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TSURANAGI 【PA001-S】
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¥350,000 税込
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商品コード
4589796707479
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- 買取上限価格 -
¥125,000
※買取上限価格は日々変動がございます
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商品詳細
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レビュー
バランス入出力対応ポータブルアンプ
Brise Audio TSURANAGI
ポータブルアンプTSURANAGIはBriseAudioのハイエンドイヤホンケーブル、ハイエンドポータブル用ラインケーブル(ミニミニケーブル)の開発用評価機として、理想のポータブルオーディオ環境を構築するために開発されました。内部配線にもBriseAudio製ケーブルを採用し、弊社ハイエンドケーブルMURAKUMOやYATONOなどで使用される電磁波吸収シールド材やCNT(カーボンナノチューブ)などを基板などに設置し更なる音質アップが図られています。
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- 概要
-
◆アナログ入力,アナログ出力のポータブルアンプ(イヤホン、ヘッドホン共用)
◆バランス入出力対応
◆アンバランスの入力信号に対してもバランスで出力
◆Pentaconn 4.4mm端子搭載
◆入力:バランス/アンバランス(5極4.4mm+3極3.5mm)
◆出力:バランス(5極4.4mm+4極2.5mm)
◆高音質電子ボリュームIC MUSES72320搭載
◆低ノイズ差動ラインレシーバによる高い入力インピーダンス&高コモンモードノイズ除去
◆低ノイズ全差動オペアンプによるアンバランス-バランス変換
◆低歪な電流帰還アンプでヘッドホンを駆動
◆両電源及びDCサーボ搭載による入出力カップリングコンデンサの排除
◆USB Type Cから充電
◆連続再生可能時間8時間程度(ご使用の環境によって変化します。)
-
- 製品コンセプト
-
近年、バランスLINE OUTを有したプレーヤーや、ヘッドホンやイヤホンのバランス駆動化の増加を受け、ミニミニケーブルやリケーブルの開発のためにBrise Audioが理想とするバランス入出力が可能なポータブルアンプを開発しました。
従来のプレーヤーとも接続できるよう、3極3.5mmのアンバランス入力も備えており、内部で高精度にバランス信号に変換後、出力されます。出力端子は5極4.4mm端子と4極2.5mm端子の両方を備えています。ソースの情報を余すことなく表現することをテーマとし、低歪&低ノイズを基本に設計しました。入力から出力まで、いずれかでも回路の性能が低いと全体としての性能低下を引き起こすため、全ての信号処理回路に低歪&低ノイズの回路と部品を採用しています。
1MΩと高い入力インピーダンスにより、上流にあたるプレーヤーが出力する歪も最小化しています。差動ラインレシーバによりバランス信号を一度高精度にアンバランス変換し、外来ノイズを除去するため、ノイズの多い屋外でもクリーンな再生が可能です。
このアンプのキーとなる複合アンプは、アンバランス-バランス変換と電流増幅を同時に行っています。全差動オペアンプのフィードバックループ内に電流帰還アンプを入れることで、更に歪を抑えています。
電源回路には超低ノイズ&超高PSRRのレギュレータを用い、各チャネルに対して独立に供給しています。6層基板を採用し共通インピーダンスを排除、レイアウト的にも信号品質向上を図っています。
TSURANAGIは、弊社のケーブルの開発と同様、出音を多く、帯域を広く、音を歪ませない、低ノイズフロアの実現、さらに外来環境の影響を極力少なくし機材の性能を可能な限り引き出すことを指針として、音質面と性能面で設計を行っております。弊社ケーブル開発環境のためのリファレンスとなるTSURANAGIですが、ケーブルの性能と音質をスポイルしないようなアンプを目指しました。ケーブルもまた、機材のボトルネックとならないよう設計を行いますので、自社内でさらなるレベルアップを図ることを狙いとしています。
-
- アンプ部の構成
