とにかく価格を見て驚愕する美サウンド! このチューニングをしたエンジニアに拍手です。
本当にお値段以上の価値のあるイヤホンで、中古で衝動買いしました。予備にもう1つほしいほど。
音の傾向は、一見DDドライバらしくない、艶があり元気。でも間違いなくDDドライバの暖かい音です。音のこもりは感じられず澄んでいて、モニターライクといえばモニターライク。ほんのちょっとキラキラしています。
J-POPではボーカルが前に出てくるし、オーケストラでは弦楽器が前に出てきます。響きは素晴らしいのですが、音場は頭の「外」ではなく「中」に広がるタイプで、広いという傾向ではありません。
よく比べて聞くと解像感は決して高くないのですが。でも「分離しすぎず響かせる音づくり」が素晴らしいので、単体で聞く分には全く気にならないです。
たとえばオーケストラ編成の曲でシンバルの余韻を楽しむようなサウンドの場合、人間の鼓膜って破裂音が「シャン!」と大きな音で来られると耳が緊張してそのあとの「余韻」が薄れてしまうんですよね。このイヤホンはそのあたりの処理が本当に上手い。この手の処理のうまさはFinalのE5000に通じるものがあります。多ドラ構成の「音質」のつながりが気になるという人には共感を得られるイヤホンだと思います。たとえばシンバルの「破裂音」と「残響」を担当しているドライバがそれぞれ違うかような違和感はまったくないです。それでいてDDにありがちなちょっとこもったような音は一切ありません。不思議です。これで4500円は開発費も入れたら原価割れしているのではないか心配になるほど。
私の好みの音の系列を以下に列挙します。これらのイヤホンを店頭で聞いてみて気に入ったという方は本機をぜひ聞いてみてください! 普段使い用にラインナップに入れたくなるかもしれません。
・Empire Ears: RAVEN
・THIEAUDIO: Hype10
・AAW: Z06
・Westone: W40 (廃版)
・Technics: EAH-AZ80 (ワイヤレス)
・Final: E5000
・SENNHEISER: IE200
・Marshall: Mode EQ