UVERworldのイントロを完璧に当てる男
UVERworldの曲を“一音で”言い当てる男がいる。
e☆イヤホンのPRスタッフ・ゆーでぃだ。
なぜそこまで音が染みついたのか。走る文化が生んだ一体感、日産スタジアムの熱、そして彼を支えた“言葉”。彼の人生を突き動かす、その魅力の正体を紐解く。
「UVERworld」イントロクイズ最速男
今回の“語りたい”スタッフは、YouTubeで商品紹介をしているPRスタッフの「ゆーでぃ」。
彼が今、最も“語りたい”こと。それは、彼の人生の半分を占めるというバンド「UVERworld」への愛だ。
その愛の深さは、常軌を逸している。
曰く、「UVERworldのイントロクイズなら誰にも負けない」と。
その言葉が本物か確かめるべく、我々はまず、抜き打ちテストを敢行した。
(このC会議室に来ているらしい)
――失礼しまーす。
謎のメダルとタンブラーと、音楽プレーヤー?
タオルにエコバック、CDやライブDVDも。
「グローブをはめて……。」
「よし。」
「お待たせしました。」
改めて紹介しよう――
こちらが「UVERworldのイントロクイズなら負けない」と豪語するe☆イヤホンスタッフ。
その名も「ゆーでぃ」!!
っていうか……
グッズの量!!!!!
“持ってこれそうなものだけ持ってきてください。”と言ったけども、気合入れて持ってきすぎだろ!
さすがに想定外。デスクの上がほぼフリーマーケットみたいな絵面に。
――ゆーでぃさん。「UVERworldのイントロクイズなら負けない」と言っているらしいですが、それは本当なんでしょうか?
ゆーでぃ: 本当です。何なら”一音”だけでも大体の曲名は当てられます。
――一音!?たったの一音ですか??
ゆーでぃ: はい。やってみますか?
――おお、是非やりましょう!
今回は事前にイントロクイズが得意ということを知っていたので、音源再生係を呼んでいます。
――では一曲目、行きます。
第一問!(♪ヒュゥウウ…)
ゆーでぃ: はい、「7日目の決意」。
―― 正解 、だ……。
ゆーでぃ: スゥ――……そうですよねぇ。
本当に一音だけで当ててしまった……。
一音というか、ほぼ風みたいな音だけだったのに。
いや、まぐれかもしれないし、あてずっぽうで当たっちゃった可能性もあるよね!
疑惑を確かめるためにもうちょっとだけ試してみる。
――別の曲でもう一度行きます!
ゆーでぃ: いつでも大丈夫です。
――では二曲目、行きます。
第二問!(♪ホンt…)
ゆーでぃ: はい、「EPIPHANY」ですね。
また一瞬で当てた……。
もう一度!
もう疑いようがない。この男の実力は本物だ!!!
早押しクイズならどうだ
イントロクイズの実力は証明されたわけだが、楽曲のどの部分が流れてくるかわからないクイズに挑戦してもらおう。
今回挑戦してもらったのはこちらのサイト
この中の「中級」レベルは"全曲の中からランダムで出題"される。
えげつない難易度で、ちょっと好き程度であれば全問正解さえ難しいだろう。
結果はこちら↓
タイム:9秒10
ぬええッ!!??!??
全問正解どころじゃなく、一問一秒以下!?
