

ついに、この時が来たか――。
海外で高評価を集めていたソニーのモニターヘッドホン MDR-M1 が、満を持して日本に上陸しました。
ソニーといえば、プロの現場で定番となってきた MDR-CD900ST 。音楽制作に関わる人なら一度は耳にしたことがある名機ですが、その後継候補ともいえる存在がMDR-M1です。
本記事では、
MDR-M1の特徴やスペック
既存モデル(CD900ST / 7506 / M1ST / MV1)との比較
スタッフによる実際の音質と使用感のレビュー
を、わかりやすく紹介していきます。
「新たな基準になり得るモニターヘッドホン」を一緒にチェックしていきましょう!
MDR-M1概要| MDR-CD900STとはどう違う?

MDR-M1は、長年日本の音楽制作現場を支えてきた MDR-CD900ST の後継候補としても注目されています。「900STからM1へ」という世代交代のタイミングを象徴するモデルと言えるでしょう。
約216gという軽量設計で長時間の作業でも疲れにくいヘッドホンです。
デザインはシンプルながら高級感があり、アルミ製のハウジングと厚みのあるイヤーパッドが快適な装着感を提供します。折りたたみはスイーベル式でフラットに収納できるため、持ち運びにも便利です。
もともと海外で先行販売され、プロの音楽クリエイターやエンジニアから高い評価を得ていたモデルで、日本の発売が待ち望まれていました。
▼主な特徴
密閉型:レコーディング時にも使いやすい遮音性
独自開発の40mmドライバーユニット:可聴帯域を超えるハイレゾ音源まで正確に再現
軽量設計(約216g):長時間作業やリスニングでも快適
着脱式ケーブル(1.2m / 2.5m):普段使いからスタジオワークまで対応
3.5mm標準プラグ:モバイル環境やラップトップでも使いやすい
デザインと装着感:軽くて静か、そして優しい

本体は 216gと非常に軽量 。装着すると「軽い!」と声が出るほどです。ふかふかのイヤパッドと柔らかいヘッドバンドのおかげで、長時間つけても疲れにくいのが特徴です。
ソニーは特殊素材を使わず、長期間安定して生産できる仕組みにこだわったとのこと。数年でモデルチェンジせず、文化の基準になる製品を出すという“覚悟”を感じますね。

イヤーパッドは簡単に取り外し可能で、ドライバーは斜めに配置。耳との角度を最適化しており、自然なフィット感を実現しています。

鬼軽い、めちゃくちゃ軽い‼
側圧はしっかりしてるんですけど、しんどくない。「900ST」も「7506」もめちゃくちゃしんどいってわけじゃなかったんですけど、快適かどうかで言うとそうでもなかったんですよね。イヤーパッドもヘッドバンドも薄かったので。
「M1」は全然違います。仕事用やけど、めっちゃ上質な仕事用っていう感じ。出世したな、みたいな。『昔は「900ST」やったけどな。今は「M1」やわ』みたいなね。めちゃくちゃ装着感がいいんすよ。飛び出し感みたいなものも少ないですし、ほんまにようできてはるわ。
製品本体も、きしみというか、ガチャガチャした感じがないですからね。
付属品と使い勝手:シーンに合わせた2本のケーブル

ケーブルはセレーション加工(摩耗や絡まりを防ぐ細かい溝)されており、絡みにくくさらっとした手触り。ハウジング側はねじ込み式で、4極端子仕様になっています。

また、付属するケーブルは1.2mと2.5mの2種類。外でノートPCと一緒に使うなら1.2m、スタジオ作業なら2.5mと、シーンに合わせて選べます。プラグは3.5mmが標準に変更され、6.3mm変換アダプターも同梱。細かいところまで配慮を感じますね!
音質レビュー|MDR-M1の実力

