い低音をある程度表現できているのではないかと思います。低音の質感としては過去に使用していたAK製品より満足です。

過去に使用していたAKの製品とはあらゆる項目で数段上の音質だと思います。

試聴にはライブ音源を聴いてはいませんが、一聴して広がりを感じる音なので相性が良さそうな気がします。

現在使用中のshanling M9 plusの音に慣れていると、駆動力や音の厚み、迫力、低音の量感には物足りなさを感じてしまいますが、比較せずに単体で聴くには十分満足出来ると思います。プラスに評価した部分に魅力を感じているので、使い分けとして欲しいです。

XBA-Z5をバランス接続してのの感想です。

音を聞いて最初に感じるのは、無音の空間から音が飛び込んでくる感覚でした。

すぐれた処理のおかげか、本当に無音を無音として感じられる。

音が出た瞬間には、イヤホンの筐体を忘れるような音だけの空間が楽しめます。

このイヤホン自体、ある程度パワーが必要で、でもボリュームを上げるとノイズや音の暴れに悩まされていました。

なので、このノイズレスな再生能力には本当に驚かされます。

XBA-Z5の醍醐味であるパンチの効いた低音も、振動を鼓膜から体に伝えるかのような、イヤホンの能力をしっかり引き出してくれていることが感じられます。

音はいいが、とてもポータブルとは認め難い巨大なDAPもある中、本機は実用的なサイズで高音質を実現していて、ためらいなく周囲へもオススメができます。

寸法：69.1mm(幅)x119.6mm(高さ)x18.8 mm(厚み)、重量：237g

スマホより少し大ぶり、一般的な缶コーヒーよりやや重い位

ジーパンのポケットに入り、携帯性に不満はありません。

究極を求めれば、どうしてもバッテリー容量や保存媒体の進化も含めなければならないと思うので、音響メーカー対してに求める品質としては、本機は現状の最高峰を行っていると思います。

あえて言うなら、発熱の問題やUIの操作性で更に進化を期待します。

ホイホイと買い替え、というわけにはいきませんが、今後に期待しています。