異次元過ぎる……。
早押しに自信のある方は一度試してほしい。この、ゆーでぃの異常なまでの早さ、そして超人度合いがわかると思う。
これほどの“超人”は、いかにして生まれたのか? イントロクイズの興奮冷めやらぬまま、我々はその原点を探るべく、彼の記憶の扉を開いた―――
すべての始まりは「坊主頭が嫌だった」から
「子供の頃は プロ野球選手 になりたかったんです。」
――えっ、"UVER早押しクイズ王"じゃなかったんだ……。
あまりにも判断が早いから、幼少期からその道の修業を課されていたのかと思ってたのに。
「でも、中学に入るときに坊主頭になるのがイヤすぎて、野球は諦めました。」
かくして、未来のプロ野球選手の夢は、髪型へのプライドの前にあっけなく散った。だがそこに判断力の片鱗が感じられる。
野球を諦めた彼が次に門を叩いたのは兄がやっていたバスケ。そして、UVERworldの大ファンだったその兄の存在が、彼の人生を決定的な方向へと導く。
「兄が家のリビングで、毎日ずっとライブDVDを流していたんです。家族からは苦情の嵐でしたけど(笑)」
それは、もはや“英才教育”という名の“洗脳”だ。
兄はリビングを支配し、家族の苦情をBGMに、来る日も来る日もUVERworldのライブ映像を布教し続けた。
その結果、「見ているうちに、いつの間にか口ずさんでいる自分に気づいて……」
――洗脳、完了である。
そう、本人のあずかり知らぬところで、未来の"UVER早押しクイズ王"育成計画は、着々と進行していたのだ。
UVERworld好きが加速していくゆーでぃ
UVERworldという巨大な引力に捉えられた少年、ゆーでぃ。
彼の愛は、兄から半ば強制的に浴びせられていた“受動的”なものから、自らの時間、お金、人生そのものを捧げるほどの、“能動的”な巨大な情熱へと加速していく。
我々は、その熱量を具体的な数字から分析してみることにした。
まず、ライブに費やした時間。
「移動時間も含めたら、たぶん120時間くらいじゃないですかね?」
――丸5日間である。彼は人生のうち5日間を、ただひたすらUVERworldとの同じ空間、空気、熱狂に費やしてきたのだ。
実際には、チケット購入からライブ当日を想像し、どの曲が演奏されるか空想したり、バンドの動向をSNSで追うワクワクが止まらない時間もあるだろう。
それらを"UVERworldだけを考えている時間"とするならば、何倍にも膨れ上がりそうだ。
次に、チケット代。
「ちょっと詳しくは覚えてないんですけど、これまで数十万円は使ってると思います。」
――これはもはや趣味ではない、立派な“投資”。そのリターンは、プライスレスな感動と翌日の筋肉痛だ。
そして、グッズ代。
「これはもう……分かんないです。」
――出た。沼にハマった人間の、一番信用できない、そして一番リアルな言葉である。
最後に、楽曲の再生時間。
「昨年のApple Musicの再生時間だけで1万5000分ですね。」
1万5000分は、一日当たり40分ほど聴いているということ。つまりアルバム一枚を毎日聴くようなレベルなのだが、彼は言う。
「ちなみにサブスクがApple Music、Amazon Music、qobuzと3つあるので本当はもっと多いかと。」
――氷山の一角に過ぎないというのか……。恐ろしい男だ。
時間とお金を捧げ、彼の愛は加速の一途を辿る。そしてその熱狂は、ついに彼を“走らせる”という、新たなステージへと突入するのだった――。
強烈だったイベントを聞いてみる
坊主頭を嫌がり、兄による“洗脳”の果てに異常なレベルの早押し力を手にした少年、ゆーでぃ。
彼のUVERworldへの愛、その楽曲知識は、机の上だけで生まれたものではない。それはライブという“現場”で、その身体に刻み込まれたものだった。
1000人で10km走る「UVERcup」
彼がここまでUVERworldに惹かれる理由、それは音楽だけでなく、メンバーの生活や姿勢、人間性にも深く関係していた。
「ボーカルのTAKUYA∞さんは、お酒もタバコもやらないし、食事制限も徹底していて、毎日10km走るんです。」
――それはバンドマンというか、もはやアスリートである。
その生き様が、歌に説得力を持たせるのだと、ゆーでぃは熱く語る。そして、そのストイックさはバンドとファンの間に奇妙で、そして最高に熱いイベントを生み出した。
「TAKUYA∞さんに影響されて、ファンも走るようになったんです。でもある時、皇居の周りに1200人も集まってしまって、警察にテロリストと間違われかけて(笑)」
正直、暴徒やテロリストと間違われても仕方ない。1200人なんてマンモス校の遠足でも見ないレベルの大移動だろう。
「それで、UVERworld側が『なら公式イベントにしてしまおう』と、味の素スタジアムを借りて、1000人のファンと走るイベントを企画したんです。これは、その記念メダルですね。」
ちなみに、このイベントにはバンドのライブ演奏などはないらしい。
「本当に走るだけのイベントで、走り終わったら『じゃあお前ら帰れ』みたいなテンションなんです(笑)」
―― UVERworld、どこまでもストイックだ。ほんとにバンドマン?