M1の音はフラット基調。低音は少なめですが、タイトで切れ味の良い鳴り方をします。音の空間は広すぎず狭すぎず“ちょうどいい”バランスです。

低音がドンと出ても、すぐシュッと戻る。このタイトさが欲しかったっていう人、めっちゃいると思います!
モニターヘッドホンにしては広がりを感じやすいかも、っていう感じです。普段使いで音楽を聴く用にもいいですし、作業用としてもめちゃくちゃ優秀やと思います。
エンタメっぽい楽しさはそこまで強くないんですけど、低音も高音も幅が広くて、しかも誇張がない。ニュース番組のような無機質さを感じるかもしれませんけど、それが逆に良いんですよね。
全体的にブレが少なくてシャープ。
音の空間も左右や上下に少し広さがあって、この“ちょっと欲しかった広がり”が絶妙なんですよ。『僕らが欲しかったのはM1やったんか』って思いましたね。音楽好きにはすごく刺さるサウンドやと思います。
スペック比較|ソニーのモニターヘッドホン全機種

ポイントまとめ
全モデル40mmドライバー採用だが、構造はすべて異なる
MV1のみ開放型、それ以外は密閉型
再生周波数帯域はM1ST、MV1、M1が広い
どのモデルもかなり軽い
M1ST以降のモデルはケーブル着脱可能
ケーブルは着脱式+1.2m対応はMDR-M1が初
業務用なのでメーカー保証はなくて当たり前という感覚でしたが、なんとMV1とM1はメーカー保証付き。安心して使えるうれしいポイントですよね!
全機種徹底比較|MDR-M1と歴代モデルとの違い

長時間装着のしやすさ

900STや7506は、長時間付けているとどうしても疲れやすいモデルです。対してM1ST以降の新世代は、イヤーパッドの厚みやヘッドバンドの柔らかさが改善され、装着の快適さが段違い。特にM1とMV1は「長時間作業に耐えられるモニター」として信頼できます。
空間の広さ(スケール感)

900STや7506は“狭い空間で細部を確認するための基準機”。その分、音の広がりは抑えられています。M1STとM1はちょうどいいスケール感で、音楽制作に実用的。MV1は唯一の開放型ということもあり、圧倒的に広い空間表現が特徴です。

M1やM1STぐらいの広さが、実際に音楽を作る上ではちょうどいいんじゃないかなと思います。
MV1は映像や立体音響の確認向けですね。
音の硬さ

900STやM1STは音が硬質で“ガチッとチェック”する印象。7506はその中間に位置し、柔らかさと精密さのバランスがあります。M1は程よくリラックスできる硬さで、MV1は最も柔らかく空間的です。

M1STはCD900STよりもチェック力があると思います。
逆に一番柔らかいのはMV1で、空間的な作業向きです。M1はちょうどその間をいける印象ですね。
低音の量感

どのモデルも“モニター機”らしく低音は控えめですが、キャラクターには差があります。900STはドライで量感が少なめ。7506も似た傾向ですが、ややリスニング寄り。M1STは中庸で、M1は相対的にローが厚め。MV1も低音が広がりつつもタイトに制御されています。

M1が一番ローが多いかなって思います。
次いでMV1、M1STといった感じ。900STはやっぱりドライですね。
【まとめ】
MDR-CD900ST:超定番。音場は狭いが細部チェック用
MDR-7506:900STより柔らかく、扱いやすい音
MDR-M1ST:低音が豊かで現代的な解像度
MDR-MV1:空間表現が段違い(立体音響向き)
MDR-M1:万能型。制作から普段使いまで幅広く対応
▼イメージ比較
音の固さ → M1ST > CD900ST > MDR-M1 > 7506 > MV1
空間の広さ → MV1 > MDR-M1 ≒ M1ST > 7506 > CD900ST
低音の量 → MDR-M1 > MV1 > M1ST > 7506 > CD900ST
使用シーンの違い

ソニーのモニターヘッドホンは、それぞれ得意なシーンが異なります。録音の場面で威力を発揮するモデルもあれば、ミックスやマスタリングに最適化されたモデル、さらには映像や立体音響の制作向けまであります。
レコーディング

