高音の質:50
中音の質:50
低音の質:50
細やかさ:50
迫力:40
音場:40
発売されて2年が経過しており、モデル末期の感が否めませんが、最近入手しました。タイトルにも書いた通り、その清々しい音に魅了され、大きな愛着を感じています。
<音質>
とにかく刺激感が極めて少なく、またイヤホンから発せられる様々な音がそのまま素直に鼓膜を揺らしてくれる、そんな音に聞こえます。楽曲の音の各成分がそれぞれ干渉などせず、スムースな音の流れとなって耳に送り込まれる、とでも言ったらいいのでしょうか。例えば低域がボーカルに被ったりするようなことがありませんし、同じようなことがどの帯域でも起こらないように感じます。このように各音の成分や帯域が干渉せず、それぞれ邪魔をしないように聴かせてくれるところがこのイヤホンの最大の特長で、個人的に大きな魅力と感じました。
今の一般的なIEMの一つの方向性として、多ドライバー化などの技術により情報量を増大させ、音質的には深い低音で迫力を出しつつもきれいな中高音を両立させるところにあるように思います。決してそれらの人気機種を否定するつもりは毛頭ありませんが、この機種の音の方向性はそれとは真逆のスタンスに感じられます。
マルチドライバーではありますが、必要十分な情報量の音を、特定の帯域を強調させることなく素直に耳へ送り込んでくれるように感じます。加えてその音の出し方は極めて絶妙で、声や楽器など音楽の各成分をきちんと分離させて、力強い音は力強く、繊細な音は繊細に、音源に含まれる情報と魅力を率直に耳に届けてくれるように感じます。
この音について個人的には、極めて清々しく、まるで清らかな湧水がのどを静かに潤してくれる、そんなふうに感じた次第です。
加えて、音を脚色したりすることはほとんど感じられませんが、かといって面白みの少ない分析的な音になることはなく、音源の魅力を率直に感じさせてくれる、そんな秘めた優秀さも感じられます。
これらの音の傾向から、この機種の音質の特長(私見)を改めてまとめると、
●音が素直に耳に入ってきて、ひずみやノイズ、刺激感が少なく、聴き疲れしない
●音源に含まれる音の各成分が、偏って誇張されたりすることなく、そのまま鼓膜に届くような鳴らし方で、音源の魅力が素直に感じられる
●音の各成分や帯域の干渉が極めて少ないため、各成分が聞き分けやすく、結果として音量を不必要に上げる必要が無い(敢えて大音量にしたくならない →このことも聴き疲れしない一因)
●音の成分どうしの干渉や帯域の被りが皺めて少ないことにより、原音が乱されることなく、それが音の清々しさに繋がり、他の機種にはあまり見られないこの機種の強い個性となっている
となります。
<装着感、その他使い勝手など>
本体は樹脂製なので重量感はなく、形状も含めて装着感は良好です。
付属のイヤーピースやケーブルで上述の特長を十分に感じられますが、種々試した結果、イヤーピースはSednaEarfit max ASMR Standardが、ケーブルはノブナガラボスのKUMOGAKURE(くもがくれ)が、より特徴を際立たせてくれるように感じました。
プレーヤーについて、各音の特長を素直に反映させられ、且つあまり悪い面を誇張しないように感じましたので、特に合う/合わないがあるようには感じられません。(手前味噌ではありますが、手持ちのCayin N7や、A&K…