【短評】

平面駆動らしくケーブルや上流機材等の環境を強く選り好みをする気難しさがあるが、価格帯において屈指の解像度を誇る傑作イヤホン

【使用機材等詳細】

DAC：FiiO BTR7 / Luxuary & Precision W2

ケーブル：NiceHCK FourMIX 2pin-4.4mm

イヤーピース：コレイルAL（MS）

使用者：聴覚検査にて20代並の聴覚と言われたおっさん

【音質】

大口径Planer Driverらしい豊かで緻密な表現力と、全域にわたり極めて透明な高い解像度を併せ持つ

音源、DACの良し悪しがそのまま表現されてしまう性能を誇る

【デザイン等】

筐体は大口径PDを搭載しているとは思えない程に小型ながら精巧であり、耳への収まりも良い

塗装も丁寧に仕上げられているが、鏡面仕上げの金色フェイスプレートは指紋が付きやすいだけでなく付いた指紋が目立つのが難点

【付属品等】

限定版と言うこともあり、付属品は豪華で所有欲を満たしてくれる

しかしながら、イヤホン本体のポテンシャルが高すぎる事から、ケーブルおよびイヤーピースを交換してより良いものを目指したい

【総評】

アルミハウジングの通常版も頭抜けた解像度を誇るイヤホンであったが、高剛性のチタンハウジングを採用した事でより高次元の音を実現している

本機の音は、言うなれば極めて丁寧に磨き上げられた水であり、音楽という茶葉を楽しむために香りから後味に至るまで丹念に音楽の風味のみを醸し、イヤホン本体の存在感は隠し通す透明なイヤホンであるため、音源及び上流機器の良し悪しが露呈する気難しいイヤホンでもある

音に惚れ込んで購入したというのもあるが、個人的には、本機は（イヤホンの性能が高過ぎて）DAC/DAPの音を聴いていると称賛されるイヤホンの一角に挙がる名機だと思っている

平面駆動の定番S12シリーズの2024限定版です。

大型化していく平面駆動らしからぬコンパクトさ。軽くて装着もしやすいのがいいです。きれいな筐体ですが指紋が目立ちやすいのがデメリット。

音の解像度、分離感が高く、特に高音域 ハイハットあたりとボーカル周りがよく感じ、 コーラスまでしっかり聞こえる

筐体はチタンが使われており、通常のS12よりウォームで低音が多めに感じるかも

限定エディションなので付属品豪華で、追加投資無しで本領発揮できるのも強い

デザイン・ビルドクオリティ

チタン合金製の筐体に金と黒の豪華なカラーリングを採用。ただSシリーズは登場から何年も経っており良くも悪くもシンプル過ぎるので今後はもう少しデザインに変化があっても良いかもしれません。エルゴノミクス設計で長時間装着でも快適、遮音性も良好です。付属の392本銀メッキ単結晶銅ケーブルはモジュラー式（2.5mm/3.5mm/4.4mm対応）で使い勝手が良く、豪華なパッケージや限定キーチェーンも魅力です。

音質

低域：深みのあるサブベースと力強いミッドベース。量感は適度で、質感はクリーンです。

中域：自然で滑らかなボーカルと楽器。ややフォワード寄りですが、バランスは良好です。

高域：明るく伸びやかですが、刺さりを抑えた滑らかなチューニング。ディテールと空気感が際立ちます。

サウンドステージ：広い音場と正確な定位。奥行きは控えめですが、左右の広がりと立体感は価格帯で優秀です。

ややV字型の楽しい音作りながらニュートラル寄りで、ジャンルを選ばない万能性があります。S12 Proから高域の刺激が抑えられ、音色の自然さが向上しています。

その他

16Ωの低インピーダンスで駆動しやすく、良いアンプやDACでさらに化けます。

ケーブルのイヤーフックが硬め。音場の奥行きや超高解像度を求めるなら上位モデル（例：S15）を検討しても良いかもしれません。

総評

S12 2024 Editionは、優れたビルドクオリティ、快適な装着感、バランスの良い楽しいサウンドを備えたIEMです。低音重視の明るい音や限定品の特別感を求める方におすすめです。S12やProの課題を改良し、平面磁気IEMの新たな基準となる仕上がりです。