- アンプに関して他に工夫した点として、アンプの帯域は2Hzから200kHzとし、可聴帯域である20Hzから20kHzを確実にフラットに再生できるようにしました。差動DCサーボアンプはバランス出力の差分のDCを検知し、オフセットがゼロになるように全差動オペアンプに帰還しています。これによって、出力DCオフセットが+/-50μVに抑えられ、入力側のカップリングコンデンサを排除可能としました。DCサーボアンプに用いているOPAMPも超高性能な低ノイズ品を採用し、音質の劣化を起こさない工夫しています。万が一DCオフセットが発生した場合でも搭載されているマイクロコントローラが検知し、イヤホンを保護します。信号処理を行う回路の電源デカップリングコンデンサは全てフィルムコンデンサと導電性高分子アルミコンデンサを用いています。音質のために、全ての部品を吟味しコスト度外視で採用しております。
-
- 電源の構成
- LchとRchのセパレーションを徹底し、電源供給能力に余裕をもたせるため、独立に電源回路を載せました。スイッチングレギュレータとリニアレギュレータは単体でも、アンプの最大定格に対して余裕を持った電流能力を持っています。その上で、レギュレータは独立供給としているため、瞬間的な電流消費にも追従します。バッテリー電源からスイッチングレギュレータを用いて両電源を生成していますが、スイッチング周波数2MHzかつ大容量の出力コンデンサにより、スイッチングレギュレータとしては非常に低ノイズになるよう設計しました。両電源を生成する目的は、出力側のカップリングコンデンサ排除と高い電源電圧による低歪動作です。オペアンプは一般的には+/-15Vで動作させますが、ここまで昇圧させてしまうと電力ロスが無視できないため、+/-9.3Vとしバッテリー持ちも考慮しました。スイッチングレギュレータの後段に超高性能リニアレギュレータを設け、残留したスイッチングノイズを徹底的に除去し、低ノイズな再生を実現しています。このリニアレギュレータは、高周波帯域までノイズを除去可能なため、2MHzのスイッチングノイズも確実に除去しています。6層のうち2層を電源に使い、正負で層を分け、間にGND層を挟むことで干渉を防いでいます。電源と同様、GNDの配線もインピーダンスを抑えるため面で配線しつつ、チャネル間はもちろん、チャネル内でも信号GNDとパワーGNDを1点で交わるところまで分離し、セパレーションの徹底をしています。1点で接地するところでアルミシャーシと接地するようにしており、GNDループを排除しつつ外部からの電磁波干渉を抑制しています。
-
- アンバランス変換する構成の理由
-
◆Brise Audioが理想とする音質のポータブルアンプの開発にあたって、ソースの情報を余すことなく表現することを目標としました。そのため回路設計では、低歪と低ノイズを最優先とし、低ノイズを実現するため徹底したコモンモードノイズ除去にも注力しました。
◆屋外での使用が想定され、電波などの妨害を受けずに常に安定して再生するため、コモンモードノイズ除去を最も除去可能な構成を採用しました。
◆低ノイズと低歪を両立するため、コモンモードノイズ除去回路には、広帯域に高コモンモードノイズ除去比を有する、超低歪なオーディオ用差動ラインレシーバを採用しました。
◆性能面と音質面でメリットと感じる電子ボリュームMUSES72320も組み込みたい意図があり、プラス側とマイナス側の回路で減衰量が異なる(電子ボリュームなのでそもそも誤差が少ないですが)問題を克服するため、電子ボリュームの前段でアンバランスに変換しているのも理由の一つです。
◆ポータブルアンプの限られたリソースを最大限活かすため、中間のアンバランス回路によって低消費電力と実装面積にゆとりを持つ構成にもなっております。
-
- コモンモードノイズについて
-
コモンモードノイズは、信号に対して同じ位相で伝わるノイズのことを言います。プレーヤーからケーブルを伝わるものや、ケーブル等をアンテナとして空間から伝わるものがあります。アンプのコモンモードノイズ除去能力が不足していると、バランスアンプであってもヘッドホンにノイズが漏れてしまいます。アンプをスマートホンや商用電源に近づけたときに感じることがあるでしょう。TSURANAGIではそういったノイズは全く聞こえません。一般的なバランス信号の目的は、伝送の途中(長いケーブルなど)でノイズが加わっても、受信側で差分を取ることでノイズをキャンセルできるというものです。差分を取る際、プラス側とマイナス側の信号に乗ったコモンモードノイズは同じ位相と同じ振幅であることが最も重要です。ケーブルとしては、プラスとマイナスの信号を通す2つの線はツイストペアなどにより隣接して配置し、同相・同振幅にノイズを拾うような工夫がされています。ツイストペアには、磁界キャンセルによるノイズキャンセル効果もあるので、アンバランス信号でも多用されます。アンプ側は、バランス信号の差分を取るという役割があります。そのとき、プラス側とマイナス側の信号を高精度に差分を取らないと、せっかくバランスで伝送してもキャンセル効果が弱まってしまいます。実際にアンプが差分を取る時、マイナス側の信号を反転(さらにマイナス)してプラス側の信号と足し算をしています。このときのゲインがばらばらではいけません。そこで、TSURANAGIが全段バランス構成だった場合と、アンバランス変換をする製品の構成を図に示します。
