高音の質:50
中音の質:40
低音の質:45
細やかさ:45
迫力:40
音場:40
遮音性:50
非常に満足度が高く感動したので初めてレビューを書きます。
断っておくと、当たり前ですがより高価格帯の機種と比較すると解像度や音場の広さでは劣ります。しかしそれ以上の魅力に溢れています。迷っている方は購入を強く勧めます。音質を中心に魅力をお伝えできれば幸いです。
商品説明によるとDDが全ての音域を鳴らし、BAが高音の一部を補完する形を取っているようで、各音域のつながりは非常にスムーズであるにもかかわらず高域に強い個性があります。
低音はそこまで強くなく、そういった意味では迫力に欠けるともいえますが、必要最低限は出ていますしある意味このくらいがちょうどいい塩梅なのかなとも思います。
音の傾向としては「フラット」と言うよりはどちらかと言えば「ドンシャリ」に分類されるのかなと。ただオノマトペ的には低音は「ドゥム」で高音は「カリッ」って感じです。先に述べたとおり、この高音が一聴してわかるproject Mの最も特徴的な個性かなと思います。
ちなみに箱出しの状態ではこの高音がかなり刺さるため、「聴きながらエージングする派」の私でもエージングは必須でした。10〜20時間くらいでOK。
音の暴れが馴染むと、この高音が「刺さるか刺さらないかギリギリ」のところで耳介から鼓膜の薄皮を刺激してとても心地いいのですが、時にこれが楽曲を官能的な方向に導いてくれます。
新しいイヤホンで「あ、これヤバい」って最初に感じる瞬間ってあると思いますが、私の場合Jerome Thomasの「that secret sauce」というアルバムで、思わず「うわエッロ」っと声が出たほどです。ネオソウルは相性良いです。
この高音は色気方向だけでなく、楽曲のさまざまな魅力を引き出してくれます。例えばクリックノイズなんかは硬く細かく弾けるのでベイパーウェーブ以降のローファイアンビエントやミニマルダブなんかとも相性が良いです。最近のジャズや、近年再評価著しい90年代のアンビエントテクノなどもすごく良い。
全体的にジャンルは選ばないと思います。
音場は前後左右ともにさほど広くありませんが、斜め上方向に音のレイヤーが細かく薄く幾重にも重なり、まるで3D映像を観ているかのような立体的な音像を感じます。
筐体については2pinというのが個人的に気になってましたが、awesome plugのおかげでリケーブルの必要性がなく、ケーブルもしっかりしているのにしなやかで取り回しもいいです。IEM型なので耳の奥で安定してくれて付け心地も抜群で言うことありません。
イヤピは付属の蓄光Eタイプは勿体無くて使えないのでRadius ZONE付けてますが音的にも見た目的にも相性がよく気に入ってます。
長年「DD一機一筋」でしたが完全に考えが覆りました。これが現状マイベストイヤホンです。
Navigatorと出会いproject Mをお迎えし、完全にDITAの音作りに惚れてしまいました。ゾッコンです。これからもよろしくお願いします。