CD900STと7506は、まさに“録音ブースの定番”。歌や楽器を録るときに「余計な演出をしない正確な音」でチェックできるため、長年愛されてきました。

900STや7506はレコーディング用。歌取りやギター録りで一瞬チェックするのに向いてます。
ミキシング〜マスタリング

M1ST、M1、MV1は録音以降の工程にも対応。帯域の広さや装着感の快適さから、長時間の編集作業やマスタリングまでカバーできます。特にM1は“万能型”として、プロから趣味のクリエイターまで幅広くおすすめできます。

M1ST、M1、MV1はミックスやマスタリングでもずっと使えるタイプです。
立体音響・映像制作

MV1は唯一の開放型。立体的な音場の把握がしやすく、映像編集や空間音響制作に強みを持っています。環境音や残響のチェックを重視する人にとっては、唯一無二の選択肢です。

MV1は立体音響の制作に携わる人におすすめ。映像クリエイター向けっていう気がしてます。
【まとめ】
レコーディング・チェック用:CD900ST、7506
ミキシング・マスタリング:M1ST、MV1、M1
動画編集・普段使い:MV1(開放型)、M1(密閉型で万能)
長時間作業なら、イヤーパッド・ヘッドバンドの質が高い M1とMV1が快適。
特にMDR-M1は「1本で完結できる万能型」として心強い存在です。
MDR-M1はこんな人におすすめ!
MDR-M1は、従来の900STや7506を否定するのではなく、「使い分けの提案」ができるヘッドホンです。チェック用には900ST、長時間の作業や快適性を重視するならM1といったように、現場に合わせて選べます。
プロのエンジニア
長年900STや7506を使い込んできたエンジニアにこそおすすめです。録音チェックは従来機で、長時間の編集やミックスはM1に任せる。そんな新しいスタイルが自然に実現できます。

チェックのタイミングは900STで十分。でも長い作業はM1が楽です。解像度もちゃんとあるし、移行する人は多いと思います。
趣味で制作を楽しむ方
1万円前後のエントリーモデルからステップアップを考えている人に、M1はぴったり。制作モチベーションをぐっと上げてくれる“ちょっと背伸びした仕事道具”として最適です。

最初は安いヘッドホンでも十分ですけど、大人になったらいいものを使うとモチベが上がります。M1はまさにそういう一本です。
ソニーヘッドホンのファン
MDRシリーズを愛用してきた人には、ぜひ体験してほしいモデルです。ワイヤレスやリスニングモデルとは違う、“プロ基準の音の世界”を改めて感じられます。

ソニーのモニターヘッドホンは音楽を“作る”ための道具。でもリスニング用としても十分楽しめます。M1はその両方を満たすモデルです。
まとめ | MDR-M1は「プロの新基準」になるかもしれない

ソニー MDR-M1 は、
軽量で快適な装着感
フラットでタイトな音質
現場でも日常でも使える万能さ
を兼ね備えた、まさに“我慢しなくていいモニターヘッドホン”です。

僕らの世代ってラッキーやと思うんですよ。若い頃は900STを使ってて、最近になってM1STやMV1、そしてM1が登場した。二つの時代をまたいで体験できてるんです。
ソニー MDR-M1 は、軽量で快適な装着感とフラットでタイトな音質、現場でも日常でも使える万能さを兼ね備えた、まさに“我慢しなくていいモニターヘッドホン”です。
「僕らが欲しかったのは、M1やったんか!」
――その言葉どおり、MDR-M1は900STや7506をリスペクトしながら、新しい基準を示してくれる一台です。
音楽制作はもちろん、普段のリスニングにも心地よくフィットする。
長い時間を共にできる“次のスタンダード”を探しているなら、ぜひ一度試してみてください‼
【関連動画】
イヤホン・ヘッドホンを1000本以上レビューしているスタッフ「はまちゃん」がソニーのモニターヘッドホンをわかりやすく解説! MDR-M1を歴代モデルと比較を交えてご紹介‼
この記事で気になった方は、ぜひご覧ください♪