全段バランス構成だった場合、差分を取るのはヘッドホンになってしまいます。ヘッドホンに至るまでに色々なアンプやボリュームを通ります。そのため、ヘッドホンに信号が到達するときにはプラス側とマイナス側の信号の大きさがわずかに異なるため、キャンセル効果が弱くなってしまいます。一方、初段でアンバランス変換(差分を取ること)をすると、後段のアンプやボリュームのゲイン誤差によるコモンモードノイズ除去の劣化は排除できます。TSURANAGIは電子ボリュームMUSES72320を使用しており、一般的な可変ボリュームより桁違いにマッチングが良いです。しかし、コモンモードノイズ除去を徹底するためボリュームの前に、高精度なマッチング抵抗を集積した差動ラインレシーバにて差分を取った後、信号処理しています。これによってボリューム回路と電圧増幅段は2ch分でよいため、ゆとりをもった基板レイアウトも可能になり、消費電力も減らす事ができます。差動ラインレシーバを構成する抵抗が、差分を取る際のゲインを決めています。この抵抗と内部のOPAMPの特性がプラスとマイナスでマッチしていることが重要です。アンバランス入力においても、差動ラインレシーバが差動信号としてシングルエンドの信号を受信します。信号線とGNDに乗ったコモンモードノイズをキャンセルする働きがあるため、一般的なアンバランス入力のアンプよりもノイズには有利です。
-
- バランス変換して出力している理由
-
バランス入力/バランス出力という構成を実現するためでもありますが、そもそもバランスで駆動するメリットはいくつかあります。ヘッドホンを鳴らすためにはアンプからたくさん電流を供給する必要があります。アンプは電流を出力するほど歪みやすいという特徴があります。バランスアンプであれば、発生した偶数次の歪をヘッドホンでキャンセルすることができます。脇道に逸れますが、奇数次の歪をキャンセルすることは難しく、基本的には電流を出力してもそもそも奇数次歪が発生しないアンプ(構成も含む)を用いるしかありません。奇数次歪を抑制するため、TSURANAGIではコンポジット(複合)アンプ構成とし、電流を出力する電流帰還アンプの歪を負帰還し、全差動アンプが抑える動作をしています。この動作は偶数次歪も抑えるため、全体の歪はさらに小さくなります。
もう一つの理由は、ポータブルという限られた電源電圧においても、大きな振幅を出力することができるという点です。シングルエンドのアンプですと、ヘッドホンに振幅を送るのはHOT側のみとなりますが、BTLではHOT用アンプとCOLD用アンプの両方で駆動(吐き出しと吸い込み)するため、ヘッドホンに送ることができる最大の振幅は、同じ電源電圧でも2倍にできます。電圧が2倍になるので電流も2倍となり、BTLアンプがシングルエンドより4倍の電力を供給できる理由です。
製品仕様
■ スペック | |
---|---|
入力端子 |
アンバランス:3極3.5mm バランス:5極4.4mm(GND結線) |
出力端子 | 5極4.4mm(GND結線) / 4極2.5mm |
電圧ゲイン(ボリューム最大) | 10.5dB |
最大入力 (ボリューム最大) | 1.5Vrms (2.1Vpeak) |
周波数特性(-3dB) | 2Hz - 200kHz |
推奨負荷インピーダンス | 16ohm以上 |
最大出力(16ohm, THD+N<0.01%) | 700mW + 700mW |
最大出力(32ohm, THD+N<0.01%) | 1000mW + 1000mW |
最大出力(300ohm, THD+N<0.01%) | 100mW + 100mW |
THD+N (BW=20kHz, 1Vrms出力,16ohm) | < 0.005% |
THD+N (BW=20kHz, 1Vrms出力,300ohm) | < 0.002% |
THD+N (BW=20kHz, 3.4Vrms出力,300ohm) | < 0.0007% |
クロストーク(20Hz - 20kHz) | < -100dB |
バッテリー持続時間 | 最大8時間 |
質量 | 360g |
寸法(W x H x D), 突起部含まず | 80mm x 30mm x 120mm |
充電端子 | USB Type-C |
バッテリー容量 | 7.4V 2800mAh |
充電時間 | 5時間以内 (5V2AのACアダプタを使用) |
付属品 | 専用BOX |
商品詳細
バランス入出力対応ポータブルアンプ