同じ道を同じペースで走る。それは、彼らの生き様を追体験する神聖な儀式だ。
だが、UVERworldとファンの絆を確かめる場所は、静かなトラックの上だけではない。 むしろ、その真価が問われるのは熱気と汗が渦巻く、カオスな祭典の中だった。
裸と汗と絶叫。7万2000人の男、男、男
「強く思い出に刻まれてるのは、やっぱり日産スタジアムのライブですね。」
他に印象に残っているイベントを聞くと、ファンの中では語り継がれているであろうライブの名前が出てきた。
2023年7月、日産スタジアムを2日間、7万2000人のファンで埋め尽くした伝説のライブだ。
「コロナ禍で声出しが禁止されていた時期に、TAKUYA∞さんが『これが終わったら、でっかいスタジアムでみんなで声を出せるライブがしたい』とずっと話していて。それが本当に実現したのがこのライブでした。」
「特に2日目の男祭りには7万2000人の男だけが集まりました。その熱気と声援は本当にすごかった。自分たちの声で地面が揺れるんじゃないかと思うくらいでした。 臭いし、服を着てない奴もいるし、カオスでしたけど(笑)、最高の体験でしたね。 」
―― 7万2000人の男たちの汗と熱気と、時々裸。
そんな極限状態を経験してきたゆーでぃ。もはや彼の鼓膜には、UVERworldの全楽曲の“音圧”がミリ秒単位で刻み込まれているに違いない。 イントロクイズが速いのも、当然であった。
彼が本当にUVERを好きな理由
数々のライブに参戦し、体験を積み重ねてきたゆーでぃ。
今では音楽が流れた瞬間、まるで脊髄反射のような速度で反応できるまでになっていた。もはや条件反射。
イントロクイズなんて、彼にとっては呼吸みたいなものだ。
それほどまでに、”音”が身体に染みつくほど好きな彼だが、今ゆーでぃが本当にUVERworldを愛する理由は、その魂を震わせる“言葉”にある。
「『7日目の決意』っていう曲なんですけど、これはTAKUYA∞が夢の中で聴いた曲を、そのまま形にしたものなんです。夢でこの曲が流れていて、目が覚めたときにもまだ覚えていて……」
――夢で聴いたメロディと詩。まるで天啓だ。その天啓の中に、彼の心を支える言葉があった。
「この曲の中にある『死ぬときは何をしても死ぬ。でも、それ以外だったら何をしても大丈夫』っていうメッセージ、考え方が、すごく勇気をくれるんです。」
死ぬこと以外は、かすり傷。 彼の生きる上での覚悟は、この一節によって支えられていた。
そしてもう一つ、彼の心を掴んで離さない曲がある。それは、バンドとファンとの“絆”を歌ったものだった。
「あとは『THEORY』っていう曲の最初のフレーズが印象的ですね。このフレーズ、ライブのMCでは『UVERworldは俺たちのものだけど、君の人生でもあるんだね』って言ってから始まるんですけど、それを聞いたとき、『すごくわかってくれてるな』って感じました。」
彼の声に、熱がこもる。
「僕もそうですけど、UVERworldが人生みたいに思ってる人って、たくさんいると思うんです。そういう人たちの気持ちをちゃんと理解してくれてるっていうのが、すごく嬉しいし、バンド側からも大切に思ってくれてるんだなって感じられて、感動します。」
――それは、一方的な憧れではない。バンドとファンが、互いの人生を共有しているという、確かな実感。 彼の口から語られる言葉は、もはや単なる楽曲の感想ではなかった。「勇気」と「絆」。彼の人生そのものを映し出す、二つの哲学だったのである。
あなたにとって、UVERworldとは
そして最後に、我々は核心に触れる質問を投げかけた。
「あなたにとって、UVERworldとは?」
彼は少し考えた後、静かに、しかし力強くこう言った。
「そうですね……『UVERworldがいなかったら、生きていないんじゃないか』と思うくらいには好きです。」
――インタビューは、終わった。
我々の目の前にいたのは、単なるイヤホンに詳しいスタッフではなかった。
兄の影響で音楽に出会い、バンドの言葉に救われ、1000人と走り、7万人の男たちと叫んだ、一人の熱狂的な“crew”(UVERworldファンの呼称)だった。
彼がイントロを一音で当てられるのは、UVERworldの曲がもはや彼の人生の一部、いや、血肉そのものだからなのかもしれない。
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