高音の質:45
中音の質:50
低音の質:50
細やかさ:40
迫力:50
音場:40
遮音性:0
音漏耐性:0
■まえおき
本機よりも先に「ikko Audio」の「Obsidian OH10」を購入して使用していた。
フラットバランスのモニター調で違和感のまったくない非常にナチュラルな音質が気に入っていたが、自分の耳の調子があまり良くないときに聴くと、熟年世代の自分自身の耳の感度低下もあり音が大人しく感じて音量を上げ気味になりがちになっていた。
音量を上げて長時間使用は耳へのダメージにつながるので、あまり音量を上げずに聴けそうなドンシャリ系のイヤホンを求めて本機を購入した。
■音質について
期待通りのドンシャリ音質であるが、ドライバーユニットの改良の積み重ねで3世代となり非常に歪み感を抑えたのが特徴で、私が聴いた印象もドンシャリ系でありながら耳障りな固さや刺激感は少なく比較的上品な傾向な音だという感じ。
また、本機の特徴として音質チューニングを変えた2つのサウンドモード(リスニングスタイル)を切り替える機能が備わっており、気分や耳の調子に応じて音質を変えて楽しむことができるのが本機の良いところ。
サウンドモードは、ボディ表面の中央に組み込まれた極小のスライドスイッチで切り替えるようになっており、低域(20Hz)/中域(1kHz)/高域(10kHz)の各インピーダンスを切り替えるしくみ。
つまり、ドライバーユニットの振動板のダンピングファクタ(制動係数)が変わることにより音質が変化するしくみと同じ。
インピーダンスの大きさ=電流の流れやすさ=制動力(ダンピングファクタ)
という関係で、インピーダンスが大きければ電流が流れにくく制動力が下がりダブついた(ふくよかな)音になり、逆にインピーダンスを小さくし制動力が上がれば引き締まった音になる。
○サウンドモード1(デフォルト)
インピーダンス設定=低域:17Ω/中域:18Ω/高域:12Ω
中低音が量感豊か(ふくよか)で、高音がシャキッと際立つ。
言わばメーカーであるTFZ得意のドンシャリ系の音らしいが、高音に比べ低音はしなやかな傾向なので刺激的ではない。
私が期待していた音だったと言える。
○サウンドモード2(ライブモニタリング向け)
インピーダンス設定=低域:15Ω/中域:17Ω/高域:18Ω
モード1よりもドンシャリ感を抑えたフラット傾向でモニター調になる。
低音は引き締まり量感よりも楽曲の持つリズム/テンポ感を強調させ、高音は滑らかで伸びのある上品で美音な味付けという感じ。
「ikko Audio」の「Obsidian OH10」の音質に近くなる、ドライバーユニットの型式(性格)の違いは感じられるので使い分けができそう。
■その他
付属ケーブルは非常にしなやかで取り回しに優れていてタッチノイズもほとんど感じない。
できればバランス接続タイプのものも付属して欲しかった。
■まとめ
本機は、冒頭に記したような私の意図した音作りになっていたと実感できた。
しかも、前述のサウンドモード(リスニングスタイル)切り替え機能のおかげで音楽を聴くことの自由度/対応度を広げてくれて、私にとっては「一粒で二度おいしい!」というかなり昔にあった某メーカーのキャラメルのキャッチフレーズを思い出させるようなコスパの良い一品だと言える。