Brise Audio TSURANAGI
ポータブルアンプTSURANAGIはBriseAudioのハイエンドイヤホンケーブル、ハイエンドポータブル用ラインケーブル(ミニミニケーブル)の開発用評価機として、理想のポータブルオーディオ環境を構築するために開発されました。内部配線にもBriseAudio製ケーブルを採用し、弊社ハイエンドケーブルMURAKUMOやYATONOなどで使用される電磁波吸収シールド材やCNT(カーボンナノチューブ)などを基板などに設置し更なる音質アップが図られています。
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- 概要
-
◆アナログ入力,アナログ出力のポータブルアンプ(イヤホン、ヘッドホン共用)
◆バランス入出力対応
◆アンバランスの入力信号に対してもバランスで出力
◆Pentaconn 4.4mm端子搭載
◆入力:バランス/アンバランス(5極4.4mm+3極3.5mm)
◆出力:バランス(5極4.4mm+4極2.5mm)
◆高音質電子ボリュームIC MUSES72320搭載
◆低ノイズ差動ラインレシーバによる高い入力インピーダンス&高コモンモードノイズ除去
◆低ノイズ全差動オペアンプによるアンバランス-バランス変換
◆低歪な電流帰還アンプでヘッドホンを駆動
◆両電源及びDCサーボ搭載による入出力カップリングコンデンサの排除
◆USB Type Cから充電
◆連続再生可能時間8時間程度(ご使用の環境によって変化します。)
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- 製品コンセプト
-
近年、バランスLINE OUTを有したプレーヤーや、ヘッドホンやイヤホンのバランス駆動化の増加を受け、ミニミニケーブルやリケーブルの開発のためにBrise Audioが理想とするバランス入出力が可能なポータブルアンプを開発しました。
従来のプレーヤーとも接続できるよう、3極3.5mmのアンバランス入力も備えており、内部で高精度にバランス信号に変換後、出力されます。出力端子は5極4.4mm端子と4極2.5mm端子の両方を備えています。ソースの情報を余すことなく表現することをテーマとし、低歪&低ノイズを基本に設計しました。入力から出力まで、いずれかでも回路の性能が低いと全体としての性能低下を引き起こすため、全ての信号処理回路に低歪&低ノイズの回路と部品を採用しています。
1MΩと高い入力インピーダンスにより、上流にあたるプレーヤーが出力する歪も最小化しています。差動ラインレシーバによりバランス信号を一度高精度にアンバランス変換し、外来ノイズを除去するため、ノイズの多い屋外でもクリーンな再生が可能です。
このアンプのキーとなる複合アンプは、アンバランス-バランス変換と電流増幅を同時に行っています。全差動オペアンプのフィードバックループ内に電流帰還アンプを入れることで、更に歪を抑えています。
電源回路には超低ノイズ&超高PSRRのレギュレータを用い、各チャネルに対して独立に供給しています。6層基板を採用し共通インピーダンスを排除、レイアウト的にも信号品質向上を図っています。
TSURANAGIは、弊社のケーブルの開発と同様、出音を多く、帯域を広く、音を歪ませない、低ノイズフロアの実現、さらに外来環境の影響を極力少なくし機材の性能を可能な限り引き出すことを指針として、音質面と性能面で設計を行っております。弊社ケーブル開発環境のためのリファレンスとなるTSURANAGIですが、ケーブルの性能と音質をスポイルしないようなアンプを目指しました。ケーブルもまた、機材のボトルネックとならないよう設計を行いますので、自社内でさらなるレベルアップを図ることを狙いとしています。
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- アンプ部の構成
- アンプに関して他に工夫した点として、アンプの帯域は2Hzから200kHzとし、可聴帯域である20Hzから20kHzを確実にフラットに再生できるようにしました。差動DCサーボアンプはバランス出力の差分のDCを検知し、オフセットがゼロになるように全差動オペアンプに帰還しています。これによって、出力DCオフセットが+/-50μVに抑えられ、入力側のカップリングコンデンサを排除可能としました。DCサーボアンプに用いているOPAMPも超高性能な低ノイズ品を採用し、音質の劣化を起こさない工夫しています。万が一DCオフセットが発生した場合でも搭載されているマイクロコントローラが検知し、イヤホンを保護します。信号処理を行う回路の電源デカップリングコンデンサは全てフィルムコンデンサと導電性高分子アルミコンデンサを用いています。音質のために、全ての部品を吟味しコスト度外視で採用しております。
