高音の質：40
中音の質：40
低音の質：40
細やかさ：25
迫力：35
音場：35
遮音性：45
音漏耐性：40
【デザイン】
パーツのつなぎ目は意外と滑らかに処理されていて、
チープな印象は、さほど感じない。
また、イヤホンのボディは、耳のくぼみにフィットするような
デザインだが、耳が小さい人には、大きめに感じるかもしれない。
しかし、そこはワンサイズ上のイヤーチップに NC機能オンで
カバーできるだろう。
【音の傾向】（NC機能オン）
◯高域は、無理に強調することのない、
開放的なサウンドで、長時間聴き続けても疲れにくい。
音の響きや解像度については求めすぎる必要はなく、
むしろ、低価格帯にありがちな強調感を抑えてくれたことに
感謝したくなる。
◯中域は、高・低域とのつながりが意識されている。
中高域あたりにわずかなアクセントがあるが、
ボーカルの刺さりは抑えられている。
男性・女性ボーカルともに、口元をさらりと描く。
◯低域も、各帯域とのつながりを重視している。
低域方向に自然と減衰していくことで、
抜けのいい開放的なサウンドに仕上げられている。
量は多くないが、無理に芯の強さをアピールして
量感を演出されるよりは、よっぽど良い。
細部の描写力についてやや劣る印象は、
さすがに否めなかった。
【使い勝手】
NC機能は、遠くから聞こえる音楽や、ざわざわとした空気が
スッと消えるぐらいのもので、
近くの人の話し声や、近づいてくる車の音は十分に察知できる。
安全面を考慮すると、これぐらいの効き方が使いやすいと思う。
また、NC機能オン・オフ時で、音質の大きな差はみられず、
バッテリーの持ちも悪くないので、
積極的に使うことをオススメする。
音について、人によっては、面白みのないスカスカな音だと
感じるかもしれないが、
タウンユースが想定されているようなイヤホンでは、
むしろ、このくらい圧迫感が少ないほうが、
ながら聴きといった使い方に向いているのではないだろうか。
【総評】
我々人類は、本当に欲張りな生き物である。
安くてイイもの、ハイコスパな製品を見つけては、
「こんなものがあればもっとに良いのに」と不満を漏らす。
しかし、それでも買って使い続けるのは、
「イイものを買うにはお金がある程度必要」
だという事を知っているからである。
そのおかげで、計り知れぬ欲情を
抑えられたのかもしれない。
このイヤホンは、
今後、我々に秘められた欲情を暴走させかねない、
危険な製品である。
試しに、このイヤホンのスペックや価格を知った上で試聴し、
不満を感じるか感じないか、心の声に耳を傾けてほしい。
もし、己の心が欲を漏らしのなら、それは
欲情のリミッターが外れた合図である。
本当にいい時代になったものだ。