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- 電源の構成
- LchとRchのセパレーションを徹底し、電源供給能力に余裕をもたせるため、独立に電源回路を載せました。スイッチングレギュレータとリニアレギュレータは単体でも、アンプの最大定格に対して余裕を持った電流能力を持っています。その上で、レギュレータは独立供給としているため、瞬間的な電流消費にも追従します。バッテリー電源からスイッチングレギュレータを用いて両電源を生成していますが、スイッチング周波数2MHzかつ大容量の出力コンデンサにより、スイッチングレギュレータとしては非常に低ノイズになるよう設計しました。両電源を生成する目的は、出力側のカップリングコンデンサ排除と高い電源電圧による低歪動作です。オペアンプは一般的には+/-15Vで動作させますが、ここまで昇圧させてしまうと電力ロスが無視できないため、+/-9.3Vとしバッテリー持ちも考慮しました。スイッチングレギュレータの後段に超高性能リニアレギュレータを設け、残留したスイッチングノイズを徹底的に除去し、低ノイズな再生を実現しています。このリニアレギュレータは、高周波帯域までノイズを除去可能なため、2MHzのスイッチングノイズも確実に除去しています。6層のうち2層を電源に使い、正負で層を分け、間にGND層を挟むことで干渉を防いでいます。電源と同様、GNDの配線もインピーダンスを抑えるため面で配線しつつ、チャネル間はもちろん、チャネル内でも信号GNDとパワーGNDを1点で交わるところまで分離し、セパレーションの徹底をしています。1点で接地するところでアルミシャーシと接地するようにしており、GNDループを排除しつつ外部からの電磁波干渉を抑制しています。
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- アンバランス変換する構成の理由
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◆Brise Audioが理想とする音質のポータブルアンプの開発にあたって、ソースの情報を余すことなく表現することを目標としました。そのため回路設計では、低歪と低ノイズを最優先とし、低ノイズを実現するため徹底したコモンモードノイズ除去にも注力しました。
◆屋外での使用が想定され、電波などの妨害を受けずに常に安定して再生するため、コモンモードノイズ除去を最も除去可能な構成を採用しました。
◆低ノイズと低歪を両立するため、コモンモードノイズ除去回路には、広帯域に高コモンモードノイズ除去比を有する、超低歪なオーディオ用差動ラインレシーバを採用しました。
◆性能面と音質面でメリットと感じる電子ボリュームMUSES72320も組み込みたい意図があり、プラス側とマイナス側の回路で減衰量が異なる(電子ボリュームなのでそもそも誤差が少ないですが)問題を克服するため、電子ボリュームの前段でアンバランスに変換しているのも理由の一つです。
◆ポータブルアンプの限られたリソースを最大限活かすため、中間のアンバランス回路によって低消費電力と実装面積にゆとりを持つ構成にもなっております。
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- コモンモードノイズについて
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コモンモードノイズは、信号に対して同じ位相で伝わるノイズのことを言います。プレーヤーからケーブルを伝わるものや、ケーブル等をアンテナとして空間から伝わるものがあります。アンプのコモンモードノイズ除去能力が不足していると、バランスアンプであってもヘッドホンにノイズが漏れてしまいます。アンプをスマートホンや商用電源に近づけたときに感じることがあるでしょう。TSURANAGIではそういったノイズは全く聞こえません。一般的なバランス信号の目的は、伝送の途中(長いケーブルなど)でノイズが加わっても、受信側で差分を取ることでノイズをキャンセルできるというものです。差分を取る際、プラス側とマイナス側の信号に乗ったコモンモードノイズは同じ位相と同じ振幅であることが最も重要です。ケーブルとしては、プラスとマイナスの信号を通す2つの線はツイストペアなどにより隣接して配置し、同相・同振幅にノイズを拾うような工夫がされています。ツイストペアには、磁界キャンセルによるノイズキャンセル効果もあるので、アンバランス信号でも多用されます。アンプ側は、バランス信号の差分を取るという役割があります。そのとき、プラス側とマイナス側の信号を高精度に差分を取らないと、せっかくバランスで伝送してもキャンセル効果が弱まってしまいます。実際にアンプが差分を取る時、マイナス側の信号を反転(さらにマイナス)してプラス側の信号と足し算をしています。このときのゲインがばらばらではいけません。そこで、TSURANAGIが全段バランス構成だった場合と、アンバランス変換をする製品の構成を図に示します。
全段バランス構成だった場合、差分を取るのはヘッドホンになってしまいます。ヘッドホンに至るまでに色々なアンプやボリュームを通ります。そのため、ヘッドホンに信号が到達するときにはプラス側とマイナス側の信号の大きさがわずかに異なるため、キャンセル効果が弱くなってしまいます。一方、初段でアンバランス変換(差分を取ること)をすると、後段のアンプやボリュームのゲイン誤差によるコモンモードノイズ除去の劣化は排除できます。TSURANAGIは電子ボリュームMUSES72320を使用しており、一般的な可変ボリュームより桁違いにマッチングが良いです。しかし、コモンモードノイズ除去を徹底するためボリュームの前に、高精度なマッチング抵抗を集積した差動ラインレシーバにて差分を取った後、信号処理しています。これによってボリューム回路と電圧増幅段は2ch分でよいため、ゆとりをもった基板レイアウトも可能になり、消費電力も減らす事ができます。差動ラインレシーバを構成する抵抗が、差分を取る際のゲインを決めています。この抵抗と内部のOPAMPの特性がプラスとマイナスでマッチしていることが重要です。アンバランス入力においても、差動ラインレシーバが差動信号としてシングルエンドの信号を受信します。信号線とGNDに乗ったコモンモードノイズをキャンセルする働きがあるため、一般的なアンバランス入力のアンプよりもノイズには有利です。
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- バランス変換して出力している理由
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バランス入力/バランス出力という構成を実現するためでもありますが、そもそもバランスで駆動するメリットはいくつかあります。ヘッドホンを鳴らすためにはアンプからたくさん電流を供給する必要があります。アンプは電流を出力するほど歪みやすいという特徴があります。バランスアンプであれば、発生した偶数次の歪をヘッドホンでキャンセルすることができます。脇道に逸れますが、奇数次の歪をキャンセルすることは難しく、基本的には電流を出力してもそもそも奇数次歪が発生しないアンプ(構成も含む)を用いるしかありません。奇数次歪を抑制するため、TSURANAGIではコンポジット(複合)アンプ構成とし、電流を出力する電流帰還アンプの歪を負帰還し、全差動アンプが抑える動作をしています。この動作は偶数次歪も抑えるため、全体の歪はさらに小さくなります。
もう一つの理由は、ポータブルという限られた電源電圧においても、大きな振幅を出力することができるという点です。シングルエンドのアンプですと、ヘッドホンに振幅を送るのはHOT側のみとなりますが、BTLではHOT用アンプとCOLD用アンプの両方で駆動(吐き出しと吸い込み)するため、ヘッドホンに送ることができる最大の振幅は、同じ電源電圧でも2倍にできます。電圧が2倍になるので電流も2倍となり、BTLアンプがシングルエンドより4倍の電力を供給できる理由です。
製品仕様
■ スペック | |
---|---|
入力端子 |
アンバランス:3極3.5mm バランス:5極4.4mm(GND結線) |
出力端子 | 5極4.4mm(GND結線) / 4極2.5mm |
電圧ゲイン(ボリューム最大) | 10.5dB |
最大入力 (ボリューム最大) | 1.5Vrms (2.1Vpeak) |
周波数特性(-3dB) | 2Hz - 200kHz |
推奨負荷インピーダンス | 16ohm以上 |
最大出力(16ohm, THD+N<0.01%) | 700mW + 700mW |
最大出力(32ohm, THD+N<0.01%) | 1000mW + 1000mW |
最大出力(300ohm, THD+N<0.01%) | 100mW + 100mW |
THD+N (BW=20kHz, 1Vrms出力,16ohm) | < 0.005% |
THD+N (BW=20kHz, 1Vrms出力,300ohm) | < 0.002% |
THD+N (BW=20kHz, 3.4Vrms出力,300ohm) | < 0.0007% |
クロストーク(20Hz - 20kHz) | < -100dB |
バッテリー持続時間 | 最大8時間 |
質量 | 360g |
寸法(W x H x D), 突起部含まず | 80mm x 30mm x 120mm |
充電端子 | USB Type-C |
バッテリー容量 | 7.4V 2800mAh |
充電時間 | 5時間以内 (5V2AのACアダプタを使用) |
付属品 | 専用BOX |